本記事は、YouTube動画『ハイテク株吹き返しで日経平均株価○○%高/キオクシア決算速報!PTSでチャンスあり⁉/アドバンテスト決算で上向き?/OLCが巻き返し?/孤高の高配当株JT最高値【サクッとマーケット解説|松井証券】』の内容を基に構成しています。
7月最終週の東京株式市場では、地政学リスクや米国の半導体株安、長期金利の上昇などが意識され、日経平均株価が大きく上下する不安定な展開となりました。
一方、週後半にはマイクロソフトの好決算を背景に米国のハイテク株が上昇し、日本市場でも半導体関連株を中心に買いが広がりました。日経平均株価は一時6万4000円台を回復しています。
個別銘柄では、キオクシアホールディングスやアドバンテスト、オリエンタルランド、日本たばこ産業などの決算が注目されました。
日経平均株価は急落後に6万4000円台を回復
週初の27日には、地政学リスクが後退するとの期待から買いが入り、日経平均株価は上昇しました。
しかし、翌28日には米国の半導体株安や韓国株の下落を受けて投資家心理が悪化し、日経平均の下げ幅は一時3000円を超えました。
最近の東京市場では、株価が大きく上昇した翌日に急落するなど、方向感の定まらない展開が目立っています。特に半導体やAI関連株は、市場全体への影響が大きいため、米国市場の動向によって日経平均も大きく振れやすくなっています。
29日には、前日に熊本県で発生した最大震度7の地震を受け、災害リスクも意識されました。さらに、その後に控えていた米連邦公開市場委員会、FOMCを前に、長期金利の上昇も相場の重荷となりました。
一方、31日には流れが変わります。
米マイクロソフトが発表した好決算を受け、米国市場でハイテク株が上昇しました。その流れを引き継いだ東京市場でも半導体関連株を中心に買いが入り、日経平均株価は一時6万4000円台を回復しました。
この日の値上がり率上位には、好決算を発表した企業やコンテンツ関連株が並びました。一方、値下がり率上位には、それまで上昇していたAI関連株や半導体関連株の一部が入り、銘柄ごとの明暗が分かれる展開となりました。
SOX指数の上昇を受けて半導体株に買い
31日の東京市場では、米国のフィラデルフィア半導体株指数、通称SOX指数が大幅に上昇したことを受け、日本の半導体関連株にも買いが入りました。
SOX指数は、米国に上場する主要な半導体関連企業で構成される株価指数です。日本市場の東京エレクトロンやアドバンテスト、キオクシアホールディングスなどの値動きにも大きな影響を与えます。
この日はキオクシアホールディングスが買い気配となったほか、KOKUSAI ELECTRICやイビデンなどの半導体関連銘柄にも買いが集まりました。
前日まで半導体株には売りが広がっていましたが、米国市場での買い戻しをきっかけに、短期間で相場の雰囲気が変化した形です。
キオクシアが大幅増益予想と株式分割を発表
キオクシアホールディングスは決算を発表し、2026年7月期の連結純利益が前期比で大幅に増加する見通しを示しました。
動画では、純利益が前期比31倍になるとの見通しが紹介されています。メモリー半導体市場の回復やAI関連需要の拡大が、業績を押し上げる要因として期待されています。
さらに、キオクシアは最大8000億円規模の自社株買いと、1株を3株に分割する株式分割も発表しました。
株式分割とは、1株を複数の株式に分けることです。企業価値そのものが増えるわけではありませんが、1株当たりの株価が低くなるため、個人投資家が売買しやすくなる効果が期待されます。
一方、第1四半期の営業利益は市場予想であるコンセンサスを下回りました。
このため、増益見通しや株式分割などの好材料がある一方で、週明けの株価は弱含む可能性もあると、松井証券のアナリストは指摘しています。
決算発表後の株価は、増益や株主還元策だけでなく、市場が事前に予想していた水準を上回ったかどうかによっても大きく動きます。
好決算に見えても、市場予想に届かなければ売られることがあるため注意が必要です。
PTS市場では夜間にも取引可能
動画では、キオクシアホールディングスやイビデンなどの銘柄について、松井証券のPTS市場を利用すれば深夜2時まで取引できることも紹介されました。
PTSとは、証券取引所を通さずに株式を売買できる私設取引システムです。通常の東京証券取引所が閉まった後でも取引できるため、決算発表や海外市場の動きを見ながら売買できる点が特徴です。
ただし、PTS市場は日中の市場に比べて取引参加者が少なく、売買が成立しにくい場合があります。売値と買値の差であるスプレッドが広がることもあるため、注文価格には注意が必要です。
アドバンテストはAI半導体需要で業績予想を上方修正
アドバンテストの株価も、決算発表を受けて急反発しました。
アドバンテストは、半導体が正常に動作するかを検査する半導体テスターを手がける企業です。AI向け半導体の生産が増加すると、検査装置への需要も増えるため、AI投資の拡大による恩恵を受けやすい企業の1つとされています。
同社は2027年3月期の売上高と営業利益の見通しをそろって上方修正しました。
純利益は前期比75.8%増の6600億円を見込むと紹介されています。
AI関連半導体の生産数量が増えていることに加え、半導体そのものの構造が複雑化していることも、検査需要を押し上げています。
特に、生成AIやデータセンターなどに使われる高性能なAI半導体向けテスターの需要が、会社側の想定を大きく上回りました。
半導体テスター市場全体についても、過去最大規模に拡大するとの見通しが示されています。
さらに、2027年3月期第1四半期の純利益も前年同期比93.8%増となりました。
前年の約2倍に迫る増益であり、AI向け半導体市場の成長がアドバンテストの業績に直接反映されていることが分かります。
ただし、AI・半導体関連株は期待先行で株価が大きく上昇してきた銘柄も多く、決算内容が良くても株価が下落することがあります。
業績の伸びだけでなく、株価にどこまで成長期待が織り込まれているかを確認することが重要です。
オリエンタルランドはイベント好調で業績回復
東京ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランドの株価も、決算発表を受けて反発しました。
同社の第1四半期決算は、売上高が前年同期比10.4%増、純利益が50.3%増となりました。
東京ディズニーリゾートで実施された周年イベントが好調で、入園者数と来園者1人当たりの売上高がともに増加しました。
1人当たり売上高は過去最高を記録しています。
テーマパーク事業では、入園者数だけでなく、チケット価格、飲食、グッズ、宿泊などを含む1人当たりの消費額が重要です。
入園者数が大きく増えなくても、チケット価格の引き上げや高付加価値商品の販売によって、売上高と利益を伸ばせるためです。
ホテル事業も堅調に推移しました。
また、沖縄のホテル売却に伴う122億円の収益が、利益を押し上げたとされています。
一時的な売却益も含まれているため、本業だけで純利益が50%以上伸びたと単純に判断するのは注意が必要です。
今後は東京ディズニーリゾートの新規イベントやホテル事業に加え、計画されているクルーズ事業の動向にも注目が集まりそうです。
JTは増配と業績上方修正で上場来高値を更新
日本たばこ産業、JTの株価は、前日の決算発表を受けて急反発し、上場来高値を更新しました。
JTは2026年12月期の売上高予想を3兆8850億円に、最終利益予想を6440億円に上方修正しました。
さらに、年間配当予想を従来予想から30円増額し、1株当たり272円に引き上げました。
JTは国内を代表する高配当株の1つです。業績の上方修正と増配が同時に発表されたことで、安定した配当収入を重視する投資家から買いが集まりました。
業績好調の主な理由は海外たばこ事業です。
フィリピン、スイス、トルコ、英国などを中心に、製品価格の引き上げによるプライシング効果が続きました。
たばこ事業は販売数量が伸びにくい市場であっても、値上げによって売上高や利益を維持しやすい特徴があります。
JTの海外事業では、この価格戦略が業績に貢献しました。また、医薬事業の強い事業モメンタムも、今回の業績予想の上方修正に反映されています。
荒い相場で高配当株が資金の受け皿に
AIや半導体関連株は、大きな成長が期待される一方、株価変動も激しくなりやすい銘柄です。
将来の成長期待をもとに高い株価がついている場合、少しでも業績予想が市場の期待に届かなければ、急落することがあります。
一方、JTのような高配当株は、定期的な配当収入が期待できるため、相場が不安定な局面で資金の受け皿になる場合があります。
株価が下落しても配当利回りが高ければ、長期保有を目的とした投資家が買いを入れやすくなるためです。
ただし、高配当であれば必ず安全というわけではありません。
業績悪化によって配当が減額される減配リスクや、株価下落によって配当収入以上の損失が生じる可能性もあります。
投資する際は、現在の配当利回りだけでなく、利益やキャッシュフローが安定しているか、配当を継続できる財務体質があるかも確認する必要があります。
半導体株と高配当株で明暗が分かれる展開
今回の相場では、マイクロソフトの好決算やSOX指数の上昇を背景に、半導体関連株が買い戻されました。
キオクシアホールディングスは大幅増益予想や株式分割を発表し、アドバンテストはAI半導体向けテスター需要の拡大を背景に業績予想を上方修正しています。
一方で、半導体株は市場予想との比較によって株価が大きく変動しやすく、好決算だから必ず上昇するとは限りません。
オリエンタルランドはイベント効果や来園者1人当たり売上高の増加によって業績が改善しました。JTは海外たばこ事業の好調、業績予想の上方修正、増配を背景に上場来高値を更新しています。
成長株への期待が高まる一方、相場が不安定な局面では、高配当株や安定収益を持つ企業にも資金が向かっています。
まとめ
7月最終週の日経平均株価は、地政学リスクや半導体株安、長期金利の上昇などを受けて大きく下落する場面がありました。
しかし、マイクロソフトの好決算をきっかけに米国のハイテク株が上昇すると、日本市場でも半導体関連株が買い戻され、日経平均は一時6万4000円台を回復しました。
キオクシアホールディングスは大幅増益予想や株式分割を発表した一方、第1四半期の営業利益が市場予想に届かなかった点が警戒材料となっています。
アドバンテストは、AI半導体向けテスター需要の拡大によって業績予想を上方修正しました。オリエンタルランドはイベント効果と客単価の上昇で増収増益となり、JTは海外事業の好調と増配を背景に上場来高値を更新しています。
今後も株式市場では、AI・半導体関連株の成長期待と、高配当株の安定性が同時に注目される展開が続きそうです。
決算シーズン中は、発表された利益の増減だけでなく、市場予想との比較、今後の業績見通し、株主還元策まで含めて判断することが重要です。


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