RBA利上げ・日銀政策転換で円高リスク浮上?ドル円157円台の攻防と今週のFX相場展望

本記事は、YouTube動画『9月28日(月)FXニュース』の内容を基に構成しています。

今週のFX市場では、オーストラリア準備銀行(RBA)の政策金利発表、米ISM製造業景況指数、米雇用統計など重要イベントが相次ぎます。

さらに日本では、日銀の金融政策をめぐって「物価を2%まで引き上げる段階」から「2%前後に定着させる段階」へ移りつつあるとの議論も出ています。

動画では、こうした金融政策の変化に加えて世界的な長期金利上昇に注目し、これまで長期間続いてきた円安・キャリートレードの流れが逆回転する可能性について解説しています。

目次

今週のFX市場は重要イベントが集中

まず注目されるのが、9月29日に予定されているRBAの金融政策決定です。

RBAは9月28日から29日に金融政策会合を開催し、29日に政策金利を発表する予定です。RBAの公式情報では、直近8月の会合で政策金利を4.35%に据え置いており、次回の決定は9月29日に発表されます。

動画では、市場では25ベーシスポイントの利上げを想定する動きがあり、利上げそのものよりも「その後の金融政策についてRBAが何を語るか」が重要になるとの見方が示されています。

利上げしても豪ドル高になるとは限らない

一般的には、政策金利の引き上げは通貨高材料として考えられます。

しかし、すでに利上げが市場に織り込まれている場合、実際に利上げが行われても、それだけでは豪ドルが大きく買われない可能性があります。

重要になるのが声明の内容です。

動画では、RBAが追加利上げの可能性を残す「タカ派」の姿勢を示せば、豪ドル買いにつながる可能性がある一方、「今回の利上げでいったん様子を見る」「インフレ抑制が進んでいる」といった姿勢を示した場合には、利上げしたにもかかわらず豪ドルが売られる展開も考えられると解説しています。

つまり、

「利上げ=必ず豪ドル高」

ではなく、

「利上げ後の金融政策見通しがどう変化するか」

を見る必要があるということです。

動画では、後者のケースを想定した豪ドル売りについても注目しています。

豪州CPIにも注目

RBAの政策金利発表に続いて、オーストラリアの物価関連指標も重要になります。

動画では、市場予想として高めのインフレ率が意識されており、RBAがタカ派的な姿勢を示した場合、その背景に強い物価指標がある可能性についても触れています。

インフレ率が予想以上に高ければ、追加利上げ観測が強まりやすくなります。

逆に、物価上昇が想定より弱ければ、市場が織り込んでいた将来の利上げ期待が後退する可能性があります。

このため、豪ドルについてはRBAの結果だけで判断するのではなく、その後のインフレ指標まで合わせて確認する必要があります。

10月1日は米ISM製造業景況指数

10月に入ると、米国の経済指標にも重要なものが続きます。

10月1日には、9月分のISM製造業PMIが発表される予定です。ISMも公式に10月1日10時(米東部時間)の発表を予定しています。

動画では、直近の米国経済指標が強かったことから、ISMについても強い結果が出る可能性を警戒しています。

米国経済が市場予想以上に堅調であれば、利下げ期待が後退したり、米長期金利が高止まりしたりすることで、ドルが再び買われる可能性があります。

特にドル円については、円側の材料だけではなく、米国金利の動きにも大きく左右されるため注意が必要です。

10月2日は米雇用統計

さらに10月2日には9月分の米雇用統計が発表されます。

米労働統計局(BLS)の公式スケジュールでも、9月分の雇用統計は10月2日8時30分(米東部時間)に予定されています。

そのため、週後半にかけてポジション調整が発生する可能性があります。

動画では、ドル円について今週は方向感を判断するのが難しい1週間になるとの見方が示されています。

日銀は「2%を目指す」段階から変化しているのか

日本円を考えるうえで重要なのが、日銀の金融政策です。

9月28日には、7月30日・31日に開催された金融政策決定会合の議事要旨が公表されました。

日銀の議事要旨では、複数の委員が基調的な消費者物価上昇率について「最近2%に近づいている」との認識を共有し、2%程度で定着するかを確認することが重要との議論が行われています。

ここは非常に重要な変化です。

これまでの日本では、「どうすればインフレ率を2%まで引き上げられるか」が金融政策の大きなテーマでした。

しかし、物価上昇が続けば、今度は

「2%程度の物価上昇を安定させられるか」

という段階に変化します。

動画では、この変化を日銀の政策局面が転換し始めている兆候として捉えています。

また、金融緩和の調整を遅らせるリスクについても意識され始めているとして、今後の追加利上げを警戒する必要があるとしています。

ただし、具体的な利上げ時期については確定しているわけではなく、今後の物価、賃金、景気、金融市場などによって判断が変わる点には注意が必要です。

日本への資金還流はまだ初期段階との見方

動画でもう1つ大きなテーマとなっているのが、「海外へ流出していた日本の資金が国内へ戻る可能性」です。

長年、日本は超低金利が続いていました。

そのため、日本の投資家にとって国内債券よりも海外債券などへ資金を投じるメリットが大きい状況が続いていました。

しかし、日本の金利が上昇すれば状況は変わります。

国内債券から得られる利回りが高くなれば、為替変動リスクを取ってまで海外へ投資するメリットが小さくなるからです。

金利差が縮小すると為替ヘッジの重要性が高まる

たとえば海外債券の利回りが日本より2%高かったとしても、円が数%上昇すれば、為替差損によって金利差の利益が消えてしまう可能性があります。

そのため金利差が縮小してくると、

「海外に資金を置いておく必要があるのか」

という判断が増えてきます。

その結果、海外資産を売却して円へ戻したり、為替ヘッジを増やしたりする動きが広がれば、円買いにつながる可能性があります。

動画では、こうした動きを「国内への資金還流」として注目しています。

キャリートレードの逆回転が円高要因になる可能性

もう1つ重要なのがキャリートレードです。

キャリートレードとは、低金利通貨で資金を調達し、その資金で高金利通貨や高利回り資産へ投資する取引です。

日本円は長期間にわたって低金利だったため、円を調達通貨として利用する取引が世界的に行われてきました。

しかし、日本の金利が上昇すると円を借りるコストも高くなります。

すると、

円を借りる
↓
海外資産へ投資する
↓
金利差を得る

という取引の魅力が低下します。

キャリートレードを終了する場合には海外資産を売り、円を買い戻して借りた円を返却する必要があります。

そのため大規模なキャリートレード解消が起これば、円買いが急速に進む可能性があります。

動画では、これを「キャリートレードの逆回転」と表現し、中長期的な円高要因として警戒しています。

ただし、動画でも「すぐに始まるわけではない」としており、年末まで継続して確認すべきテーマという位置づけです。

世界的な長期金利上昇にも警戒

動画では、米国だけでなく日本、英国、イタリアなど主要国の国債利回りが上昇していることも重要な変化として取り上げています。

国債利回りが上昇すると、投資家にとって債券の魅力が高まります。

たとえば比較的信用力の高い国債から高い利回りを得られるのであれば、株式などのリスク資産へ資金を投入する必要性は相対的に低下します。

その結果、

株式などのリスク資産から債券へ資金が移動する

という動きが発生する可能性があります。

動画では、こうした世界的な資金の流れが変化する局面に入りつつあるとして、長期金利上昇への警戒を強めています。

ドル円は157円台が重要な攻防ライン

ここからは動画内のチャート分析です。

動画収録時点のドル円は157円台半ば付近で推移しており、直前には159円付近まで上昇した後、157円台まで下落したと説明されています。

チャート上では、157円付近を明確に下抜けるかどうかが重要なポイントとして挙げられています。

動画では、157円を明確に割り込む場合にはヘッド・アンド・ショルダーの形が意識されやすくなるとしています。

一方で157円80銭から158円付近を回復すれば、再び159円付近を試す可能性もあるとの見方です。

つまり短期的には、

157円割れか
158円回復か

という攻防が重要になります。

米長期金利の上昇がドル円の判断を難しくしている

動画では、円高方向を意識しながらも、ドル円のショートポジションについて判断が難しくなっている理由として、米国金利の上昇を挙げています。

米金利が上昇すればドル買い要因となりやすいため、

「円高材料があるからドル円が下がる」

とは単純に考えられません。

円も強い一方でドルも強ければ、ドル円は方向感の乏しい相場になる可能性があります。

そのため動画では、ドル円そのものよりも、円と別の通貨を組み合わせたクロス円の方がトレードしやすい可能性があるとしています。

スイスフラン円などクロス円に注目

動画で特に注目しているのがスイスフラン円です。

スイス国立銀行の金融政策や金利差を背景に、スイスフランが相対的に弱くなりやすい可能性があるとして、スイスフラン円の戻り売りを候補に挙げています。

考え方としては、

円キャリートレードの逆回転による円買い

と、

スイスフラン側の弱さ

を組み合わせるというものです。

ドルについては米金利上昇によって強さが残る可能性があるため、ドル円よりもクロス円で円高を狙った方が相対的に分かりやすいというのが動画内の見方です。

もちろん、これは動画内で示されているトレード戦略であり、実際の値動きがその通りになるとは限りません。

オーダーブックだけで方向を決めない

動画後半では、「みんなのFX」のポジションブックやオーダーブックを使った分析も紹介されています。

重要なのは、現在のポジション比率を見るだけではありません。

相場が動いたあとに、

売りポジションが増えたのか
買いポジションが増えたのか

を見ることが重要だと解説しています。

たとえばドル円が上昇したにもかかわらず売りポジションが増えていれば、ショート勢が捕まっている可能性があります。

その状態からさらに上昇すると、損切りによる買い戻しが発生し、上昇を加速させる可能性があります。

逆に価格が下落する過程で買いポジションが急増すれば、その買いポジションが含み損を抱え、上値を重くする要因になる場合があります。

そのため、現在の数字だけを見るのではなく、

「価格変化によってポジション分布がどう変化したか」

を見ることが重要です。

今週はポジションを急いで作らない選択肢も

今週はRBA、豪州の物価指標、米ISM製造業PMI、米雇用統計など材料が非常に多い1週間です。

さらに日銀の金融政策や世界的な長期金利上昇という中長期テーマも重なっています。

こうした局面では、現在の価格だけを見てすぐに売買を判断するのではなく、重要指標の結果や、その後の市場参加者のポジション変化を確認してから判断する方法もあります。

動画でも、ドル円についてはいったん様子を見て、半日から1日後にポジション分布がどう変わったのか確認する考え方が紹介されています。

まとめ

今週のFX市場では、短期的な経済指標と中長期的な金融政策の変化が同時に意識される重要な局面となっています。

まず注目されるのがRBAの政策金利発表です。利上げの有無だけでなく、その後の追加利上げについてRBAがどのような姿勢を示すのかが豪ドルの方向を左右する可能性があります。

米国では10月1日のISM製造業PMI、10月2日の雇用統計が予定されており、強い経済指標が続けば米長期金利とドルが再び上昇する可能性があります。

一方、日本では日銀が基調的な物価上昇率を2%程度に定着させられるかを意識する段階に入りつつあります。日銀の7月会合でも、その点をめぐる議論が確認されています。

さらに日本の金利上昇によって海外投資の相対的な魅力が低下すれば、日本への資金還流や円キャリートレードの解消が進み、円高につながる可能性があります。

ただし、米国金利も上昇しているため、ドル円では「円高」と「ドル高」が同時に発生する難しい環境になっています。

動画では、このためドル円だけではなく、スイスフラン円などクロス円も含めて相場を確認しながら、キャリートレードの逆回転が実際に始まるのかを年末にかけて注視する考え方が示されています。

短期的には157円から158円付近のドル円の攻防、中長期的には日本への資金還流と世界的な長期金利上昇が、大きな注目ポイントとなりそうです。

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