本記事は、YouTube動画『資産5000万円のリアル|5000万円の定義と生活はどう変わるのか』の内容を基に構成しています。
「資産5000万円」と聞くと、かなり裕福な生活をイメージする人も多いかもしれません。しかし実際には、5000万円を持っているからといって、必ずしも豪華な生活ができるわけではありません。
また、「5000万円というのは株だけなのか」「現金も含めていいのか」「自宅や不動産は資産として数えるのか」といった疑問もあります。
今回の動画では、こうした疑問について、資産5000万円の定義から、5000万円を達成した後の生活、現金や不動産の考え方まで詳しく解説しています。
資産形成を進めている人にとって、「自分はいくら持っているのか」を正しく考えるためにも重要な内容です。
資産5000万円とは何を意味するのか
まず整理しておきたいのが、「総資産」「純資産」「金融資産」の違いです。
例えば、
株式2000万円、債券500万円、金500万円、現金500万円、不動産1500万円
を持っている場合、単純に合計すると総資産は5000万円です。
一方で、住宅ローンなどの負債がある場合、その負債を差し引いたものが純資産になります。
また、不動産などの実物資産を除き、経済的価値を持つ資産を一般的に金融資産と呼びます。
厳密には、金についても現物の金地金として保有している場合は実物資産ですが、金ETFや投資信託として保有している場合には金融資産として扱われます。
ただし、動画ではこうした厳密な分類よりも、もっと重要な考え方があるとしています。
それが、
「その資産がリターンを生むものなのか」
という視点です。
動画でいう「資産5000万円」は収益を生む資産
動画内で「資産5000万円」と表現するときは、基本的に将来のリターンを生むことを目的として保有している資産を指しています。
具体的には、
株式、不動産、債券、現金、ビットコインなどです。
例えば収益物件であれば、家賃収入を生み出すため資産としてカウントします。
一方、自宅については基本的には収益を生まないため、動画内の資産5000万円には含めていません。
同じように、生活防衛資金や税金の支払いに備えて確保しているお金、近いうちに使う予定のお金についても、資産形成のための5000万円からは除外しています。
子どもの教育資金なども、自分の投資資産として運用するお金ではないため、カウントしていません。
つまり重要なのは、形式上どのカテゴリーに分類されるかではなく、
「今後、資産形成や運用に使う予定のあるお金なのか」
という考え方です。
現金は5000万円に含めてもいいのか
特に質問が多いのが現金についてです。
「現金はリターンを生まないのだから、5000万円には含めないのではないか」
と考える人もいます。
しかし動画では、現金については2種類に分けて考えるべきだとしています。
1つは生活防衛資金や近いうちに使う予定のお金。
もう1つは投資のために待機させている現金です。
生活防衛資金や近いうちに使う予定のお金については、投資に回さないため除外します。
一方、暴落時の買い増しなどを目的として待機させている現金については、投資戦略の一部なので資産としてカウントしてよいという考え方です。
資産5000万円でFIREすると生活はどうなるのか
では、収益を生む資産5000万円を持っていれば、生活はどのくらい変わるのでしょうか。
まず考えられるのがFIREです。
FIREとは「Financial Independence, Retire Early」の略で、資産運用による収入などによって経済的自立を実現し、早期退職する考え方です。
動画では、資産5000万円を4%ずつ取り崩した場合を例にしています。
5000万円の4%は年間200万円です。
月額にすると約16.6万円になります。
つまり、5000万円だけで完全に仕事を辞めるフルFIREをする場合、使える金額は月約16.6万円です。
家賃や食費、光熱費、保険料などをここから支払うことを考えると、決して贅沢な生活とはいえません。
むしろかなり支出を抑えた生活が必要になる可能性があります。
サイドFIREでも5000万円では余裕が大きいとは限らない
完全に仕事を辞めるのではなく、多少働きながら資産収入を得る「サイドFIRE」や「バリスタFIRE」という方法もあります。
例えば、資産から月16.6万円を得ながら、労働収入として月10万円を稼ぐとします。
合計すると月26.6万円です。
生活できる水準にはなりますが、これでも豪華な生活ができるほどではありません。
夫婦2人がそれぞれ月10万円ずつ働けば、資産収入16.6万円と合わせて月36.6万円になります。
ここまでくると生活には余裕が出てきます。
つまり資産5000万円の価値は、
「贅沢な生活を実現する」
というよりも、
「働く時間を減らす選択肢を持てる」
という点にあります。
5000万円で得られる最大のメリットは、豪華な生活ではなく「時間の自由」だというわけです。
FIREしないなら5000万円で生活は大きく変わる
一方、仕事を辞める予定がない場合は話が変わります。
資産5000万円を持ちながら会社員などとして働き続けるのであれば、生活をかなり豊かにできる可能性があります。
例えば5000万円を4%取り崩せば、月約16.6万円です。
さらに、それまで毎月10万円を積み立て投資していたとします。
5000万円に到達したことで積み立てをやめれば、その10万円も自由に使えるようになります。
すると、
月16.6万円の資産収入+月10万円の積み立て停止分
で、月26.6万円を旅行や趣味、外食などのために使える計算になります。
生活費そのものは給与で賄えるため、生活水準をかなり引き上げることも可能です。
仕事を辞めないため時間の自由は増えませんが、「お金を使う自由」は大きく増えることになります。
5000万円到達後も積み立てを続ける場合
もちろん5000万円に到達した後も、投資を続ける人はいます。
例えば、
老後資金としてさらに増やしたい人や、将来的にFIREを目指している人です。
こうした場合、5000万円に到達しても、それまでと同じように投資を続けることになります。
そのため生活そのものはほとんど変わりません。
給料から積み立てを行い、投資資産から得られる利益も再投資するからです。
資産額は増えていても、日常生活は5000万円到達前と同じというケースも十分あります。
積み立てをやめれば可処分所得が増える
一方、すでに十分な資産を形成していて、
「5000万円をそのまま運用していれば、将来の目標資産に到達できる」
と考える人は、積み立てをやめる選択肢もあります。
この場合、それまで投資に回していた給与をすべて使えるようになります。
例えば毎月10万円積み立てていた人なら、年間120万円の可処分所得が増えることになります。
この違いは非常に大きいものです。
同じ資産5000万円を持っていても、
FIREするのか、働き続けるのか、運用益を使うのか、再投資するのか
によって生活は大きく変わります。
つまり、5000万円という金額だけでは、その人の生活水準を判断できないということです。
現金も投資資産として重要な理由
動画では、現金についてさらに詳しく説明しています。
例えば、
株式3500万円、現金1500万円
というポートフォリオを考えます。
株式として直接運用しているのは3500万円だけなので、「5000万円を運用しているとは言えないのではないか」と感じるかもしれません。
確かに現金そのものは、株式のように値上がりするものではありません。
インフレが進めば実質的な購買力は減少する可能性もあります。
しかし現金には、投資全体のリターンを支える重要な役割があります。
暴落時に株を買えるのが現金の強み
現金を持つメリットの1つが、株価暴落時に買い増しできることです。
例えば株式市場が20%から30%下落したとします。
資産をすべて株式に投資している場合、新たに株を購入する余力がありません。
むしろ含み損が拡大し、不安になって売却してしまう可能性もあります。
しかし現金を持っていれば、
「安くなったから買う」
という選択肢が生まれます。
その後、株式市場が回復すれば、安値で購入した株式がポートフォリオ全体のリターンを押し上げる可能性があります。
つまり現金は、ただ銀行口座で眠っているだけのお金ではありません。
将来訪れる投資機会のために待機している「弾薬」としての役割を持っているのです。
暴落時に株を売らずに済むメリット
現金のもう1つの大きな役割が、生活費の取り崩しです。
FIRE後などに生活費を資産から取り崩す場合、株しか持っていなければ、株価が暴落している最中でも株を売らなければなりません。
しかし現金を持っていれば、暴落時には現金から生活費を取り崩すことができます。
その間、株式を売らずに保有し続けることが可能です。
株価が低い場面で株を売らないということは、結果としてその価格帯からの将来のリターンを保持することになります。
そのため現金は、直接利益を生まなくても、間接的に投資全体の成果を高める可能性があります。
株価が安いときほど将来リターンは高くなりやすい
動画では、株式を購入する価格によって将来リターンが大きく異なるという説明もされています。
株式市場が大きく下落し、割安になっている局面で投資した場合、その後の長期リターンが高くなる可能性があります。
逆に、市場が非常に割高な高値圏にあるときに投資すると、その後の期待リターンは低くなる傾向があります。
だからこそ、暴落時に現金を持っていることには意味があります。
安値で株を買えるだけではなく、すでに持っている株を安値で売却せずに済むからです。
この意味でも、投資用の現金は立派な運用資産の一部だと考えることができます。
現金5000万円でも「資産5000万円」で問題ない
では、現時点ですべて現金で5000万円を持っている人はどうでしょうか。
動画では、これから投資する予定があるのであれば、それも資産5000万円と考えて問題ないとしています。
例えば5000万円のうち3500万円を今後株式に投資するのであれば、最初から株式3500万円、現金1500万円を持っている人と経済的な状況はほぼ同じだからです。
むしろ含み益がない状態から投資を始めるため、税金を考慮した手取りベースでは有利になるケースもあります。
重要なのは、現在どの商品に入っているのかではありません。
「今後、そのお金を運用する予定があるかどうか」
です。
銀行口座のお金をすべて資産に含めるのは間違い
ただし、ここには重要な注意点があります。
銀行口座にある現金をすべて「投資資産」として計算してはいけません。
動画では、除外すべき現金として大きく2つ挙げています。
1つ目が生活防衛資金です。
病気やけが、失業、災害などの緊急事態に備えるため、半年から1年程度の生活費を現金として確保する考え方があります。
このお金は暴落時の買い増し資金ではありません。
万一のときに生活を守るための保険のような存在です。
そのため資産形成の5000万円からは除外して考えます。
数年以内に使う予定のお金も除外する
2つ目が、近い将来に使う予定のお金です。
例えば、
来年の車の購入費300万円、再来年の子どもの入学金200万円、数年後の住宅購入の頭金500万円
などです。
こうしたお金は使い道がすでに決まっています。
投資して長期間運用することを前提とした資金ではありません。
そのため、資産形成のための運用資産から除外します。
例えば、
株式3000万円、債券500万円、投資待機資金500万円、生活防衛資金と近いうちに使うお金1000万円
を持っていたとします。
銀行口座や証券口座などの残高をすべて合計すれば5000万円です。
しかし、運用対象となる資産は4000万円です。
この場合、「資産5000万円×5%」で期待リターンを計算するのではなく、「運用資産4000万円×5%」で考えるべきだということになります。
なぜ期待リターンを5%で計算するのか
動画では、資産5000万円から年間5%程度のリターンを想定するケースがよく登場します。
その理由として、比較的安定したポートフォリオでも5%程度の期待リターンを想定できるという考え方が紹介されています。
例として、
株式50%、債券25%、現金25%
というポートフォリオを考えます。
仮に株式の長期リターンを年間7%から9%とすると、株式部分が50%なのでポートフォリオ全体への寄与は約3.5%から4.5%です。
債券のリターンを3.2%とすると、25%保有しているため約0.8%の寄与になります。
現金の預金金利を0.4%と仮定すると、25%なので約0.1%です。
これらを合計すると、ポートフォリオ全体の期待リターンは約4.4%から5.4%になります。
動画では、この考え方から「5%」という数字を目安として使用しています。
リバランスによってリターン改善を狙う
さらに、株式・債券・現金の比率を調整するリバランスを行うことで、リターンを改善できる可能性があります。
例えば暴落によって株式の割合が大きく下がった場合、現金や債券を売却して株を購入します。
すると株価が回復したときに、追加購入した株式がリターンに貢献します。
取り崩しについても、株価が下落している場面では現金や債券から生活費を取り崩し、株式を売らないという方法があります。
また、株式比率を50%より高くすれば、それだけポートフォリオの期待リターンも高くなる可能性があります。
動画では、株式比率80%以上の人であれば、5%を上回る期待リターンも考えられると説明しています。
ただし、一般論として株式比率を高めれば価格変動リスクも大きくなる点には注意が必要です。
最も判断が難しいのが不動産
資産5000万円を考えるうえで最も難しいのが不動産です。
特に自宅を資産として含めるかどうかは、人によって考え方が大きく異なります。
野村総合研究所が公表している資産階層の分類では、「純金融資産」という考え方が使われています。
これは預貯金、株式、債券、投資信託などの金融資産から、住宅ローンなどの負債を差し引いて計算する考え方です。
そのため、不動産価格そのものは金融資産には含まれません。
収益不動産は資産として考えやすい
一方、動画内では収益不動産については資産としてカウントしています。
例えば5000万円の収益物件があり、ローン残高が2000万円なら、
5000万円-2000万円=3000万円
を不動産の純資産として考えることができます。
家賃収入を生み出しているため、株式や債券と同じように「収益を生む資産」として考えられるからです。
自宅は原則として資産形成の金額から除外
自宅については少し考え方が異なります。
例えば自宅の市場価値が3000万円あり、住宅ローン残高が1000万円だったとします。
純粋な資産価値だけを考えれば2000万円の純資産があることになります。
しかし、自宅を売却しない限り、その2000万円を株式などに投資することはできません。
さらに住宅ローンが残っていれば、毎月返済も発生します。
そのため動画では、住宅ローンが残っている自宅については、投資資産5000万円の計算から外した方が分かりやすいとしています。
住宅ローン完済後の自宅には経済的価値がある
ただし、住宅ローンを完済している自宅については考え方が変わります。
例えば市場価値2000万円の自宅に住んでいて、その地域で同程度の住宅を賃貸すると年間140万円かかるとします。
自宅を所有していることで年間140万円の家賃を支払わずに済みます。
2000万円の住宅資産によって年間140万円の住居費削減効果があると考えると、
140万円÷2000万円=7%
です。
つまり経済的には、2000万円の資産から年間7%相当のメリットを受けているとも考えられます。
このような意味では、ローンのない自宅にも大きな経済的価値があります。
自宅は売却した時点で運用資産として考える方法もある
動画では最終的に、自宅については少し保守的に計算する方法を提案しています。
住宅ローンが残っている間は、基本的には運用資産から除外する。
そして自宅を売却し、現金化した時点で運用資産に加えるという考え方です。
例えば自宅を3000万円で売却して住宅ローン1000万円を返済し、2000万円が手元に残った場合、その2000万円を投資に回せます。
この段階で初めて運用資産としてカウントするという方法です。
資産額を少なめに見積もっておく方が、資産形成の計画としては安全だという考え方でもあります。
「5000万円あるか」より「運用できる5000万円か」が重要
動画全体を通して最も重要なのは、資産の名称や形式ではありません。
「そのお金を今後、資産形成のために運用する予定があるのか」
という点です。
例えば投資待機資金として保有している現金なら、現在株式に投資されていなくても資産に含められます。
一方、生活防衛資金や近いうちに使う予定のお金は、銀行口座にあっても投資資産から除外します。
収益不動産は収益を生んでいるため資産に含めます。
自宅は原則として運用していないため除外し、売却して現金化した段階で運用資産として考えるという方法もあります。
このように考えると、「資産5000万円」の意味がかなり明確になります。
まとめ
資産5000万円という言葉だけを見ると、大きなお金を持っていることに目が向きがちです。
しかし実際に重要なのは、その5000万円をどのように使うかです。
5000万円でフルFIREをすれば、4%取り崩しでは年間200万円、月約16.6万円となり、決して豪華な生活ではありません。
一方、仕事を続けながら運用益を使ったり、積み立てをやめたりすれば、毎月使えるお金は大きく増えます。
同じ5000万円でも、その活用方法によって生活への影響は大きく異なります。
また、現金についても「リターンがないから資産ではない」と単純に考える必要はありません。
暴落時の買い増し資金になったり、株価下落時に株を売らずに生活費を確保できたりするため、投資待機資金としての現金はポートフォリオの重要な一部です。
ただし、生活防衛資金や数年以内に使う予定のお金まで運用資産に含めるのは避けた方がよいでしょう。
資産5000万円を考えるときは、単純な銀行口座や証券口座の残高ではなく、
「将来のために運用できる資産がいくらあるのか」
という視点で考えることが重要です。
5000万円は必ずしも「贅沢できる金額」ではありません。しかし、働き方や時間の使い方、将来の選択肢を大きく広げる金額であることは確かです。


コメント