本記事は、YouTube動画『私が投資1年目で知りたかったこと16選を専業投資家が公開!』の内容を基に構成しています。
投資を始めたばかりの頃は、「どの銘柄を買えばいいのか」「暴落したらどうすればいいのか」「分散投資はどこまで必要なのか」など、分からないことが数多くあります。
今回の動画では、2016~2017年頃から株式投資を始め、約10年の経験を持つ投資家2人が、「もし投資1年目の自分にアドバイスできるなら何を伝えるか」というテーマで、それぞれの経験から得た教訓を語っています。
内容は単なる銘柄選びのテクニックではありません。相場の流れへの乗り方、売り時の考え方、暴落時の行動、ポートフォリオ管理、投資対象の選び方など、長く株式投資を続けるうえで重要な考え方が数多く紹介されています。
投資初心者こそ「みんなが注目している場所」を見る
最初に紹介されたのが、「ミーハーであれ」という考え方です。
投資を始めた当初は、他の投資家が注目していない銘柄を見つけることに魅力を感じたり、「みんなと違うことをした方が格好いい」と考えたりすることがあります。
しかし、大きな相場の流れが発生しているときには、その流れに素直に乗ることも重要です。
動画では、海運株や銀行株など、市場で大きなテーマとなった業種が例として挙げられています。こうしたテーマを実際に追うことで、利益を得る可能性だけでなく、その業界についての知識も増えていきます。
さらに、多くの投資家が注目しているテーマであれば、他の投資家との情報交換もしやすくなります。
「人と違う銘柄を買うこと」そのものに価値があるわけではありません。大きな資金が流れ込んでいるテーマを素直に研究することも、投資家としての経験を積む方法の1つだという考えです。
「安い」という理由だけで株を買わない
続いて語られたのが、「安いだけで買うな」という教訓です。
動画出演者の1人は、投資を始めた2017年頃、PBRが低い銘柄を中心に購入していたと振り返っています。
当時読んでいた投資本には、リーマンショック後の低PBR銘柄を買い、PBRが正常な水準へ戻るまで待つという投資方法が紹介されていました。
そのため、PBR0.5倍前後といった銘柄を積極的に購入していましたが、結果として「バリュートラップ」に陥ったとしています。
バリュートラップとは
バリュートラップとは、一見すると割安に見えるものの、業績悪化や成長性の低さなど、安く評価されるだけの理由が存在し、株価がなかなか上昇しない状態を指します。
PBRやPERなどの指標が低いことは、必ずしも「お買い得」を意味しません。
もちろん、明確な投資方針があり、企業改革や業績改善などの材料を確認したうえでバリュー株を買うのであれば別です。
重要なのは、「数字が安いから」という理由だけで投資判断をしないことです。
投資家の実力は「買い時」より「売り時」に表れる
株式投資では、「何を買うか」に注目が集まりがちです。
しかし動画では、買い時以上に「売り時」に投資家の実力が表れると指摘しています。
好決算を発表した銘柄であっても、その後どこまで株価が上昇するかを正確に予測することはできません。
上昇が行き過ぎるケースもあれば、逆に必要以上に売られるケースもあります。
そのため、利益確定をどこでするのか、損切りをどこでするのかという「出口戦略」が非常に重要になります。
同じ銘柄を同じ時期に買っていたとしても、2月末に売った人と5月まで保有した人では、最終的な成績が大きく変わることがあります。
買う銘柄が同じでも、売るタイミングによって投資家ごとの差が生まれるというわけです。
自分が理解できないものには投資しない
投資初心者にとって非常に重要なのが、「分からないものに投資しない」という原則です。
企業のビジネスモデルや成長性を理解していなければ、株価が下落したときに「持ち続けるべきなのか」「売るべきなのか」を判断できなくなります。
重要なのは、自分なりの物差しを持つことです。
「このビジネスモデルならこの程度の評価が妥当ではないか」「この成長率ならこのくらいの株価水準まで期待できる」といった判断基準を持っていなければ、売買判断が他人任せになってしまいます。
動画では、SNSで話題になった銘柄を理解しないまま購入し、損失を経験したことも紹介されています。
自分で理解できない個別株を買うくらいなら、TOPIXなどのインデックス投資でもよいという考え方です。
「退屈な投資」が結果的に良い投資になることもある
投資というと、急騰株を発掘したり、大きな値幅を狙ったりするイメージを持つ人も少なくありません。
しかし動画では、「退屈な投資こそ良い投資」という考え方も紹介されています。
業績がある程度予測でき、株主還元もしっかりしており、翌期も増収増益が期待できる企業であれば、毎日の株価を細かく確認する必要はありません。
大きな刺激はないかもしれませんが、「どうせ来年も業績は悪くないだろう」と安心して保有できる銘柄は、ポートフォリオの安定性を高める存在になります。
動画では地方銀行などを例に、こうした比較的見通しを立てやすい銘柄をポートフォリオに組み込むことのメリットが語られています。
初心者のうちはさまざまな投資手法を試してみる
一方で、初心者の段階から1つの投資方法だけに固定する必要もないとしています。
動画では、「いろいろな手法を試し、いろいろな銘柄を触ってみる」ことも重要だとしています。
投資を始めたばかりの頃は、自分がどの投資方法に向いているのか分かりません。
長期投資が得意なのか、短期トレードが得意なのか、成長株投資が得意なのか、バリュー株投資が得意なのかは、実際に経験してみなければ分からない部分があります。
動画では、投資経験者の中にも、さまざまな方法を試した結果として現在の投資スタイルにたどり着いた人が多いと説明しています。
自分に隠れている得意分野を探すという意味でも、初心者の頃はある程度幅広く経験する価値があります。
暴落初日に焦って買わない
株式市場が大きく下落すると、「こんな安値で買えるのは今しかない」と考えて、すぐに買いたくなるものです。
しかし動画では、「暴落した初日に焦って買いに行かない方がいい」としています。
出演者自身も、暴落初日に買ってしまい、その翌日にさらに株価が下落して苦しくなるケースを何度も経験してきたと語っています。
特に最近の暴落では、1日だけで終了するのではなく、2日、3日と下落が続くケースもあります。
動画では2024年8月の急落を例に、下落が週後半から始まり、翌週月曜日に非常に大きな下落へ発展したことが紹介されています。
そのため、
「2日程度待ってみる」
「想定より少し長く待つ」
「一度反発してから買う」
といった余裕を持つことも重要だとしています。
暴落時には「ここで稼がなければ」と考えがちですが、必ずしも底値を正確に買う必要はありません。
分散しすぎず、自信のある銘柄にはある程度資金を配分する
分散投資はリスク管理の基本ですが、銘柄数を増やしすぎることにも問題があります。
動画出演者は、理想的には15銘柄前後と考えているものの、気付けば20銘柄、30銘柄と増えてしまうことがあると話しています。
銘柄数が増えすぎると、それぞれの企業を十分に調査できなくなります。
決算発表を確認し忘れるなど、管理上のミスも増えやすくなります。
学校の勉強に例えるなら、勉強する科目が少なければ1科目あたりに多くの時間を使えますが、科目数が増えれば、それぞれに使える時間は少なくなります。
株式投資でも同じように、自分が管理できる範囲を超えて銘柄数を増やさないことが重要です。
動画では、10~15銘柄程度など、自分がよく理解している銘柄へある程度資金を配分する方法が紹介されています。
ただし集中投資のしすぎにも注意
一方で、初心者が1~2銘柄だけに資金を集中させることもリスクがあります。
初心者の時期は経験を積むことも重要だからです。
複数銘柄を保有しながら、必要に応じて損切りを行い、さまざまな値動きを経験することで投資判断の経験値が蓄積されていきます。
特に避けたいのが、初心者の頃から1銘柄を何年も塩漬けにしてしまうことです。
動画では、「投資歴5年でも、同じ銘柄をずっと持っているだけでは経験値がたまりにくい」と指摘しています。
個別株だけでなくインデックス投資も別軸で持つ
個別株投資をしていても、インデックス投資を並行して行うことは有効だとしています。
動画では、実際に大きな資産を運用しているトレーダーでも、個別株とは別に数億円単位の資金をファンドなどへ預けているケースがあると紹介されています。
自分自身の判断で運用する資金とは別に、インデックスやファンドなどへ一定の資産を置くことで、資産全体のリスクを分散できます。
個別株投資がうまくいっている時期であっても、別の運用先へ資金を移しておくという考え方です。
チャートの裏側にいる投資家を考える
チャートを見るとき、ローソク足や移動平均線だけを見るのではなく、「誰がこの価格で買っているのか」を考えることも重要です。
例えば、株価上昇の後半になってから参加してきた投資家は、その企業や業界について詳しいというより、上昇している勢いを見て買っている可能性があります。
一方で、出来高が大きく増加し、企業や業界に変化が起きた初期段階から資金が入っている場合、中長期的なトレンドを見込んだ投資家が買っている可能性があります。
このようにチャートを単なる価格の線として見るのではなく、「どんな投資家が、なぜ買っているのか」という背景まで想像することで、値動きの意味をより深く理解できるようになります。
1銘柄で勝つことにこだわりすぎない
投資では、「この銘柄では絶対に利益を出したい」と考えてしまうことがあります。
自分で長時間調べた銘柄ほど、その思いは強くなりやすいでしょう。
しかし動画では、1銘柄で勝つことにこだわりすぎない方がよいとしています。
株式市場には、その時々で旬となる銘柄やテーマがあります。
上がらない銘柄を塩漬けにして「いつかこの銘柄で勝つ」と考えるよりも、現在強く上昇している別の銘柄へ資金を移した方が、期待値が高い場合があります。
重要なのは、1回の銘柄選びで勝つことではありません。
失敗したトレードについては反省しつつ、次のチャンスへ柔軟に移ることが大切です。
「時代や世の中の変化」を投資機会として考える
中長期投資では、社会そのものの変化を捉えることが重要です。
動画では、地方銀行、サブコン、化学などが例として挙げられています。
企業を取り巻く環境が変化し始めても、その変化がすぐに株価へ完全に織り込まれるとは限りません。
企業の現場では徐々に変化が進んでいても、金融市場の参加者がその変化を理解するまでには時間がかかる場合があります。
その結果、大きな社会変化が株式市場では長期的なトレンドとして現れることがあります。
「世の中で何が変わっているのか」を観察し、その変化によって恩恵を受ける企業や業界を探すことは、中長期投資における重要な視点です。
「下がったらもっと欲しい」と思える銘柄を買う
ファンダメンタルズを重視した中長期投資の場合、「下がっても欲しいと思える銘柄へ投資する」ことが重要だとしています。
もちろん、短期トレードであれば株価が一定水準まで下落した時点で損切りすることも必要です。
一方、中長期のファンダメンタルズ投資では、企業価値に対する考え方が変わっていないのであれば、株価下落によってむしろ割安になったと判断できることがあります。
そのためには、
企業について十分に理解していること、
翌期以降の業績にある程度確信を持っていること、
株価が下落しても投資判断を維持できる根拠を持っていること、
が必要です。
「なんとなく上がりそうだから」という曖昧な理由で購入した銘柄では、下落したときに不安になり、適切な判断ができなくなります。
腰を据えて保有できる企業を選ぶことが重要だという考え方です。
高値更新銘柄を調べる
動画では、投資先を探す際に「高値更新銘柄を見ること」も勧めています。
高値を更新しているということは、その銘柄へ現在資金が流れ込んでいる可能性が高いということです。
特に大型株を高値へ押し上げるには一定規模の資金が必要になるため、機関投資家など大口投資家がどの業種やテーマへ注目しているのかを推測する材料にもなります。
つまり、高値更新銘柄を調べることは、「今、マーケットの資金がどこへ向かっているのか」を確認することでもあります。
安値更新銘柄より高値更新銘柄を優先する理由
では、逆に安値更新銘柄を狙うのはどうなのでしょうか。
動画では、安値更新銘柄を見ること自体は否定していませんが、優先順位としては高値更新銘柄の方が高いとしています。
株価が下落している銘柄では、すでに市場から資金が抜けているケースが多いためです。
安値圏からの反発を狙う逆張り投資では、市場参加者の多くが悲観している状況で、他の投資家とは異なる判断をしなければなりません。
そのため、対象企業や業界について非常に深い知識が必要となります。
一方、高値更新銘柄はすでに資金が入っているため、その流れに沿って投資する「順張り」ができます。
動画では地方銀行、サブコン、化学など、強いテーマでは株価が2倍、3倍、場合によっては4~5倍まで上昇した例に触れ、こうした大きな上昇トレンドへ乗る方が期待値を高めやすいとしています。
常に柔軟に投資判断を変える
最後に紹介された重要な教訓が、「常に柔軟に物事を考える」ということです。
投資経験が長くなるほど、自分の中に固定観念が生まれやすくなります。
「この業界は成長しない」
「この企業は昔から利益率が低い」
「この業種の株価は上がらない」
といった過去の常識にとらわれていると、大きな変化が起きても投資機会を見逃してしまいます。
動画では、地方銀行について「もう上がらない」と考えていた人や、サブコンについて「ゼネコンの下請けなので利益率が改善することはない」と考えていた人が多かったことが紹介されています。
しかし実際には、少しずつ企業環境や数字に変化が現れていました。
固定観念ではなく数字を見る
もちろん、「時代が変わった」という言葉だけで投資するのは危険です。
重要なのは、本当に変化が起きているのかを数字で確認することです。
業績や利益率、企業を取り巻く環境などを確認し、変化に継続性があるかを判断します。
動画では、インフレも大きな時代変化の1つとして挙げられています。
長期間デフレが続いていたからといって、永遠にデフレが続くわけではありません。
経済環境そのものが変化しているのに、過去の常識だけで投資判断を続けていれば、新しい相場環境に対応できなくなります。
自分なりの投資基準を持ちながらも、事実が変われば考え方も変える。この柔軟性が、中長期投資では特に重要だとしています。
投資経験10年でも同じ失敗をすることがある
今回紹介された教訓は、投資初心者だけに向けられたものではありません。
動画の出演者自身も、「10年前の自分に伝えたい内容ではあるものの、半分くらいは今の自分にも伝えたい」と話しています。
例えば、暴落するとすぐ買いに行ってしまったり、長く調べてきた銘柄だからという理由で、その銘柄にこだわりすぎたりすることは、経験を積んだ投資家でもあります。
投資で完璧な判断を続けることは難しいものです。
重要なのは、毎回完璧な売買を目指すことではなく、長期的に期待値がプラスになる判断を積み重ねることです。
まとめ|投資1年目に大切なのは「銘柄選び」だけではない
今回の動画で紹介された内容を通して見えてくるのは、投資で長く結果を残すためには、単に「良い銘柄を見つける能力」だけでは不十分だということです。
大きな相場の流れに乗ること、安いという理由だけで株を買わないこと、売り時を考えること、自分が理解できる企業へ投資すること、暴落時に焦らないこと、銘柄数を管理すること、そして時代の変化に柔軟に対応することが重要です。
特に印象的投資初心者が知っておきたい16の教訓|専業投資家が「1年目の自分に伝えたいこと」を解説なのは、「1銘柄の勝ちにこだわらない」「高値更新銘柄を見る」「固定観念にとらわれない」という考え方です。
投資初心者ほど、最初に選んだ銘柄や投資手法へ強い思い入れを持ちやすいものですが、市場環境は常に変化しています。
重要なのは、自分の考えを持ちながらも、新しい事実が出てきたときには柔軟に修正することです。
また、すべての教訓を最初から完璧に実践する必要もありません。動画でも、投資経験約10年の出演者自身が現在でも同じような失敗をすることがあると語っています。
投資では、1回の売買を完璧にすることよりも、失敗から学びながら自分に合った方法を見つけ、長期的に再現性のある判断を積み重ねることが重要です。
投資を始めたばかりの人にとって、今回紹介された考え方は、今後自分自身の投資スタイルを作っていくうえで参考になるでしょう。


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