人気株25銘柄の半数が40%以上暴落!JX金属・村田製作所は好業績でも急落、今は絶好の買い場なのか?

本記事は、YouTube動画『人気株25銘柄の半分が4割超えの暴落』の内容を基に構成しています。

日経平均株価は過去1年間の高値から10%強の下落にとどまっている一方、個人投資家に人気の高い銘柄では、それを大きく上回る株価下落が発生しています。

動画で取り上げられた人気株25銘柄のうち、実に12銘柄が過去1年間の高値から40%以上下落しました。

なかでも、JX金属は49%安、村田製作所は46%安となるなど、株価がほぼ半値になった銘柄もあります。

しかし、興味深いのは、これらの企業の業績が必ずしも悪化しているわけではないという点です。

JX金属や村田製作所、フジクラなどは、株価が大幅に下落する一方で、会社側が年間営業利益予想を上方修正しています。村田製作所に至っては、過去最高の営業利益を見込んでいます。

なぜ、業績が好調なのに株価は暴落するのでしょうか。

今回の動画では、人気株25銘柄の決算内容を分析し、株価下落の背景を「業績悪化」と「市場の期待の縮小」に分けて検証しています。

さらに、過去5年間の株価データを使い、急騰後に40%下落した銘柄が、その後どのような値動きをしたのかについても調査しています。

株価が大きく下がった銘柄は本当に割安なのか、それとも今後さらに下落する可能性があるのか。個別企業の業績と株価評価の両面から解説します。

目次

人気株25銘柄のうち12銘柄が40%以上下落

今回の分析で注目すべきなのは、日経平均株価と個別銘柄の値動きに大きな差が生じていることです。

日経平均株価は年間高値から10%強の下落ですが、調査対象となった人気株25銘柄のうち12銘柄は40%以上下落しています。

株価指数だけを見ていると、市場全体の下落が比較的軽微に感じられるかもしれません。しかし、個別銘柄では深刻な調整が進んでいることが分かります。

さらに、40%以上下落した12銘柄を調べたところ、営業赤字や営業利益の半減、業績予想の下方修正といった明確な業績悪化が確認されたのは3銘柄だけでした。

一方、株価が大幅に下落したにもかかわらず、7銘柄では高値をつけた後に会社側が業績予想を上方修正しています。

しかも、その7銘柄すべてで、上方修正直後の取引日の終値よりも10月20日時点の株価が低くなっていました。

つまり、好決算や上方修正が発表されても、株価の下落を止められなかったということです。

この現象を理解するためには、企業の利益だけではなく、株価に織り込まれていた期待の大きさにも注目する必要があります。

暴落した人気株を3つのグループに分類

動画では、人気株25銘柄を株価下落率と企業業績の変化に基づいて分類しています。

分類の基準は、過去1年間の高値からの下落率と、その後の業績内容です。

分類判断基準銘柄数
業績も崩れた株高値から20%以上下落し、下方修正・営業赤字・営業利益半減のいずれかに該当3銘柄
期待がしぼんだ株高値から20%以上下落したものの、上記の業績悪化条件には該当しない12銘柄
まだ大きく下がっていない株高値からの下落率が20%未満9銘柄
判定対象外会社側が業績予想を公表しておらず、同じ基準で判断できない1銘柄

なお、ソフトバンクグループは会社側が業績予想を公表していないため、今回の基準では分類できない銘柄とされています。

ここで重要なのは、「期待がしぼんだ株」という分類が、株価下落の原因を確定させたものではないことです。

あくまで、今回設定した業績悪化の条件に当てはまらなかった銘柄を便宜的に分類したものです。

業績悪化が確認された3銘柄

40%以上下落した銘柄のうち、業績面でも明確な悪化が確認されたのは、サムコ、東洋エンジニアリング、岡本硝子の3銘柄です。

サムコは、前期の営業利益が13億円となり、その前の期の369億円から大幅に減少しました。直近の3か月決算でも営業赤字となっています。

東洋エンジニアリングは、1月の高値をつけた後、2月に業績予想を赤字へ下方修正しました。前期の営業損益も19億円の赤字です。

岡本硝子についても、直近3か月の営業赤字が拡大しています。

これらの銘柄は、株価下落の背景に業績悪化という具体的な材料が存在しています。

そのため、単純に「高値から40%以上安くなった」という理由だけで割安と判断することはできません。

上方修正しても暴落した7銘柄

一方で、株価が40%以上下落した銘柄のなかには、業績予想を上方修正している企業も複数存在します。

例えば、フジクラは営業利益予想を2回引き上げ、期初予想の2倍以上となる4,320億円に修正しました。

太陽誘電も営業利益予想を300億円から450億円へ、古河電気工業は950億円から1,230億円へ上方修正しています。

それにもかかわらず、株価は下落しました。

特に、JX金属、フジクラ、古河電気工業の3銘柄は、上方修正直後の取引日の終値から、さらに20%以上下落しています。

これは、企業業績の改善だけでは株価上昇を保証できないことを示す事例です。

好業績なのに株価が暴落する理由とは?

株価を理解するうえで重要なのが、企業利益と株価評価の関係です。

株価は、簡略化すると次の関係で表せます。

株価 = 1株当たり利益(EPS)× 株価収益率(PER)

EPSは企業が1株当たりどれだけ利益を稼いでいるかを示し、PERは投資家がその利益の何倍まで株価を支払っているかを示す指標です。

企業の利益が伸びていても、PERが大きく低下すれば株価は下落します。

今回の人気株では、このPERの低下、いわゆるバリュエーションの調整が重要な論点となっています。

暴落前に株価が急騰していた

40%以上下落した12銘柄のうち、11銘柄は高値をつける前の半年間に株価が2倍以上になっていました。

具体的には、次のような急騰が起こっています。

銘柄高値前の約半年間の上昇倍率
キオクシア約11倍
太陽誘電約6.5倍
古河電気工業約6.1倍
村田製作所約3.6倍

こうした株価急騰の背景には、AI関連需要やデータセンター投資の拡大など、将来の成長に対する強い期待があったと考えられます。

しかし、株価が短期間で何倍にもなれば、それだけ将来の成長を先取りして織り込んでいることになります。

企業が好決算を発表しても、市場が期待していた水準に届かなければ、株価は下落する可能性があります。

つまり、業績が悪化したから株価が下がるのではなく、業績に対する期待が高すぎたために株価が下がるという現象が起こり得るのです。

JX金属は49%暴落!上方修正の主因は銅価格と為替だった

JX金属は、今回の分析で特に詳しく取り上げられた企業の1つです。

動画によると、同社の株価は5月11日に5,720円の高値をつけた後、10月20日には2,930円まで下落しました。

高値からの下落率は約49%です。

ところが、会社の業績を見ると、営業利益は大幅に増加しています。

4月から6月の営業利益は814億円となり、前年同期の約2.8倍に拡大しました。

さらに、8月6日には年間営業利益予想を1,900億円から2,320億円へ、420億円上方修正しています。

これほど好調な決算にもかかわらず、なぜ株価は半値近くまで下落したのでしょうか。

上方修正420億円の中身を分析

今回の上方修正について、動画では利益増加の要因を詳しく分解しています。

要因営業利益への影響
為替・銅価格など+402億円
半導体・通信向け材料の販売数量増加+30億円
その他事業の数量変化−93億円
費用差など+81億円
合計+420億円

注目すべきなのは、上方修正420億円の大部分が、為替や銅価格の変動によって生み出されていたことです。

JX金属はAI向け半導体材料などの成長が期待されている企業ですが、今回の利益予想の引き上げでは、本業の成長による数量増加の寄与は限定的でした。

4月から6月の営業利益が前年同期から518億円増加した要因にも、為替や銅価格による265億円の押し上げが含まれています。

さらに、チリの銅鉱山権益の一部売却による約190億円の利益も計上されていました。

つまり、業績が好調であることは事実ですが、その利益のすべてが継続的に成長する事業から生まれているわけではありません。

AI関連事業は実際に成長している

もっとも、JX金属の成長事業そのものが悪化しているわけではありません。

同社が成長の柱と位置づける事業では、4月から6月の営業利益が275億円となり、前年同期比70%増加しました。

年間営業利益予想も820億円から1,000億円へ引き上げられています。

また、今後の設備投資計画では、半導体向け材料の生産能力を約1.3倍、光通信用基板の生産能力を7〜10倍に拡大する方針が示されています。

AIデータセンターや高速通信インフラの拡大を考えると、こうした事業には中長期的な成長余地があります。

しかし、株価が急騰していた時期には、この成長を相当先まで織り込んでいた可能性があります。

そのため、会社全体の利益が増えていても、投資家が期待していた成長事業の利益拡大が十分でなければ、株価は下落することになります。

信用買い残の大きさにも注意

JX金属では、信用取引の需給も注目されています。

動画によると、10月16日の週の信用買い残は2,445万株で、信用倍率は約46倍でした。

信用買い残は発行済み株式数の約2.6%、直近20営業日の平均売買高の約1.3日分に相当します。

信用買い残とは、信用取引で買われたまま、まだ決済されていない株式のことです。

信用買い残が多い場合、株価下落によって含み損を抱えた投資家が損切りしたり、証拠金維持率の低下によって決済を迫られたりする可能性があります。

その結果、株価の下落局面で売り圧力が強まる場合があります。

ただし、信用倍率は信用売り残が少ないだけでも高くなるため、倍率だけで判断するのは適切ではありません。

動画では、信用買い残を発行済み株式数や平均売買高と比較することの重要性を指摘しています。

JX金属については、次回決算で成長事業の営業利益がどこまで伸びているかが重要な確認ポイントになります。

特に、利益増加の要因が銅価格や為替なのか、それとも半導体関連材料の販売数量増加なのかを見極める必要があります。

村田製作所は過去最高益予想でも46%暴落

村田製作所も、好調な決算と株価下落のギャップが際立つ企業です。

動画で示された株価は、4月1日の3,671円から6月22日には12,250円まで上昇しました。

わずか3か月足らずで約3.3倍になった計算です。

しかし、その後は急落し、10月20日の株価は6,643円となりました。

高値からの下落率は約46%です。

一方、4月1日の株価と比較すると、依然として約1.8倍の水準を維持しています。

この点は、暴落した株を分析する際に非常に重要です。

高値から46%下落したと聞くと、非常に割安になったように感じられます。しかし、その前に株価が3倍以上になっていたことを考えると、必ずしも割安とは限りません。

売上高・営業利益ともに好調

村田製作所の4月から6月の売上高は5,023億円となり、四半期として過去最高を記録しました。

営業利益は985億円で、前年同期比60%増加しています。

受注額も過去最高となりました。

さらに、会社側は年間営業利益予想を500億円引き上げ、4,300億円としています。

動画では、過去最高の営業利益が見込まれていることが紹介されています。

このように、少なくとも決算の表面的な数字からは、業績が崩壊しているとは言えません。

それでも株価が46%下落した理由を考えるうえで、重要になるのがPERの変化です。

PERが76倍から36倍に急低下

村田製作所の予想PERは、動画で示された期間に大きく変化しています。

予想PERの推移(動画掲載値)

0倍20倍40倍60倍80倍4月末6月22日高値10月20日

会社予想に基づく動画内の概算値

4月末には約32倍だったPERが、6月22日の高値では約76倍まで上昇しました。

つまり、投資家は企業が生み出す利益に対して、非常に高い評価を与えていたということです。

ところが、その後は株価下落によってPERが約36倍まで低下しました。

高値の76倍から36倍になったことで、市場が上乗せしていた成長期待が大きく縮小したことが分かります。

現在の36倍という水準は、4月末の32倍に比較的近いところまで戻っています。

したがって、今回の株価下落は企業利益の悪化というよりも、急騰局面で膨らんだ成長期待の調整という側面が大きいと考えられます。

AIデータセンター向け事業の成長

村田製作所では、AIサーバーを中心としたデータセンター向け需要が成長要因となっています。

4月から6月のデータセンター向け売上高は697億円で、前年同期比81%増加しました。

年間売上高は3,706億円と、前年度の約2倍を見込んでいます。

ただし、データセンター向け売上高が会社全体の売上高に占める割合は、4月から6月で約14%、年間見通しでは約18%です。

データセンター事業の成長率は非常に高いものの、会社全体の売上高をすべて占めているわけではありません。

高値時点のPER76倍は、この成長分野に相当大きな将来期待が織り込まれていた可能性があります。

為替とコスト増加の影響

一方、動画では注意すべき点も取り上げられています。

村田製作所の営業利益は前年同期比60%増加しましたが、為替の影響を除くと増益率は33%に下がります。

また、売上高予想を1,500億円引き上げた一方、営業利益予想の引き上げ幅は500億円にとどまりました。

会社側は、材料費の高騰や固定費の増加を織り込んだと説明しています。

売上高が増加しても、原材料費や人件費などのコストが上昇すれば、利益率が圧迫される可能性があります。

さらに、受注額が好調であっても、それがすべて最終需要の拡大につながるとは限りません。

販売代理店などが将来の需要を見越して先回りで発注している可能性もあります。

この場合、一時的に受注が増えた後、在庫調整によって発注が減少するリスクがあります。

次の決算で確認すべき数字

村田製作所について、動画では10月30日に予定されている決算が重要な判断材料になるとしています。

特に、データセンター向け売上高が前四半期の697億円から伸びているか、受注の勢いが維持されているかが焦点です。

信用買い残についても、6月19日の週の518万株から10月16日の週には851万株へ、約64%増加しています。

ただし、発行済み株式数に対する割合は約0.4%、平均売買高の約0.4日分です。

JX金属と比較すると、信用買い残による需給への影響は相対的に小さい水準となっています。

村田製作所も、今回の分類では「業績は崩れていないものの、株価が大幅に下落した銘柄」に該当します。

東京海上HDは高値圏を維持!株価が下がらない企業にも注意点

今回の動画では、大幅に下落した銘柄だけでなく、高値圏を維持している東京海上ホールディングスについても分析しています。

東京海上HDの10月20日の株価は544.3円でした。

同社は10月1日に1株を15株に分割しているため、分割前の株価と比較する際には調整が必要です。

年間高値からの下落率はわずか2.7%にとどまっています。

JX金属や村田製作所とは対照的な値動きですが、必ずしも業績が好調だから株価が下がっていないというわけではありません。

修正純利益は前年同期比3.6%減

東京海上HDが本業の収益力を評価する指標として示している修正純利益は、4月から6月に2,613億円となりました。

前年同期比では3.6%の減少です。

特に、国内損害保険事業の利益は20.8%減少しています。

一方、海外保険事業の利益は1,643億円となり、修正利益の約6割を占めています。

海外保険事業は前年同期比9.2%増益でしたが、為替の影響を除くと2.1%の減益でした。

つまり、会社全体の利益には海外事業と為替の影響が大きく関係しています。

株価が高値圏を維持しているからといって、企業利益が一貫して増加しているわけではありません。

保険料の値上げが今後の焦点

動画では、東京海上HDの次回決算で注目すべき点として、国内損害保険事業の収益改善を挙げています。

自動車保険などの保険料引き上げによる増収が、事故対応費用や保険金支払いの増加を上回れるかどうかが重要です。

保険会社は保険料収入が増えても、保険金支払いがそれ以上に増加すれば収益が悪化します。

そのため、単純な売上高ではなく、保険引受事業の収益性を確認する必要があります。

東京海上HDの事例は、株価が下がっていない企業でも、業績面にはさまざまな課題が存在することを示しています。

なお、株式分割によって株価や信用取引残高の表示数量が変わるため、過去の数字と比較する際には分割調整が欠かせません。

株価が40%暴落した後、さらに20%下がる可能性も

今回の動画で特に興味深いのが、過去5年間の株価データを使った検証です。

株価が年間高値から40%下落した場合、その後は反発するのでしょうか。

それとも、さらに下落するのでしょうか。

動画では、調査対象の25銘柄について、過去5年間に年間高値から初めて40%下落した事例を抽出しています。

さらに、高値をつける前の半年間に株価が2倍以上になっていたかどうかで結果を比較しています。

急騰後の40%安は、さらに下落しやすかった

検証結果によると、高値をつける前の半年間で株価が2倍以上になっていた銘柄では、40%下落した後の値動きに特徴が見られました。

40%下落後、3か月以内にさらに20%下落した割合

0%25%50%75%100%急騰後(11例)それ以外(14例)

高値をつける前の半年間に株価が2倍以上になっていたケースでは、11回中7回、約64%で、その後3か月以内にさらに20%以上下落しました。

一方、それ以外のケースでは14回中4回、約29%でした。

つまり、急騰後に40%下落した銘柄は、それ以外の銘柄と比較して、さらに20%下落する割合が約2.2倍だったことになります。

ここで注意したいのは、追加で20%下落するという意味です。

例えば、100円から60円まで下落した株価が、さらに20%下落すると48円になります。

最初の100円から考えると、合計52%の下落です。

一度大きく下がったからといって、そこが底値になるとは限りません。

特に、短期間で何倍にも上昇した銘柄では、投資家の期待が縮小する過程で、想定以上に大きな調整が発生する場合があります。

1年後には75%の事例で株価が回復

一方、より長期の値動きを調べると、異なる結果も確認されています。

40%下落した後、1年間の株価推移を確認できた16事例では、12事例で1年後の株価が40%下落到達時点を上回っていました。

割合にすると75%です。

また、上昇率の中央値はプラス118%となっていました。

これは、40%下落した銘柄の中にも、その後大きく反発した事例が存在したことを意味します。

ただし、16事例のうち6事例、約38%では、1年以内にさらに20%以上下落する局面がありました。

最終的に株価が回復したとしても、その途中で大きな含み損を抱える可能性があるということです。

検証結果には生存者バイアスがある

動画では、この過去検証の限界についても説明されています。

今回の25銘柄は、現在人気のある企業を基準に選ばれています。

そのため、過去に大幅下落した後、業績が悪化して市場から注目されなくなった企業や、上場廃止になった企業などは十分に含まれていません。

このように、現在残っている企業だけを対象に検証することで、過去の投資成績が実際より良く見えてしまう現象を「生存者バイアス」と呼びます。

そのため、今回の検証で1年後に75%が上昇していたとしても、すべての暴落銘柄に同じ傾向が当てはまるとは限りません。

また、今回の急騰後の11事例には、比較的新しい下落局面が多く含まれています。

サンプル数も限られているため、将来の株価を予測する確実な法則として扱うべきではないでしょう。

それでも、急騰した株が40%下落した後、さらに大きく下げる可能性があるという点は、投資判断において重要な教訓といえます。

暴落株を買う前に確認したい4つのポイント

今回の動画では、株価が下落した企業を分析する際に、4つの観点を重視しています。

1. 株価下落の背景で何が変わったのか

まず確認したいのは、株価下落の前後で企業の状況がどのように変化したかです。

営業利益が減少したのか、業績予想が下方修正されたのか、それとも利益は増えているのに株価だけが下がっているのかを確認します。

同じ40%の下落でも、業績が悪化した企業と、過熱していた株価評価が調整された企業では意味が異なります。

2. 利益の増減は一時的なものか、構造的なものか

次に重要なのが、企業利益の変化が一時的な要因によるものなのか、長期的に続く事業環境の変化によるものなのかという点です。

例えば、JX金属では銅価格や為替が営業利益を大きく押し上げました。

しかし、銅価格や為替は将来的に逆方向へ動く可能性もあります。

一方、半導体材料の販売数量増加や生産能力の拡大は、継続的な成長につながる可能性があります。

この違いを区別することが重要です。

3. 強気材料だけでなく反対の材料も確認する

投資家は、自分が保有している銘柄について、都合の良い情報を重視してしまう傾向があります。

しかし、投資判断では強気材料と弱気材料の両方を確認する必要があります。

村田製作所であれば、AIデータセンター向け売上高の急増は強気材料ですが、PERの高さや原材料費の増加、代理店による先行発注の可能性は注意材料です。

好材料だけで判断すると、想定外の業績変化や株価下落に対応できなくなる可能性があります。

4. 次の決算で確認する数字を決めておく

最後に、投資判断を見直すための具体的な数字を事前に決めておくことが重要です。

今回紹介された3銘柄であれば、次のように整理できます。

銘柄次回決算で注目するポイント
JX金属半導体・通信向け材料など成長事業の利益と販売数量
村田製作所データセンター向け売上高と受注の伸び
東京海上HD国内損害保険事業の利益改善

こうした数字を事前に設定しておけば、株価が上昇したから強気になる、下落したから弱気になるという感情的な判断を減らせます。

現物投資と信用取引では注意点が異なる

今回の動画では、投資家がどのような方法で株式を保有しているかによって、確認すべきポイントが異なることも説明されています。

現物株を保有している場合

現物株を保有している場合、まずはその銘柄が今回の3つの分類のどこに該当するのかを確認することが重要です。

高値からの下落率を調べたうえで、会社の業績予想や直近の四半期営業利益を確認します。

業績が悪化している場合は、今後の回復可能性を検討する必要があります。

一方、業績が維持されている場合は、株価下落が期待の縮小によるものなのか、今後の成長率鈍化を先取りしているのかを確認します。

現物株には信用取引のような返済期限はありませんが、保有期間が長ければ必ず株価が回復するわけではありません。

信用取引を利用している場合

信用取引では、企業業績に加えて需給と返済期限が重要になります。

動画では、信用買い残の大きさを確認する際、信用倍率だけではなく、発行済み株式数に対する割合や平均売買高との比較も必要だと指摘しています。

また、制度信用取引では、原則として建玉の返済期限が6か月となっています。

例えば、5月から7月の高値圏で制度信用による買い建てを行った場合、その返済期限は11月から翌年1月にかけて到来する可能性があります。

多くの投資家が含み損を抱えた状態で返済期限を迎えると、株価が下落している局面で売り圧力が強まることも考えられます。

そのため、信用取引では企業決算の日程だけでなく、自分自身の建玉の返済期限も確認しておく必要があります。

これから購入を検討している場合

まだ株式を保有していない投資家については、株価下落だけを理由に購入を急ぐ必要はないという考え方が示されています。

動画で紹介された決算予定では、10月28日のアドバンテストを皮切りに、11月中旬にかけて人気株25銘柄の決算が順次発表されるとしています。

これらの決算では、会社側が利益予想を維持できるのか、上方修正が行われる場合はその要因が何なのかを確認することが重要です。

特に、販売数量の増加による利益成長なのか、為替や市況の変化による増益なのかによって、投資家の評価は変わる可能性があります。

まとめ:40%暴落した株は本当に割安なのか?

今回の動画では、人気株25銘柄のうち12銘柄が高値から40%以上下落している実態が紹介されました。

しかし、株価の下落率が同じでも、企業ごとに事情は大きく異なります。

サムコ、東洋エンジニアリング、岡本硝子のように、業績面でも明確な悪化が確認された企業があります。

一方、JX金属や村田製作所のように、会社の利益予想が引き上げられているにもかかわらず、株価が大幅に下落した企業もあります。

こうした企業では、株価が急騰していた時期に織り込まれた成長期待が大きく縮小した可能性があります。

特に、急騰後に40%下落した銘柄については、今回の過去検証で、その後3か月以内にさらに20%以上下落した事例が約64%に達しました。

一方、1年後に株価が回復していた事例も多く、下落後の値動きが一方向に決まるわけではありません。

重要なのは、株価がどれだけ下がったかではなく、企業の収益力と成長期待が現在の株価に対して妥当かどうかです。

40%下落した株が必ずしも割安とは限らず、逆に株価が高値圏を維持しているからといって業績が盤石とも限りません。

企業の利益予想、実際の決算内容、成長事業の売上高、信用取引の需給などを総合的に確認する必要があります。

今後の決算発表では、単に増益か減益かを見るだけでなく、利益を押し上げた要因が一時的なものか、継続的な成長につながるものかを見極めることが重要になるでしょう。

なお、本記事の株価、業績数値、決算予定などは動画で紹介された情報に基づいており、独立した最新情報の照合は行っていません。個別銘柄の検討に際しては、企業の最新IR資料なども確認する必要があります。

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