AI相場はまだ終わらない?日本株は10月・年末に再調整か FRB利下げ・円高・日銀利上げを徹底解説

本記事は、YouTube動画『日本株は再び下がる?AI相場は終わらない、今後の日本株とAI関連株を徹底分析』の内容を基に構成しています。

2026年8月、日本株は7月の急落から大きく反発し、日経平均やTOPIXは再び高値圏まで上昇しました。

一見すると、日本株の調整は終了し、再び本格的な上昇相場に入ったようにも見えます。

しかし動画では、「8月の安値が本当の底とは限らない」として、10月あるいは年末にかけて再び調整する可能性が指摘されています。

一方で、長期的なAI相場については非常に強気です。AIは単なる一時的なブームではなく、蒸気機関、自動車、コンピューターなどに匹敵する巨大な技術革新であり、少なくとも2030年ごろまで投資拡大が続く可能性があると分析されています。

つまり、今回の動画で重要なのは「AI相場が終わる」という話ではありません。

長期的なAI成長ストーリーは続く一方、2026年後半には日本株やAI関連株が一時的な調整局面に入る可能性があるという見方です。

ここでは、日本株の今後を考えるうえで重要となるAI投資、FRBの金融政策、ドル円、日銀の追加利上げ、半導体・データセンター関連株の動向について詳しく見ていきます。

目次

7月急落から一転、8月の日本株は急反発

まず動画では、直近の日本株市場を振り返っています。

7月下旬には、巨額のAI投資を本当に回収できるのかという懸念などから、日米のハイテク株が調整しました。

日経平均株価は7月29日に6万1434円まで下落しています。

ところが8月に入ると流れが変わりました。

米国の大手テクノロジー企業の好決算などを受けて株式市場が反発し、さらに米国の物価指標を背景に金融引き締めへの警戒感も後退しました。

8月13日にはS&P500が終値ベースで史上最高値を更新します。

日本株も上昇し、8月14日には日経平均が一時6万9608円まで上昇しました。TOPIXも史上最高値を更新し、8月14日まで8日連続で上昇しました。

これだけを見ると、「7月の下落で底を打ったのではないか」と考えたくなります。

しかし動画では、ここからもう一段下落する可能性について警戒しています。

8月の安値が「本当の底」とは限らない

動画では以前から、今回の調整局面について底を形成するタイミングとして、

8月のSQ週、10月初旬、年末

という3つの候補が考えられていました。

実際、8月のSQ週には株価が反発しました。

7月の下落局面ではオプション市場でヘッジが行われていたため、SQに向けてそのヘッジポジションを買い戻す動きが発生し、株価上昇につながったと考えられます。

ただし今回の場合、日経平均VIがそれほど大きく上昇していませんでした。

つまり、市場参加者が極端な恐怖状態に陥り、大量のヘッジポジションを積み上げていたわけではありません。

そのため、SQに向けた買い戻しが終わったあとも株価が継続して上昇するかどうかについては慎重に見る必要があるという分析です。

騰落レシオも底打ちを示していない

もう1つ注目されているのが騰落レシオです。

騰落レシオは、市場全体で値上がり銘柄と値下がり銘柄のどちらが多いのかを見る代表的な指標です。

一般的には数値が大きく低下すると、市場が売られすぎの状態に近づいたと判断されます。

動画では、過去の経験から80程度まで低下すると底打ちしやすいとしています。

ところが今回の騰落レシオは103程度で、まだ十分に低下していません。

そのため、9月でも完全な底打ちにはならず、10月初旬まで値固めが続く可能性があると分析しています。

TOPIXの「8連騰」にも注意

TOPIXは8月14日まで8日連続で上昇しました。

通常であれば非常に強い動きに見えますが、動画では過去の連騰回数にも注目しています。

過去の傾向では、9連騰程度で止まると、その付近が天井になるケースが比較的多い一方、10連騰まで伸びると、その後も上昇が続くケースが多かったとしています。

今回は8連騰で終了しました。

このため、今回の反発が新たな上昇トレンドの始まりというより、一時的な戻りである可能性も考えておく必要があります。

日本株を次に引っ張る業種がまだ見えにくい

さらに重要なのが「次の相場のリーダー」です。

株式市場が本格的に上昇するときには、通常、市場全体を引っ張るセクターが登場します。

今回の反発ではゲーム関連、繊維、海運などさまざまな業種が上昇しましたが、市場全体を牽引するほどの広がりはまだ見られていないと動画では分析しています。

例えば特定のゲーム会社が大きく上昇しても、すべてのゲーム株が連動して上昇するとは限りません。

これに対して銀行株は、金利上昇という共通材料によって業界全体が上昇することがあります。

こうした現象を動画では「グループ効果」と説明しています。

今後、日本株全体の上昇を支える可能性がある業種として、非鉄金属や電気機器などが候補に挙げられています。

長期的にはAI相場はまだ終わっていない

短期的な日本株については慎重な見方ですが、AI相場そのものについては非常に強気です。

動画では、現在のAIブームを単なるテーマ株相場ではなく、歴史的な技術革新の1つとして捉えています。

その背景として紹介されているのが「コンドラチェフの波」です。

コンドラチェフの波とは、技術革新や大型設備投資などによって発生すると考えられている非常に長期的な景気循環です。

蒸気機関、鉄道、自動車、コンピューターなど、社会構造そのものを変える巨大なイノベーションが経済成長と株式市場を長期間押し上げてきたとされています。

動画では、今回のAIも同じような巨大イノベーションの1つと考えています。

過去のイノベーション相場は約20年続いた

具体例として挙げられているのがコンピューターです。

商用コンピューターが登場したのは1951年ごろですが、その中心企業だったIBMの株価は1973年ごろまで長期的な上昇を続けました。

約20年以上です。

さらに1908年にT型フォードが登場した自動車革命でも、その後1929年の世界恐慌まで約20年間、米国経済と株式市場は大きく成長しました。

こうした歴史から、巨大な技術革新による相場は20年前後続くケースがあるとしています。

そのため、AI関連株が数カ月調整した程度で「AI相場が終わった」と判断するのは早いという考え方です。

AI相場は少なくとも2030年ごろまで続く可能性

動画では、少なくとも2029~2030年ごろまではAI関連投資が続く可能性が高いとしています。

その理由の1つが企業の設備投資です。

日米では設備投資を促進する税制政策などが行われており、企業がAI関連設備へ投資しやすい環境が作られています。

AIサーバー、半導体、データセンター、ストレージなどのハードウェア企業にとって追い風となります。

また、政治サイクルも株式市場に影響すると考えられています。

米国では大統領選挙を意識した景気政策、中国でも共産党大会を意識した経済政策が行われる可能性があり、2027年に向けて世界経済を下支えする政策が出てくる可能性があります。

こうした背景から、短期調整はあってもAIを中心とした長期的な投資サイクルそのものが終了する可能性は低いと分析しています。

ただし、ここで注意したいのが「短期」の意味です。

株式市場では半年程度の下落や横ばいでも、長期トレンドの中では短期調整に分類されることがあります。

そのため、AI相場が長期的に強気だからといって、AI関連株が常に上昇し続けるわけではありません。

ハイパースケーラーの設備投資は6500億ドル規模へ

AI相場を支える最大の材料の1つが、巨大IT企業による設備投資です。

Amazon、Microsoft、Alphabet、Metaなどの大手ハイパースケーラーは、AIデータセンターへ巨額の資金を投入しています。

動画では、これら4社の設備投資額について、2025年には約4100億ドルと見込まれていたものが、2026年には6500億ドル規模まで拡大すると説明しています。

40%以上増える計算になります。

途中では、

「さすがに設備投資を減らすのではないか」

「これほど巨大なAI投資を本当に回収できるのか」

という懸念も市場に広がりました。

しかし実際には設備投資計画が上方修正され、AI投資はさらに拡大しています。

この巨額の設備投資が半導体、サーバー、電線、電子部品、データセンター関連企業の業績を押し上げています。

巨額のAI投資はどうやって回収するのか

AI相場に対する最大の疑問の1つが投資回収です。

ChatGPTやGeminiなどの月額利用料金だけを考えると、数千億ドル規模のデータセンター投資を回収することは難しく見えます。

しかし動画では、AI企業が狙っている市場はもっと巨大だと説明しています。

注目しているのが「人件費」です。

動画内の試算では、米国には約9500万人のホワイトカラー労働者がおり、平均年収を約6万5000ドルとすると、人件費市場は約6.2兆ドルになります。

さらに世界全体で考えれば、ホワイトカラーの人件費市場は約30兆ドル規模になる可能性があるとしています。

仮にその20%の仕事をAIが代替・効率化すると、約6兆ドルの経済価値が生まれる計算です。

さらに製造業などのブルーカラー分野やAIエージェントによる新たな経済活動を加えると、2028~2030年ごろにはAIが生み出す価値が14兆ドル規模になる可能性があるという試算も紹介されています。

仮にその価値の5%をAI企業が収益として獲得できれば7000億ドルです。

10%なら1.4兆ドル、20%なら2.8兆ドルになります。

こう考えると、現在行われている年間数千億ドル規模のAI設備投資にも十分な経済合理性があるという考え方です。

AIによるホワイトカラーの代替はすでに始まっている

AIによる仕事の代替という話は、未来の出来事のように感じるかもしれません。

しかし動画では、米国ではすでに変化が始まっていると指摘しています。

ChatGPT登場以降、米国では教育やヘルスケアなど対面業務が必要な分野の雇用は増加しています。

一方で、出版、通信、情報処理、放送、映画、ウェブサービスなどを含む情報産業では雇用者数が減少していると説明されています。

つまり、AIによって代替しやすい仕事と、代替しにくい仕事で雇用の二極化が起き始めているということです。

特に影響を受けている可能性があるのが若年層です。

企業側からすると、数年かけて新人を育成しても、その仕事自体が数年後にはAIによって代替される可能性があります。

そのため新卒採用を減らし、すぐに戦力になる経験者を採用する方向へ変化する可能性があります。

日本でも同じ変化が広がる可能性があると動画では指摘しています。

FRBの利下げが日本株には逆風になる可能性

通常、株式市場では「利下げ=株高」と考えられています。

金利が下がれば企業の資金調達コストが下がり、株式の相対的な魅力も高まるからです。

しかし動画では、米国の利下げが日本株には逆風になる可能性があると指摘しています。

米国でインフレが鈍化すれば、FRBは利下げしやすくなります。

特に米国のコアCPIでは住居費の影響が非常に大きく、住宅価格や家賃上昇が鈍化すればインフレ率も下がりやすくなります。

米国金利が低下すれば、米国株にはプラス材料になります。

しかし同時に日米金利差が縮小すると、ドル安・円高が進みやすくなります。

輸出企業の比率が高い日本株にとって、円高は業績の逆風になりやすいのです。

「米国利下げ=日本株高」ではない理由

動画では、FF金利と日経平均の関係にも注目しています。

2022年3月から米国が利上げを始めたとき、米国株はその後も低迷しました。

一方、日本株はその付近から底打ちし、その後大きく上昇しました。

これは、日本株が世界景気に敏感だからだと考えられます。

金利上昇そのものは株式にはマイナスですが、金利が上がる背景に強い景気がある場合、日本企業の業績にはプラスになることがあります。

逆にFRBが利下げを始めるということは、「米国景気が悪化している」と市場が判断している可能性もあります。

その場合、世界景気敏感株としての性格が強い日本株にはマイナスになる可能性があります。

そのため、FRBの利下げを単純な株高材料として見るのではなく、

「なぜ利下げするのか」

を見る必要があります。

円高が進むと日本株の調整が加速する可能性

さらに重要なのがドル円です。

米国金利の低下によって日米金利差が縮小すれば、ドル円は円高方向へ動く可能性があります。

動画では、2024年の相場との類似性にも触れています。

2024年には為替介入後に円高が進み、その後、日本株が大きく調整する局面がありました。

外国人投資家は巨額の日本株を保有していますが、そのすべてについて為替リスクをそのまま抱えているとは考えにくく、一部では為替ヘッジを行っていると考えられます。

株価が上昇すると円売りヘッジを増やし、株価が下落すると円を買い戻す必要が生じます。

つまり、

日本株下落 → 円買い → 円高 → 輸出企業の業績悪化懸念 → 日本株下落

という循環が発生する可能性があります。

2024年の急落局面でも、こうした動きが円高を加速させた可能性が指摘されています。

円高局面では食品・小売株が相対的に有利

円高が進んだ場合、すべての日本株が同じように悪影響を受けるわけではありません。

自動車や機械など輸出企業にはマイナスになりやすい一方、輸入コストが下がる企業にはプラスになります。

代表的なのが食品や小売です。

原材料や商品を海外から輸入している企業では、円高になるほど仕入れコストが低下します。

そのため、円高局面では食品株や小売株が市場平均を上回る可能性があります。

動画では、消費関連政策も含め、こうした内需株にも注目する余地があるとしています。

円安が続けば日銀の追加利上げがリスクに

では、反対に円高にならず、円安が続いた場合はどうなるのでしょうか。

今度は日銀の利上げリスクが高まります。

動画では、市場が日銀による追加利上げをかなり織り込み始めていると説明しています。

世界の主要中央銀行が金融緩和方向へ向かうなか、日本銀行だけが金融引き締め方向へ進む可能性があります。

さらに日銀は政策金利を引き上げるだけでなく、保有国債を減らすQT、つまり量的引き締めも進めています。

日銀のバランスシート縮小によって国債需給が変化すると、日本の長期金利が上昇する可能性があります。

金利上昇は銀行にとって利ざや改善につながるため銀行株には追い風になる可能性がありますが、日本株全体にとっては必ずしもプラスではありません。

9月・10月の日銀金融政策が重要に

動画では、特に9月から10月の日銀金融政策を重要なポイントとして挙げています。

もし9月や10月という比較的早い段階で利上げが行われれば、市場は、

「年内にもう1回利上げするのではないか」

と考え始めます。

一方、利上げ時期が11月ごろまで遅れれば、年内の利上げは1回で終わる可能性が高くなります。

つまり、最初の追加利上げがいつ行われるかによって、その後の金融政策に対する市場の期待が大きく変化します。

銀行株にとっては利上げ期待が追い風になる一方、株式市場全体では金利上昇が重荷になる可能性があるため、非常に難しい局面です。

AI関連株に新たな調整リスク

ここまで長期的なAI相場については強気の見方でした。

しかし短期的には、AI関連株にも注意すべき材料が出ています。

特に注目されているのがメモリー半導体です。

AIサーバーでは大量の高速メモリーが必要となるため、HBMを中心としたメモリー需要が急拡大してきました。

しかし足元では、一部の半導体メーカーの決算が市場予想に届かなかったケースが出ています。

日本の鉱工業生産統計でも、電子部品・デバイス工業や集積回路の生産に鈍化の兆候が見られると動画では指摘しています。

HBMの生産構成変化にも注意

ここで重要なのが、単純なメモリー価格の下落ではないという点です。

HBMは、複数のDRAMを積み重ねることで高速・大容量化した高性能メモリーです。

AI向けGPUでは非常に重要な部品となっています。

HBMは通常のメモリーより単価が高いため、生産量に占めるHBMの割合が低下すると、メモリー全体の平均単価や生産金額が下がります。

つまり、スポット市場のメモリー価格が大きく下落していなくても、製品構成の変化によって売上金額が減少する可能性があります。

動画では、こうした「製品ミックス」の変化が一部企業の業績に影響している可能性を指摘しています。

NVIDIA「Rubin」の立ち上がりに遅れの可能性

さらに重要なのが、NVIDIAの次世代GPU「Rubin」です。

AIサーバー市場では、新世代GPUが登場するたびにデータセンターの設備投資が大きく動きます。

動画では、AIサーバー製造企業の出荷計画などを見ると、Rubin搭載サーバーの本格出荷が当初想定より遅れる可能性があると指摘しています。

新製品への世代交代が遅れると、一時的にサーバー生産が停滞します。

これは以前のBlackwellでも見られた現象です。

新しい半導体は最初から大量生産できるとは限らず、生産歩留まりやサーバー設計などの問題によって量産ペースが上がらないことがあります。

その間、関連企業の売上成長が一時的に鈍化する可能性があります。

NVIDIAの利益率悪化にも警戒

新製品の立ち上げ時には、NVIDIA自身の利益率が低下する可能性もあります。

新しいGPUを量産するときには、生産効率が十分に高まっていないため、製造コストが上昇しやすくなります。

その結果、売上が増えていても粗利益率が一時的に低下することがあります。

動画では、新世代GPUの投入時には少なくとも半年程度、利益率が悪化し、その期間はNVIDIA株が上がりにくくなるケースがあると説明しています。

今回も同じパターンになれば、AI関連株全体のセンチメントに影響する可能性があります。

今回はAIの一時停滞が世界経済にも影響する

過去の半導体サイクルであれば、特定製品の生産が数カ月停滞しても世界経済全体への影響は限定的でした。

しかし現在は状況が違います。

AIデータセンターへの設備投資が、世界の設備投資や株式市場を大きく支えているからです。

半導体だけでなく、電子部品、電源装置、計測器、電線、非鉄金属、半導体製造装置など幅広い企業がAIデータセンター投資の恩恵を受けています。

そのためRubinへの世代交代によってデータセンター建設のペースが鈍化すると、その影響が日本の輸出や製造業全体へ広がる可能性があります。

動画では、この停滞期間が最大半年程度、場合によっては年末まで続く可能性を警戒しています。

AI需要がなくなるわけではない

ただし、ここは非常に重要なポイントです。

動画で指摘されているのは「AI需要の消滅」ではありません。

次世代GPUへの切り替えによって、一時的な生産の谷ができる可能性があるという話です。

AIデータセンターそのものに対する需要は依然として非常に強く、日本のAI関連企業についても、中長期的な業績見通しが悪化したわけではないとしています。

実際、国内AI関連企業では好調な業績が続いており、上方修正する企業も多く見られます。

つまり、

AIの長期成長ストーリーは維持されているものの、株価は短期的に調整する可能性がある

という整理になります。

株価を「EPS」と「PER」に分けて考える

ここで動画では、株価を理解するための重要な考え方が紹介されています。

株価は大きく、

「企業の利益」と「投資家の期待」

によって決まります。

企業の利益を表す代表的な指標がEPS、1株当たり利益です。

一方、投資家がその利益に対して何倍の株価を支払うのかを示すのがPERです。

AI関連株では、これまで「これからAIの時代になる」という期待が先行し、PERが大きく上昇してきました。

ところが期待が高くなりすぎると、企業が好決算を出しても株価が上がらなくなります。

すでに良い未来を株価が織り込んでいるからです。

今回のAI株調整では、このPER部分が低下したと考えることができます。

一方、企業利益であるEPSそのものは依然として成長しています。

そのため、PERの調整が一巡すれば、今度は実際の業績成長に支えられて株価が再び上昇する可能性があります。

2023~2024年は期待、2025~2026年は業績が株価を支える

動画では日本株全体についても同じ考え方をしています。

2023~2024年の日本株上昇では、企業業績そのもの以上にPERの上昇が大きな要因になりました。

東京証券取引所が企業に資本コストや株価を意識した経営を求めたことや、企業統治改革、株主還元への期待などから、日本企業に対する評価そのものが上昇したためです。

一方、2025~2026年は実際の企業利益、つまりEPSが上昇してきています。

「期待先行」だった相場に、本物の業績が追いついてきたわけです。

このため、短期的なPER調整が起きたとしても、企業利益が成長を続ける限り、中長期的な日本株の上昇余地は残っていると考えられます。

日本株の底打ちは10月か年末か

では今回の調整局面は、いつ終わるのでしょうか。

動画では当初、

8月SQ、10月初旬、年末

という3つの底打ち候補を想定していました。

8月SQでは実際に株価が反発しました。

しかし今回の分析では、「8月SQが最終的な大底だった可能性は低いのではないか」としています。

そのため残る候補は、

10月初旬、または年末

です。

10月初旬は米国の政治サイクルなどから株式市場が転換しやすい時期として注目されています。

一方、AI関連投資の停滞が信用市場にまで波及した場合、調整が年末まで続く可能性もあります。

クレジット市場では年末に資金調達環境が不安定になりやすいためです。

ただし、仮にそこまで悪化したとしても、動画では年明け以降には状況が改善するとみており、最大でも半年程度の調整を想定しています。

日本株投資は難しい局面へ

現在の日本株を取り巻く環境は非常に複雑です。

AI関連株が調整すれば、景気敏感株へ資金を移したくなります。

しかし円高が進めば、自動車などの輸出企業には逆風になります。

例えば自動車メーカーが1ドル160円程度を想定している場合、150円まで円高になれば円換算した海外利益が減少し、業績予想の下方修正リスクが高まります。

それなら銀行株へ資金を移せばよいという考え方もありますが、銀行株が上がるほど日本の金利が上昇している場合、日本株全体には逆風となる可能性があります。

AI、輸出株、銀行株のどこへ資金を振り向けるのか判断が難しい局面です。

日本株と米国株の関係も変化している

これまで日本のAI関連株は、米国のNASDAQが上がれば同じように上昇すると考えられることが多くありました。

しかし動画では、現在はもっと複雑になっていると説明しています。

ポイントは「発注側」と「受注側」です。

Amazon、Microsoft、Alphabet、MetaなどのハイパースケーラーはAI設備投資を発注する側です。

巨額の投資を続けると、「本当に回収できるのか」という懸念から株価が抑えられる可能性があります。

一方、日本企業の多くは半導体装置、電子部品、電線、サーバー関連部品などを供給する受注側です。

ハイパースケーラーが設備投資を増やすほど売上や利益が増えやすくなります。

そのため、

ハイパースケーラー株が低迷する一方、日本のAI関連株が上昇する

という状況も起こり得ます。

逆にハイパースケーラーが設備投資を抑制すれば、米国の巨大IT企業のキャッシュフローにはプラスでも、日本の受注企業にはマイナスになる可能性があります。

今後のAI相場を見るうえでは、「米国ハイテク株が上がったかどうか」だけでなく、ハイパースケーラーの設備投資額を確認することが重要になります。

追加解説:長期テーマと短期株価は分けて考える

今回の動画で最も重要なポイントの1つは、「AIの将来性」と「AI株の短期的な値動き」を分けて考えることです。

成長産業だからといって、その関連株が一直線に上昇するわけではありません。

インターネット、自動車、鉄道など過去の巨大産業でも、長期的な成長過程では何度も大きな調整が発生しました。

AIでも同じことが起こる可能性があります。

企業が設備投資を行い、新製品を投入し、その投資から利益を回収するまでには時間差があります。

その途中で市場の期待が高くなりすぎれば、株価は一度調整します。

しかし企業利益がその後も伸び続ければ、時間の経過とともに割高感が解消され、再び株価が上昇する可能性があります。

そのためAI関連株を見るときには、

「AIは成長するのか」

だけではなく、

「現在の株価は何年先の成長まで織り込んでいるのか」

を考えることが重要です。

今後の日本株で確認したいポイント

今後の相場を見るうえでは、まず米国のインフレとFRBの金融政策が重要になります。

米国のインフレが鈍化して金利が低下すれば、米国株には追い風になる可能性がありますが、ドル安・円高を通じて日本の輸出企業には逆風となる可能性があります。

一方、円安が続けば日銀の追加利上げリスクが高まります。

さらにAI関連では、NVIDIAの次世代GPU「Rubin」の量産時期、利益率、ハイパースケーラーの設備投資計画、HBMを中心としたメモリー需要などが重要になります。

これらが再び上向けば、AI関連株の調整が終了する重要なシグナルになる可能性があります。

まとめ

今回の動画では、日本株とAI相場について「短期は慎重、長期は強気」という非常に明確な見方が示されています。

7月の急落後、8月には日経平均やTOPIXが大きく反発しましたが、騰落レシオやSQ前後の需給を見る限り、8月の安値が最終的な大底だったとはまだ言い切れません。

次の重要な底打ち候補として、10月初旬、さらに調整が長引いた場合には年末が意識されています。

短期的には、FRBの利下げによる円高、日銀の追加利上げ、NVIDIA「Rubin」への世代交代に伴うAIサーバー生産の停滞などが日本株のリスク要因です。

特にAIデータセンター投資は現在の日本の半導体、電子部品、電線、非鉄金属、製造装置など幅広い業界を支えているため、投資ペースの一時的な鈍化が日本経済全体に波及する可能性があります。

一方、長期的なAI需要については悲観する必要はないというのが動画の基本的な見方です。

AIは単なる一過性のテーマではなく、蒸気機関、自動車、コンピューターなどと同じように社会全体を変える巨大なイノベーションになる可能性があります。

ハイパースケーラーによる設備投資も拡大しており、AIによるホワイトカラー業務の代替も米国ではすでに始まりつつあります。

したがって、AI相場について重要なのは「終わったかどうか」を考えることではありません。

長期的な成長トレンドの途中で、どこまで短期的な調整が進むのかを見極めることです。

日本株についても同様で、8月の反発だけを見て強気一辺倒になるのではなく、10月から年末にかけての再調整リスク、ドル円、FRB、日銀、そしてAI設備投資の動向を確認しながら慎重に相場を見る必要がありそうです。

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