本記事は、YouTube動画『IBM株が25%急落、半導体株と銀行株に明暗くっきり』の内容を基に構成しています。
世界の株式市場では、AI関連投資を巡る資金の流れが大きく変化しています。ソフトウェア企業からデータセンター、サーバー、ストレージ、メモリーといったインフラ関連へ資金が移るなか、決算内容によって企業の株価が大きく動く場面が増えてきました。
動画では、決算発表後に歴史的な急落となったIBMをはじめ、その影響を受けたNECや富士通、株価が低迷する任天堂、年初来安値を更新した五洋建設や中外製薬などが取り上げられています。
一方、ASMLの好決算をきっかけに、レーザーテック、アドバンテスト、キオクシアホールディングスなどの半導体関連株は急上昇しました。銀行株も上場来高値を更新する銘柄が相次いでおり、現在の株式市場では業種による強弱が鮮明になっています。
この記事では、動画で取り上げられた銘柄の動向を整理するとともに、AI投資の変化、半導体株の急騰、銀行株の強さ、韓国市場で問題視されているレバレッジETFなどについて詳しく解説します。
IBM株が決算発表後に25%の歴史的急落
最初に取り上げられたのはIBMです。
動画によると、IBM株は決算発表を受けて約25%下落しました。これほど大きな下落は約60年ぶりともいわれる歴史的な値動きであり、市場に大きな衝撃を与えました。
株価が急落した主な理由は、企業のAI関連支出がソフトウェアからデータセンターなどのインフラ設備へ移り、IBMの業績に悪影響を与えたためです。
IBMはソフトウェアやITサービスを中心に事業を展開していますが、顧客企業の投資先が急速に変化したことで、大型案件の契約が予定通りに進まなかったとされています。
多数の大型案件が想定した時期に成約へ至らず、ソフトウェア事業の成長率も大きく鈍化しました。
動画では、IBMのソフトウェア売上高の伸び率について、以前は前年同期比14%増、その後は11%増だったものの、今回の決算では5%増にとどまったと説明されています。
売上高が増加しているとはいえ、成長率が短期間で大きく低下したことが投資家に警戒されました。
AI投資がソフトウェアからデータセンターへ移動
IBMの決算から読み取れる重要な変化は、世界の企業によるAI投資の対象が変わりつつあることです。
これまでのAI関連投資では、生成AIサービスや企業向けソフトウェアへの注目が集まっていました。しかし、AIを実際に動かすためには、高性能なサーバー、大容量のストレージ、半導体、メモリー、データセンターなどが必要になります。
そのため、企業はソフトウェアを導入するだけでなく、AIを利用するための基盤整備に巨額の資金を投入するようになりました。
動画によると、6月下旬ごろから、顧客企業が将来の価格上昇や供給制約を警戒し、四半期の設備投資予算をサーバー、ストレージ、メモリーの購入へ振り向ける動きが見られたとされています。
AI向け半導体やメモリーは需要が急増しており、製品によっては供給不足や価格上昇が意識されています。そのため、企業側には価格がさらに上昇する前に必要な設備を確保しておきたいという思惑があります。
こうした資金移動は、ソフトウェア企業にとって逆風となる一方、サーバー、メモリー、半導体製造装置などを手掛ける企業には追い風になる可能性があります。
IBMは売上高とEPSの両方が市場予想を下回る
IBMの決算では、売上高だけでなく、1株当たり利益を示すEPSも市場予想を下回りました。
動画では、売上高は前年同期比でわずか1%増、調整後EPSは2.93ドルだったと説明されています。市場予想は3.02ドルだったため、利益も投資家の期待に届きませんでした。
EPSとは、企業が発行している株式1株当たりで、どれだけの利益を稼いだかを示す指標です。一般的には、EPSが市場予想を上回れば株価にプラスとなり、下回れば売り材料になりやすい傾向があります。
今回のIBMは、売上高とEPSの両方が市場予想を下回りました。さらに、成長分野として期待されていたソフトウェア事業の伸びも鈍化したため、投資家の失望売りが一気に膨らんだと考えられます。
株価が25%も下落した背景には、単に決算の数字が悪かっただけでなく、AI時代におけるIBMの成長戦略そのものに疑問が持たれたことがあるといえるでしょう。
IBM急落の影響でNECと富士通も下落
IBMの急落を受け、日本市場ではNECや富士通といったITサービス関連株にも売りが広がりました。
動画によると、NECは当日に4.32%下落しました。NEC株は2月ごろから調整が続いており、足元では4000円台から4500円台付近を中心とした値動きになっていると説明されています。
AI分野では、米Anthropicが開発する生成AI「Claude」などの性能向上が話題になり、既存のITサービスやシステム開発事業に与える影響が警戒される場面もあります。
生成AIがプログラミングやシステム設計、資料作成などを代替するようになれば、従来型のITサービス企業の収益構造が変化する可能性があるためです。
ただし、企業の基幹システムは、生成AIだけで簡単に置き換えられるものではありません。セキュリティー、運用管理、既存システムとの接続など、多くの専門的な作業が必要です。
そのため、生成AIがNECなどの事業をすぐに消滅させるというよりも、今後の成長率や利益率にどのような影響を与えるかが焦点になります。
富士通も当日に4.74%下落しました。
富士通株についても、2月ごろにつけた3200円前後の水準から、明確な上昇方向を示せず、横ばいの展開が続いていると説明されています。
NECと富士通は、それまで長期的に株価が上昇してきました。しかし、AIの急速な普及によってITサービス業界の将来像が見通しにくくなり、投資家が積極的に買い上がりにくい状況になっていると考えられます。
任天堂株は7000円前後で長期の横ばい
任天堂も動画内で取り上げられました。
当日の任天堂株は0.5%下落し、株価は7014円でした。足元では7000円前後を中心とした横ばいの値動きが続いているとされています。
動画では、株価が停滞してから相応の時間が経過しているため、そろそろ買いが入ってもおかしくないという見方が示されています。
ただし、任天堂については、メモリー価格の上昇がハードウェア事業に与える影響を見極める必要があります。
家庭用ゲーム機には、半導体やメモリー、ストレージなど多くの電子部品が使用されています。これらの価格が上昇すると、ゲーム機1台当たりの製造コストが増加します。
製造コストの増加分を販売価格へ転嫁できなければ、ハードウェア事業の利益率が低下する可能性があります。
一方、ゲームソフトはハードウェアと比較して利益率が高い傾向があります。そのため、ゲーム機本体の販売台数だけでなく、ダウンロード販売を含むソフトウェア売上やオンラインサービスの成長も重要になります。
動画では、任天堂の次回決算発表日は8月6日とされており、この決算が株価の流れを変えるきっかけになる可能性があると指摘されています。
五洋建設が年初来安値を更新
続いて取り上げられたのは五洋建設です。
五洋建設は海洋土木や港湾工事を得意とする大手建設会社です。かつては個人投資家からの人気も高く、株価も長期的な上昇を続けていました。
動画によると、五洋建設の予想PERは12.6倍、配当利回りは3.19%です。
PERとは、株価が企業の利益に対して何倍まで買われているかを示す指標です。一般的には、PERが低いほど利益に対して株価が割安である可能性があります。
ただし、業績が今後悪化すると予想されている企業は、PERが低くても必ずしも割安とは限りません。
五洋建設の株価では、1600円前後が何度も下値を支える水準になっていました。株価が1600円を割りそうになるたびに反発し、これまで複数回にわたって下落を食い止めてきたと説明されています。
しかし、今回ついに1600円前後の支持線を下回り、年初来安値を更新しました。その後は反発しており、短期的なリバウンドを狙う投資家から注目されやすい場面となっています。
五洋建設の業績見通しは控えめ
五洋建設の会社予想では、売上高が前期比3%増、最終利益が0.9%増となる見通しです。
数字だけを見ると、大幅な増益を見込んでいるわけではなく、会社側は比較的控えめな予想を出しているといえます。
一方、直近の第4四半期実績は比較的強い数字で着地したとされています。前回は2月に業績予想の上方修正も発表しており、事業そのものが急激に悪化しているとは限りません。
株価が重要な支持線を下回ったことで、短期的には需給が悪化しています。ただし、業績が会社予想を上回るようであれば、売られ過ぎを見直す動きにつながる可能性もあります。
年初来安値を更新したという理由だけで買うのではなく、受注高、工事採算、資材価格、人件費などを確認する必要があるでしょう。
安川電機はストップ安後も下落
安川電機も大きく売られた銘柄として紹介されています。
安川電機は決算発表後にストップ安となり、その後も株価がさらに下落しました。ただし、直近では安値圏で下ヒゲを形成し、下値では買いが入る動きも確認されています。
下ヒゲとは、ローソク足の実体よりも下に伸びた線のことです。一時的に大きく売られたものの、安値では買い戻されたことを示しています。
株価は5月に形成した窓を埋める水準まで下落しました。
窓埋めとは、株価が前日の終値から離れた価格で始まり、チャート上に空白ができた後、その空白部分まで株価が戻る現象です。
安川電機は5月にギャップアップして上昇しましたが、その後の下落によって、当時形成した窓を埋めるところまで戻ってきました。
こうした水準は短期的な反発を狙う投資家から意識されやすくなります。売買代金も大幅に増加しており、市場参加者の注目が集まっていることが分かります。
ただし、動画では予想PERが30倍程度と説明されています。株価が大きく下がったとはいえ、利益水準から見て必ずしも割安とは限りません。
短期的な逆張りを狙う場合でも、決算で示された業績悪化の理由や、今後の受注環境を確認する必要があります。
中外製薬も年初来安値を更新
中外製薬も年初来安値を更新した銘柄として取り上げられました。
動画投稿者は、中外製薬を「AIが選んだ銘柄」として100万円分保有していると説明しています。しかし、期待とは反対に株価は下落を続け、年初来安値を更新しました。
中外製薬の決算発表は7月24日に予定されているとされ、株価は7000円割れが意識される水準に近づいています。
中外製薬は、スイスの製薬大手ロシュとの関係が深く、研究開発力の高い企業として知られています。一方、製薬会社の株価は、新薬の開発状況、臨床試験の結果、薬価改定、特許切れなどによって大きく変動します。
株価が下落しているからといって、単純に割安とは判断できません。決算では主力医薬品の販売状況、研究開発費、今後の新薬候補などが注目されます。
動画では、割安株やバリュー株が強い市場環境のなかでも、中外製薬の値動きは弱いとの見方が示されています。
弱い銘柄が目立つ一方で銀行株は非常に強い
IBM、NEC、富士通、五洋建設、中外製薬などが弱い値動きとなる一方、銀行株は非常に強い状況が続いています。
動画では、三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井住友フィナンシャルグループ、みずほフィナンシャルグループなどが上場来高値を更新していると説明されています。
りそなホールディングス、ゆうちょ銀行、福岡フィナンシャルグループ、群馬銀行、九州フィナンシャルグループなど、地方銀行を含む金融株も強い値動きとなっています。
リース関連では、オリックスや東京センチュリーなどにも買いが入っています。
動画では「銀行にお金を預けるくらいなら銀行株を買う」という考え方も紹介されています。
ただし、銀行預金と銀行株ではリスクが大きく異なります。
銀行預金は元本保証の範囲内であれば価格変動がありません。一方、銀行株は株価が下落する可能性があり、元本は保証されていません。
銀行株には配当金や株価上昇による利益が期待できますが、景気後退、貸し倒れの増加、金利低下などによって業績が悪化する可能性があります。
銀行株が強い背景には、金利環境の変化があると考えられます。金利が上昇すると、銀行は貸出金利と預金金利の差である利ざやを拡大しやすくなります。
これまでの超低金利環境では、銀行は本業で利益を稼ぎにくい状態が続いていました。金利が正常化すれば、銀行の収益力が改善すると期待されるため、株価にも資金が集まりやすくなります。
ASMLが好決算を発表
半導体関連では、ASMLの決算発表が大きな材料となりました。
ASMLは、最先端半導体の製造に欠かせないEUV露光装置を手掛けるオランダ企業です。世界の先端半導体メーカーにとって、ASMLの製造装置は代替が難しい重要な設備となっています。
動画によると、ASMLは14時に決算を発表し、通期の売上高見通しを上方修正しました。
4月から6月までの純利益は前年同期比27%増、売上高は21%増となり、好調な決算だったとされています。
この決算を受け、日本市場ではレーザーテックをはじめとする半導体関連株が急上昇しました。
ASMLの業績が好調であるということは、半導体メーカーによる設備投資需要が強い可能性を示します。そのため、半導体製造装置や検査装置を手掛ける日本企業にも買いが波及しました。
レーザーテックが10%を超える上昇
ASMLの決算発表直後、レーザーテック株は急速に上昇しました。
それまで横ばいだった株価が上方向へ一気に抜け、その後は上下に激しく変動しました。動画では、14時から10分から20分ほどの間に、非常に大きなボラティリティーが発生したと説明されています。
レーザーテックは最終的に10.18%上昇しました。
ボラティリティーとは、価格変動の大きさを示す言葉です。短時間に株価が大きく上昇したり下落したりする状態を「ボラティリティーが高い」と表現します。
レーザーテックは、EUV向けマスク検査装置などを手掛けています。ASMLのEUV露光装置に対する需要が強ければ、関連する検査装置への需要も期待されやすくなります。
ただし、好決算が発表された直後は、短期売買の資金が集中します。株価が急騰した後に急落することもあるため、値動きだけを見て飛び乗るのは危険です。
キオクシアとアドバンテストも大幅高
ASMLの決算を受け、キオクシアホールディングスやアドバンテストも上昇しました。
動画では、キオクシアが5.7%、アドバンテストが5.8%、レーザーテックが10%を超える上昇になったと説明されています。
キオクシアはNAND型フラッシュメモリーを手掛けています。AIデータセンターの増設によってストレージ需要が拡大すれば、メモリー関連企業にも恩恵が及ぶ可能性があります。
アドバンテストは、半導体が正常に動作するかを確認するテスト装置の大手です。AI向けの高性能半導体は構造が複雑であり、製造後の検査も重要になります。
AI半導体の生産量が増えれば、半導体テスト装置の需要も増加しやすくなります。
太陽誘電も久しぶりに上昇し、6.3%高となりました。それまで陰線が続いていましたが、前日に下ヒゲを形成し、翌日に大幅反発した形です。
フジクラや古河電気工業など、データセンターや通信インフラに関連する銘柄も強い値動きとなりました。一方、村田製作所は前日比ほぼ変わらずで取引を終えています。
半導体株上昇でも市場全体の売買代金は減少
半導体株が大きく上昇した一方で、市場全体の売買代金は減少していました。
動画によると、東京市場全体の売買代金は約9兆5000億円でした。少し前までは12兆円程度の日もあったため、約2兆円以上減少しています。
キオクシアの売買代金も、それまで3兆円を超える日が続いていたものの、この日は2.7兆円程度に低下したと説明されています。
売買代金が減少する時期は、市場参加者が少なくなり、少ない注文でも株価が大きく動きやすくなります。
特に夏場は、海外投資家や機関投資家の休暇によって取引が減少する傾向があります。一般に「夏枯れ相場」と呼ばれ、出来高が少ないなかで値動きが不安定になる場合があります。
半導体株が大幅に上昇したからといって、市場全体へ資金が流入しているとは限りません。一部の人気銘柄へ売買が集中しているだけの可能性もあるため、売買代金の変化も確認する必要があります。
韓国市場でレバレッジETFへの警戒が高まる
動画の後半では、韓国株式市場のレバレッジETFを巡る問題も取り上げられました。
韓国市場では、サムスン電子やSKハイニックスなどの半導体企業が大きな存在感を持っています。AIやメモリー需要への期待を背景に、これらの銘柄へ投資資金が集中しています。
一方で、個別銘柄の値動きに連動するレバレッジETFが上場したことで、市場の変動がさらに大きくなっているとの懸念が強まっています。
動画によると、サムスン電子とSKハイニックスの単一銘柄に連動するレバレッジETFは5月27日に上場しました。その後、韓国株式市場の値動きが大きくなったとして、レバレッジETFが変動性を高める要因の1つとして問題視されています。
韓国の李在明大統領は15日、韓国取引所の鄭殷甫理事長に対し、半導体大手のレバレッジETFについて迅速に対策を講じるよう指示したと説明されています。
単一銘柄レバレッジETFはなぜ危険なのか
レバレッジETFは、対象となる株価や指数の値動きを数倍に増幅するよう設計された金融商品です。
例えば、ある銘柄の1日の値動きの2倍に連動する商品では、対象株が1日に5%上昇すれば、ETFは理論上10%上昇します。
しかし、対象株が5%下落すれば、ETFは理論上10%下落します。
特に問題となるのは、単一銘柄に連動するレバレッジETFです。株価指数は複数の企業で構成されているため、1社の急落による影響はある程度分散されます。
一方、単一銘柄型では、対象企業の決算やニュースによって価格が極端に動きます。そこへレバレッジが加わるため、損失が短時間で急拡大する可能性があります。
さらに、レバレッジETFは中長期の値動きが単純に対象株の2倍や3倍になるわけではありません。
毎日の値動きに対して倍率がかかる仕組みであるため、上昇と下落を繰り返す相場では価格が徐々に減少することがあります。
韓国市場ではサムスン電子やSKハイニックスの影響力が大きいため、これらの銘柄を対象としたレバレッジ商品の売買が増えると、現物株や先物市場の値動きにも影響する可能性があります。
今後はTSMC決算と日米の決算ラッシュに注目
動画では、今後の重要な決算スケジュールについても説明されています。
直近ではTSMCの決算発表が最大の注目材料です。TSMCは世界最大級の半導体受託製造企業であり、Apple、NVIDIA、AMDなど、多くの半導体企業から製造を受託しています。
TSMCの売上高、利益率、設備投資計画、AI向け半導体の需要見通しは、世界の半導体株に大きな影響を与えます。
決算内容が市場予想を上回れば、アドバンテスト、東京エレクトロン、レーザーテック、ディスコ、SCREENホールディングスなどの半導体関連株に買いが広がる可能性があります。
反対に、設備投資計画や需要見通しが期待に届かなければ、半導体株が一斉に下落する恐れがあります。
日本では、ディスコの決算が23日に予定されているほか、信越化学工業、SCREENホールディングス、アドバンテストなどの決算も控えています。
米国ではIntelやKLAなどの半導体関連企業も決算を発表する予定です。
来週以降は、日本と米国で本格的な決算ラッシュが始まり、毎日のように個別銘柄が大きく上昇したり下落したりする可能性があります。
決算シーズンではポジション管理が重要
決算発表をまたいで株を保有することは、大きな利益を得られる可能性がある一方、大幅な損失につながる危険もあります。
IBMのように、世界的な大型企業であっても、決算発表後に株価が25%下落する場合があります。
一方、ASMLの好決算によって、レーザーテックのように1日で10%以上上昇する銘柄もあります。
問題は、決算発表前に結果を正確に予測することが難しい点です。
業績が良くても、事前の期待が高すぎれば株価が下落することがあります。反対に、業績が悪くても、すでに悪材料が株価へ織り込まれていれば上昇する場合があります。
決算をまたいで保有する場合は、1銘柄へ資金を集中させないことが重要です。
決算後に株価が20%から30%下落しても、資産全体へ致命的な影響が出ないように、保有金額を調整する必要があります。
信用取引やレバレッジ商品を利用している場合は、さらに注意が必要です。株価の急落によって追証が発生し、保有を続けたくても強制的に決済される可能性があります。
AI相場はソフトウェアからインフラへ移るのか
今回の動画全体を通じて見えてくる最大のテーマは、AI投資の中心が変化している可能性です。
IBMの決算では、顧客企業がソフトウェアへの支出を抑え、サーバー、ストレージ、メモリーなどへ資金を振り向けていることが示されました。
ASMLの決算では、半導体製造装置に対する需要の強さが確認され、日本の半導体関連株にも買いが広がりました。
AIサービスを拡大するためには、ソフトウェアだけでは不十分です。データセンター、電力設備、通信網、光ファイバー、半導体、メモリーなど、巨大な物理インフラが必要になります。
このため、今後のAI相場では、生成AIサービスを提供する企業だけでなく、AIを支える設備や部品を供給する企業が注目される可能性があります。
ただし、需要が強い業界であっても、株価がすでに将来の成長を大きく織り込んでいる場合があります。
業績が伸びても、市場予想に届かなければ株価は下落します。IBMの事例は、決算では現在の利益だけでなく、投資家が期待している成長率を上回れるかどうかが重要であることを示しています。
まとめ
今回の動画では、IBMの歴史的な株価急落を中心に、日本株や半導体市場へ広がった影響が解説されました。
IBMは、企業のAI投資がソフトウェアからデータセンター、サーバー、ストレージ、メモリーへ移ったことで、大型案件の成約が遅れました。ソフトウェア売上高の成長率も5%まで鈍化し、売上高とEPSが市場予想を下回った結果、株価は約25%下落しました。
日本市場では、NECや富士通などのITサービス関連株にも売りが波及しました。任天堂は7000円前後で横ばいが続き、五洋建設、中外製薬は年初来安値を更新しています。安川電機もストップ安後の安値圏で推移しており、短期的な反発を狙う投資家から注目されています。
一方、銀行株は非常に強く、三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井住友フィナンシャルグループ、みずほフィナンシャルグループなど、多くの銘柄が上場来高値を更新しています。
半導体関連では、ASMLが好決算と通期見通しの上方修正を発表しました。これを受け、レーザーテック、アドバンテスト、キオクシアホールディングスなどが大幅に上昇しました。
ただし、市場全体の売買代金は減少しており、夏枯れ相場のような薄商いも意識されます。取引参加者が少ない状況では、決算やニュースをきっかけに株価が通常以上に大きく動く可能性があります。
韓国では、サムスン電子やSKハイニックスに連動する単一銘柄レバレッジETFが、市場の変動性を高めているとして問題視されています。レバレッジ商品は利益を拡大できる一方、損失も急速に拡大するため、仕組みを十分に理解したうえで利用する必要があります。
今後はTSMCをはじめ、ディスコ、信越化学工業、Intel、SCREENホールディングス、KLA、アドバンテストなどの決算発表が続きます。
決算シーズン中は、好材料と悪材料によって個別銘柄の値動きが極端になりやすい時期です。特定の銘柄へ資金を集中させず、決算後の急落にも耐えられるポジション管理を徹底することが重要です。


コメント