本記事は、YouTube動画『金融所得の社会保険料反映が決定しました』の内容を基に構成しています。
税収過去最高でも止まらない負担増
日本では近年、国の税収が大きく伸びています。動画では、2025年の国の一般会計税収が84.2兆円となり、6年連続で過去最高を更新したことが紹介されています。
2016年の一般会計税収は55.5兆円でした。それが2017年には58.8兆円、2018年には60.4兆円、2019年には58.4兆円、2020年には60.8兆円、2021年には67兆円、2022年には71兆円、2023年には72兆円、2024年には75兆円、そして2025年には84.2兆円にまで増えています。
つまり、この10年ほどで税収は約30兆円増えたことになります。倍率で見ると、およそ1.5倍です。特に2024年から2025年にかけては、1年で約9兆円も増えています。
本来、税金は国民生活を支えるために使われるものです。道路や医療、教育、防衛、社会保障など、国民が安心して生活するためには一定の税収が必要です。また、税には景気の過熱を抑えたり、格差の拡大を防いだり、タバコ税や酒税のように社会的な行動を調整したりする役割もあります。
そのため、動画内でも「税金のすべてが悪いわけではない」と説明されています。しかし問題は、税収が過去最高を更新し続けているにもかかわらず、国民生活が楽になっていない点です。
物価高と生活苦の中で広がる不満
現在、多くの人が実感している大きな負担が物価高です。特に食料品の値上がりは、子育て世帯、現役世代、高齢者を問わず、すべての人に影響します。
食料品は生活必需品です。外食や嗜好品であれば節約の余地がありますが、米、パン、卵、肉、野菜、調味料などは日々の生活に欠かせません。そのため、食料品の価格上昇は家計に直接響きます。
動画では、政府が過去に「食料品の消費税を0%にする」という方向性を示したものの、その後、実現までに時間がかかるという説明が出て、最終的には1%にする流れになったことへの不満が語られています。
当初は0%にすると言っていたにもかかわらず、レジ対応などの問題を理由に「0%には1年以上かかる」と説明されました。一方で、1%なら3ヶ月程度で実施できるとされていたものの、実際にはそれもすぐには進まないと見られています。
このような流れに対して、動画では「説明が二転三転している」と批判的に取り上げています。
子育て支援金という名の負担増
さらに動画では、子育て支援金についても触れられています。いわゆる「独身税」と呼ばれることもある制度です。
もちろん、子育てを支援すること自体は重要です。少子化が進む日本において、子どもを育てやすい環境を作ることは社会全体の課題です。
しかし動画では、問題は「税金を集めた結果、具体的にどう子育てがしやすくなるのかが見えにくいこと」だと指摘されています。
子育て世帯を本当に支援するのであれば、食料品を中心とした物価を下げることや、現役世代の所得を上げることが重要です。それにもかかわらず、負担だけが増えているように見えるため、国民の不満が高まっているという構図です。
金融所得の社会保険料反映が決定
今回の動画の中心テーマは、金融所得が社会保険料に反映されることが決まったという話です。
これまで、株式投資や投資信託などで利益が出た場合、その利益には金融所得課税がかかっていました。日本では一般的に、上場株式などの譲渡益や配当には約20.315%の税金がかかります。
しかし今回問題になっているのは、税金だけではありません。投資で得た金融所得が、社会保険料や医療費の窓口負担にも影響するようになるという点です。
動画によると、まず対象となるのは後期高齢者医療制度を利用する75歳以上の人です。金融所得に応じて、保険料や病院での窓口負担が1割、2割、3割のどれになるかに影響する仕組みが導入されると説明されています。
施行時期はまだ先と見られており、動画では2029年から2030年ごろではないかとされています。ただし、制度としてはすでに決まったという点が重要です。
現時点では75歳以上の人が対象ですが、誰でも年齢を重ねればいずれ75歳になります。そのため、若い世代や現役世代にとっても、将来的には無関係ではない話です。
株で利益が出れば保険料が上がる可能性
この制度の大きな問題として動画で指摘されているのは、株式投資などで利益が出た場合、その利益によって社会保険料が上がる可能性があることです。
投資で利益が出れば税金を払う。ここまでは多くの人が理解している部分です。しかし、さらに社会保険料まで上がるとなると、実質的な負担はかなり大きくなります。
特に高齢者の場合、医療費の窓口負担が1割から2割、あるいは3割になるかどうかは生活に直結します。年金生活者にとって、医療費負担の増加は大きな不安材料です。
動画では、金融所得課税そのものよりも、社会保険料や医療費負担への反映の方が大きなインパクトになる場合もあると説明されています。
損失が出ても保険料は下がらない問題
さらに問題視されているのが、投資で損失が出た場合の扱いです。
株式投資で利益が出た場合には、その利益が社会保険料に反映される可能性があります。しかし、損失が出たからといって、その分だけ社会保険料が下がるわけではありません。
動画では、この点が非常に不公平だと指摘されています。
政府側の説明としては、損失を繰り越すことはできるとされています。つまり、ある年に損失が出て、翌年以降に利益が出た場合、その利益と過去の損失を相殺できるという考え方です。
しかし、繰り越しできる期間は3年間です。投資家が毎年必ず売却して利益を確定するとは限りません。長期投資では、5年、10年、20年と保有し続けることもあります。
そのため、たまたま売却した年に損失が出ても、3年以内に利益を確定しなければ十分に活用できない可能性があります。この点について、動画では強い疑問が示されています。
外国株投資にも新たな課税リスク
動画では、もう1つの新たな負担として、外国株投資に関する為替差益への課税についても取り上げています。
たとえば、1ドル150円のときに1万ドルを購入したとします。この時点では150万円を支払って1万ドルを保有しています。
その後、1ドル160円になったタイミングで、その1万ドルを使って米国株を購入したとします。この場合、投資家としては単にドルで株を買っただけの感覚かもしれません。
しかし、税務上は「1ドル150円で取得したドルを、1ドル160円の価値で使った」と見なされる可能性があります。つまり、1ドルあたり10円の為替差益が発生したと考えられ、1万ドルであれば10万円の利益が出たとされるわけです。
動画では、このような為替差益に対して課税されるという最高裁判断が出たことに触れています。
為替差損は簡単には救済されない
問題は、為替で損をした場合です。
為替が円高に動き、損失が出た場合、その損失によって税金が必ず安くなるわけではありません。動画では、為替差益や差損が雑所得の扱いになることが説明されています。
雑所得は、給与所得や株式の譲渡所得などと自由に相殺できるわけではありません。その年に他の雑所得があれば相殺できる可能性はありますが、多くの人にとって雑所得はそれほど頻繁に発生するものではありません。
さらに、為替差損は翌年以降に繰り越すこともできません。
つまり、為替で利益が出た場合は課税される一方で、損失が出た場合には十分に救済されない可能性があるということです。この点についても、動画では非常に不満の残る制度だと説明されています。
それでも投資をやめるべきではない
ここまで聞くと、「そんなに税金や社会保険料がかかるなら、投資なんてしない方がいいのではないか」と感じる人もいるかもしれません。
しかし動画では、この考え方は危険だと指摘されています。
国の制度や方針に問題があることと、投資が必要かどうかは分けて考えるべきです。税制や社会保険制度に不満があるからといって投資をやめてしまえば、インフレや将来不安に対してますます弱い状態になってしまいます。
物価が上がり続ける中で、預金だけに頼っていると、実質的なお金の価値は目減りしていきます。だからこそ、制度への不満を持ちながらも、自分の資産を守り、増やす行動は必要です。
動画では、国の政策に対して関心を持ち、声を上げることも大切だとしながら、それとは別に「もっと本気でお金を増やしていくこと」が必要だと説明されています。
特定口座の資金はNISAへ移すことを検討する
具体的な対策として、動画でまず挙げられているのが、特定口座で運用している資金をNISAに移すことです。
NISAは、投資で得た利益や配当が非課税になる制度です。通常であれば投資利益には約20.315%の税金がかかりますが、NISA口座内で得た利益には税金がかかりません。
動画では、まだNISA枠が余っているにもかかわらず、特定口座で運用している人は、できるだけ早めにNISAへ移すことを検討すべきだと説明されています。
もちろん、すでに毎年360万円の投資枠を使い切っている人は、特定口座での運用が残るのは仕方ありません。しかし、NISA枠が余っているなら、特定口座の資産を売却してNISAに移すことで、将来の税金や社会保険料への影響を抑えられる可能性があります。
家族全体でNISA枠を考える
NISAの非課税保有限度額は1人あたり1800万円です。
1人で見れば1800万円ですが、夫婦であれば合計3600万円になります。さらに、家族全体で資産形成を考える場合、親や子どもを含めてより大きな非課税枠を活用できる可能性もあります。
動画では、自分1人の口座だけで考えるのではなく、家族全体の資産としてどう運用していくかを考えることが重要だと説明されています。
税金や社会保険料の負担が増える時代には、制度を正しく理解し、使える非課税制度を最大限活用することが大切です。
過去に買った高コスト商品を見直す
次に重要なのが、過去に買ってしまった投資信託や金融商品を整理することです。
動画では、「謎の投資信託」や「手数料の高いファンド」「あまり増えないファンド」を見直すべきだと説明されています。
過去に銀行や証券会社で勧められて買った商品が、実は信託報酬の高いアクティブファンドだったというケースは少なくありません。手数料が高い商品は、長期的に見ると運用成績を大きく押し下げます。
もちろん、特定口座で利益が出ている商品を売却すれば税金がかかります。そのため、「税金を払うのがもったいない」と感じる人もいるでしょう。
しかし動画では、今少し税金がかかることよりも、これから長期的にきちんと増やせる投資先に切り替えることの方が重要だと説明されています。
長い目で見れば、低コストで分散されたインデックスファンドなど、より合理的な投資先に移すことが将来の資産形成にとってプラスになる可能性があります。
負担増の時代に必要な3つの行動
動画の最後では、これからの時代に必要な行動として、3つのポイントが挙げられています。
1つ目は、今持っているお金を今まで以上に増やすことを本気で考えることです。
税金や社会保険料の負担が増えるなら、資産運用の重要性はさらに高まります。NISAの活用、投資商品の見直し、長期・分散・低コストの運用など、基本に立ち返った資産形成が必要になります。
2つ目は、今の収入を上げることを本気で考えることです。
支出が増え、税金や保険料の負担も増える中では、収入を増やす努力も欠かせません。副業、転職、スキルアップ、事業収入の構築など、自分に合った方法で入金力を高めることが重要です。
3つ目は、今の支出を減らすことを本気で考えることです。
節約だけで人生が豊かになるわけではありませんが、無駄な保険、使っていないサブスク、高い通信費、不要な手数料などを見直すことで、家計の余力は確実に生まれます。
不満だけで終わらず、自分の行動を変えることが重要
動画では、現在の税制や社会保険制度に対して強い不満が語られています。税収が過去最高を更新しているにもかかわらず、減税の見通しは乏しく、むしろ新たな負担が増えているという現状に、多くの人が疑問を持つのは自然なことです。
しかし、不満を言うだけでは生活は変わりません。
制度に関心を持ち、必要であれば声を上げることは大切です。その一方で、自分自身の家計、資産運用、収入、支出を見直すことも避けて通れません。
特にこれからは、税金だけでなく社会保険料の負担も含めて考える時代になります。投資で利益を出すことだけでなく、その利益をどの口座で得るのか、どのタイミングで売却するのか、どの制度を活用するのかも重要になります。
まとめ
今回の動画では、2025年の一般会計税収が84.2兆円となり、6年連続で過去最高を更新した一方で、国民の負担がさらに増えようとしている現状が解説されました。
特に大きなテーマは、金融所得が社会保険料や医療費の窓口負担に反映される制度が決まったことです。まずは75歳以上の後期高齢者医療制度から始まるとされていますが、将来的には多くの人に関係する可能性があります。
また、外国株投資における為替差益への課税についても取り上げられました。為替で利益が出た場合は課税される一方、損失が出ても十分に救済されない可能性がある点は、投資家にとって注意すべきポイントです。
ただし、こうした制度への不満があるからといって、投資をやめるべきではありません。むしろ、物価高や将来不安があるからこそ、NISAを活用し、特定口座の資産を見直し、家族全体で非課税枠を活用することが重要になります。
これからの時代に必要なのは、今持っているお金を増やすこと、収入を上げること、支出を減らすことです。
税金や社会保険料の負担が増える時代だからこそ、制度を知り、家計を見直し、自分のお金を守る行動がこれまで以上に重要になっているのです。


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