前日に大きく上昇した銘柄が、翌朝にはさらに買われ、その後は夕方まで下げ続ける――。2026年8月の東京株式市場では、こうした激しい値動きが目立っています。
今回の動画では、単純に「株価が上がった」「下がった」という終値だけを見るのではなく、その日の高値や安値が何時についたのか、VWAPに対して終値がどこに位置していたのかという視点から、相場の中身を詳しく分析しています。
特に注目されたのが、前日に15%を超える上昇を記録したメモリー関連株です。好材料がそろっていたにもかかわらず、翌日は一転して7%を超える下落となりました。
なぜ「良い材料」が出ていたにもかかわらず株価は下落したのでしょうか。
そこには、短期相場で非常に重要な「材料と株価は必ずしも同じ方向に動かない」という事実が見えてきます。
前日の上昇と米国半導体株高で強気材料がそろっていた
この日の朝、半導体やAI関連株については押し目を狙うという見方も出ていました。
前日の8月17日には日経平均株価が5日続伸し、6万9220円台まで上昇しています。さらに、注目されていたメモリー関連株は前日に15.07%上昇し、6万1840円まで買われていました。
売買代金も非常に大きく、対象銘柄だけで約2兆8420億円に達し、東証プライム市場全体の約32%を占めていたとされています。
海外市場にも追い風となりそうな材料がありました。
米国市場全体ではニューヨークダウが272ドル安、NASDAQも84ポイント安となりましたが、半導体株で構成されるSOX指数は上昇しています。
さらに、米国政府がAppleに対して中国製の半導体メモリーを購入しないよう求めたとの報道を背景に、マイクロン・テクノロジーやサンディスクなどの米国メモリー関連株が買われました。
日本のメモリー関連企業にとっても、表面的には追い風と受け取れる材料です。
前日の日本市場が強く、米国の半導体株も強い。
そのため、「今日も半導体株は強いのではないか」と考えた投資家が多かったとしても不思議ではありません。
しかし、実際の東京市場はまったく違う動きになりました。
日経平均は1759円安、半導体・電気機器株が急落
この日の日経平均株価は6万7460円台まで下落し、前日比で約1759円安、下落率は2.54%となりました。
一方、TOPIXの下落率は約1.05%にとどまっています。
日経平均をTOPIXで割ったNT倍率も、前日の16.54から16.29へ低下しました。
つまり、日本株全体が一様に暴落したというより、日経平均への影響が大きい一部の値がさ株が集中的に売られたことが分かります。
東証33業種を見ると、下落率トップは電気機器で3.72%安でした。2位の金属製品が2.25%安だったことを考えても、電気機器株の弱さが突出しています。
特に動画で中心的に取り上げられたメモリー関連株は、終値5万7150円となり、前日から4690円安、下落率は7.58%でした。
前日は8100円上昇していたため、その翌日に4690円下落したことになります。
ここで重要なのは、朝に出ていた材料が間違っていたわけではないという点です。
米国の半導体株が上昇していたことも、米政府を巡る報道も実際に存在しました。
それでも、日本市場では株価が反対方向に動きました。
材料が正しいことと、その日に株価が上昇することは別問題なのです。
終値だけでは分からない「VWAP」という数字
そこで動画では、終値だけではなく「VWAP」という数字に注目しています。
VWAPとは「Volume Weighted Average Price」の略で、日本語では出来高加重平均価格と呼ばれます。
簡単にいえば、その日に成立した取引について、出来高を考慮して計算した平均的な売買価格です。
「その日、その銘柄を取引した市場参加者の平均的な価格」と考えると分かりやすいでしょう。
動画で取り上げられたメモリー関連株のVWAPは約5万9561円でした。
これに対して終値は5万7150円です。
つまり、終値はVWAPを約4.05%下回りました。
これは「安値で買った人がいた」という話ではありません。
その日に大量に行われた取引全体の平均価格よりも、最終的な株価が大幅に安い水準で終わったということです。
約22万2574回の約定があり、取引時間を330分とすると、単純計算では1秒あたり約11.24回の取引が成立したことになります。
その膨大な取引の平均価格が約5万9561円だった一方で、終値は5万7150円でした。
つまり、この日に株を買った市場参加者のかなりの部分が、引け時点では含み損を抱えていた可能性があります。
下落した14銘柄すべてがVWAPを下回った
同様の現象は他の銘柄にも見られました。
動画では売買代金上位などから27銘柄を抽出して分析しています。
そのうち下落して終わった銘柄は14銘柄でした。
そして驚くべきことに、14銘柄すべてで終値がVWAPを下回っていました。
村田製作所では終値がVWAPを約3.95%下回り、フジクラも約3.94%下回っています。
ソフトバンクグループは約3.28%、イビデンは約2.81%、SCREENホールディングスは約2.20%、東京エレクトロンは約2.14%、アドバンテストは約1.94%、ディスコは約1.52%下回りました。
反対に、上昇して終わった13銘柄を見ると、そのうち10銘柄では終値がVWAPを上回っています。
つまり、その日のトレンドが強かった銘柄ほど、VWAPに対して終値が同じ方向へ離れていたことが分かります。
株価が上がっても「その日に買った人」が儲かるとは限らない
さらに興味深い例として紹介されたのが古河電気工業です。
終値は4368円で、前日比70円高、1.63%上昇しました。
終値だけを見れば「上がった株」です。
しかし、この日のVWAPは約4472円でした。
終値はVWAPを約2.32%下回っています。
つまり、前日終値からは上昇したにもかかわらず、その日に取引した人の平均価格よりも低いところで取引を終えたことになります。
古河電工は朝9時44分に4632円まで上昇した後、下落しました。
この例から分かるのは、
「前日比で株価が上がった」
ことと、
「その日に株を買った投資家が利益を得た」
ことは必ずしも同じではないということです。
前日比という数字は、前日の終値と今日の終値という2地点しか比較していません。
その間に株価がどのように動いたのかは消えてしまいます。
そこで重要になるのが「時刻」です。
下落株の多くは9時台に高値をつけていた
動画では27銘柄について、高値と安値をつけた時刻も調べています。
結果は非常に特徴的でした。
下落して終わった銘柄では、東京エレクトロン、アドバンテスト、ディスコ、SCREENホールディングスが9時ちょうどにその日の高値をつけています。
つまり、寄り付きがその日の最高値だったということです。
そのほかにも、リクルートホールディングスが9時1分、メモリー関連株が9時11分、日立製作所が9時13分、ソフトバンクグループが9時14分、イビデンが9時33分、太陽誘電が9時37分、信越化学工業が9時38分、村田製作所が9時40分、フジクラが9時44分に高値をつけました。
下落して終わった14銘柄のうち、実に13銘柄が9時台に高値をつけていました。
つまり、多くの銘柄では「朝に買った人ほど高値をつかみやすい」1日になっていたわけです。
上昇した銘柄は反対に「9時が安値」
一方、上昇して終わった銘柄では逆の現象が見られました。
日本郵船、商船三井、川崎汽船、INPEX、ENEOS、日本製鉄、JFEホールディングス、武田薬品工業、トヨタ自動車、三菱UFJなど、多くの銘柄が9時ちょうどにその日の安値をつけています。
上昇して終わった13銘柄のうち11銘柄で、寄り付きがその日の安値でした。
整理すると、この日は非常に分かりやすい形になっています。
下がった株は朝一番が高く、上がった株は朝一番が安かった。
27銘柄のうち25銘柄では、取引開始から約45分以内にその日の高値か安値のどちらかが決まっていました。
1日の取引時間が330分あることを考えると、最初のごく短い時間帯でその日の方向性が決まっていたことになります。
同じ銘柄でも買った時刻によって結果は大きく違う
動画の中心となったメモリー関連株では、この日の高値が6万3350円、安値が5万6630円でした。
値幅は6720円です。
前日終値に対すると約10.87%もの値動きです。
100株保有していた場合、1日の高値と安値の差だけで67万2000円になります。
さらに太陽誘電の1日の値幅は15.19%、村田製作所は10.90%、フジクラは9.23%に達しました。
同じ銘柄を買ったとしても、いつ買ったかで結果は大きく変わります。
メモリー関連株を9時11分の高値6万3350円で買い、そのまま引けまで持っていた場合は約9.79%の下落です。
寄り付き付近の6万2000円で買った場合でも約6.3%の下落になります。
一方、VWAP付近の約5万9561円で買えていれば下落率は約4.05%です。
同じ日の同じ銘柄でも、違うのは「触れた時刻」です。
なぜ朝の高値に投資家が集まりやすいのか
前日に大きく上昇した銘柄には、翌日の寄り付き前から注文が集まりやすくなります。
夜のニュースや米国株の動きを見て、「明日も上がる」と考えた投資家が朝一番で注文を出すためです。
ところが、その買い注文が一気に集まる場所は、売りたい投資家にとっても好都合な場所になります。
今回のメモリー関連株も寄り付き後に6万3350円まで上昇しましたが、その後は下落へ転じました。
「良いニュースを見て朝に買う」という行動そのものが悪いわけではありません。
しかし、同じ判断を大量の市場参加者がしている場合、その注文が集中した場所が結果的に短期的な天井になる可能性もあるということです。
12時30分前後にも相場の転換点が集中
もう1つ興味深い時間帯が12時30分前後です。
下落していた銘柄では、フジクラが12時31分、太陽誘電が12時33分、メモリー関連株やディスコが12時34分ごろに安値をつけました。
反対に上昇していた銘柄でも、武田薬品工業が12時30分、アステラス製薬が12時31分、日本郵船が12時36分、トヨタ自動車が12時36分、日本製鉄が12時39分ごろに高値をつけています。
つまり、売られていた株が底を打ち、買われていた株が天井をつけるタイミングが昼に集中しました。
この時間には、5年国債の入札結果も公表されています。
第187回5年国債の表面利率は年2.2%で、応募額は約7兆9509億円、募入決定額は約1兆9149億円でした。
入札倍率は約4.25倍です。
平均落札利回りは2.163%、最低価格で計算した利回りは2.168%となりました。
前日8月17日の5年国債利回りが2.177%だったことから、それより低い利回りで入札が決まっています。
国債は需要が強くなると価格が上がり、利回りは低下します。
そのため、この日の入札結果は国債への需要が比較的強かったことを示しています。
動画では、金利低下につながる材料が出た時刻と、一部の株式が底を打った時刻が重なっていた点に注目しています。
ただし、12時30分は後場そのものが始まる時間でもあります。
そのため、「国債入札が株価を反転させた」と断定することはできません。
あくまで、時刻が一致していたという事実として紹介されています。
午後も下落し続けた銘柄もあった
すべての半導体株が昼に底を打ったわけではありません。
東京エレクトロンは15時30分にこの日の安値をつけました。
つまり、ほぼ1日の最安値で取引を終えたことになります。
アドバンテストは15時8分、SCREENホールディングスは15時4分、イビデンは15時4分、信越化学工業は15時6分、リクルートホールディングスは15時24分に安値をつけています。
この日の下落銘柄は、
「昼ごろに下げ止まった銘柄」
と、
「午後も売られ続けた銘柄」
に分かれていました。
同じ電気機器という業種でも、値動きは一様ではなかったのです。
株価を動かした4つの外部要因
では、なぜこのような荒い値動きになったのでしょうか。
動画では、投資家自身では変えることのできない外部要因についても整理しています。
まず大きな要因が金利です。
日本の新発10年国債利回りは8月17日に一時2.930%まで上昇し、財務省公表値でも2.919%でした。
8月3日の2.824%から、わずか約2週間で0.095ポイント上昇しています。
20年国債は3.800%、30年国債は4.050%という高い水準です。
株式の理論価格を考える場合、金利は将来利益を現在価値へ割り引く際の「割引率」に相当します。
そのため、遠い将来の成長期待によって高く評価されている成長株ほど、金利上昇の影響を受けやすくなります。
半導体やハイテクなどの電気機器株が大きく売られた背景には、この金利上昇もあったと考えられます。
さらに、2027年度予算の概算要求を巡る財政問題もあります。
成長分野や危機管理投資では要求額の上限を設けない方針が示され、防衛省でも過去最大規模の要求が検討されていると動画では説明しています。
財政支出の拡大観測は国債売り、つまり金利上昇につながる可能性があります。
加えて、日本銀行の金融政策も重要です。
9月の金融政策決定会合を巡って政策金利引き上げへの見方が広がっており、海外では米国の金融政策を巡るイベントも控えています。
そして4つ目が中東情勢です。
原油価格が上昇し、WTI原油は1バレル85.33ドルまで上昇。8月13日の81.25ドルから約5%上昇したとされています。
原油価格や輸送コストの上昇はインフレ圧力につながるため、金利市場にも影響を与える可能性があります。
実は海運・資源株は上昇していた
日経平均が2.54%下落すると、「日本株全体が暴落した」という印象を持ちやすくなります。
しかし、実際には33業種のうち14業種が上昇していました。
動画によると、業種別上昇率の上位には海運、鉱業、石油・石炭製品、鉄鋼、医薬品などが並びました。
商船三井、日本郵船、川崎汽船などの海運株も上昇しています。
つまり、この日は全面安ではありません。
資金が半導体・ハイテク株から海運、資源、鉄鋼、医薬品などへ移動していた側面もあります。
「日経平均が大幅安」という数字だけを見ていると、この資金移動は見えにくくなります。
なぜ日経平均だけがこれほど大きく下落したのか
日経平均には、株価の高い銘柄の値動きが指数に大きく反映されるという特徴があります。
動画では8月17日時点の構成比を使い、どの銘柄が指数を押し下げたのかも計算しています。
アドバンテストの構成比は13.17%で、この日の下落率は5.08%でした。
これだけで日経平均を約463円押し下げた計算となり、日経平均全体の下げ幅の約26.3%を占めます。
東京エレクトロンは構成比8.73%で、下落率6.27%。
日経平均へのマイナス寄与は約373円となり、全体の下落幅の約21.2%に相当します。
さらにファーストリテイリング、TDK、イビデン、ソフトバンクグループ、リクルートなどを加えた8銘柄だけで、日経平均の下げ幅の約72.4%を説明できるとしています。
ここから分かるのは、最も大きく下落した株と、日経平均を最も押し下げた株は必ずしも同じではないということです。
指数を見る場合には、単純な値下がり率だけでなく、指数構成比も確認する必要があります。
すでに相場はかなり過熱していた
急落前には、テクニカル面でも過熱感が出ていました。
日経平均の25日移動平均線からの乖離率は5.03%となり、一般的に過熱の1つの目安とされる5%を超えていました。
RSIは82.56、騰落レシオも122.22となっていました。
こうした数字を見ると、市場全体、特に日経平均を押し上げていた大型株には短期的な買われ過ぎ感があったことが分かります。
好材料があっても、すでに多くの投資家が買ってしまった後であれば、追加の買い手が不足します。
そこへ金利上昇や利益確定売りなどが重なれば、急落することがあります。
2週間で62.96%動いても、実際に残った上昇は16.25%
今回の動画で特に印象的なのが、8月に入ってからのメモリー関連株の値動きです。
約11営業日の値動きを、上昇・下落を区別せず絶対値で合計すると62.96%になりました。
つまり、わずか2週間ほどの間に、それだけ激しく上下したことになります。
しかし、8月3日の終値4万9160円から、この日の終値5万7150円までの実際の上昇率は16.25%です。
62.96%動いたにもかかわらず、最終的に残ったのは16.25%でした。
残りは、簡単にいえば「上がって下がって元に戻った値動き」です。
動画では、こうした状態を「荒い相場」と表現しています。
値動きそのものは非常に大きいのに、長い目で見た価格変化はそれほど大きくありません。
このような相場では、値動きの大きさに反応して何度も売買すると、むしろ振り回されやすくなります。
荒い相場で投資家が自分で変えられる4つのこと
金利や財政政策、中東情勢、日経平均の指数構成を個人投資家が変えることはできません。
明日の株価が上がるか下がるかも分かりません。
しかし、自分自身でコントロールできることはあります。
動画では「金額」「回数」「時刻」「見る場所」という4つを挙げています。
1. 投資する金額を調整する
メモリー関連株100株では、この日だけで高値と安値の差が67万2000円ありました。
太陽誘電100株でも値幅は17万円を超えています。
こうした値動きを冷静に見ていられないのであれば、その銘柄が悪いのではなく、自分にとってポジション量が大きすぎる可能性があります。
株数は自分で調整できます。
単元株で買うとリスクが大きすぎるのであれば、「今は触らない」という選択肢も立派な投資判断です。
2. 売買回数を増やしすぎない
動画で取り上げられた銘柄では、1日で約22万2574回もの約定がありました。
1秒あたり約11回という猛烈な速度で価格が動いています。
しかし、個人投資家がそのすべての動きに参加する必要はありません。
取引回数を増やせば、売買コストだけでなく判断回数も増えます。
判断が増えるほど疲労し、感情的な売買につながる可能性も高まります。
3. 自分が注文する「時刻」を意識する
今回の27銘柄では、その日の高値または安値が朝の短時間に決まったケースが非常に多くなりました。
特に、前日のニュースを見て朝一番に注文した投資家は、下落銘柄では高値付近をつかむ可能性が高い1日でした。
もちろん、これは今回の1日についてのデータであり、毎日同じパターンになるわけではありません。
それでも、自分が普段「何時ごろ注文することが多いのか」を振り返る価値はあります。
4. 売買代金ランキングだけを見ない
この日は半導体関連株に莫大な売買代金が集中していました。
しかし、市場全体を見ると海運、資源、鉄鋼、医薬品など上昇している業種もありました。
売買代金ランキング上位だけを追いかけていると、資金が流れている別の場所が見えなくなる可能性があります。
目立つ銘柄には資金も集まりますが、その分だけ値動きも激しくなります。
その場所に参加するかどうかは、自分で選ぶことができます。
VWAPを使って自分の売買を振り返る
今回の動画が最後に提案しているのが、自分の買値を終値ではなくVWAPと比較する方法です。
たとえば、
「今日は株価が下がったから失敗だった」
「今日は上がったから正解だった」
という判断だけでは、自分の売買が本当に良かったのか分かりません。
自分の買値がその日のVWAPより安かったのであれば、市場参加者の平均より有利な価格で買えていた可能性があります。
反対に、VWAPより大幅に高い場所で買っているのであれば、相場が最も熱くなっている時間帯に飛びついていた可能性があります。
終値と前日比だけを見るのではなく、
「自分はいくらで買ったのか」
「その価格は市場全体の平均と比べて高かったのか、安かったのか」
を確認することで、自分の売買をより客観的に評価できるようになります。
まとめ
今回の相場では、前日の大幅高や米国半導体株の上昇など、一見すると翌日の株高につながりそうな材料がそろっていました。
しかし、実際には日経平均が約1759円安となり、半導体・電気機器株を中心に大きく下落しました。
この動きから分かるのは、良い材料があることと、その日に株価が上がることは別問題だということです。
さらに終値だけでは、その日に何が起きていたのか十分には分かりません。
VWAPを見ると、下落した14銘柄すべてで終値が平均的な売買価格を下回っていました。また、高値や安値をつけた時刻を調べると、多くの銘柄で朝の45分ほどの間にその日の方向性が決まっていました。
一方、市場全体を見ると海運、資源、鉄鋼、医薬品など上昇している業種も存在しており、単純な「全面安」ではありませんでした。
金利、財政、金融政策、中東情勢など、市場を動かす大きな要因を個人投資家がコントロールすることはできません。
しかし、投資する金額、売買回数、注文する時刻、そしてどの銘柄を見るのかは自分で決められます。
値動きが激しい相場ほど、「上がったから買う」「下がったから売る」と反応するのではなく、自分の買値をVWAPと比較し、自分が市場のどこで売買しているのかを確認することが重要です。
荒い相場では、未来の値動きを当てること以上に、自分がコントロールできる範囲を明確にしておくことが、相場に振り回されないための重要なポイントだといえるでしょう。


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