米国株一強はいつまで続く?ゴールド・金利・原油から考えるこれからの投資戦略

本記事は、YouTube動画『米国株一強はいつまで続く?9月後半の投資テーマを総点検』の内容を基に構成しています。

米国株が長期間にわたって世界の株式市場をけん引してきたなか、「このまま米国株だけを持っていればいいのか」と考える投資家も増えています。

動画では、米国株、日本株、新興国株といった地域分散だけでなく、長期金利、ゴールド、原油、債券、円キャリートレードなど、今後の市場を見るうえで重要になるテーマについて幅広く議論しています。

特に繰り返し強調されているのが、「米国株がずっと最強であり続けるとは限らない」という考え方です。

現在好調な資産だけを見るのではなく、相場環境が変化したときに備えて、あらかじめ分散しておくことが重要だというのが動画全体を通した大きなテーマとなっています。

目次

米国株中心のポートフォリオでも地域分散は必要

まず取り上げられたのが、米国株を中心に投資してきた投資家からのコメントです。

これまで米国株中心だったものの、ゴールドや日本株を増やし、さらに新興国株への投資も考えているという内容でした。

動画では、米国経済の規模や企業の競争力を考えれば、米国を投資の中心に置くこと自体は不自然ではないとしています。

一方で、だからといって米国だけに集中すればいいわけではありません。

日本株や新興国株もポートフォリオに組み入れ、地域的に分散しておくことが重要だとしています。

過去を振り返っても、常に米国市場だけが最も強かったわけではありません。

ある時期には欧州株が強くなり、別の時期には新興国が注目されることもあります。

問題は、どの地域が次に上昇するかを事前に正確に予測することが難しい点です。

だからこそ、特定の地域にすべてを集中させるのではなく、複数の地域へ分散しておくという考え方が重要になります。

動画では、

「米国株がずっと最強なわけではない」

という点を意識し、米国株の優位性が崩れたときに備えて普段から準備しておく必要があると指摘しています。

AIの次は宇宙開発?テーマだけで株を買う危険性

続いて話題となったのが、「AIの次に来る投資テーマは宇宙開発ではないか」という質問です。

宇宙開発は今後成長が期待される分野の1つであり、この分野でも米国企業が中心になる可能性があります。

ただし、動画では「テーマが魅力的であること」と「株価が上がること」は別問題だとしています。

どれほど将来性のある産業でも、企業の収益につながらなければ株価上昇には限界があります。

つまり重要なのは、

「テーマ」と「企業の収益性」がきちんと結びついているか

という点です。

将来性だけを理由にあまりにも早い段階から投資すると、実際に株価が上昇するまで何年も資金が動かない可能性もあります。

そのため、将来のテーマを予測して先回りし過ぎるよりも、実際に株価が上昇し始めてから投資を検討するくらいでも遅くないという考え方が示されています。

長期金利の上昇はテック株にとって重要な問題

今後の米国株を見るうえで、動画が特に重要視しているのが金利です。

テクノロジー企業などの成長株は、金利上昇の影響を受けやすいとされています。

そのため、今後米国株へ投資するのであれば、

「金利の上昇に株価が耐えられるのか」

を見ていく必要があります。

重要なのは、単純に金利が高いか低いかだけではありません。

金利がどの程度のスピードで上昇しているのか、そしてその金利水準を企業業績や株式市場が吸収できるのかを見る必要があります。

もし金利上昇によって米国株の優位性が低下するのであれば、米国以外の地域へ資金を振り向けることも選択肢になります。

「9月は株価が下がる」は今年も当てはまったのか

米国株には、9月は相場が弱くなりやすいという季節性がよく知られています。

しかし動画では、今年の9月については大きな暴落には至らなかったと振り返っています。

テクノロジー株以外では伸び悩む場面もありましたが、市場全体としては比較的しっかりと推移しました。

ネガティブな材料があったにもかかわらず、市場が以前ほど大きく反応しなくなっている点についても触れられています。

もちろん季節性は相場を見る1つの材料にはなりますが、「9月だから必ず下落する」と決めつけることはできません。

マグニフィセント7への投資はまだ有効なのか

米国株市場をけん引してきた巨大テクノロジー企業、いわゆるマグニフィセント7についても議論されています。

動画では、MetaなどAI関連の取り組みが評価される企業もあり、巨大テクノロジー企業全体の評価が悪くなっているわけではないとしています。

ただし、個別株へ投資する場合には大きな問題があります。

それは、

「どこで利益確定するのか」

という判断です。

巨大企業であっても、テーマや市場の評価が変化すれば株価が大きく下落する可能性があります。

一方、指数投資であれば銘柄の入れ替えなども行われるため、長期保有の判断は比較的しやすくなります。

個別株投資では企業ごとの評価を継続的に確認する必要があるため、指数投資よりも判断が難しくなるという点が指摘されています。

金利とゴールドの関係をどう見るべきか

動画では、9月後半にゴールドが調整した場面についても取り上げています。

ゴールドは金利やドル、インフレ、地政学リスクなどさまざまな要因の影響を受けます。

そのため、単純に「金利が上がったからゴールドが下がる」という1つの要因だけで値動きを説明するのは難しい資産です。

短期的には大きく売られることもありますが、動画ではゴールドを短期売買の対象としてだけではなく、中長期的な資産保全の手段として捉えることを重視しています。

金利は長期的な上昇局面に入っているのか

動画ではさらに、金利には長期的なサイクルが存在するという考え方についても触れています。

動画内では、2021年頃から金利が上昇する長期的な局面に入っている可能性があるとしています。

こうした長期サイクルは数年単位ではなく、20年、場合によっては40年といった非常に長い期間で考える必要があるという見方です。

もしこの考え方に立つのであれば、

「金利はいずれ元の低金利に戻る」

という前提だけで株式投資を考えることはできません。

むしろ金利が高い環境が長く続く可能性を考え、そのなかで企業利益や株価が耐えられるかを見る必要があります。

動画では、株価そのものだけでなく、金利や債券市場を見ることの重要性を強調しています。

逆イールドと株価下落には時間差がある

景気後退の兆候としてよく注目されるのが「逆イールド」です。

通常は長期金利の方が短期金利より高くなりますが、短期金利が長期金利を上回る状態を逆イールドと呼びます。

動画では、逆イールドが形成されている途中では、むしろ株価が上昇するケースもあるとしています。

問題となるのは、その状態が進んだあとです。

動画内では、逆イールドが行き過ぎたあと、半年程度、場合によっては1年から1年半程度の時間差を経て株価が下落するケースがあると説明しています。

そのため、逆イールドが発生した瞬間に株式市場が暴落するという単純な関係ではありません。

金利差の変化を継続的に確認する必要があります。

ゴールドは「コア資産」なのか

ポートフォリオを「コア」と「サテライト」に分けるコア・サテライト戦略についても議論されています。

一般的には、株式や債券など長期保有する資産をコアとし、テーマ株などをサテライトとして運用します。

では、ゴールドはどちらに入るのでしょうか。

動画では、これは投資家の考え方によって変わるとしています。

株式投資を中心に考えれば、ゴールドはサテライト資産と考えることもできます。

一方で、資産全体の分散という観点から見れば、ゴールドを保有すること自体が基本的な資産配分の一部であり、コア資産と考えることもできます。

動画では現在の投資環境を考えれば、ゴールドをコア資産の1つとして考えることも十分に合理的だという見方が示されています。

重要なのは、「コアだから何%」「サテライトだから何%」と機械的に決めることではありません。

自分の運用のなかで、その資産がどのような役割を担っているのかを考えることが大切です。

コア・サテライトの定義に絶対的な正解はない

同じ考え方は、FANG+などの株価指数やコモディティにも当てはまります。

FANG+を米国株投資の中心としている投資家であれば、それをコア資産と考えることもできます。

一方で、一般的な世界株やS&P500をコアとし、FANG+を成長性の高いサテライト資産と考えることもできます。

コモディティについても同様です。

株式や債券以外だからサテライトと考えることもできますが、インフレ対策や資産分散の重要な柱であればコアと考えることもできます。

つまりコア・サテライト戦略で重要なのは、名称そのものではありません。

自分のポートフォリオのなかで、その資産にどのような役割を持たせるのかを明確にすることが重要です。

待機資金を10年個人向け国債に入れるべきか

動画では、待機資金を個人向け国債で運用することについても議論しています。

銀行預金より多少利回りが高いとしても、必要になったときに現金化する手間や、得られるリターンを考える必要があります。

動画内では、生活防衛資金や投資チャンスに備える現金については、必ずしも国債へ移す必要はないという考え方が示されています。

インフレによって現金の価値が下がるという考え方はあります。

しかし市場が大きく下落したとき、すぐに投資できる現金を持っていることにも大きな意味があります。

現金には「いつでも使える」という価値があります。

単純な利回りだけでなく、流動性まで含めて考える必要があります。

原油は投資だけでなく市場分析にも重要

原油については、直接投資するかどうかにかかわらず、投資家が確認しておくべき重要な指標だとしています。

原油価格は企業のコストやインフレ率、金融政策にも影響します。

そのため、株式市場へ投資する場合でも原油価格の動きを無視することはできません。

また、原油そのものへ投資しなくても、エネルギー関連ETFやエネルギー企業などを通じて投資する方法もあります。

今後インフレがさらに強くなると考えるのであれば、原油やエネルギー関連資産をポートフォリオへ組み込むという考え方もあります。

動画では、中東情勢やホルムズ海峡など、原油供給に影響する要因を確認することも重要だとしています。

円キャリートレードは世界の資金の流れを理解する鍵

動画のなかでも特に重要なテーマとして扱われているのが円キャリートレードです。

円キャリートレードとは、低金利の円で資金を調達し、それをより高い利回りが期待できる海外資産へ投資する取引です。

これは単なる為替取引の話ではありません。

世界の株式、債券、為替などに流れる巨大な資金の動きに関係しています。

円キャリートレードが拡大しているのか、それとも巻き戻されているのかによって、世界の金融市場に大きな影響が出ることがあります。

そのため動画では、個人投資家も円キャリートレードの仕組みを理解しておくべきだと強調しています。

ゴールドは短期の値動きだけで判断しない

9月後半にはゴールドが下落する場面もありました。

しかし動画では、ゴールドを短期的な値上がり益だけを狙う資産として考えること自体に疑問を示しています。

ゴールドの役割は、株式のように企業利益の成長からリターンを得ることとは異なります。

通貨価値の低下やインフレ、金融システムの不安などに備え、資産全体を守る目的で保有するという考え方があります。

そのため、短期的に価格が下がったからといって、すぐに投資判断そのものを変更する必要はありません。

むしろ長期的にゴールドを保有するのであれば、短期的な値動きばかりを見ると、本来の保有目的を見失う可能性があります。

動画では、短期市場ではさまざまな参加者が売買しているため、その値動きにすべて付き合っていると投資判断が難しくなるとしています。

重要なのは「今上がっている資産」を追いかけることではない

今回の動画では、米国株、日本株、新興国株、ゴールド、原油、債券など非常に多くの資産が取り上げられています。

一見するとそれぞれ別のテーマに見えます。

しかし全体を通して見ると、共通している考え方があります。

それは、

「今最も上がっている資産だけに集中しない」

ということです。

米国株が強いから米国株だけを持つ。

ゴールドが上がっているからゴールドを買う。

原油が上がっているからエネルギー株を買う。

こうした投資では、市場の主役が変わったときに対応することが難しくなります。

重要なのは、資産ごとの役割を理解し、複数の地域や資産へ分散することです。

まとめ

現在の市場では、米国株やAI関連企業が依然として大きな存在感を持っています。

しかし、米国株が永遠に世界で最も強い市場であり続ける保証はありません。

だからこそ、日本株や新興国株などへの地域分散を考えることが重要になります。

同時に、株価だけを見るのではなく、長期金利、逆イールド、原油、ゴールド、円キャリートレードなど、世界の資金の流れを左右する要因にも目を向ける必要があります。

特にこれからの市場では、「金利が下がれば株価が上がる」という単純な前提だけでは判断できない可能性があります。

金利が高い環境でも企業が利益を成長させられるのか。

インフレが続いた場合にどの資産が機能するのか。

米国株以外に資金が移った場合に、自分のポートフォリオは対応できるのか。

こうした視点を持つことが重要です。

短期的な価格変動に振り回されるのではなく、それぞれの資産がポートフォリオのなかでどのような役割を持つのかを考える。

そのうえで、地域・資産・テーマを適切に分散しておくことが、今後の相場環境を乗り切るための基本的な考え方になりそうです。

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