S&P500は約10%割安?ゴールド・シルバー上昇と9月相場のリスクを徹底解説

本記事は、YouTube動画『米国株・ゴールド・シルバーの相場展望』の内容を基に構成しています。

8月の米国株市場は、大きく上昇するわけでも急落するわけでもなく、比較的落ち着いた値動きが続いています。一方で、ゴールドやシルバー、鉱山株などには資金が入り始めており、市場の内部では少しずつ変化が起きているようです。

動画では、S&P500の企業業績と株価の間にギャップが生じており、現在の株価は「下手をすると10%程度割安なのではないか」という見方が示されました。また、ゴールドのオプション市場では、上昇を見込む取引が急増しており、投資家心理が強気に傾き始めていることも指摘されています。

ただし、相場が静かなときほど警戒が必要です。特に9月以降はVIXの上昇や中間選挙年特有のボラティリティ拡大も想定されるため、「上がるか下がるかを予想する」のではなく、複数のシナリオをあらかじめ想定して資産運用することが重要だとしています。

目次

8月の株式市場は「夏枯れ」で静かな展開

8月も終盤に差しかかる中、米国株市場は比較的静かな値動きを続けています。

動画では「閑散に売りなし」という相場格言にも触れています。これは、市場参加者が少なく売り物も減っている局面では、積極的な売りが出にくく、株価が下落しにくいという意味です。

一方で、買い手も少ないため、大きく上昇するわけでもありません。つまり、売買参加者そのものが減少することで、横ばい相場になりやすいというわけです。

重要なのは、相場を当てようとすることではありません。

動画では、悪いシナリオも含めて事前に「想定」しておき、その中でどのように資金を管理していくかが重要だと説明されています。無理なところで取引しなければ、不要なコストや損失を避けられるからです。

月間3%上昇は実はかなり強い

8月の主要株価指数を見ると、派手な上昇には見えないものの、動画では約3%程度の上昇でも十分に強いと評価しています。

仮に毎月3%上昇すると単純計算では年間36%になります。そのため、1カ月で3%という数字は決して小さくありません。

近年は株価の大幅上昇に慣れた投資家も多く、「3%しか上がっていない」と感じることがあります。しかし、単月のリターンとして考えれば3%は十分に大きな数字です。動画でも、8月としてはかなり踏ん張っている相場だとしています。

また、S&P500やNASDAQの1日の値動きも以前より小さくなっています。

7月などには1日で1%程度動くことも珍しくありませんでしたが、現在はそのような値動きが減少しています。それに伴い、恐怖指数として知られるVIXも低下しています。

ただし、ボラティリティが低い状態が永久に続くわけではありません。この静けさ自体が、次の大きな値動きへの警戒材料になる可能性があります。

ゴールド・シルバー・鉱山株が一斉に上昇

8月に入り、特に目立っているのがゴールドとシルバーです。

動画では、ゴールドだけでなくシルバーや鉱山株もそろって上昇していることに注目しています。ゴールドだけが単独で買われるのではなく、関連資産まで上昇していることは、貴金属市場全体に資金が入り始めていることを示唆します。

動画出演者は、以前から金鉱株を買い増し、保有金額を約2倍にする計画を進めていたと説明しています。

さらに、同程度の金額でシルバーETFも継続的に購入していたとのことです。当初は価格が下落していたため苦しい期間もあったものの、その後の上昇によって大きく利益が出る状況になったとしています。

ここで重要な考え方として挙げられているのが、「業績や価値と価格に乖離が生じたときにチャンスを探す」という考え方です。

市場全体が上昇しているにもかかわらず、ある資産だけが取り残されている場合、そこには2つの可能性があります。

本当に投資対象として魅力がなく買われていないのか、それとも何らかの事情によって一時的に売られ、本来の価値より安く放置されているのかです。

後者を見つけることができれば、大きな投資機会になる可能性があります。

シルバーはゴールドにまだ追いついていない?

動画では、ゴールドがすでに上昇している一方、シルバーについてはまだ十分な資金流入が起きていないとの見方が示されています。

実際、ゴールドが上昇している日にシルバーが下落する場面もあり、両者が完全に同じ動きをしているわけではありません。

そのため動画では、「まだ市場参加者がシルバーに気づいていない可能性がある」という考え方も紹介されています。

ただし、単純に「出遅れているから買えばいい」という話ではありません。

過去の安値や市場全体の雰囲気、他の資産との相対的な値動きなどを幅広く確認する必要があります。

小型株や新興国株も好調

8月の米国市場では、小型グロース株なども比較的強い動きを見せています。

一方で、動画では小型株や中型株が一時的に大きく上昇しても、長期的には大型株が市場の中心になりやすい点に注意を促しています。

一時的に上昇しているという理由だけで追いかけると、すでに高値になったところで買ってしまう危険があるためです。

また、新興国株についても強い動きが続いているとしています。

動画では、S&P500や全世界株式だけに投資するのではなく、新興国やコモディティなどにも目を向けることで、ポートフォリオ全体のリターンを高められる可能性があるとの考え方が示されています。

エネルギー株は引き続き高収益

セクター別では、エネルギー株の強さも取り上げられています。

石油会社が原油価格60ドル程度を前提として事業計画を立てている中で、実際の原油価格がそれを大きく上回れば、利益やキャッシュフローは大きく膨らみます。

動画では、新たな油田開発などに資金を使う可能性はあるものの、現状では石油企業に非常に多くのキャッシュが流入していると説明しています。

テクノロジー株も強いものの、年初来ではエネルギーセクターが非常に好調だという評価です。

NVIDIAの決算とSOX指数の意外な関係

半導体市場ではNVIDIAの決算にも注目しています。

NVIDIAは半導体企業の中でも特に大きな存在であり、市場の期待値が極めて高くなっています。そのため、好決算を出しただけでは株価が上昇しない可能性があります。

市場がすでに非常に良い決算を織り込んでいるため、「予想通り良かった」だけでは投資家を満足させられないことがあるからです。

さらに動画では、フィラデルフィア半導体株指数、いわゆるSOX指数の構成銘柄の中で、NVIDIAの株価は指数との相関が意外に低いというレポートを紹介しています。

巨大企業であるNVIDIAだけを見ても、半導体市場全体の動きを完全には判断できないという点は興味深いところです。

VIXが15前後だからこそ9月に警戒

続いて重要になるのがVIXです。

VIXは一般に「恐怖指数」と呼ばれ、米国株市場で投資家が将来どの程度の値動きを予想しているかを示す代表的な指標です。

動画収録時点ではVIXが15前後という低い水準で推移していました。

一見すると「市場が安心している」と考えられますが、動画では逆の見方も示しています。

低い状態が永遠に続くことはありません。9月に入ってVIXが急上昇した場合、株価が大きく変動する可能性があるためです。

中間選挙年は8月から12月に値動きが大きくなりやすい

さらに動画では、米国の中間選挙年における株式市場の季節性も紹介しています。

中間選挙年には、通常の年と比べてボラティリティが高くなる傾向があり、特に8月、9月、10月から11月、12月にかけて値動きが大きくなる可能性があるとしています。

重要なのは、値動きが大きくなること自体を異常と考えないことです。

過去にも見られた季節的なパターンだと認識していれば、急落や急騰が起きたときにも冷静に対応しやすくなります。

S&P500は業績から見ると約10%割安?

今回の動画の中でも特に重要なのが、S&P500の企業利益と株価の関係です。

S&P500採用企業のEPS、つまり1株当たり利益の見通しは上昇を続けています。

ところが動画では、その利益成長に株価が十分についてきていないと指摘しています。

企業収益が伸びているにもかかわらず株価が横ばいであれば、結果的に株式の割高感は薄れていきます。

そのため、「今のS&P500は10%程度上昇してもおかしくない水準ではないか」という見方が示されています。

動画ではさらに、こうした利益と株価の乖離に多くの投資家が気づいたとき、一気に買いが入る可能性にも触れています。

最初は業績に合わせて株価がゆっくり上昇していても、やがて「買わなければ乗り遅れる」という心理が広がれば、適正価格を超えて上昇する可能性があります。

つまり、最終的にはバブル的な相場に発展する可能性もあるという見方です。

米国債の利払い負担が急増

一方で、米国経済には大きなリスクもあります。

動画では、米国政府が国債に対して支払う金利負担がGDP比で急増していることに注目しています。

特に2020年のコロナショック以降、経済を支えるために大規模な財政支出が行われ、その財源として大量の国債が発行されました。

国債が増え、金利も高くなれば、政府が支払う利息も増えていきます。

動画では、こうした財政拡張が長期的には通貨価値の低下や長期金利上昇につながる可能性があると考えています。

そして、その環境がゴールドにとって追い風になるというのが動画内で繰り返し示されている投資シナリオです。

ゴールドETFへの資金流入がようやく始まった

ゴールド市場では、北米のETFにも資金が流入し始めています。

これまでゴールド価格が上昇していても十分に参加していなかった投資家が、ようやく買い始めたという見方です。

ただし、大量の資金が一気に流入すると、短期的には相場が過熱する可能性があります。

上昇を見て投資家が買い、その買いによってさらに価格が上がり、それを見た別の投資家がさらに買うという循環になるからです。

ゴールドのコールオプション取引が急増

より注目すべきなのが、ゴールドのオプション市場です。

動画では、ゴールド価格の上昇によって利益が出る「コールオプション」の取引量が大きく増えていると説明しています。

オプションは、比較的小さな資金で価格変動から利益を狙える金融商品です。

つまり、通常の現物やETFを買うだけでなく、オプションを使ってゴールドの上昇からより効率的に利益を得ようとする投資家が増えているわけです。

これは市場参加者が強気になっているサインと考えられます。

一方で、投機的な資金が急増すると短期的な過熱につながる可能性もあるため、動画では注意も必要だとしています。

原油在庫減少とエネルギー供給への懸念

原油については、価格が一時的に下落している一方で、世界的な在庫の少なさが問題視されています。

動画では、確認可能な世界の原油在庫が減少を続けていると説明しています。

さらに米国の戦略石油備蓄も減少しており、米国内の原油生産も歴史的な高水準にあるものの、そこから大きく増産できていないと指摘しています。

この状態で供給障害などが起きれば、価格が大きく上昇する可能性があります。

動画内では、米国から日本向けの原油輸出が急増しているデータも紹介されており、エネルギー供給を巡る国際的な動きにも注目しています。

1970年代にはゴールド23倍、シルバー30倍、原油12倍

最後に紹介されたのが、1970年代のコモディティ市場です。

第1次オイルショック、第2次オイルショックを含む1970年代から1980年頃にかけて、安値から計算すると動画内のデータでは、

  • ゴールド:約23倍
  • シルバー:約30倍
  • 原油:約12倍

まで上昇したとされています。

もちろん、今回も同じ値動きになるという意味ではありません。

動画で伝えたいのは、本格的なインフレが発生した場合、現在の常識では想像しにくいほどコモディティ価格が上昇した歴史が実際にあるということです。

相場では、人々が簡単に想像できる範囲だけで価格が動くとは限りません。

だからこそ、大きなインフレや供給ショックが起きてから慌てて投資するのではなく、平時からゴールド、シルバー、原油などの実物資産をポートフォリオに組み入れることを検討する必要がある、というのが動画の結論です。

まとめ

今回の動画では、現在の金融市場について「株式市場は静かだが、その内部では大きな変化が始まっている」という見方が示されました。

S&P500については、企業のEPS見通しが伸びている一方で株価が十分に追いついておらず、約10%程度の上昇余地があっても不思議ではないという評価です。

その一方で、VIXは15前後まで低下しており、中間選挙年の季節性を考えると9月以降にボラティリティが上昇する可能性には注意が必要です。

そして、より大きなテーマとして挙げられているのが、ゴールド、シルバー、原油などのコモディティです。

米国の国債利払い負担拡大、財政支出、通貨価値の低下、原油在庫の減少などを考えれば、実物資産を保有する意味は今後さらに大きくなる可能性があります。

重要なのは、目先の値動きを正確に当てることではありません。

株だけ、ゴールドだけと特定の資産にこだわるのではなく、株式、貴金属、エネルギー、新興国など幅広い資産を観察し、「市場価格と本来の価値にギャップが生じていないか」を探していくことです。

そして、相場が大きく動いてから慌てるのではなく、さまざまなシナリオをあらかじめ想定しながら少しずつ準備しておくことが、これからの不透明な市場環境では特に重要になりそうです。

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