日経平均7万円割れ後の行方は?TOPIX最高値更新とバリュー株シフトから読む日本株相場

本記事は、YouTube動画『今週のゆるっと相場解説』の内容を基に構成しています。

目次

日経平均は小幅安も、相場の中身には変化が見え始めている

本日の日本株市場では、日経平均株価が6.38円安となり、ほぼ横ばいで取引を終えました。値動きだけを見ると大きな変化はなかったように見えますが、売買代金は9.8兆円となり、ここ最近続いていた10兆円超えの活況からは、やや落ち着いた印象もあります。

ただし、9.8兆円という水準そのものは依然として高く、市場参加者の関心が大きく低下したわけではありません。むしろ注目すべきは、日経平均が伸び悩む一方で、TOPIXが最高値を更新したことです。

これまで相場をけん引してきたAI関連株や半導体関連株が一服し、その一方で出遅れていたバリュー株に資金が流れているような動きが見られます。今回の相場解説では、日経平均のテクニカル面、TOPIXとの関係、海外市場の動向、海外投資家の売買、そして今後の調整シナリオについて整理していきます。

日経平均は7万円を回復できるかが焦点に

日経平均のチャートをテクニカル的に見ると、現在は6万8000円台付近にある過去の高値水準で一応支えられている形です。急落して崩れているというよりは、重要な節目で踏みとどまっている状態といえます。

一方で、7万円という大きな節目を見ると、いったん7万円を割り込んだ後、再び戻ろうとしたものの、上値を抑えられているようにも見えます。つまり、相場はまだ強さを残しているものの、7万円を明確に上回れない状況が続いているということです。

高値はやや切り下がってきているため、明日以降に7万円台を回復できるかどうかが大きなポイントになります。もし7万円を再び超えられない場合、いったん下方向への調整が意識される可能性もあります。

上昇3波が終わった場合、調整局面入りの可能性もある

これまでの日経平均の上昇は、大きく見ると3つの波で構成されていたと考えられます。最初の上昇波は約25%、次の上昇波は約16%、さらに次の上昇波も約16%という形です。

最初の上昇が最も大きく、その後の2つの波は同じくらいの上昇幅になっています。波の形としては比較的よくある動きであり、相場の上昇トレンドとしても自然な流れだったといえます。

ただし、テクニカル分析の考え方では、上昇3波の後には調整2波が来ることがあります。もし今回の上昇トレンドが3波で一段落したと考えるなら、次は調整局面に入る可能性も視野に入ります。

フィボナッチリトレースメントで下値から高値までを測ると、38.2%押しの水準はおおむね6万4000円付近になります。これは、相場が通常の調整をする場合には十分にあり得る水準です。

つまり、現在の日経平均がすぐに弱気相場へ転換するというよりも、これまでの大きな上昇に対する自然な調整として、6万4000円前後まで下げるシナリオは考えられるということです。

強い相場では「下落調整」ではなく「横ばい調整」もあり得る

ただし、相場が強い場合には、必ずしも大きく下落して調整するとは限りません。下げ幅を限定しながら、一定期間横ばいで推移する「レンジ調整」によって過熱感を冷ますこともあります。

過去のチャートを見ると、小さな休憩局面であれば1ヶ月から2ヶ月程度の横ばい調整で済むことがあります。一方で、大きな休憩局面になると、1年から2年ほど長く続くケースもあります。

今回の相場がどちらになるかはまだ分かりませんが、仮に強い相場が継続するのであれば、日経平均が大きく崩れるのではなく、一定期間横ばいで推移した後に再び上昇する展開も十分に考えられます。

TOPIX最高値更新が示す日本株の底堅さ

日経平均が7万円を前に伸び悩む一方で、TOPIXは最高値を更新しています。これは非常に重要なポイントです。

TOPIXは東証プライム市場全体の値動きを広く反映する指数です。一方、日経平均は一部の値がさ株、特に半導体関連やAI関連の影響を大きく受けやすい指数です。そのため、日経平均だけを見ると相場が弱く見えても、TOPIXが強ければ日本株全体としては底堅いと判断できる場合があります。

ここ最近は、日経平均が先行して大きく上昇し、TOPIXとの乖離が広がっていました。そのため、現在は出遅れていたTOPIX側に資金が流れ、ギャップを修正する動きが出ているようにも見えます。

日経平均が横ばいで推移する一方、TOPIXが追いついてくるような展開になれば、日本株全体としては大きく崩れず、物色対象が変化しているだけという見方もできます。

AI・半導体からバリュー株への資金シフト

足元の相場では、AI関連株や半導体関連株が一服する一方で、バリュー株に資金が流れている印象があります。

バリュー株とは、企業の利益や資産価値に対して株価が比較的割安と見られる銘柄のことです。たとえば、自動車株、金融株、高配当株などが代表的です。成長期待で買われるグロース株とは異なり、業績の安定性や配当利回り、割安感が重視されやすい特徴があります。

動画内でも、自動車株が底値圏から大きく反発していることや、三菱系の銘柄、ソニー、高配当ETFなどに資金が入り始めている様子が指摘されています。長く横ばいだった高配当ETFも、直近では上方向に抜けようとする動きが見られます。

もちろん、このバリュー株優位の流れが今後も続くかどうかは分かりません。一時的にバリュー株へ資金が移った後、再びAI関連や半導体関連に資金が戻る可能性もあります。しかし、少なくとも現時点では、相場の主役が一部変わりつつあることは意識しておきたいところです。

米国市場でも同じような資金シフトが起きている

海外市場を見ても、日本市場と似たような動きが確認できます。

ダウ平均は高値を更新している一方で、S&P500やNASDAQは高値を切り下げながらレンジに入っているような形です。ダウ平均は比較的バリュー株や大型安定株の影響を受けやすく、NASDAQはハイテク株や成長株の影響を強く受けます。

つまり、米国市場でもバリュー株が強く、ハイテク株がやや一服している構図が見られます。

また、半導体株の代表的な指数であるSOX指数も、チャート上では頭をつけてネックラインを割り込んでいるように見えるため、やや警戒感があります。半導体関連はこれまで相場を大きくけん引してきただけに、この分野が調整に入ると、日経平均にも影響が出やすくなります。

海外投資家は1.2兆円規模の売り越し

日本株を見る上で重要なのが、海外投資家の売買動向です。6月26日までの週では、海外投資家が約1.2兆円規模の売り越しとなりました。

その前の週には約1兆円の買い越しがあったため、「結局、海外投資家は日本株を買ってくるのか」と見られていました。しかし、その翌週に大きな売り越しが出たことで、海外勢の買いトレンドに変化が出ている可能性も意識されます。

ただし、6月末という時期要因もあります。海外投資家は期末にあたるタイミングで、日本株の保有分を一時的に調整することがあります。特に3月や9月には、配当処理などの関係で目立った売買が出ることがあります。

6月や12月は3月・9月ほど目立つ傾向は少ないものの、もし今回の売り越しが期末要因であれば、次の週には大きく買い越しに戻る可能性があります。逆に、次の週も海外投資家の買いが戻らない場合は、日本株への海外勢の買いトレンドが一服したと見る必要が出てきます。

日経平均のPERから見る上値と下値の目安

日経平均の実力値を考える上では、PERも重要です。動画内では、日経平均のPERが23倍から26倍のレンジにあるという見方が紹介されています。

直近のEPSを基準にすると、PER26倍付近の上限はおおむね7万2000円、PER23倍付近の下限はおおむね6万3600円あたりとされます。

この6万3600円から6万4000円付近という水準は、先ほどのフィボナッチ38.2%押しとも重なります。つまり、テクニカル面から見ても、バリュエーション面から見ても、6万4000円前後は一つの下値目安になりやすいということです。

もちろん、そこまで必ず下がるという意味ではありません。相場が強ければ、横ばい調整だけで済む可能性もあります。ただ、もし調整が深まる場合には、6万4000円前後が意識されやすいラインになると考えられます。

現時点では日本株全体が崩れるシナリオは限定的

動画内では、現時点で日本株全体が大きく崩れるシナリオはそれほど強くないとの見方も示されています。

その理由は、企業業績が明確に悪化しているわけではないためです。もし今後、企業の下方修正が相次ぎ、業績悪化が市場全体に広がれば、下落トレンド入りの可能性も出てきます。しかし、現時点ではそのような気配は強くありません。

また、日経平均が下がったとしても、それが半導体株やAI関連株の調整によるものであれば、TOPIXやバリュー株はむしろ強いまま推移する可能性もあります。つまり、日経平均だけを見て弱気になるのではなく、市場内部でどの銘柄群に資金が向かっているのかを見ることが重要です。

7月相場のアノマリーにも注意

最後に、7月相場のアノマリーについても触れられています。

7月には「七夕天井、天神底」という相場格言があります。これは、7月7日の七夕の頃に相場が天井をつけ、その後、大阪の天神祭が行われる7月24日から25日頃に底をつけやすいというアノマリーです。

もちろん、アノマリーは必ず当たるものではありません。しかし、夏休み前のポジション調整や、海外投資家の動きが鈍る時期と重なることで、相場が一時的に調整しやすくなる可能性はあります。

また、動画内では水星逆行期間に入ったことにも触れられています。これも投資判断の中心に置くものではありませんが、相場参加者の心理やアノマリーとして意識されることがあります。

まとめ:日経平均よりもTOPIXと資金シフトを見る局面

今回の相場解説では、日経平均が小幅安にとどまる一方で、TOPIXが最高値を更新したことが大きなポイントでした。

日経平均は7万円を再び回復できるかどうかが焦点であり、もし上値を抑えられる展開が続けば、6万4000円前後までの調整もテクニカル的にはあり得ます。ただし、相場全体が崩れているわけではなく、TOPIXの強さを見る限り、日本株全体にはまだ底堅さがあります。

現在の相場では、AI関連株や半導体関連株から、出遅れていたバリュー株や高配当株へ資金が移っている可能性があります。米国市場でも、ダウ平均が強く、NASDAQやSOX指数がやや一服しているため、世界的にも似たような資金シフトが起きていると考えられます。

今後注目すべきポイントは、日経平均が7万円を回復できるか、TOPIXの強さが続くか、海外投資家の売り越しが一時的な期末要因だったのか、そして半導体関連株の調整がどこまで続くかです。

日経平均だけを見ると不安定に見える場面もありますが、相場の中身を見ると、単なる下落ではなく、物色対象の変化が起きている局面ともいえます。今後は指数の上下だけでなく、どのセクターに資金が流れているのかを確認しながら、相場の方向性を見極めることが重要になりそうです。

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