本記事は、YouTube動画『バークシャー最新ポートフォリオとAIバブルの行方(仮題)』の内容を基に構成しています。
米投資会社バークシャー・ハサウェイの最新ポートフォリオが明らかになり、その中身に大きな変化が見られています。
動画では、アルファベットがバークシャーの主要保有銘柄として存在感を高めたほか、デルタ航空や住宅関連株への投資が拡大している一方、長年の主要保有銘柄だったバンク・オブ・アメリカの売却が続いている点が取り上げられています。
さらに後半では、AIインフラ投資を支える新たな金融スキームについて、「AI版サブプライム」とも呼べるリスクが拡大しているとの見方が示されました。
半導体やAI関連株が今後も市場をけん引するのか。それともAIバブルは終盤に入っているのか。バークシャーの投資行動とAI市場を巡る信用リスクの両面から見ていきます。
バークシャー・ハサウェイの最新ポートフォリオが判明
動画によると、米証券取引委員会(SEC)に提出された資料から、6月末時点におけるバークシャー・ハサウェイのポートフォリオが明らかになりました。
特に注目されているのが、アルファベットの存在感です。
動画では、アルファベットがバークシャーのポートフォリオ全体の12.6%を占め、Appleの22%、アメリカン・エキスプレスの17.1%に次ぐ、第3位の主要保有銘柄になったと説明されています。
アルファベットの保有比率が大きくなった背景として紹介されているのが、AIインフラ投資です。
アルファベットがAIインフラへの大規模な増資を実施した際、バークシャーが100億ドルを第三者割当で引き受けたことが、保有比率上昇につながったとされています。
そのほかの主要銘柄については、コカ・コーラが10.9%、バンク・オブ・アメリカが9.2%、シェブロンが4.7%、オキシデンタル・ペトロリアムが4.3%となっています。
動画によれば、上位7銘柄だけでポートフォリオ全体の80.8%を占めています。
バークシャーは幅広く銘柄を分散するというより、確信度の高い企業へ大きな資金を集中させることで知られています。今回のポートフォリオからも、こうした集中投資の特徴が読み取れます。
バークシャーがデルタ航空への投資を再び拡大
もう1つ注目されるのが航空株です。
動画によると、バークシャーはデルタ航空株を買い増し、ポートフォリオに占める割合を前四半期の1%から1.8%へ引き上げました。
バークシャーと航空株には、興味深い歴史があります。
新型コロナウイルスの感染拡大によって航空需要が急減した2020年、バークシャーはデルタ航空を含む保有航空株をすべて売却しました。
航空会社は航空機や人件費など固定費が大きく、旅客需要が急減すると急速に経営が悪化する特徴があります。コロナ禍では国際線を中心に航空需要が消失したため、当時の売却は大きな話題となりました。
しかし動画では、ここに来てバークシャーが再びデルタ航空への投資を増やしていると指摘しています。
背景の1つとして考えられているのが原油価格です。
航空会社にとってジェット燃料は大きなコスト要因となります。原油価格が下落すれば燃料費負担が軽くなり、利益率改善につながる可能性があります。
そのため、デルタ航空への投資拡大は、航空業界の収益環境改善を見込んだ動きである可能性があります。
住宅関連株にも強気姿勢
バークシャーらしいバリュー投資として動画で紹介されているのが、住宅関連企業への投資です。
動画では、米住宅建設会社テイラー・モリソン・ホームの買収に68億ドルを投じたほか、住宅建設大手レナーの株式も買い増し、保有額を12億1000万ドルまで引き上げたとされています。
住宅市場は金利の影響を強く受ける業界です。
住宅ローン金利が高くなれば住宅購入者の負担が増え、需要が低迷しやすくなります。一方で、将来的な金利低下や住宅需要の回復を見込むのであれば、住宅関連株が割安な時期に投資する戦略も考えられます。
バークシャーによる住宅関連投資の拡大は、米国住宅市場の長期的な成長に対して強気になっている可能性を示しています。
バンク・オブ・アメリカは8四半期連続で売却
一方、バークシャーが継続的に売却しているのがバンク・オブ・アメリカです。
動画によれば、今回さらに保有株式を約6%減らしました。
バークシャーによるバンク・オブ・アメリカ株の売却は2024年第3四半期以降、8四半期連続となり、約2年間にわたって少しずつ保有比率を引き下げているとされています。
当初、売却の理由として指摘されていたのが「議決権保有比率を10%未満にするため」という説でした。
バークシャーはかつて同行株の約13%を保有していました。
金融機関の株式を一定比率以上保有すると規制上の問題が生じる可能性があるため、10%未満まで保有比率を下げることが売却の目的ではないかと考えられていたわけです。
ところが、動画では現在の保有比率がすでに6.9%程度まで低下しているにもかかわらず、売却が続いていると説明しています。
そのため単なる規制対応ではなく、バークシャー側が銀行株そのものへの投資比率を引き下げたいと考えている可能性もあります。
ブロードコム株急落の背景に「簿外債務」への懸念
動画の中盤からは、AIインフラを巡る金融市場のリスクへと話題が移ります。
動画によれば、8月14日にブロードコム株が5.9%下落しました。
きっかけとして取り上げられているのが、バンク・オブ・アメリカによるブロードコムの「簿外債務」への指摘です。
簿外債務とは、一般的には企業の通常の借入金のようにバランスシート上の負債として直接表示されないものの、将来的に企業側が一定の支払い義務やリスクを負う可能性のある契約などを指します。
動画では、AIインフラ投資に利用される金融スキームが、その背景にあると説明しています。
AI半導体を金融商品化するSPVの仕組み
動画で紹介されている仕組みは、次のようなものです。
まず投資会社などがSPV、つまり特別目的会社を設立します。
SPVは投資家から資金を集め、その資金でブロードコム製のAI半導体などを購入します。
そして購入した半導体をAI企業へ貸し出します。
AI企業は事業から得た収益の一部をリース料としてSPVへ支払い、SPVはその収入から投資家へ利息を支払います。
つまりAI企業が巨額の設備を直接購入するのではなく、外部資金によって購入されたAIインフラを借りる仕組みです。
これによって自己資金や信用力が十分でないAI企業でも、高価なAI半導体やデータセンターを利用しやすくなります。
しかし、ここには大きなリスクがあります。
AI企業の事業が失敗し、リース料を支払えなくなれば、SPVや資金を提供した投資家が損失を被る可能性があるからです。
ブロードコムが実質的な信用保証を行っている可能性
動画では、こうしたリスクを抑えるため、ブロードコム側が一定の支払いを肩代わりする契約を結ぶケースがあると説明されています。
AI企業がブロードコム製AI半導体を利用する代わりに、リース料の一部についてブロードコムが保証するという仕組みです。
これによって投資家側から見ると、AI企業だけに信用リスクを負わせるより安全性が高まります。
しかし裏を返せば、AI企業の事業が失敗した場合、その損失の一部をブロードコムが負担することになります。
そのため動画では、こうした契約が実質的にはブロードコムの債務に近いにもかかわらず、通常の借入金のようにはバランスシートに計上されない「簿外債務」とみなされる可能性があると説明しています。
バンク・オブ・アメリカの分析として動画内で紹介された数字では、こうしたブロードコムの簿外債務が2029年半ばまでに約3700億ドルまで膨らむ可能性があるとされています。
この懸念が株価下落のきっかけになったという見方です。
AI投資は「AI版サブプライム」になり得るのか
動画では、こうしたAIインフラ投資の仕組みを「AI版サブプライム」と表現しています。
サブプライムローン問題とは、2008年の世界金融危機につながった米国住宅市場の問題です。
当時、信用力の低い人にも大量の住宅ローンが提供されました。
金融機関は、それらの住宅ローンを証券化し、世界中の投資家へ販売しました。
住宅価格が上昇している間は問題が表面化しませんでしたが、住宅価格が下落し、借り手の返済が滞り始めると、住宅ローンを組み込んだ金融商品の価値も急落しました。
結果として金融システム全体へ信用不安が広がり、リーマン・ブラザーズの破綻を含む世界金融危機へ発展しました。
動画では現在のAI市場にも似た構造が生まれつつあると指摘しています。
信用力の低いAI企業に対して半導体やデータセンターを利用できる環境を提供し、その信用リスクを巨大テック企業や金融機関、投資家が負担する構図です。
こうした仕組みが広がれば、AI企業は自己資金以上の規模で設備投資を拡大できます。
結果としてAI半導体やデータセンター需要が急増し、AI関連企業の売上高も押し上げられます。
しかし、それが必ずしも最終需要に裏付けられた成長とは限りません。
金融によって作り出された需要である場合、資金供給が止まった瞬間に投資サイクルが急速に逆回転する可能性があります。
AI企業の競争激化とコモディティ化もリスク
AI業界では巨大な成長期待がある一方、競争も激しくなっています。
動画では、安価なオープン型AIの台頭によって、AIサービスそのものがコモディティ化するリスクが高まっていると指摘しています。
コモディティ化とは、製品やサービスの違いが小さくなり、価格競争が激しくなることです。
AIモデルの性能差が縮まり、誰でも低価格で高度なAIを利用できるようになれば、AI企業が高い利益率を維持するのは難しくなる可能性があります。
もし大量の資金を借りてデータセンターを建設したAI企業が十分な利益を上げられなければ、設備投資を支えた金融スキームにも問題が波及します。
その場合、リスクを負うのはAI企業だけではありません。
信用保証を提供した巨大テック企業や金融機関、さらにはそれらの企業を大量に組み入れている米国株指数の投資家にも影響が及ぶ可能性があります。
NVIDIAが信用保証の縮小に動いているとの見方
動画では、こうしたリスクを背景として、NVIDIAもAI企業に対する信用保証の規模を縮小する方向へ動いていると説明しています。
例として挙げられているのがOpenAIとの大型データセンター計画です。
動画によれば、NVIDIAは当初、最大2500億ドル規模の債務を保証する方向で協議していたものの、その後、保証額を1200億ドル未満まで縮小する案に近づいているとされています。
また、対象についても計画されている10GWすべてではなく、まず5GWの第1段階に限定し、その後についてはプロジェクトの進捗を見ながら判断する方向だと説明されています。
この場合の債務保証とは、OpenAIが資金を調達する際、NVIDIAが実質的に一部の保証人になる仕組みです。
信用力だけでは巨額融資を受けにくい企業でも、NVIDIAのような財務力の高い企業が保証すれば、金融機関は融資しやすくなります。
AI企業はその資金でデータセンターを建設し、大量のAI半導体を購入できます。
結果としてNVIDIA自身の製品需要も拡大するため、AI半導体メーカー側にも大きなメリットがあります。
一方で、この構造は半導体需要をNVIDIA自身の信用力によって作り出している側面もあります。
動画では、このような投資が拡大すれば簿外債務が増え、実際の最終需要以上にAI市場が成長しているように見える可能性を指摘しています。
信用保証縮小はNVIDIAにはプラス、メモリー株には逆風か
NVIDIAが保証額を縮小すれば、自社が負う信用リスクは小さくなります。
その意味ではNVIDIAの財務面にとってプラスです。
しかしAI企業が調達できる資金が減れば、データセンター建設やAI半導体購入のペースも鈍化する可能性があります。
特に影響を受けやすいと動画で指摘されているのがメモリー半導体です。
AIデータセンターではGPUだけでなく、HBMをはじめとした大量の高性能メモリーが必要になります。
データセンター投資が加速すればメモリー需要も拡大しますが、設備投資が減速すればメモリー需要にも逆風となります。
そのため動画では、「保証リスクの低下はNVIDIAにとって追い風だが、AIインフラ投資の限界が見え始めたことはメモリー株にとって逆風」と整理しています。
米長期国債TLTは景気後退時の短期投資を想定
動画後半では、視聴者からの質問にも回答しています。
1つ目が、米長期国債ETF「TLT」に関する質問です。
動画では、長期金利に約60年の大きなサイクルが存在し、2040年頃に向けて長期金利が高止まり、あるいは緩やかに上昇する可能性があるという見方が示されています。
一方、景気後退局面では金利が一時的に低下する可能性があります。
景気が悪化すると、FRBは通常、景気を下支えするため政策金利を引き下げます。
政策金利が下がれば長期金利も低下しやすくなります。
債券価格と金利は逆方向に動くため、長期金利が下がれば長期国債価格は上昇します。
そのためTLTも値上がりしやすくなります。
ただし動画では、米国の景気後退は一般に1年から1年半程度で終わり、その後景気が回復すれば再びインフレ圧力が高まり、金利も上昇し始めると予想しています。
長期債市場は将来の景気回復を先取りして動くため、景気後退が終わる前から長期国債が売られ、長期金利が上昇する可能性があります。
したがってTLTについては長期保有による大幅な値上がりを狙うというより、景気後退時の一時的な金利低下を利用した投資になるという見方です。
長期金利には約60年周期があるという見方
動画では歴史的な長期金利の動きにも触れています。
1800年、1860年、1920年、1980年頃と、およそ60年ごとに長期金利が大きな天井を形成してきたという見方です。
このサイクルが今後も続くのであれば、次の大きな金利ピークは2040年頃になる可能性があります。
そのため、それまでの長期金利は低下トレンドではなく、緩やかな上昇または高止まりになるという予想です。
このシナリオが正しければ、長期国債を長期間保有し続けても、過去数十年間のような大きなキャピタルゲインは期待しにくくなります。
半導体ブームは復活したのか
次に取り上げられたのが、半導体株についてです。
最近、半導体関連株が再び上昇していることから、「半導体ブームは復活したのではないか」という質問です。
これに対して動画では、「ブームは復活していない」としています。
重要なのは、ブームが終わったからといって株価が一直線に下落するわけではないという点です。
相場は通常、上昇と下落を繰り返しながらトレンドを形成します。
下降トレンドであっても途中には大きな反発局面があり、その反発だけを見ると新しい上昇相場が始まったように見えることがあります。
メモリー半導体株は50日移動平均線に注目
動画で半導体ブームの中心として挙げられているのが、マイクロン、SKハイニックス、サンディスク、キオクシアなどのメモリー半導体関連企業です。
これらへまとめて投資するETFとして、動画ではRoundhill Memory ETFが紹介されています。
その日足チャートを見ると、株価が50日移動平均線へ接近しているとしています。
50日移動平均線は、株式市場で広く利用される中期的なトレンド判断の基準です。
株価が50日移動平均線を上回れば、短期から中期の相場が改善したと判断する投資家もいます。
ただし、単純に株価が移動平均線を超えればよいわけではありません。
動画で重視しているのが「出来高」です。
出来高を伴って50日移動平均線を上抜ければ、多くの市場参加者が買いに参加していることを示すため、テクニカル的には早期の買いシグナルと判断できます。
一方、出来高が少ない状態で上抜けた場合は、一時的な値動きに終わる「だまし」の可能性があります。
慎重な投資家であれば、一度50日移動平均線を突破した後、そのラインがサポートへ転換したことを確認してから買う方法もあります。
半導体ブーム復活の判断基準は「前回高値突破」
動画では、さらに明確な判断基準も示されています。
半導体ブームが本格的に復活したと判断するには、前回高値である81ドル34セント付近を、出来高を伴って上抜ける必要があるという考え方です。
なぜ前回高値が重要なのでしょうか。
その価格帯には、過去に高値で購入して含み損を抱えていた投資家が多く存在すると考えられるからです。
株価が再びその水準まで戻れば、
「ようやく損失がなくなった」
「これ以上下がる前に売っておこう」
と考える投資家が増えます。
そのため前回高値付近では売り圧力が強くなりやすくなります。
その大量の売りを吸収し、それでも株価が出来高を伴って上昇するのであれば、新規の買い需要がかなり強いことを意味します。
そこで初めて「半導体ブームが復活した」と判断できるという考え方です。
短期売買をするのであれば、まず50日移動平均線を出来高を伴って上抜けることを確認する。
より大きな半導体相場の復活に乗りたいのであれば、前回高値を出来高を伴って更新するまで待つ。
動画では、この2段階の考え方が紹介されています。
半導体株以外のセクターの方が強い
もっとも、投資対象は半導体株だけではありません。
動画では、過去3カ月のパフォーマンスを比較しています。
S&P500に連動するiShares Core S&P 500 ETF「IVV」は3.8%上昇、半導体ETF「SMH」は1.6%程度の上昇にとどまったとしています。
一方で、ヘルスケアETF「XLV」は14.1%、金融ETF「XLF」は13.4%、米航空宇宙・防衛ETF「ITA」は12.8%上昇したと紹介されています。
つまり、市場全体を見ると、半導体以外にも強いセクターが存在しているということです。
AIや半導体が話題になりやすいからといって、それだけに投資対象を限定する必要はありません。
資金がどのセクターへ移動しているのかを見ることも重要になります。
AIバブルは2026年秋から2027年春に終わる可能性
動画の最後では、今後の米国株市場に関する相場見通しが示されています。
動画では、米国株はAnthropicのIPOが予定されている秋頃までは持ちこたえる可能性があると予想しています。
ただし、AIバブルをけん引してきた半導体関連株の勢いに陰りが見え始めているため、秋に向けて大幅上昇するというより、なんとか現在の水準を維持するような相場になるとの見方です。
さらに動画では、過去のバブル相場が概ね4年から4年半程度続いてきたとの経験則にも触れています。
2022年11月のChatGPT一般公開を現在のAIブームの起点と考えた場合、4年から4年半後にあたる2026年秋から2027年春頃が、AIバブル終了のタイミングになる可能性があると予想しています。
もちろん、これは歴史的な経験則をもとにした予想であり、必ずこの時期にバブルが崩壊するという意味ではありません。
ただし動画では、AI市場以外にも複数の警戒材料が出始めているとしています。
労働市場、個人消費、プライベートクレジットにも懸念
米国経済については、労働市場や個人消費の勢いに陰りが見え始めている点がリスクとして挙げられています。
さらにプライベートクレジット市場でも信用不安が拡大しているとしています。
プライベートクレジットとは、銀行ではなく投資ファンドなどが企業へ直接融資する市場です。
近年、銀行規制の強化などを背景に急速に拡大してきました。
しかし景気が悪化すると、信用力の低い企業の返済能力が低下するため、融資を提供しているファンド側にも損失が発生する可能性があります。
AIデータセンターを巡っても、建設計画の遅延、延期、中止などが報告され始めているとして、設備投資の先行きに懸念が広がっていると動画では指摘しています。
AIバブル崩壊ならS&P500は最大50%下落との予想
動画ではかなり弱気なシナリオも示されています。
仮にAIバブルが本格的に崩壊した場合、S&P500は最大50%下落する可能性があり、円建てでは最大60%程度の下落になるとの予想です。
底打ちまでの期間については1年から1年半程度を想定しています。
円建てで下落率がさらに大きくなるシナリオを想定しているのは、株安局面で円高が進行した場合、ドル建て株価の下落に加えて為替差損も発生するためです。
例えば米国株がドルベースで大きく下落し、同時にドル円が円高方向へ動けば、日本の投資家から見た評価額はさらに大きく下落します。
次の10年は「国際分散投資の時代」になる可能性
AIバブル崩壊時には、欧州株や新興国株も下落すると動画では予想しています。
ただし、下落幅については米国株より小さくなる可能性があるとしています。
さらに次の景気拡大局面では、S&P500の年間リターンが1桁台前半にとどまる一方、欧州株や新興国株は年間2桁程度の比較的高いリターンを実現する可能性があるという見方です。
これは過去10年以上続いてきた「米国株一強」の投資環境が変わる可能性を意味します。
これまで世界株式市場では、巨大テック企業を中心とした米国企業が圧倒的な成長を遂げてきました。
その結果、S&P500やNASDAQ100への集中投資が非常に高いリターンを生みました。
しかし米国株のバリュエーションが高くなり、AI関連企業の成長率が鈍化すれば、今後は相対的に割安な欧州株や新興国株へ資金が移動する可能性があります。
動画では、こうした変化を踏まえ、「次の10年は国際分散投資の時代になる」との見方を示しています。
まとめ
今回の動画では、バークシャー・ハサウェイの最新ポートフォリオから、AIインフラ投資を巡る信用リスク、半導体株の今後、そして米国株市場全体の長期見通しまで幅広く解説されました。
バークシャーのポートフォリオではアルファベットの比率が大きく上昇し、デルタ航空や住宅関連企業への投資も増えています。一方でバンク・オブ・アメリカについては8四半期連続で保有株を減らしており、金融株への姿勢の変化が注目されます。
AI市場については、AI企業自身の信用力だけではなく、巨大テック企業や金融機関の信用保証によって設備投資が拡大する構造が形成されつつある点が重要です。
こうした仕組みはAIインフラ投資を加速させる一方、最終的な需要が期待ほど伸びなかった場合、信用リスクが一気に表面化する危険性もあります。
その意味で、現在のAI投資ブームを単純に「AI需要が伸びているから半導体株は上昇し続ける」と考えるだけでは不十分です。
誰が資金を出しているのか、誰が信用リスクを負っているのか、そして最終的にAIサービスから十分な利益が生まれているのかを見る必要があります。
半導体株についても、短期的な反発と本格的な上昇トレンドの復活は分けて考える必要があります。50日移動平均線や前回高値を出来高を伴って突破できるかが、テクニカル面での重要な判断材料になります。
そして長期的には、過去10年以上続いた米国株一強の相場が転換し、欧州株や新興国株を含めた国際分散投資の重要性が高まる可能性もあります。
AIバブルがいつ終わるかを正確に予測することはできません。しかし、株価の上昇だけを見るのではなく、その裏側にある資金調達や信用保証、企業の収益力まで確認することが、今後の投資判断ではますます重要になりそうです。


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