10年に1度の株価暴落を「最高の買い場」に変える方法|積立投資と現金比率のルール

本記事は、YouTube動画『10年に1度の暴落を最高の買い場に変えよう』の内容を基に構成しています。

株価が順調に上昇している局面では、多くの人が投資によって簡単に資産を増やせるように感じます。周囲でも利益を上げる人が増え、それまで投資に関心がなかった人まで市場へ参加するようになると、相場は次第に過熱していきます。

しかし、人々が株式へ資金を集中させ、手元の現金が少なくなったところで金融ショックが発生すると、状況は一変します。株価が30%、40%、場合によっては50%以上下落し、多くの投資家が恐怖から市場を離れてしまいます。

一方で、相場が安定しているうちに現金などの守りの資産を用意し、暴落時の行動ルールを決めていた人にとって、大幅下落は優良な資産を安く買える機会にもなります。

暴落を完全に予測することは困難です。しかし、暴落が起きる可能性を前提に準備しておけば、パニック売りを避け、長期的な資産形成につなげることができます。

目次

大暴落は約10年に1度のペースで起きている

株価暴落は誰にとっても怖いものです。投資家の本音としては、株価が暴落せず、そのまま右肩上がりで上昇してほしいところでしょう。

しかし、過去の株式市場を振り返ると、30%を超える大幅な下落は繰り返し発生しています。

動画では、過去約60年間の代表的な暴落として、次の事例が紹介されています。

  • 1970年の株価下落:約35%安
  • 1974年のオイルショック:約48%安
  • 1987年のブラックマンデー:約34%安
  • 2000年のITバブル崩壊:約49%安
  • 2008年のリーマンショック:約57%安
  • 2020年のコロナショック:約34%安

過去約60年間で30%以上の下落が6回発生しているため、単純に平均すると約10年に1度のペースとなります。

もちろん、必ず10年ごとに暴落が来るわけではありません。暴落の原因や発生間隔、下落率、回復までの期間は毎回異なります。

重要なのは、株式市場では大幅な下落が例外的な事故ではなく、長期投資の途中で起こり得る出来事だと理解しておくことです。

暴落が起きても市場全体は回復してきた

動画では、暴落を過度に恐れたり、近いうちに暴落が来ると不安をあおったりすることが目的ではないと説明されています。

暴落が起こる可能性をあらかじめ知っていれば、実際に株価が下がったときも冷静に対処しやすくなります。

過去の市場では、深刻な金融危機や景気後退が何度も発生しました。それでも、主要な株価指数は長期的に回復し、最高値を更新してきました。

そのため、市場全体へ分散投資している長期投資家にとって、暴落時に恐怖から売却したり、積み立てを停止したりすることは、将来の回復局面を逃す原因になります。

個別企業の中には、暴落をきっかけに業績が悪化し、倒産する会社もあります。一方、市場全体で見れば、成長企業が入れ替わりながら経済全体が拡大してきたという歴史があります。

大暴落とは、すべての資産価値が永久に0になる出来事ではありません。価値のある資産が、投資家の恐怖や強制的な売却によって一時的に大幅安となる局面でもあります。

なぜ多くの投資家は暴落時に売ってしまうのか

暴落が長期投資家にとって買い場になると頭で理解していても、実際に自分の資産が毎日減っていくと、冷静さを保つことは簡単ではありません。

多くの人が相場の底値付近で売却してしまう背景には、人間の心理的な特徴があります。

利益より損失の痛みを強く感じる

行動経済学では、人間は利益を得る喜びよりも、同じ金額を失う苦痛を強く感じる傾向があるとされています。これは一般に「損失回避」と呼ばれる心理です。

例えば、10万円を得たときの喜びよりも、10万円を失ったときの苦しみの方が大きく感じられます。

この心理が強く働くと、投資家は次のような失敗に陥ります。

相場が好調なときに安心して大きな金額を一括投資し、暴落が始まると毎日の資産減少に耐えられなくなります。そして「これ以上損をしたくない」と考え、株価が最も下がった底値付近で売却してしまいます。

ところが、その後に相場が急回復すると、売却した投資家は上昇を眺めることしかできません。再び投資を始める頃には株価が高くなっており、安値で売って高値で買い戻す結果になることもあります。

パニックを防ぐには知識とルールが必要

暴落を買い場へ変えるためには、周囲がパニックになって投げ売りしているときこそ、優良資産のバーゲンセールが始まっていると考える必要があります。

ただし、精神論だけで恐怖に耐えることは困難です。必要なのは、投資に関する知識と、事前に決めた行動ルールです。

動画では、暴落を地図のないトンネルに例えています。

出口までの距離が分からないトンネルを進むと、暗闇が永遠に続くように感じます。しかし、地図によってトンネルのおおよその長さが分かっていれば、落ち着いて進むことができます。

暴落についても同様です。過去の下落率や回復の歴史を理解し、自分がどの程度の下落に耐えられるかを把握していれば、感情だけで売買する可能性を減らせます。

ルール1:積み立て投資を途中でやめない

資産形成期における基本的なルールとして、動画では「積み立てを絶対にやめないこと」が挙げられています。

定期的に一定金額を投資する積み立て投資では、株価が高いときには少ない口数を購入し、株価が安いときには多くの口数を購入します。

高値でも安値でも継続して購入することで、長期的な平均取得単価を平準化しやすくなります。これがドルコスト平均法の基本的な考え方です。

暴落時に積み立てを止める問題点

株価が下がると、「相場が回復するまで積み立てを休もう」と考える人もいます。

しかし、暴落時に積み立てを止めると、安い価格で多くの口数を購入できる機会を逃してしまいます。その結果、平均取得単価を十分に下げられず、相場が回復しても利益が出にくくなる可能性があります。

反対に、「今の株価は高いから、暴落が来てから積み立てを始めよう」と考えることにも問題があります。

暴落を待っている間に株価が上昇を続けると、取り残される不安から高値で投資を始めてしまうことがあります。さらに、その直後に暴落が起きれば、損失に耐えられず投資をやめてしまうかもしれません。

暴落の時期を正確に当てることは難しい

相場に20年、30年と関わってきた専門家でも、暴落の発生時期を正確に予測することは困難です。

市場では常に「近いうちに暴落が来る」という予測が出ています。しかし、予測どおりに暴落するとは限らず、暴落を待っている間に株価が大きく上昇することもあります。

長期投資で比較的確度が高いと考えられる前提は、株価が長期的には経済成長とともに上昇してきたことと、その過程で暴落が繰り返されてきたことです。

いつ暴落するかを当てるのではなく、いつ暴落しても投資を続けられる仕組みを作ることが重要です。

資産形成期は毎月の投資を継続する

動画では、資産形成期の投資家に対して「毎月、決めた金額を淡々と買う」という考え方が示されています。

株価が最高値圏にあっても、将来の値動きを正確に予測できない以上、投資を継続します。高い時期と安い時期の両方で買うことによって、購入価格は長期的に平均化されていきます。

動画内では、S&P500の長期的な平均リターンは約9%、全世界株式は約7%と紹介されています。ただし、実際のリターンは投資期間や開始時期、為替、手数料などによって変動します。

資産がまだ少ない段階では、運用利回りを1%高めることよりも、毎月の貯蓄額や投資額を増やす方が資産形成への影響が大きくなる場合があります。

例えば、投資資産が100万円の場合、利回りが1%改善しても年間の差は約1万円です。一方、毎月の投資額を1万円増やせば、年間で元本を12万円増やせます。

資産形成の初期段階では、細かな利回りの差を追いかけるより、収入や貯蓄率を高め、投資元本を積み上げることが重要です。

ルール2:株式と現金の資産配分を決める

投資資産が少ないうちは、株価が大きく下落しても、毎月の積み立てによって安値で購入する割合を増やせます。

例えば、毎月10万円を投資している場合、年間では120万円を追加投資できます。保有資産がまだ少なければ、暴落後に投資する120万円は資産全体に対して大きな割合となります。

しかし、資産が増えるにつれて状況は変わります。

保有資産が数千万円規模になると、株価が半値になった場合の損失額も大きくなります。年間120万円を追加投資しても、資産全体に占める割合は小さく、平均取得単価を十分に下げにくくなります。

そこで重要になるのが、株式と現金などの資産配分です。

株式70%・現金30%という考え方

例えば、資産を株式70%、現金30%で保有していたとします。

株価が50%下落した場合、株式部分は70%から35%相当まで減少します。現金30%には値動きがないため、資産全体の下落率は約35%に抑えられます。

さらに、残していた現金を使えば、株価が安くなった局面で追加投資できます。

一方、暴落が来なかったとしても、資産の70%は株式へ投資されているため、株価上昇の恩恵をある程度受けられます。

守りの資産を持つことには、上昇相場での利益を少し抑える側面があります。しかし、暴落時の損失を軽減し、安値で追加投資する余力を確保できます。

下落への耐性を高めながら、上昇相場にも参加するというバランス型の運用が可能になります。

なお、適切な株式比率は、年齢、収入、資産額、家族構成、投資経験、リスク許容度によって異なります。すべての人に株式70%・現金30%が適しているわけではありません。

ルール3:暴落時の買い場を事前に決める

現金などの守りの資産を用意しても、どのタイミングで株式へ移すかを決めていなければ、暴落時に迷ってしまいます。

そこで動画では、定期的なリバランスが提案されています。

1年から3年に1度リバランスする

リバランスとは、値動きによって変化した資産配分を、最初に決めた割合へ戻す作業です。

例えば、株式70%・現金30%と決めていた場合、株価が下落すると株式の割合が低下します。その際、現金の一部で株式を購入し、再び株式70%・現金30%へ戻します。

反対に、株価が上昇して株式の割合が高くなった場合は、株式の一部を売却して現金へ移します。

この作業を定期的に行うことで、資産全体のリスクを一定に保ちやすくなります。また、結果として値下がりした資産を買い、値上がりした資産を売る行動につながります。

実施時期としては、「毎年12月に確認する」「2年に1度見直す」など、あらかじめルールを決める方法があります。

急落時は下落率に応じてリバランスする

コロナショックのように、株価が短期間で急落した後、すぐに回復するケースもあります。

年末にしかリバランスしないと決めていた場合、年の途中で発生した急落時に買い増しできない可能性があります。

そこで動画の発信者は、株価が15%下落するごとにリバランスするルールを採用していると説明しています。

具体的には、15%安、30%安、45%安という段階を設定し、下落が深くなるごとに現金から株式へ資金を移していく考え方です。

45%下落した場合には、残していた現金をすべて投資する方針も紹介されています。

過去の大暴落を振り返ると、45%安はかなり深い下落水準です。2008年のリーマンショックでは、最大下落率が約57%だったため、45%安で購入した場合、その後さらに約12ポイント下落する可能性はありました。

それでも、長期的な回復を前提とすれば、45%安は相対的に低い価格で購入できる可能性が高い水準と考えられます。

ただし、45%下落する機会は頻繁にはありません。そのため、30%安を第2段階、15%安を第1段階として設定し、より小さな調整局面でも一定のリバランスを行う仕組みにしています。

15%程度の下落であれば、数年に1度、相場環境によっては比較的短い間隔で発生する可能性があります。

暴落時に破ってはいけない鉄則

暴落時には優良資産を安く買える可能性がありますが、下落しているものなら何でも買えばよいわけではありません。

動画では、暴落時に守るべき重要なルールが紹介されています。

買い増す対象は分散されたインデックスファンド

暴落時に追加購入する対象として想定されているのは、幅広い銘柄へ分散された株価指数や、複数企業で構成されるインデックスファンドです。

個別株への集中投資は、単なる逆張りになる危険があります。

大暴落は景気後退や金融危機を伴うことが多く、企業の業績悪化や倒産が増える可能性があります。株価が大きく下がったから割安だと思って購入しても、その後さらに下落したり、何年も最高値へ戻らなかったりするケースがあります。

世界最大級の企業でも長期低迷することがある

動画では、2000年当時に世界の時価総額ランキングで首位だったゼネラル・エレクトリックが例として紹介されています。

同社の株価はITバブル崩壊時に約63%下落しました。当時は世界最大級の企業だったため、下落後を買い場と考えた投資家もいたとみられます。

しかし、その後も株価の低迷が続き、長期的には一時、高値から約90%下落する状況となりました。

どれほど有名で規模の大きい企業でも、事業環境や経営状態が変化すれば、長期間にわたって株価が低迷することがあります。

市場全体に分散された指数であれば、成長力を失った企業の比率が下がり、新たに成長した企業の比率が高まります。これが、暴落時の買い増し対象として個別株よりインデックスファンドが適しているとされる理由です。

一度に全額を投資せず余力を残す

株価が30%下落すると、非常に割安に見えるかもしれません。しかし、30%安が底値とは限りません。

その後、45%安、50%安まで下落する可能性も考慮し、一度に全資金を投入しないことが重要です。

事前に決めた資産配分を守れば、自分のリスク許容度に応じた範囲で追加投資できます。

下落率に応じて段階的に買い増す仕組みを作れば、最初の下落で資金を使い切り、その後のさらなる暴落をただ見ているだけになる事態を避けられます。

生活防衛資金は絶対に投資へ回さない

相場がどれほど魅力的に見えても、生活費や急な支出に備えるための資金を投資へ回してはいけません。

生活防衛資金まで株式に投資すると、病気、失業、住宅設備の故障、車の修理など、予想外の支出が発生した際に株式を売らなければならなくなります。

その時期が暴落中であれば、本来は長期保有したかった資産を安値で強制的に売却することになります。

投資は、当面使う予定がなく、値下がりしても生活に影響しない余剰資金で行うことが原則です。

暴落時に冷静でいられるかどうかは、投資知識だけでなく、生活資金と投資資金を明確に分けているかにも左右されます。

マイルールを相場の途中で変更しない

動画では、最後の重要なルールとして「マイルールを破らないこと」が強調されています。

相場が安定しているときには、株価が15%下がったら買う、30%下がったらさらに買うと冷静に考えられます。

しかし、実際に暴落が起きると、「今回は過去と違うのではないか」「もっと下がるのではないか」と不安になり、決めた行動を実行できなくなります。

反対に、少し株価が下がっただけで興奮し、予定より多く買ってしまうこともあります。

投資で長く生き残るためには、感情が高ぶってから判断するのではなく、冷静なときにルールを決め、そのルールに従って行動する必要があります。

そもそも投資ルールがない場合は、自分が耐えられる下落率や株式比率、買い増しの条件を早めに整理することが重要です。

道路を走る際に交通ルールが必要であるように、投資にも資産を守るためのルールが必要です。

暴落を買い場へ変えるための5つのポイント

過去の市場では、深刻な暴落が何度も発生しましたが、分散された株式市場は長期的に回復し、次の高値を目指してきました。

動画の内容を整理すると、暴落への備えとして重要なのは次の5点です。

第1に、暴落は長期投資の途中で起こり得る通常の出来事だと理解することです。暴落の存在を前提にしておけば、実際に下落した際の驚きや恐怖を軽減できます。

第2に、優良な分散資産が大きく下落した局面は、長期的には安く購入できる機会になる可能性があると考えることです。

第3に、資産形成期はドルコスト平均法による積み立てを淡々と続けることです。暴落時に積み立てを停止すると、安値で多く買える機会を失います。

第4に、人間は利益より損失を強く感じるという心理を理解し、パニック売りを避けることです。自分の感情を否定するのではなく、恐怖を感じることを前提に仕組みを作ります。

第5に、相場が安定しているうちに暴落時のルールを決めておくことです。株式と現金の比率、リバランスの頻度、買い増しを行う下落率などを明確にしておけば、暴落時にも判断がぶれにくくなります。

追加解説:暴落時の買い増しルールは自分に合わせて設計する

動画では、15%安、30%安、45%安という下落率に応じた買い増し方法が紹介されています。

ただし、この数字をすべての投資家がそのまま採用する必要はありません。

例えば、株価が15%下がった段階で強い不安を感じる人が、株式100%で運用していれば、30%や40%の暴落には耐えられない可能性があります。

その場合は、最初から株式比率を60%や70%程度に抑え、現金や値動きの比較的小さい資産を組み合わせる方法が考えられます。

反対に、安定した収入があり、生活防衛資金を十分に確保し、投資期間を20年以上取れる人であれば、株式比率を高められる場合もあります。

重要なのは、最大のリターンを狙うことではありません。実際に暴落が起きても投資をやめず、決めた運用を継続できる資産配分にすることです。

計算上の期待リターンが高くても、暴落時に怖くなって売却してしまえば、長期投資の効果を得られません。

多少リターンが低くても、安心して継続できる資産配分の方が、最終的な投資成果につながる可能性があります。

まとめ

株式市場では、30%を超える大暴落が過去に何度も発生してきました。暴落の時期を正確に予測することは困難ですが、将来も大幅な下落が起こる可能性を前提に準備することはできます。

資産形成期には、相場の上昇や下落を予測して積み立てを停止するのではなく、決めた金額を継続して投資することが基本となります。

資産が増えてきたら、株式だけに集中するのではなく、自分のリスク許容度に合った現金比率を決め、定期的にリバランスする方法が有効です。

暴落時の買い増しは、一度に全資金を投入するのではなく、下落率に応じて段階的に実行します。対象は個別株ではなく、幅広く分散されたインデックスファンドを中心に考え、生活防衛資金には決して手を付けないことが重要です。

暴落への不安や恐怖は、人間の心理として自然な反応です。大切なのは、恐怖を感じないことではなく、恐怖を感じても感情だけで売買しない仕組みを作ることです。

相場が平穏なうちに、自分の資産配分、積み立て方針、リバランスの時期、買い増しの条件を決めておけば、暴落を単なる危機ではなく、長期的な資産形成の機会へ変えられる可能性があります。

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