本記事は、YouTube動画『日経平均7万円突破で日本株はどこまで上がるのか』の内容を基に構成しています。
日経平均7万円突破で日本株への注目が一段と高まる
2026年6月中旬、日経平均株価がついに7万円を突破しました。終値ベースで7万円台に到達したのは6月18日とされており、日本株市場にとって大きな節目となりました。
振り返ると、日経平均が3万円から4万円を超えるまでには約4年、4万円から5万円を超えるまでにも約1年を要しました。しかし、5万円から6万円までは約半年、そして6万円から7万円まではわずか2ヶ月弱で突破しています。
年初来でも日経平均は40%近く上昇しており、急ピッチな株価上昇に驚いている投資家も多いのではないでしょうか。
こうした動きを受けて、日経平均に対する強気な見方も増えています。著名エコノミストのエミン氏は以前から日経平均30万円説を唱えており、野村グループのストラテジストからは2040年に日経平均が24万円になるというレポートも出されています。
もちろん、こうした強気予想が増えることは、日本株への期待が高まっている証拠です。一方で、強気派が増える局面は、バブル的な雰囲気が生まれやすい局面でもあります。
では、現在の日本株高は本当にバブルなのでしょうか。それとも企業業績に支えられた合理的な上昇なのでしょうか。
戦後から続く日経平均の歴史と長期停滞からの転換
日経平均株価の長期チャートを見ると、戦後の1949年から日本株は大きな変動を繰り返してきました。特に1970年代から1980年代にかけての上昇は非常に力強く、1989年の大納会では日経平均が3万8915円という当時の史上最高値を記録しました。
これは、いわゆる平成バブルの頂点です。当時の日本は土地価格や株価が急騰し、世界でも有数の経済大国として勢いを見せていました。
しかし、その後の日本経済と日本株は、長い停滞の時代に入ります。バブル崩壊後、日経平均は長期にわたって低迷し、かつての最高値を回復するまでに30年以上を要しました。
この長期停滞の背景には、不良債権問題、デフレ、人口減少、企業の低収益体質、金融政策の遅れなど、さまざまな要因がありました。
ところが、コロナショック後の世界的な金融緩和、インフレの定着、企業業績の改善、そしてAI・半導体ブームの追い風によって、日本株はここ数年で急激に上昇しています。
日経平均とTOPIXの差が広がっている理由
日本株全体が上昇しているように見えますが、実際には日経平均とTOPIXのパフォーマンスには大きな差があります。
動画撮影時点で、日経平均は年初来で約37%上昇している一方、TOPIXは約16%の上昇にとどまっています。TOPIXの16%上昇も株価指数としては十分に大きな上昇ですが、日経平均の40%近い上昇と比べると、かなり差が開いています。
この違いは、指数の構造にあります。
TOPIXは、東証プライム市場に上場している約1700銘柄を対象とした時価総額加重平均型の指数です。つまり、日本株全体の実力を比較的広く反映する指数だといえます。
一方、日経平均は修正単純平均型の株価指数です。簡単に言えば、株価の絶対値が高い「値がさ株」の影響を受けやすい仕組みになっています。
そのため、アドバンテスト、東京エレクトロン、ファーストリテイリング、ソフトバンクグループといった値がさ株が大きく上昇すると、日経平均全体も大きく押し上げられます。
特に現在はAIブーム、半導体ブームが強烈な追い風になっており、これらの関連銘柄が日経平均を大きく引っ張っている状況です。
日本版マグニフィセント7が相場をけん引している
米国株では、巨大テック企業をまとめて「マグニフィセント7」と呼ぶことがあります。日本株市場でも、それに似た「日本版マグニフィセント7」という言葉が使われるようになっています。
動画内では、以下のような銘柄が日本版マグニフィセント7として紹介されています。
・キーエンス
・ソフトバンクグループ
・東京エレクトロン
・村田製作所
・アドバンテスト
・日立製作所
・信越化学工業
これらの銘柄は、AI、半導体、先端技術、設備投資などのテーマに関係しやすく、ここ最近の日本株上昇の中心になっています。
中でも特に注目されているのがキーエンスです。株価は10万円を超え、時価総額でも日本トップクラスに位置する企業となっています。動画では、年初来の上昇率が約10倍という表現もあり、非常に強い値動きが紹介されていました。
ただし、日本版マグニフィセント7と呼ばれる銘柄すべてが一様に上昇しているわけではありません。中には年初来でマイナスになっている銘柄もあります。
つまり、現在の日本株高は、日本株全体がまんべんなく上がっているというより、一部のAI・半導体関連銘柄が指数を強烈に押し上げている相場だと見る必要があります。
日本株全体が上がっているわけではない
日経平均が7万円を突破したと聞くと、日本株全体が好調だと感じるかもしれません。しかし、実際には年初来で下落している銘柄も数多く存在します。
その代表例として動画で挙げられていたのが、トヨタ自動車です。
日経平均が年初来で約37%上昇している一方、トヨタ自動車は約18%下落していると説明されています。特に4月以降の数ヶ月で差が大きく開き、日経平均とトヨタ自動車のパフォーマンスには約50%もの差が生じています。
日本株が大きく上昇している一方で、自動車株や一部の内需株、防衛関連、医薬品などは苦戦している銘柄もあります。
最近では「株不況」や「K字経済」という言葉も使われますが、これは上がる銘柄と上がらない銘柄の差が大きく開いている状況を表しています。
つまり、日経平均だけを見ると非常に強い相場に見えますが、その中身を見ると、かなり偏った上昇相場であることが分かります。
2040年に日経平均24万円という予測の根拠
動画の中心的なテーマの1つが、野村グループから出された「2040年に日経平均24万円」という見通しです。
日経平均が現在の7万円前後から24万円になるとすれば、3倍以上の上昇になります。数字だけを見ると非常に大胆な予測に見えますが、動画では、そのロジック自体はそこまで突飛なものではないと説明されています。
ポイントは、企業利益の成長です。
日本では長らくデフレが続いてきましたが、近年はインフレが定着しつつあります。2025年度の名目GDPは約670兆円となり、5年連続で過去最高を更新したとされています。成長率も4.1%とされ、日本企業の経常利益も過去最高を更新しています。
これは、かつてのデフレ経済とは明らかに違う環境です。
株価は長期的には企業利益と連動します。企業の利益が伸びれば、株価もそれに合わせて上昇しやすくなります。
EPS成長率10%が続けば日経平均24万円も見えてくる
動画では、日経平均24万円説の計算根拠として、EPSの成長率が紹介されています。
EPSとは「1株あたり利益」のことで、企業がどれだけ利益を生み出しているかを示す重要な指標です。株価は大まかに言えば、EPSとPERの掛け算で決まります。
株価 = EPS × PER
野村側の考え方では、1993年から2021年までのEPS成長率は年率7.4%だったとされています。その間の名目GDP成長率は年0.5%であり、その差分である約6.9%を企業努力による増益率と見なします。
そして今後は、実質経済成長率1%に物価上昇率2%を加え、名目GDP成長率を3%と想定します。
企業努力による増益率7%に、名目GDP成長率3%を足すと、EPS成長率は年10%になります。
この年10%のEPS成長が2040年まで続くと、複利効果によって日経平均は24万円に到達するという計算です。
もちろん、毎年10%の利益成長が続く保証はありません。しかし、インフレが定着し、企業が価格転嫁を進め、利益を伸ばす環境が続くならば、理論上は決して不可能な数字ではないという見方です。
現在の日本株はバブルなのか
日経平均が急騰すると、多くの人が「これはバブルではないか」と考えます。
しかし、動画では、現在の日本株高を単純にバブルと決めつけるのは違うと説明されています。
その理由は、企業業績がしっかり伸びているからです。
バブルとは、本来の価値や利益成長を大きく超えて価格だけが上がっていく状態を指します。ところが現在の日本株は、少なくとも現時点では、半導体関連企業を中心に売上や利益が大きく伸びています。
世界では、GAFA、Anthropic、OpenAI、宇宙関連企業など、ハイパースケーラーと呼ばれる巨大企業群がAI関連の設備投資を急拡大させています。その投資額は非常に大きく、日本の国家予算に匹敵するほどの規模とも表現されています。
この巨大な設備投資に対して、半導体や半導体製造装置を供給する企業の業績が伸びるのは自然な流れです。
そのため、現在の株価上昇は「業績なきバブル」ではなく、「業績に支えられた株高」と見ることができます。
ITバブルや平成バブルとの違い
過去の代表的なバブルとして、2000年前後のITバブルがあります。
1995年頃からナスダック総合指数は急騰し、750ポイント程度から一時5000ポイントを超える水準まで上昇しました。約5年間で6倍以上になったわけです。
しかし、その後ナスダックは1200ポイント台まで急落し、わずか2年半ほどで4分の1以下になりました。当時のITセクター全体の予想PERは160倍を超えていたとされ、明らかに過熱感が強い状態でした。
一方、1980年代の日本で起きた平成バブルでは、土地価格の上昇を前提にした株価評価が広がりました。「含み益」や「PBRの変化系列」といった都合の良い新しい言葉が生まれ、実態以上に企業価値が高く見積もられる場面もありました。
当時は、山奥の利便性が高くないリゾートマンションが1億円で売られるような、本質的価値とかけ離れた価格形成も見られました。
こうした過去のバブルと比べると、現在の日本株には、少なくとも現時点ではそこまで強烈な割高感はないと動画では説明されています。
PERとイールドスプレッドから見る日本株の余地
株価の割高・割安を見るうえで重要なのがPERです。
現在の日経平均のPERは歴史的に見れば高めではあるものの、米国株と比べるとまだ落ち着いているとされています。特にTOPIXとS&P500の予想PERを比較すると、日本株は米国株ほど過熱しているわけではありません。
また、株式益利回りとリスクフリーレートの差であるイールドスプレッドを見ても、日本株にはまだ余地があると説明されています。
米国株では、株式益利回りと10年国債利回りの差がすでにマイナス圏に入っています。一方で、TOPIXはまだ2%を超える水準にあるとされています。
資産インフレが進む局面では、このイールドスプレッドが0%に近づくこともあります。そう考えると、日本株にはまだ上昇余地が残っているという見方もできます。
日経平均8万円も視野に入るのか
動画では、日経平均の短期的な想定レンジについても説明されています。
現在の日経平均の予想EPSは約3900円とされています。これにPER18倍を掛けると、ちょうど7万円程度になります。
つまり、現在の7万円という水準は、EPSとPERから見ても極端におかしい数字ではないということです。
さらに、今後EPSが10%成長して4281円程度になった場合、PER18倍なら日経平均は約7万7000円、PER19倍なら約8万1339円となります。
半導体関連企業の業績が引き続き好調であれば、年内に8万円に到達する可能性もあり、少なくとも来年中に8万円を見る確率は高いのではないかと動画では述べられています。
もちろん、急激に上昇しているため、短期的な調整が入る可能性はあります。しかし、調整が入ったとしても、長期的には「下がったら買い」という見方が示されています。
投資先の選択肢1:日経平均インデックスファンド
今後も日経平均が上昇すると考えるなら、最もシンプルな投資先は日経平均インデックスファンドです。
日経平均に連動する投資信託を購入すれば、個別銘柄を選ばなくても日経平均全体に投資できます。代表的なものとしては、eMAXIS Slimシリーズなどの投資信託が挙げられます。
また、上場投資信託であるETFでは、日経平均連動型の1321が有名です。
さらにリスクを取ってリターンを狙いたい場合には、日経平均の2倍の値動きを目指す1570、いわゆる日経レバレッジETFも選択肢になります。
より大きなリスクを取る商品として、楽天日本株4.3倍ブルのようなレバレッジ型商品も紹介されています。これは日経平均の約4.3倍の値動きを目指す商品であり、日経平均が大きく上昇すれば大きな利益が狙える一方、下落時の損失も非常に大きくなります。
そのため、レバレッジ商品は初心者が安易に長期保有するものではなく、リスクを十分に理解したうえで活用する必要があります。
投資先の選択肢2:日本版マグニフィセント7に投資する
日経平均を押し上げている中心がAI・半導体関連銘柄であるなら、その中心銘柄に直接投資するという考え方もあります。
日本版マグニフィセント7とされる銘柄には、キーエンス、ソフトバンクグループ、東京エレクトロン、村田製作所、アドバンテスト、日立製作所、信越化学工業などがあります。
ただし、日本株は基本的に100株単位で購入する必要があるため、株価が非常に高い銘柄では大きな資金が必要になります。
例えば、キーエンスの株価が10万円を超えている場合、100株を購入するには1000万円以上の資金が必要です。これは多くの個人投資家にとってハードルが高いでしょう。
そのため、個別株で直接買うよりも、関連ETFや投資信託を活用する方法が現実的です。
投資先の選択肢3:半導体関連ETFを活用する
個別株に大きな資金を投入するのが難しい場合、半導体関連ETFを活用する方法があります。
動画では、銘柄コード200Aの日経半導体ETFが紹介されています。このETFは、半導体関連銘柄を集めたインデックスファンドであり、組み入れ銘柄にはキーエンス、東京エレクトロン、アドバンテスト、ルネサスエレクトロニクス、ディスコ、信越化学工業、レーザーテックなどが含まれています。
特にキーエンスの組み入れ比率が約33%あるとされており、このETFの3分の1はキーエンスに投資しているような構成になっています。
個別株では資金的に買いにくい銘柄でも、ETFを使えば少額から分散投資できます。
AI・半導体ブームが今後も続くと考える投資家にとっては、有力な選択肢の1つになるでしょう。
投資先の選択肢4:インフレ時代の王道である銀行株
動画では、インフレ時代の王道銘柄として銀行株も挙げられています。
代表例として、三菱UFJフィナンシャル・グループが紹介されています。同社の株価は過去5年間で5.6倍になっており、PBRも1.5倍前後まで上昇しています。
日本銀行がマイナス金利を解除し、利上げ姿勢を示している環境では、銀行にとって収益機会が広がりやすくなります。金利が上がると、貸出金利や運用利回りが改善し、銀行の利益が増えやすくなるためです。
また、メガバンク3行の配当額も、マイナス金利解除後に大きく増加していると説明されています。
例えば、2021年の年初に三菱UFJ株を500円で購入していた場合、2026年の予想配当が1株96円であれば、取得価格に対する配当利回りは約20%になります。
株価上昇によるキャピタルゲインと、配当によるインカムゲインの両方が得られる点で、銀行株はインフレ時代の有力な投資対象と考えられます。
個別株が不安な場合は、銀行株指数に連動するETFを活用する方法もあります。動画では、銘柄コード1615の銀行株ETFが紹介されています。
投資先の選択肢5:あえて逆張り銘柄を狙う
最後の選択肢として、あえて下がっている銘柄を買う逆張り戦略も紹介されています。
日経平均が大きく上がる一方で、医薬品、陸運、自動車、防衛関連など、年初来で下落しているセクターもあります。動画では、医薬品が約5.88%下落、陸運が約4.33%下落、自動車が約11.8%下落、防衛関連が約6.41%下落していると説明されています。
基本的には、強い相場では上がっている銘柄についていく順張りが重要だとされています。しかし、すでに大きく上がった銘柄を買うのが怖いという投資家もいるでしょう。
そのような場合には、中長期の視点で下がっている銘柄を拾う逆張り戦略も選択肢になります。
ただし、下がっている銘柄には下がっている理由があります。単に割安に見えるから買うのではなく、業績回復の可能性、業界環境、配当、財務体質などを確認することが重要です。
日本株投資で注意すべき点
現在の日本株市場には強い追い風があります。インフレの定着、企業利益の拡大、AI・半導体ブーム、金利上昇による金融株の追い風など、複数の材料が重なっています。
しかし、急激な上昇相場では必ず調整も起こります。
特に日経平均は一部の値がさ株に大きく左右される指数です。そのため、AI・半導体関連銘柄に悪材料が出れば、日経平均全体も大きく下落する可能性があります。
また、レバレッジ型商品は上昇局面では大きな利益を狙えますが、下落局面では損失も拡大します。長期投資に向いていない商品も多いため、資金管理が重要です。
投資先を選ぶ際には、自分がどのテーマに投資しているのかを理解する必要があります。
日経平均に投資するのか、半導体に投資するのか、銀行株に投資するのか、あるいは出遅れ銘柄に投資するのか。それぞれリスクとリターンの性質は異なります。
まとめ
日経平均が7万円を突破したことで、日本株市場への注目はさらに高まっています。
今回の動画では、日経平均の急上昇の背景として、AI・半導体関連銘柄の強さ、日経平均という指数の構造、インフレ定着による企業利益の拡大、そして2040年に日経平均24万円という長期予測のロジックが解説されていました。
現在の日本株は、過去のITバブルや平成バブルのような「実態なきバブル」とは異なり、少なくとも現時点では企業業績の成長に支えられた上昇と見ることができます。
一方で、日本株全体が均等に上がっているわけではありません。日経平均を押し上げているのは一部の値がさ株や半導体関連銘柄であり、トヨタ自動車のように下落している大型株もあります。
今後の投資先としては、日経平均インデックスファンド、日経平均ETF、半導体関連ETF、日本版マグニフィセント7、銀行株、銀行株ETF、そして逆張り銘柄など、複数の選択肢があります。
2040年に日経平均が24万円になるかどうかは誰にも断言できません。しかし、インフレと企業利益の成長が続くなら、日本株にはまだ上昇余地があるという見方は十分に成り立ちます。
急上昇している相場だからこそ、短期的な調整には注意しつつも、長期的には日本株の成長を信じて投資するという考え方も有力です。
重要なのは、単に「日経平均が上がっているから買う」のではなく、何が上がっているのか、なぜ上がっているのか、どのリスクを取っているのかを理解したうえで投資判断を行うことです。


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