本記事は、YouTube動画『新NISA開始から2年半で最も資産が増えた投資先と今後の指数投資戦略』の内容を基に構成しています。
2024年に新NISAが始まってから、約2年半が経過しました。新NISAの開始をきっかけに投資を始めた人にとっては、これまでの運用成績を振り返り、今後の投資方針を見直す重要なタイミングです。
この2年半の株式市場では、世界の株式に幅広く投資する全世界株式、いわゆる「オルカン」だけでなく、S&P500、NASDAQ100、SOX指数、日経平均株価、TOPIXなど、さまざまな指数が上昇しました。
ただし、上昇率には大きな差が生まれています。
動画では、特に半導体関連株で構成されるSOX指数や、日本株の代表的な指数である日経平均株価が大きく上昇したと説明されています。一方、個人投資家から圧倒的な人気を集めるオルカンは、決して下落したわけではないものの、比較対象のなかでは上昇率が低かったとされています。
しかし、過去に最も上昇した指数へ資金を移せば、今後も高いリターンを得られるとは限りません。
むしろ重要なのは、指数ごとの特徴やリスクを理解したうえで、資産の土台となる「コア」と、積極的なリターンを狙う「サテライト」を分けて運用することです。
本記事では、新NISA開始後の指数別の動きを振り返りながら、オルカンやS&P500を中心とした長期投資を続ける際の注意点、半導体株や日本株を組み合わせる方法、円高や金利上昇に備える考え方について詳しく解説します。
新NISA開始から2年半の投資環境を振り返る
2024年1月に新NISAが始まってから、株式市場は大きく上昇しました。
特に目立ったのが、米国の大型ハイテク株、半導体関連株、日本株の上昇です。
生成AIの普及期待やデータセンター投資の拡大により、半導体需要が増加するとの見方が強まりました。その結果、半導体企業を中心に構成されるSOX指数や、ハイテク企業の比率が高いNASDAQ100が大きく上昇しました。
日本株についても、企業業績の改善、株主還元の強化、海外投資家からの資金流入などを背景に、日経平均株価やTOPIXが上昇しました。
一方、オルカンも着実に値上がりしましたが、世界中の株式に分散して投資する商品のため、米国の半導体株や日本株の急上昇をそのまま享受できる構造ではありません。
分散投資は、特定の地域や業種が下落したときの影響を抑えやすい反面、一部の市場が突出して上昇した局面では、集中型の指数よりも上昇率が低くなりやすい特徴があります。
2024年は生成AIと半導体株が市場をけん引
新NISA開始1年目にあたる2024年は、生成AIブームと半導体需要の拡大が株式市場を大きく動かしました。
動画によると、この年に特に上昇したのは、SOX指数、NASDAQ100、S&P500、日経平均株価でした。
SOX指数とNASDAQ100が大きく上昇
SOX指数とは、米国市場に上場する主要な半導体関連企業で構成される株価指数です。
半導体は、スマートフォンやパソコンだけでなく、自動車、データセンター、生成AI、通信設備、産業機械など、幅広い分野で必要とされます。
特に生成AIの利用が拡大したことで、高性能な演算処理を行う半導体や、データセンター向けの半導体に対する需要が急増しました。
この期待を背景に、半導体関連企業の株価が大きく上昇し、SOX指数全体を押し上げました。
NASDAQ100についても、米国の大型ハイテク企業が多く含まれているため、AI関連需要の恩恵を受けました。
S&P500も高い上昇率を記録
S&P500は、米国を代表する約500社で構成される株価指数です。
幅広い業種を含んでいるものの、時価総額の大きい巨大テクノロジー企業の影響を強く受けます。
そのため、AIや半導体関連株の上昇がS&P500全体の上昇にもつながりました。
S&P500は、SOX指数やNASDAQ100と比較すれば分散性が高い一方、米国市場の成長を効率よく取り込める指数として、新NISAでも人気を集めました。
日経平均株価も約19%上昇
動画では、2024年の日経平均株価が約19%上昇したと説明されています。
日経平均株価には、半導体製造装置や電子部品に関連する企業が多く含まれています。
そのため、米国の半導体株が上昇すると、日本の半導体関連企業にも買いが入りやすくなります。
また、円安が日本の輸出企業の業績を押し上げたことも、日本株の追い風になったと考えられます。
オルカンも上昇したが相対的には控えめ
2024年のオルカンは、動画によると約17%上昇しました。
約17%という上昇率は十分に高く、長期投資の商品として悪い結果ではありません。
ただし、SOX指数、NASDAQ100、S&P500、日経平均株価などと比較すると、上昇率は低くなりました。
これはオルカンが劣った商品だからではなく、投資対象を世界中に分散しているためです。
米国のハイテク株が大きく上昇しても、同じ期間に上昇率が低い地域や業種も含まれていれば、全体のリターンは平均化されます。
新NISA2年目もSOX指数と日本株が上昇
動画では、新NISA2年目もSOX指数と日経平均株価が高いパフォーマンスを記録したと説明されています。
市場では一時的な急落が発生したものの、その後は株価が回復し、最終的には半導体株と日本株が大きく上昇したとされています。
金融緩和期待が株価を押し上げた
株価を動かす重要な要因の1つが、中央銀行の金融政策です。
米国では、中央銀行にあたるFRBが政策金利を引き下げると、市場に出回る資金が増えやすくなります。
金利が低下すると、企業は資金を調達しやすくなり、投資家も預金や債券より株式へ資金を移しやすくなります。
特に将来の成長期待で評価されるハイテク株は、金利低下の恩恵を受けやすい傾向があります。
動画では、FRBの利下げが結果的に株価の上昇を支えたと説明されています。
一時的な下落後も株価は回復
株式市場は常に右肩上がりで推移するわけではありません。
政治的な発言、関税政策、地政学的な緊張、インフレ懸念などによって、一時的に大きく下落することがあります。
動画で紹介されたチャートでも、途中に大きくへこんだ局面があったものの、その後は株価が回復しています。
こうした値動きは、長期投資を続けるうえで重要な示唆を与えます。
下落局面で恐怖を感じて売却すると、その後の回復局面に参加できなくなる可能性があります。
SOX指数は約42%上昇
動画では、この年のSOX指数が約42%上昇したと説明されています。
約42%という上昇率は、一般的な株価指数の年間リターンとしては非常に高い水準です。
半導体関連株への期待がさらに強まり、投資資金が集中したことが背景にあると考えられます。
一方で、短期間に大きく上昇した資産は、下落するときの値動きも大きくなりやすいため注意が必要です。
日経平均株価は約26%、TOPIXは約22%上昇
日本株も高いパフォーマンスを記録しました。
動画によると、日経平均株価は約26%、TOPIXは約22%上昇しています。
日経平均株価は、半導体関連企業や値がさ株の影響を強く受けます。
TOPIXは、東京証券取引所に上場する幅広い企業を対象としているため、日経平均株価よりも日本市場全体の動きを反映しやすい指数です。
両方が上昇したことは、一部の半導体銘柄だけでなく、日本株全体に投資資金が向かったことを示していると考えられます。
2026年前半も半導体株と日本株が優位
動画では、新NISA開始3年目にあたる2026年前半も、SOX指数と日経平均株価が高いパフォーマンスを見せたと説明されています。
地政学的な緊張やインフレへの不安によって、市場が一時的に不安定になる場面はありました。
それでも、半導体関連株や日本株は相対的に強い値動きを維持したとされています。
地政学リスクで市場が不安定に
戦争や軍事衝突などの地政学リスクが高まると、株式市場は不安定になりやすくなります。
特に中東情勢が悪化すると、原油の供給不安からエネルギー価格が上昇する可能性があります。
原油価格が上昇すれば、企業の輸送費や製造コストが増加し、物価上昇につながります。
インフレが再加速すれば、中央銀行が利上げを続ける可能性が高まり、株価には逆風となります。
動画では、こうした懸念がありながらも、その後は緊張緩和への期待などから市場が持ち直したと説明されています。
SOX指数は下落局面でも強さを維持
多くの株価指数が一時的にマイナス圏へ沈むなか、SOX指数は比較的強い値動きを維持したとされています。
半導体産業には景気循環があります。
需要が供給を上回る局面では企業業績が大きく改善しますが、供給過剰になると価格下落や在庫調整が起こりやすくなります。
そのため、半導体株は長期的な成長期待が高い一方で、短期的な値動きが激しい投資対象でもあります。
2024年からの累計ではSOX指数が約3倍
動画では、2024年から継続して投資した場合の累計パフォーマンスも紹介されています。
紹介された数字では、SOX指数が約3倍、日経平均株価が約2倍になったとされています。
そのほか、NASDAQ100が約76%、TOPIXが約73%、S&P500が約58%、オルカンが約53%上昇したと説明されています。
これらの数字を単純に比較すると、オルカンは最も上昇率が低い結果となります。
ただし、ここで注意したいのは、上昇率だけで投資商品の優劣を判断してはいけないという点です。
オルカンは上昇しているが比較上は低い
オルカンが約53%上昇しているのであれば、資産は大きく増えています。
それでもSOX指数が約3倍、日経平均株価が約2倍になった局面では、相対的に見劣りします。
動画では、この状態を「オルカンも上がっているが、比較では負けている」と表現しています。
しかし、投資ではリターンだけでなく、どの程度の下落に耐える必要があったのか、どの地域や業種に集中していたのかも考える必要があります。
SOX指数のような集中度の高い指数は、上昇時の利益が大きい反面、相場環境が変われば急落する可能性もあります。
オルカンは、米国だけでなく、日本、欧州、新興国などにも投資します。
そのため、特定の国や業種が不調になったときの影響を和らげやすい点が大きな特徴です。
過去に上昇した指数が今後も上がるとは限らない
新NISA開始後の約2年半では、半導体株と日本株が好調でした。
しかし、今後も同じ資産が最も高いリターンを記録するとは限りません。
株式市場では、過去に上昇した資産へ投資家の人気が集中し、その後に割高感から調整することがあります。
反対に、それまで低迷していた地域や業種が、経済環境の変化によって上昇することもあります。
そのため、過去のランキングだけを見て投資先を決めるのは危険です。
上がっている資産への乗り換えは高値づかみになりやすい
S&P500やオルカンを保有している人が、SOX指数の高い上昇率を見て、すべての資金を半導体株へ移したくなることがあります。
しかし、すでに大きく上昇した後では、株価に高い成長期待が織り込まれている可能性があります。
その状態から投資すると、企業業績が市場予想を少し下回っただけでも、大きく下落することがあります。
長期投資では、直近の値動きに目を奪われず、自分がどの程度のリスクを取れるのかを基準に判断する必要があります。
複数の指数を買っても十分に分散されるとは限らない
指数投資では、複数の商品を保有すれば分散できるように感じます。
しかし、投資先の中身が重複していると、見た目ほど分散効果が得られないことがあります。
オルカンとS&P500は米国株が重複する
オルカンは全世界の株式に投資しますが、そのなかで米国株が大きな比率を占めています。
さらに、オルカンの上位銘柄には、S&P500やNASDAQ100にも含まれる米国の巨大テクノロジー企業が並びます。
そのため、オルカン、S&P500、NASDAQ100、SOX指数を同時に均等保有すると、実質的には米国の大型ハイテク株や半導体株へ大きく偏る可能性があります。
商品名が異なっていても、中身が同じ銘柄に集中していれば、本当の意味での分散にはなりません。
投資信託の本数ではなく中身を確認する
分散投資を考えるときは、保有している投資信託の本数ではなく、実際にどの国、業種、企業へ投資しているのかを確認することが重要です。
オルカンとS&P500を両方保有すること自体が間違いというわけではありません。
ただし、両方を持つことで米国株の比率が高くなることを理解しておく必要があります。
さらにNASDAQ100やSOX指数を追加すれば、米国のハイテク株と半導体株への集中度は一段と高まります。
高ボラティリティの指数には保有し続ける力が必要
SOX指数、NASDAQ100、日経平均株価は、大きく上昇する可能性がある一方で、価格変動も大きくなりやすい指数です。
価格変動の大きさは「ボラティリティ」と呼ばれます。
ボラティリティが高い資産へ投資する場合、上昇時だけでなく、急落時にも保有を続けられるかどうかが重要です。
20%程度の下落も想定する
動画では、株価指数への投資では、場合によっては約20%下落することも想定しておく必要があると説明されています。
100万円を投資して20%下落すれば、評価額は80万円になります。
1,000万円を投資していれば、200万円の含み損です。
金額が大きくなるほど、心理的な負担も大きくなります。
価格が上昇しているときはリスクを受け入れられると思っていても、実際に大きな含み損が発生すると、耐えられなくなる人は少なくありません。
暴落時の売却は回復局面を逃す可能性がある
株価が急落したときに恐怖から売却し、その後に相場が回復すると、安値で売って高値で買い直す結果になりかねません。
動画では、戦争などをきっかけに株価が暴落し、耐えられずに売却した後で株価が戻ってしまう例が挙げられています。
長期投資を続けるためには、下落しても生活に影響が出ない余裕資金で投資することが重要です。
歴史的な円安局面では為替リスクにも注意
海外株式へ投資する場合、株価だけでなく為替レートも運用成績に影響します。
円安が進むと、ドル建て資産の円換算額は増えやすくなります。
反対に円高が進むと、海外資産が値上がりしていても、円換算した利益が小さくなることがあります。
円安は海外資産の円換算額を押し上げる
1ドル=150円のとき、1万ドルの資産は150万円です。
その後、資産価格が変わらないまま1ドル=160円まで円安になれば、円換算額は160万円になります。
株価が上昇していなくても、為替によって10万円増える計算です。
これまでの海外株式の高いリターンには、株価上昇だけでなく、円安の効果が含まれている可能性があります。
円高になると為替差損が発生する
反対に、1ドル=160円のときに1万ドルの資産を購入し、その後1ドル=140円まで円高になると、円換算額は140万円になります。
ドル建ての資産価格が変わっていなくても、円換算では20万円減少します。
動画では、現在のような円安局面で海外資産へ一括投資すると、その後の円高によって為替差損が発生するリスクがあると指摘しています。
積立投資で為替変動を分散する
円安のピークを正確に予測することは困難です。
そのため、一度に大きな金額を投資するのではなく、毎月一定額を積み立てる方法が考えられます。
積立投資では、円安のときにも円高のときにも購入するため、為替レートを時間分散できます。
高値づかみのリスクを完全になくすことはできませんが、購入時期を分散することで影響を和らげることができます。
株価上昇の前提条件が変化していないか確認する
長期投資では、短期的なニュースに振り回されないことが重要です。
ただし、投資対象の成長を支えていた前提条件が大きく変わった場合は、状況を確認する必要があります。
金利上昇はハイテク株の逆風になりやすい
NASDAQ100やSOX指数には、将来の高い成長を期待されている企業が多く含まれます。
こうした成長株は、金利が上昇すると株価が下落しやすい傾向があります。
金利が上がれば、将来得られる利益の現在価値が低下するためです。
また、企業の資金調達コストも上昇します。
原油価格の上昇などによってインフレが再加速し、中央銀行が利上げを続けることになれば、ハイテク株や半導体株にとって逆風になる可能性があります。
地政学的な緊張が再び高まる可能性
中東情勢などが一時的に落ち着いたとしても、完全に問題が解決したとは限りません。
戦闘の再開や原油供給への懸念が高まれば、市場は再び不安定になる可能性があります。
最終的に株価が上昇するとしても、その途中で大きな下落や激しい値動きが発生することは十分に考えられます。
生活防衛資金を確保してから投資する
高いリターンを求めるほど、大きなリスクを取ることになります。
しかし、投資資金が必要な生活費と混ざっていると、相場が下落したときに売却せざるを得なくなります。
長期投資を続けるためには、まず生活防衛資金を確保することが重要です。
生活防衛資金とは、病気、失業、収入減少、急な出費などに備えるための現金です。
必要な金額は家庭によって異なりますが、一定期間の生活費を預金などで確保し、その残りを投資へ回す考え方が基本となります。
株式市場が不安定な局面でも、生活資金に余裕があれば、慌てて売却する必要がなくなります。
新NISAでは配当金と分配金の扱いにも注意
株式やETF、投資信託のなかには、配当金や分配金を受け取れる商品があります。
配当金や分配金をどのように扱うかによって、長期的な資産形成の結果は変わります。
再投資によって複利効果を得る
受け取った配当金や分配金を生活費として使わず、再び投資へ回すことで、複利効果が期待できます。
再投資によって保有口数が増えれば、次回以降に受け取る配当金や分配金も増える可能性があります。
長期的な資産形成では、配当金や分配金を自動的に再投資する仕組みを利用する方法が有効です。
新NISAの投資枠との関係を確認する
新NISAで配当金や分配金を受け取った後、それを使って新たに商品を購入すると、その購入分は年間投資枠を使用します。
すでに年間投資枠をすべて使っている場合は、その年のNISA口座内で追加投資できないことがあります。
その場合は、翌年の投資枠を利用するか、課税口座で投資するかを検討する必要があります。
配当金を受け取る商品を選ぶのか、分配金を出さず内部で再投資する投資信託を選ぶのかは、自分の運用目的に合わせて決めることが重要です。
周囲の人気だけで指数を選ばない
新NISAの普及によって、投資信託やETFを簡単に購入できる環境が整いました。
SNSや動画では、オルカン、S&P500、NASDAQ100、SOX指数など、さまざまな商品が紹介されています。
ただし、「周囲が買っているから」「人気の発信者が勧めているから」という理由だけで投資するのは危険です。
指数ごとに投資対象、集中度、価格変動、為替リスクが異なります。
自分がどの商品に、なぜ投資するのかを説明できる状態にしておく必要があります。
コア・サテライト戦略で守りと攻めを分ける
動画では、現在の投資環境を考慮した方法として「グローバルハイブリッド戦略」が紹介されています。
基本的な考え方は、ポートフォリオをコアとサテライトに分ける方法です。
コアは資産形成の土台となる部分です。
サテライトは、より高いリターンを狙うために、成長性の高い地域や業種へ投資する部分です。
コアは全体の70%
動画で紹介された一例では、ポートフォリオの70%をコア資産に配分します。
コアの内訳として、オルカンを40%、S&P500を30%保有する案が示されています。
オルカンは世界中の株式へ分散し、S&P500は米国を代表する企業の成長を取り込みます。
ただし、オルカンとS&P500は米国株の重複が大きいため、この配分では米国株の比率がかなり高くなります。
実際に採用する場合は、自分がどの程度米国株へ投資したいのかを確認する必要があります。
サテライトは全体の30%
残りの30%をサテライトとして、日経平均株価やNASDAQ100、SOX指数などへ投資する案が紹介されています。
具体例としては、日経平均株価を15%、NASDAQ100またはSOX指数を15%とする配分です。
NASDAQ100とSOX指数の両方を組み合わせて、合計15%にする方法も考えられます。
このようにすることで、資産の大部分は幅広く分散しながら、一部で日本株や半導体株の成長を狙えます。
コア資産にオルカンやS&P500を置く理由
オルカンやS&P500は、短期間でSOX指数ほど大きく上昇しない可能性があります。
それでもコア資産として利用されるのは、特定の企業や業種への集中を抑えやすいからです。
オルカンは世界経済全体へ投資できる
オルカンを保有すると、米国、日本、欧州、新興国など、世界中の企業へまとめて投資できます。
将来、米国以外の地域が大きく成長した場合も、その恩恵を受けられる可能性があります。
投資家自身が次に成長する国を予測する必要がない点も大きな特徴です。
S&P500は米国の主要企業へ分散できる
S&P500は米国株に集中しますが、約500社へ分散されます。
NASDAQ100やSOX指数と比較すると、金融、ヘルスケア、生活必需品、エネルギーなど、幅広い業種が含まれています。
米国経済の長期的な成長を期待する人にとって、コア資産の候補となります。
日本株を組み入れるメリット
動画では、ポートフォリオの約15%を日本株へ配分する案が紹介されています。
日本株を組み入れるメリットの1つが、為替リスクを抑えられることです。
円建て資産として保有できる
日本株は基本的に円建てで取引されるため、海外株式のように円高によって直接的な為替差損が発生するわけではありません。
海外資産だけでポートフォリオを構成すると、円高局面で円換算額が大きく減少する可能性があります。
一部を日本株へ配分しておけば、海外資産への偏りを緩和できます。
円高で輸出企業が下落する可能性には注意
ただし、日本株であれば円高の影響を受けないという意味ではありません。
自動車、電機、機械、半導体関連など、海外売上高の大きい企業は、円高になると業績見通しが悪化することがあります。
そのため、円高局面では輸出企業を中心に株価が下落する可能性があります。
それでも、資産そのものが円建てであるため、海外株式とは異なるリスク特性を持ちます。
NASDAQ100やSOX指数はサテライトとして活用する
NASDAQ100やSOX指数は、高い成長が期待できる一方、価格変動も大きい指数です。
そのため、資産の中心ではなく、サテライトとして一部を保有する考え方があります。
成長期待が高い企業へ集中的に投資できる
NASDAQ100には、米国の大型テクノロジー企業や成長企業が多く含まれます。
SOX指数は、半導体企業へさらに集中します。
生成AI、データセンター、自動運転、ロボット、通信技術などが成長すれば、関連企業の業績が拡大する可能性があります。
金利上昇や景気悪化に弱い
一方で、ハイテク株や半導体株は、金利上昇や景気悪化の影響を受けやすい傾向があります。
企業の設備投資が減少すれば、半導体需要も落ち込む可能性があります。
また、半導体不足の反動で供給能力が増えすぎれば、供給過剰になることもあります。
サテライトとして比率を限定しておけば、大きく上昇したときの恩恵を受けながら、急落時の影響を抑えやすくなります。
新NISAのつみたて投資枠と成長投資枠を使い分ける
新NISAには、つみたて投資枠と成長投資枠があります。
動画では、この2つを使い分けながら、コア・サテライト戦略を構築する方法が紹介されています。
つみたて投資枠でコアを作る
つみたて投資枠では、オルカンやS&P500の低コスト投資信託を毎月積み立てます。
相場の上昇や下落を予測せず、一定額を継続して購入することで、購入時期を分散できます。
長期的な資産形成の土台として、ポートフォリオの約70%を目安に積み立てる考え方です。
成長投資枠でサテライトを追加する
成長投資枠では、日経平均株価、NASDAQ100、SOX指数などに連動する投資信託やETFを購入します。
コア資産よりも価格変動が大きい商品は、資産全体に占める比率を抑えることが重要です。
高いリターンを狙いながらも、ポートフォリオ全体が特定の指数に支配されないように調整します。
リバランスをルール化する
コア・サテライト戦略では、最初に決めた配分が時間の経過とともに崩れます。
値上がりした資産の比率が高くなり、値下がりした資産の比率が低くなるためです。
この偏りを元に戻す作業を「リバランス」と呼びます。
上昇した資産の一部を売却する
たとえば、日本株の比率を15%に設定していたとします。
日経平均株価が大きく上昇し、日本株の比率が25%まで増えた場合、日本株の一部を売却します。
売却によって得た資金を、比率が低下したオルカンやS&P500へ振り向けます。
これにより、上昇した資産の利益を確定しながら、安くなった資産を購入できます。
定期的に配分を確認する
リバランスの頻度に絶対的な正解はありません。
半年に1回、1年に1回など、定期的に確認する方法があります。
また、目標比率から5%以上ずれた場合に調整するなど、自分なりのルールを決める方法もあります。
頻繁に売買すると手間が増えるため、長期投資では一定の間隔で落ち着いて見直すことが重要です。
オルカンから急に乗り換える必要はない
SOX指数や日経平均株価の上昇を見ると、オルカンやS&P500を売却し、好調な指数へ乗り換えたくなるかもしれません。
しかし、動画では、そのような急な変更を避けるべきだと説明しています。
オルカンやS&P500は、SOX指数より上昇率が低かったとしても、長期投資のコアとして機能しています。
すでに積み立てを続けている人は、方針を大きく変えるのではなく、成長投資枠などを利用してサテライトを少額追加する方法が考えられます。
資産の中心を半導体株などへ移してしまうと、半導体市場が調整したときに、ポートフォリオ全体が大きく下落する可能性があります。
過去の高リターンより今後も保有できるかが重要
投資商品を選ぶ際、過去の上昇率は分かりやすい判断材料です。
しかし、長期投資で本当に重要なのは、将来の下落局面でも保有し続けられるかどうかです。
SOX指数が3倍になった実績を見て購入しても、その後40%下落したときに売却してしまえば、長期的な成長の恩恵を受けられない可能性があります。
一方、オルカンやS&P500の値動きであれば、不安を感じながらも継続できる人もいます。
最適な投資先は、最も上昇率が高い商品ではなく、自分がリスクを理解し、長く保有できる商品です。
まとめ
新NISA開始から約2年半の株式市場では、SOX指数、日経平均株価、NASDAQ100、TOPIXなどが大きく上昇しました。
動画で紹介された累計リターンでは、SOX指数が約3倍、日経平均株価が約2倍となり、NASDAQ100、TOPIX、S&P500、オルカンもそれぞれ上昇しています。
比較対象のなかでは、オルカンの上昇率が最も低い結果となりました。
しかし、オルカンが投資先として悪いという意味ではありません。
オルカンは世界中の株式へ分散でき、特定の国や業種が不調になった場合の影響を抑えやすい商品です。SOX指数やNASDAQ100のように集中度の高い指数は、高いリターンが期待できる反面、大幅な下落にも耐える必要があります。
今後の投資では、過去に最も上昇した指数へ資金を集中させるのではなく、コアとサテライトを分けて考えることが重要です。
動画では、ポートフォリオの70%をオルカンやS&P500などのコア資産に配分し、残りの30%を日経平均株価、NASDAQ100、SOX指数などのサテライト資産に配分する例が紹介されています。
新NISAでは、つみたて投資枠でコア資産を継続的に積み立て、成長投資枠で日本株やハイテク株を追加する方法が考えられます。
ただし、オルカン、S&P500、NASDAQ100、SOX指数は保有銘柄が重複するため、複数の商品を買っているだけで十分に分散できているとは限りません。
円安局面で海外資産へ投資する場合は、将来の円高による為替差損にも注意が必要です。毎月の積立投資を利用すれば、購入時期と為替レートを分散できます。
さらに、生活防衛資金を確保し、定期的にリバランスを行うことで、過剰なリスクを抑えながら長期投資を継続しやすくなります。
直近で上昇している資産だけを追いかけるのではなく、自分がどの程度の下落に耐えられるのかを考えることが大切です。
オルカンやS&P500を資産形成の土台としながら、日経平均株価、NASDAQ100、SOX指数などを適度に組み合わせることが、今後の不安定な市場環境に対応する1つの方法となるでしょう。


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