本記事は、YouTube動画『ストラテジー社が大量売却!?ビットコイン暴落の裏側と今後の運用戦略について解説』の内容を基に構成しています。
ビットコイン相場が厳しい局面を迎えています。
一時は1BTC当たり12万ドル前後まで上昇していたものの、その後は6万ドル前後まで下落し、高値から半値近い水準で推移する展開となりました。
この間、米国株や日本株、AI・半導体関連株の一部は大きく上昇しています。そのため、「株式市場が好調なのに、なぜビットコインだけが下落しているのか」と疑問に感じる投資家も多いでしょう。
さらに市場では、ビットコインを大量保有する代表的な企業であるストラテジー社が、保有するビットコインの一部を売却したと伝えられました。
これまで同社は、ビットコインを原則として売却しない姿勢を強く打ち出してきました。そのストラテジー社が売却に動いたことで、実際の売却額以上に投資家心理へ大きな影響を与えたと考えられます。
今回は、ビットコインが下落している背景、ストラテジー社の売却が注目された理由、企業によるビットコイン保有のリスク、そして個人投資家が今後どのように運用すべきかを詳しく解説します。
ビットコインはなぜ投資資産として注目されたのか
ビットコインは、以前まで一部の投資家が売買する投機的な資産とみられていました。
しかし近年は、米国における現物ビットコインETFの登場や機関投資家の参入などを背景に、株式、債券、金などと並ぶ新たな投資対象として認識されるようになっています。
動画では、ビットコインが大きく上昇した背景として、米国が暗号資産大国を目指す姿勢を強めたことが挙げられています。
米国が暗号資産に関する法制度を整備し、金融機関や機関投資家が参入しやすい環境をつくれば、市場全体の信頼性と流動性が高まります。
その結果、これまで暗号資産への投資を避けていた大手運用会社、年金基金、ヘッジファンドなどの資金が流入しやすくなります。
暗号資産関連法案が市場に与えた期待
米国では、暗号資産に関する複数の法案が議論されてきました。
その中でも重要とされているのが、ステーブルコインの発行や管理に関する制度です。
ステーブルコインとは、米ドルなどの法定通貨に価格を連動させることを目的とした暗号資産です。代表的なものには、USDTやUSDCなどがあります。
通常、1USDTや1USDCが1米ドル前後になるように設計されています。
ただし、ステーブルコインの価値を維持するためには、発行額に見合う裏付け資産が必要です。裏付けとなる現金や米国債を十分に保有していなければ、投資家が一斉に換金を求めた際に価格を維持できなくなる可能性があります。
そこで米国では、ステーブルコインの発行業者に対して、現金や米国債などの安全性が比較的高い資産を保有させる制度の整備が進められています。
仮に1兆円相当のステーブルコインを発行する場合、その裏付けとして同程度の米国債などを保有する仕組みです。
この制度が広がれば、暗号資産市場が拡大するほど米国債への需要も増える可能性があります。
つまり米国にとっては、暗号資産産業を成長させながら、自国の国債と米ドルに対する需要を維持できることになります。
「クリプトダラー体制」とは何か
動画では、ステーブルコインと米国債を組み合わせる仕組みを、将来的な「クリプトダラー体制」として説明しています。
第2次世界大戦後、米国は世界の基軸通貨として米ドルの地位を確立しました。
その後も、世界中の金融機関で米ドルが取引されるユーロダラー市場や、原油取引を米ドル建てで行うオイルダラー体制などを通じて、米ドルに対する世界的な需要を維持してきました。
原油を購入するために米ドルが必要であれば、各国や企業は一定量の米ドルを保有しなければなりません。これが米ドルの国際的な影響力を支える要因の1つとなります。
今後、国際送金やオンライン決済でステーブルコインが広く使われるようになり、その裏付けとして米国債の保有が義務付けられれば、暗号資産市場の拡大が米ドルと米国債の需要増加につながります。
これが、動画内で紹介されているクリプトダラー体制の考え方です。
暗号資産は国家から独立した存在として語られることがありますが、米ドル連動型ステーブルコインが普及すれば、むしろ米ドルの影響力を強める可能性もあります。
金融機関のビットコインに対する姿勢も変化
金融業界の大手企業や経営者も、ビットコインに対する姿勢を徐々に変化させています。
過去には、ビットコインを詐欺的な商品として厳しく批判する金融関係者も少なくありませんでした。
しかし、ビットコイン市場の規模が拡大し、現物ETFが登場したことで、現在では「自分が投資するかどうか」と「他人が投資する権利を認めるかどうか」を分けて考える姿勢が広がっています。
特に大きな転換点となったのが、米国における現物ビットコインETFの承認です。
ブラックロックをはじめとする大手運用会社がビットコインETFを提供したことで、投資家は暗号資産取引所に口座を開設しなくても、通常の証券口座を通じてビットコインへ投資できるようになりました。
また、運用規則によって暗号資産を直接保有できなかった機関投資家も、ETFを通じて市場に参加しやすくなります。
ビットコインは、政府が価値を保証する資産になったわけではありません。
それでも、規制された金融商品として売買できるようになったことは、投資対象としての地位を高める大きな要因となりました。
ビットコインが高値から半値近く下落した背景
米国政府の後押しやETFへの資金流入があったにもかかわらず、ビットコイン価格は高値から大幅に下落しました。
動画では、下落の理由は1つではなく、複数の要因が重なった結果だと説明されています。
主な要因は、通貨価値の下落を見込んだ取引の巻き戻し、米国の暗号資産政策への期待低下、ストラテジー社の売却、企業による損失拡大、AI・半導体株への資金移動です。
ディベースメント取引の巻き戻し
ビットコインや金が買われてきた背景には、ディベースメント取引があります。
ディベースメントとは、政府や中央銀行の政策によって法定通貨の価値が薄まることを意味します。
米国政府の財政赤字が拡大し、国債発行が増え続ければ、将来的に米ドルの価値が低下するのではないかという懸念が生まれます。
そこで投資家は、米ドルの代わりに価値を保存できると考えられる資産へ資金を移します。その代表的な資産が金とビットコインです。
金は古くからインフレや通貨価値の下落に備える資産として利用されてきました。
一方、ビットコインは発行上限が2100万BTCに設定されています。そのため、中央銀行が発行量を増やせる法定通貨とは異なり、供給量が制限されたデジタル資産として注目されています。
しかし、米国経済が予想以上に強く、米金利が高い状態で維持されれば、米ドルや米国債の魅力は相対的に高まります。
その結果、米ドルの価値が下落すると予想して金やビットコインを購入していた投資家が、ポジションを解消する可能性があります。
これが、ディベースメント取引の巻き戻しです。
金とビットコインが同時期に下落し、米ドルが上昇している場合、両者の下落が個別の問題ではなく、通貨市場全体の資金移動によって起きている可能性があります。
米国の暗号資産政策への期待が後退
ビットコイン価格を押し上げてきたもう1つの要因は、米国政府による規制整備への期待です。
しかし、暗号資産の法的位置付けを明確にする法案が成立しなければ、市場の期待は次第に低下します。
暗号資産市場では、規制が厳しすぎることも問題ですが、規制が不明確なことも大きなリスクです。
どの暗号資産が証券に該当するのか、どの機関が監督するのか、取引所や発行企業がどのようなルールに従うのかが明確でなければ、金融機関は本格的に参入しにくくなります。
法案が議会で停滞すれば、当初想定されていた資金流入が遅れる可能性があります。
さらに政権が、外交問題、景気対策、選挙、物価などを優先するようになれば、暗号資産政策の優先順位が低下することも考えられます。
こうした政策期待の後退も、ビットコインを積極的に買う材料を弱めたとみられます。
ストラテジー社の売却が「ショック」となった理由
今回、特に市場の注目を集めたのがストラテジー社によるビットコイン売却です。
ストラテジー社は、事業会社でありながら、財務戦略として大量のビットコインを保有している企業です。
同社は株式や社債、転換社債などを発行して資金を調達し、その資金でビットコインを購入する戦略を続けてきました。
そのため、ストラテジー社の株式は通常のソフトウェア企業の株式というより、ビットコインへの間接的な投資商品として認識されることがあります。
動画では、同社が5月下旬に32BTCを売却したと説明されています。
金額だけを見れば、ストラテジー社の保有量全体に対して極めて小さな割合です。
したがって、今回の売却が直接ビットコイン市場の需給を大きく崩したとは考えにくいでしょう。
それでも市場が動揺したのは、売却量ではなく、ストラテジー社が実際に売却したという事実そのものです。
「絶対に売らない」という前提が崩れた
ストラテジー社の創業者であるマイケル・セイラー氏は、長期間にわたってビットコインに強気な姿勢を示してきました。
市場では、同社は保有するビットコインを簡単には売却しないと考えられていました。
ところが、少量であっても売却が確認されれば、「資金繰りや配当のためであれば、今後も売却する可能性があるのではないか」という疑念が生じます。
投資市場では、実際の売却額だけでなく、投資家が共有していた前提の変化が価格に大きな影響を及ぼします。
保有量の0.01%未満にすぎない売却であっても、「ストラテジー社は売らない」という信頼が崩れれば、将来の大量売却を警戒する投資家が増えます。
その結果、他の投資家が先回りして売却し、価格下落を加速させる可能性があります。
ストラテジー社の売却資金は何に使われるのか
動画では、売却代金が優先株の配当原資に充てられる可能性があると説明されています。
ストラテジー社は、さまざまな金融商品を発行してビットコイン購入資金を調達してきました。
しかし、優先株などを発行すれば、企業は投資家に対して配当を支払う必要があります。
ビットコインは利息や配当を生みません。
そのため、ビットコインを大量に保有していても、配当や利払いに必要な現金が自動的に入ってくるわけではありません。
企業が現金収入だけで配当や利払いを賄えなければ、新たに資金を調達するか、保有資産の一部を売却する必要があります。
ストラテジー社が財務上の支払いを目的としてビットコインを売却したのであれば、同社のビットコイン保有戦略にも現実的な制約があることを示します。
mNAVが1倍を下回ると何が起きるのか
ストラテジー社を分析する際に重要なのが、mNAVと呼ばれる指標です。
mNAVは、企業の時価総額と、企業が保有するビットコインなどの純資産価値を比較する指標として使われます。
単純化すると、次のようなイメージです。
企業の時価総額が100億ドルで、保有するビットコインなどの価値が80億ドルであれば、株式には一定のプレミアムが付いていることになります。
投資家がこのプレミアムを認めている間、企業は高い株価を利用して新株を発行し、調達した資金でさらにビットコインを購入できます。
しかし、企業の時価総額が保有資産の価値を下回るようになると、状況が変わります。
時価総額が保有ビットコインの価値を下回っている状態で新株を発行すれば、既存株主にとって不利な資金調達になる可能性があります。
また、株式市場から効率的に資金を調達し、ビットコインを買い増すという好循環も機能しにくくなります。
プレミアムが消えることで生じる負の循環
ストラテジー社の株価に高いプレミアムが付いている間は、次のような循環が成立します。
株価が上昇し、高い評価で資金を調達できるようになります。その資金でビットコインを買い増すと、企業の保有資産価値が高まり、さらに株価が上昇する可能性があります。
ところが、ビットコイン価格とストラテジー社の株価が下落すると、反対の循環が起きる恐れがあります。
株価下落によって資金調達が難しくなり、ビットコインを買い増す力が低下します。配当や利払いのためにビットコインを売却すれば、市場の需給が悪化し、ビットコイン価格がさらに下落します。
ビットコイン価格が下がれば、同社の保有資産価値も減少し、株価が一段と下落する可能性があります。
これが、動画で懸念されている負のスパイラルです。
ビットコイン保有企業の含み損も売り圧力になる
ビットコインを財務資産として保有しているのは、ストラテジー社だけではありません。
近年は、企業価値の向上やインフレ対策を目的として、ビットコインを購入する企業が増えています。
しかし、ビットコイン保有企業の平均取得価格が現在の市場価格を上回っていれば、多くの企業が含み損を抱えることになります。
動画では、ビットコイン保有企業の平均取得価格が約7万8000ドルであるのに対し、ビットコイン価格が6万ドル前後まで下落したケースが紹介されています。
この場合、単純計算では20%以上の含み損です。
個人投資家であれば、価格が戻るまで長期間保有することもできます。
一方、企業には株主、債権者、金融機関などへの説明責任があります。損失が拡大すれば、経営陣は保有方針の見直しを求められる可能性があります。
企業が相次いでビットコインを売却すれば、市場への供給が増えます。
価格が下がることで別の企業も含み損に転落し、さらに売却が増えるという連鎖が起きる恐れがあります。
AI・半導体株への資金移動もビットコインの逆風
現在の金融市場では、AIや半導体関連企業への注目が非常に高まっています。
企業業績が急拡大し、株価も大きく上昇している銘柄があれば、投資家はパフォーマンスの低い資産から資金を移そうとします。
ビットコインが下落または横ばいで推移する一方、AI・半導体株が上昇を続ければ、「ビットコインを保有するよりも株式へ投資した方が効率的ではないか」と考える投資家が増えます。
特にヘッジファンドや機関投資家は、資金を無期限に保有できるとは限りません。
一定期間ごとの運用成績が求められるため、上昇していない資産を売却し、強いモメンタムが発生している資産へ資金を移す傾向があります。
このような資金循環も、ビットコインの売り圧力につながります。
ただし、資金循環は永遠に続くわけではありません。
AI・半導体株の上昇が一服すれば、割安感が強まった金やビットコインへ資金が戻る可能性もあります。
ビットコインの短期的な見通しは厳しいのか
動画では、複数の悪材料が重なっていることから、短期的にはビットコインにとって厳しい状態が続く可能性があると説明されています。
確かに、次のような状況が同時に発生すれば、すぐに上昇トレンドへ戻るのは難しいでしょう。
米ドルが強く、金利が高い状態が続くこと、暗号資産関連法案の成立が遅れること、ストラテジー社などの大口保有者に売却懸念が残ること、ビットコイン保有企業の含み損が拡大すること、AI・半導体株へ資金が流出することなどです。
ただし、短期的な価格下落と、長期的な投資テーマの消滅は同じではありません。
米国の財政赤字、法定通貨の価値低下への懸念、暗号資産市場の制度整備、ETFを通じた機関投資家の参入など、ビットコインを支えてきた長期的な要因がすべて失われたわけではありません。
そのため、短期的には慎重に見ながら、中長期的には一定の投資価値が残っていると考えることもできます。
ビットコインは主役ではなく分散投資の脇役
ビットコイン価格が大きく下落すると、投資家は「今すぐ損切りするべきか」「逆に全力で買うべきか」といった極端な判断をしやすくなります。
しかし動画では、ビットコインをポートフォリオの主役ではなく、オルタナティブ資産の一部として保有する考え方が紹介されています。
オルタナティブ資産とは、株式や債券以外の投資対象です。
代表的なものには、金、不動産、コモディティ、暗号資産、未公開株、ヘッジファンドなどがあります。
動画内では、守りを意識しながらリスクを取る資産配分として、株式60%、債券20%、オルタナティブ資産20%という考え方が紹介されています。
さらに、ビットコインについては金融資産全体の1%から5%程度に抑える方針が示されています。
この程度の配分であれば、ビットコイン価格が半値になっても、資産全体への影響は限定されます。
例えば、総資産1000万円のうち3%に当たる30万円をビットコインへ投資していたとします。
ビットコイン価格が50%下落した場合、損失は15万円です。総資産全体に対する損失率は1.5%となります。
一方、総資産の50%をビットコインへ投資していれば、同じ下落で総資産が25%減少します。
同じビットコインへ投資する場合でも、保有比率によってリスクは大きく異なります。
資産配分を守ることが重要
分散投資では、すべての資産が同時に上昇することを期待するわけではありません。
株式が上昇しているときに金やビットコインが下落することもあれば、株式が急落しているときに金が上昇することもあります。
値動きの異なる資産を組み合わせることで、ポートフォリオ全体の変動を抑えることが分散投資の目的です。
したがって、一部の資産が下落したからといって、すぐにすべて売却する必要があるとは限りません。
重要なのは、あらかじめ決めた資産配分を守り、定期的にリバランスすることです。
リバランスとは何か
リバランスとは、価格変動によって崩れた資産配分を、当初決めた比率へ戻す作業です。
例えば、株式60%、債券20%、オルタナティブ資産20%で運用していたとします。
株式が大きく上昇し、比率が70%まで増えた一方、ビットコインや金の比率が低下した場合、株式の一部を売却して他の資産を購入すれば、元の配分へ戻せます。
反対に、保有資産を売却したくない場合は、新たに投資する資金を比率の低下した資産へ多く振り向ける方法もあります。
動画では、既存資産をなるべく売却せず、新規の入金によって配分を調整する「ノーセル・リバランス」に近い方法が紹介されています。
この方法であれば、利益が出ている資産を売却する際の税負担や手数料を抑えながら、資産配分を調整できます。
下落時にも積み立てを続ける考え方
動画の出演者は、ビットコイン価格が下落している状況でも、毎月一定額の暗号資産購入を続ける方針を示しています。
毎月決まった金額を投資する方法は、ドルコスト平均法と呼ばれます。
価格が高いときには少ない数量を購入し、価格が低いときには多くの数量を購入するため、購入価格を平準化しやすいことが特徴です。
ただし、ドルコスト平均法を使えば必ず利益が出るわけではありません。
長期的に価値が下がり続ける資産へ積み立てれば、損失が拡大します。
そのため、積み立てを続けるには、ビットコインの長期的な成長性を信じられるか、自分が耐えられる金額に抑えられているかが重要です。
価格が50%下落しただけで生活費や将来資金に影響が出るのであれば、投資額が大きすぎる可能性があります。
株式の利益をビットコインや金へ回す考え方
AI・半導体株などが大きく上昇した場合、その利益の一部をビットコインや金へ振り向けることもリバランスの1つです。
上昇している資産をさらに買い増すと、ポートフォリオが特定のテーマに偏ります。
そのテーマが崩れた際、資産全体が大きく下落する恐れがあります。
そこで、株式の上昇によって増えた資産の一部を、値動きの異なる金やビットコインへ振り向けます。
これはビットコインの短期的な反発を予想して行うのではありません。
特定の資産に集中しすぎないよう、ポートフォリオ全体のリスクを管理するために行います。
ただし、ビットコインは金よりも価格変動が大きく、資産保全に適した安全資産とは言いにくい面があります。
そのため、金とビットコインを同じ割合で保有するのではなく、金を多め、ビットコインを少なめにする方法が現実的です。
動画では、金を資産全体の10%から15%程度、ビットコインを1%から5%程度とする考え方が示されています。
ビットコインを担保にしたローンとは
動画の後半では、保有しているビットコインを売却せず、担保として資金を借りる暗号資産担保ローンも紹介されています。
暗号資産担保ローンは、ビットコインなどを金融機関やサービス会社へ預け、その評価額の一部を現金として借りる仕組みです。
例えば1000万円相当のビットコインを保有している場合、その一部を担保として数百万円を借りられる可能性があります。
ビットコインを売却しないため、将来的な価格上昇の可能性を残しながら、現金を確保できることがメリットです。
一方で、ビットコイン価格が下落した場合には重大なリスクがあります。
担保価値の下落と強制売却のリスク
暗号資産担保ローンでは、借入額に対して一定の担保価値を維持する必要があります。
例えば1000万円相当のビットコインを担保に500万円を借りた場合、ビットコイン価格が50%下落すると、担保価値は500万円まで減少します。
この状態では、借入額と担保価値がほぼ同じになります。
金融機関から追加担保を求められたり、担保となっているビットコインを強制的に売却されたりする可能性があります。
つまり、価格下落時に最も売りたくないタイミングで強制売却される恐れがあります。
また、借入金利が高ければ、ビットコイン価格が上昇しない限り、利息負担だけが積み上がります。
海外サービスでは低い金利が提示されることもありますが、事業者の信用リスク、資産管理方法、規制、為替、出金制限などを慎重に確認する必要があります。
単に「保有しているビットコインを有効活用できる」という理由だけで利用するのは危険です。
暗号資産担保ローンを利用する際の注意点
暗号資産担保ローンを検討する場合、少なくとも借入金利、担保掛目、追加担保が必要になる条件、強制売却の条件、返済通貨、事業者の信用力を確認する必要があります。
特に重要なのが、LTVと呼ばれる比率です。
LTVは、担保価値に対してどれだけ借り入れているかを示します。
担保価値1000万円に対して300万円を借りている場合、LTVは30%です。
担保価値1000万円に対して700万円を借りれば、LTVは70%です。
LTVが高いほど多くの資金を借りられますが、価格下落に対する余裕は小さくなります。
ビットコインは短期間で30%から50%下落することもある資産です。
そのため、暗号資産担保ローンを利用するのであれば、借入額を担保価値に対して十分に低く抑える必要があります。
ビットコインは今後も保有すべきなのか
ビットコインを今後も保有すべきかどうかは、投資家の資産状況、リスク許容度、投資期間によって異なります。
長期的に米ドルなどの法定通貨の価値が低下し、デジタル資産の利用が広がると考えるのであれば、ビットコインを少額保有する考え方には一定の合理性があります。
一方、価格が半値になるだけで精神的に耐えられない場合や、数年以内に使う予定の資金を投資している場合は、無理に保有する必要はありません。
ビットコインは、元本が保証された資産ではありません。
金のように長い歴史を持つ資産でもなく、株式のように企業利益や配当を生み出す資産でもありません。
価値の多くは、将来的な需要、希少性、ネットワークへの信頼によって支えられています。
そのため、ポートフォリオに組み入れる場合でも、損失を受け入れられる範囲に抑えることが重要です。
短期の値動きではなく運用ルールを決める
投資で最も避けたいのは、価格が上昇したときに強気になって大量購入し、価格が下落したときに不安になって売却することです。
この行動を繰り返すと、高値で買い、安値で売ることになります。
ビットコインのように値動きが大きい資産では、相場を見てから感情的に判断するのではなく、あらかじめ運用ルールを決めておくことが大切です。
例えば、ビットコインの保有比率は金融資産の3%までとする、毎月一定額だけ購入する、比率が5%を超えたら一部をリバランスする、生活防衛資金は投資しないといったルールです。
ルールを決めておけば、価格が急落した際にも冷静に行動しやすくなります。
AI・半導体株への集中投資にも注意が必要
動画終了後の対談では、AIや半導体関連株の大幅な上昇についても触れられています。
AI関連企業の中には、上場後に株価が何十倍にも上昇し、従業員や初期投資家が巨額の資産を得た例もあります。
単一銘柄への集中投資には、資産を短期間で大きく増やせる可能性があります。
その一方で、投資先の選択を誤れば、大部分の資産を失う恐れもあります。
大きな資産を築くためにはどこかでリスクを取る必要があるという考え方はありますが、リスクを取る方法は1つではありません。
レバレッジを使う方法、特定の個別株へ集中する方法、成長性の高い未公開企業へ投資する方法などがあります。
ただし、成功例だけを見て同じ投資を行うことは危険です。
大きく上昇した銘柄の裏側には、業績が伸びずに下落した銘柄や、上場廃止になった企業も数多く存在します。
ビットコインからAI関連株へ資金を移す場合も、「最近上がっているから」という理由だけで判断せず、資産全体のリスクを確認する必要があります。
まとめ
ビットコインが高値から大きく下落した背景には、1つの明確な原因があるわけではありません。
米ドルの価値低下を見込んだディベースメント取引の巻き戻し、米国経済の強さ、高金利の継続、暗号資産関連法案への期待低下、AI・半導体株への資金移動など、複数の要因が重なっています。
さらに、ビットコインを大量保有するストラテジー社が少量ながら売却に動いたことで、市場心理が悪化しました。
今回の売却量自体が同社の保有量全体に占める割合は非常に小さいものです。
しかし、「ストラテジー社はビットコインを売らない」という市場の前提が崩れたことには、大きな意味があります。
今後、配当や利払いなどのために追加売却が行われれば、企業によるビットコイン保有戦略に対する見方が変わる可能性があります。
特にmNAVの低下によって資金調達が難しくなれば、これまでの「株式や債券で資金を集め、ビットコインを買い増す」という循環が逆回転する恐れがあります。
個人投資家にとって重要なのは、短期的な相場予想だけに依存しないことです。
ビットコインを保有する場合は、金融資産全体の1%から5%程度など、自分が損失に耐えられる範囲に抑えることが現実的です。
株式、債券、金、暗号資産などを組み合わせ、当初決めた資産配分を守りながらリバランスすることで、特定の資産が下落した際の影響を抑えられます。
ビットコインには、法定通貨の価値低下やデジタル金融の拡大を背景に、中長期的な受け皿となる可能性があります。
一方で、価格変動が非常に大きく、元本保証もない投機性の高い資産です。
強気な将来予測だけを根拠に大量保有するのではなく、下落しても生活や資産形成に大きな影響が出ない割合を決める必要があります。
相場が不安定なときほど、短期的な値動きに反応するのではなく、自分の資産配分、投資目的、運用期間、リスク許容度を改めて確認することが重要です。


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