日経平均暴落の裏で下げ止まった4銘柄とは?AI・半導体から資金が移る「循環物色」を解説

本記事は、YouTube動画『日経平均暴落の裏で下げ止まった4銘柄とは?』の内容を基に構成しています。

日経平均が大きく下落すると、「日本株はもうダメなのではないか」と考えてしまいがちです。

しかし、相場全体が大きく崩れているときこそ、別のところで重要な変化が起きている可能性があります。

動画で注目しているのが、AI・半導体関連株を中心に売りが広がった局面でも、下値を更新せず、むしろ買いが入り始めていた銘柄です。

相場から資金そのものが消えたのではなく、これまで上昇していたテーマから別の銘柄へと資金が移動している可能性があります。

こうした現象は「循環物色」と呼ばれます。

動画では、暴落局面で下げ止まりの動きを見せた銘柄として、ブリヂストン、シグマクシス・ホールディングス、大東建託、JFEホールディングスの4社を取り上げています。

重要なのは、単純に「大きく下がったから安い」と考えるのではありません。

なぜ下落したのか、企業そのものが悪化しているのか、それとも外部環境によって売られているだけなのか。そして本当に売りが一巡した兆候が出ているのか。

この違いを見極めることが、今回の動画の大きなテーマとなっています。

目次

日経平均暴落の裏で起きていた「循環物色」

動画ではまず、大きな相場下落の裏側で何が起きていたのかを説明しています。

AIや半導体など、それまで相場をけん引していたテーマが過熱すると、ある時点から利益確定売りが増えます。

そこで出てきた資金が、必ずしも株式市場から完全に撤退するとは限りません。

割高になった銘柄を売り、まだ上昇していない銘柄や割安な銘柄へと資金を移す投資家もいます。

このように、投資資金がテーマからテーマへ、あるいは業種から業種へ移っていく動きが循環物色です。

動画では、

「安いから上がるのではなく、売る人がいなくなったところに新しい資金が入ってくるから上がる」

という考え方を重要視しています。

つまり、株価が下落しているだけでは買い材料にはなりません。

十分に売られた結果、売りたい投資家が減り、そのタイミングで別のところから買い資金が入る。この2つが重なることが重要だという考えです。

「下がった株」と「下げ止まった株」は違う

初心者が特に注意したいのが、「下がっている株」と「下げ止まった株」を同じものとして考えないことです。

株価が50%下落したからといって、そこが底とは限りません。

50%下落した株が、さらに50%下落することもあります。

いわゆる「落ちてくるナイフをつかむ」という状態です。

そこで動画では、下げ止まりを判断する材料として、チャート上の安値や出来高などを重視しています。

安値が切り上がっているか

例えば、最初の安値が1000円だったとします。

その後反発して再び下落したものの、次の安値が1050円で止まれば、以前より高い位置で買いが入ったことになります。

さらに次の安値が1100円となれば、底値が徐々に切り上がっている状態です。

一直線に上昇しなくても、

下落 → 反発 → 下落 → 反発

を繰り返しながら安値が徐々に上がっていけば、売り圧力が弱まっている可能性があります。

出来高も重要な判断材料

もう1つ動画が重視しているのが出来高です。

出来高とは、その日に売買された株数のことです。

株価が上昇していても、ほとんど取引されていなければ、一部の投資家だけによる上昇かもしれません。

一方、株価が上昇すると同時に出来高も大きく増えていれば、多くの資金が入ってきた可能性があります。

そのため、

「安値が切り上がる」

「株価上昇とともに出来高が増える」

といった現象が重なるほど、下げ止まりの信頼性が高まるという考え方です。

1社目:ブリヂストン―好業績でも株価が出遅れていた銘柄

最初に紹介されたのがブリヂストンです。

世界有数のタイヤメーカーであり、日本を代表するグローバル企業の1つです。

ブリヂストンというと成熟した大型企業という印象がありますが、動画ではむしろ「今年まだ十分に上昇していなかった側」として注目しています。

AI・半導体関連株が大きく上昇する一方で、ブリヂストンは出遅れていました。

その背景には、米国市場の販売状況や原材料価格などの影響があったと説明されています。

業績は大きく改善

動画で紹介された上半期の数字では、営業利益は2802億円で前年同期比70.4%増、最終利益は2062億円で78.5%増となっています。

さらに予想配当は1株125円で、前期の115円から10円増配する計画です。

つまり、

業績は改善している。

配当も増える予定。

それにもかかわらず、株価は出遅れていた。

ここに業績と株価の「ずれ」があったという見方です。

5月の安値から大きく反発

動画では、5月1日に3180円の安値をつけた後、株価が徐々に切り上がり、8月10日時点で4320円まで上昇したと説明されています。

3180円から見ると1000円以上の上昇です。

さらに注目されたのが、日経平均が大きく崩れた局面でもブリヂストンが安値を更新しなかったことです。

市場全体が売られているときに下値を切り下げなかったことを、「売りたい投資家がかなり売り終わっていた可能性を示す材料」と評価しています。

配当性向にも余力

配当利回りは動画内の数字で約2.89%、配当性向は約46.7%とされています。

配当性向とは、企業が稼いだ利益のうち、どれくらいを株主への配当に回しているかを示したものです。

例えば100億円の利益を上げて50億円を配当に使えば、配当性向は50%です。

配当性向が極端に高い場合、利益のほとんどを株主に配ってしまうため、将来の設備投資や研究開発に使える資金が少なくなります。

ブリヂストンの場合、利益の半分以上を企業側に残したうえで一定の配当を出しているため、動画では今後の増配余力にも注目しています。

ただし、米国事業の販売状況や原材料価格といった不確定要因は残ります。

そのため、動画でも一気に投資するのではなく、今後の決算で米国事業の改善を確認しながら段階的に判断する姿勢を勧めています。

2社目:シグマクシス・ホールディングス―利回り約5%まで売られた小型コンサル株

2社目はシグマクシス・ホールディングスです。

企業のDXや業務改革を支援するコンサルティング会社で、日本企業の現場に深く入り込んで改革を支援するタイプの企業として紹介されています。

動画では時価総額約454億円の小型株として取り上げられています。

PER9.6倍、配当利回り4.92%

動画内ではPERが9.6倍、配当利回りが4.92%と紹介されています。

PERとは、企業の利益に対して株価が何倍まで買われているかを示す指標です。

一般的にはPERが低いほど株価が割安に見えますが、単純に低ければ良いわけではありません。

業績悪化が予想されているためにPERが低くなっているケースもあるからです。

そしてシグマクシスには、実際に株価が下落する理由がありました。

第1四半期は減収減益

第1四半期は売上高が前年同期比10.1%減、営業利益は24.1%減となっています。

営業利益が2割以上減っているため、数字だけを見れば市場が警戒するのも不思議ではありません。

ただし動画では、その中身を分解しています。

業績悪化の背景として、

  • 連結対象から一部事業が外れたこと
  • 大型案件が一時的に減少したこと
  • 販売管理費が増加したこと

などが挙げられています。

企業の競争力そのものが崩壊したわけではないという見方です。

さらに会社側は通期で売上高6.2%増、営業利益8.8%増、最終利益12.3%増を予想しています。

つまり第1四半期の弱さを織り込んだうえで、通期では増収増益を計画しています。

株価は約44%下落

株価は1月19日の902円から8月5日の501円まで、約7カ月で44%下落したと紹介されています。

ほぼ半値です。

大きく売られたことで、配当利回りは約5%まで上昇しました。

その後、8月10日には528円まで反発しています。

ただし動画では、シグマクシスについては「下げ止まり確認済み」とまでは判断していません。

ブリヂストンほど明確な底打ちではなく、「これから本当に下げ止まるかを確認する段階」としています。

自己資本比率83.6%という財務基盤

もう1つ注目されているのが財務です。

動画内では自己資本比率83.6%と紹介されています。

自己資本比率が高ければ、借金への依存度が低く、経営環境が多少悪化しても耐えやすい企業と考えることができます。

今期の予想配当は26円で、会社は減配せず前期と同水準を予定しています。

ただし、業績回復が前提である点には注意が必要です。

案件獲得が回復しなければ、将来的に配当維持が難しくなる可能性もあります。

したがって、今回の4銘柄の中では比較的リスク許容度の高い投資家向けという位置付けになっています。

3社目:大東建託―最高益・6期連続増配でも約24%下落

3社目として紹介されたのが大東建託です。

大東建託は地主に賃貸住宅建設を提案し、建設後の賃貸管理や運営まで行う企業です。

単純な建設会社でも、不動産仲介会社でもありません。

建設と賃貸管理を組み合わせたビジネスモデルを持っています。

管理戸数は100万戸を超える規模と説明されています。

一括借り上げによるストック型収益

大東建託の特徴として動画で説明されているのが、一括借り上げです。

建物を建てた後、大東建託側が物件を借り上げ、入居者へ貸します。

オーナーには一定の賃料を支払い、入居者から受け取る賃料との差額などを収益とする仕組みです。

そのため、建物を建てた時点で売上が終わるのではなく、その後も管理収入が継続します。

こうした継続的に発生する収益は「ストック型収益」と呼ばれます。

売上高・営業利益とも過去最高

動画で紹介された2026年3月期の実績は、売上高1兆9847億円、営業利益1352億円です。

いずれも過去最高とされています。

さらに3年連続で最高益を更新し、第1四半期の営業利益も前年同期比15.5%増となっています。

配当も6期連続で増配。

予想配当は163円で、前期から約8%の増配を予定しています。

動画内の配当利回りは5.02%です。

これだけを見ると、株価も順調に上昇していそうですが、実際には逆でした。

約2カ月で24%下落

4月8日に3848円だった株価は、6月4日に2915.5円まで下落。

約2カ月で24%近く下落しています。

業績が過去最高で、配当も増えているにもかかわらず、株価は2割以上下落していました。

動画では、その理由として主に3つを挙げています。

1つ目が原材料高による建設コスト上昇への懸念。

2つ目が金利上昇への警戒。

3つ目が配当の権利落ちです。

つまり、会社の業績そのものより、外部環境への懸念が売り材料になったという分析です。

暴落局面でも3000円付近で踏みとどまった

特に注目されているのが、その後の値動きです。

日経平均が大きく下落した局面でも、大東建託は3000円付近で踏みとどまりました。

その後7月29日には3632円まで上昇。

8月5日に3137円まで再び下落したものの、その後は3250円付近まで戻しています。

一直線に上昇しているわけではありません。

しかし、上下動を繰り返しながら以前の安値を割らず、底値を切り上げるような形が見られる点を動画では評価しています。

高配当だから買うのではない

大東建託について特に強調されているのが、「配当利回り5%だから買う」という順番ではないことです。

まず業績を確認する。

次に株価が下がった理由を確認する。

企業そのものの問題なのか、外部要因なのかを判断する。

そのうえで配当利回りを見る。

この順番が重要だと説明されています。

一方、リスクがないわけではありません。

動画では受注が前年同期比21.1%減、受注残高も4.8%減となっている点を指摘しています。

今後は受注が回復するかどうかが重要な確認ポイントです。

4社目:JFEホールディングス―PBR0.45倍の割安鉄鋼株

最後に紹介されたのがJFEホールディングスです。

日本を代表する鉄鋼メーカーの1つで、自動車、造船、建設、インフラなど幅広い産業を支える企業です。

動画が特に注目しているのが、株価の割安さです。

PBR0.45倍

動画内のPBRは0.45倍です。

PBRとは、企業の純資産に対して株価が何倍まで買われているかを示す指標です。

理論上、PBR1倍は株価と1株当たり純資産がほぼ同じ水準であることを意味します。

0.45倍であれば、帳簿上の純資産に比べて株価がかなり低い状態です。

ただし、PBR1倍割れだから必ず割安というわけではありません。

収益性が低かったり、将来の利益に不安があったりする企業は、長期間PBR1倍を下回ることがあります。

JFEについても「安い理由」を確認する必要があります。

配当利回り4.34%、予想配当80円

動画では予想配当80円、配当利回り4.34%と紹介されています。

さらに、第1四半期の業績は大きく回復しました。

最終利益は前年同期比4.4倍、経常利益3.9倍、営業利益2.9倍とされています。

一見すると非常に強い数字ですが、前年の業績が悪かったことによる反動もあります。

2026年3月期には最終利益が前期比約24%減となっており、その低い水準からのV字回復という側面があります。

会社側は通期の最終利益1500億円、前期比2.1倍を予想していると説明されています。

株価は約3割下落後に反発

株価は2月12日の2359円から、6月26日の1535円まで約3割下落しました。

その後1535円付近で反発し、8月7日には1904円まで戻しています。

8月10日の終値は1845円とされています。

動画では、1535円付近で売りが一巡し、その後買いが入った典型的な下げ止まりパターンとして取り上げています。

なぜ3割も下落したのか

JFEは典型的な景気敏感株です。

世界景気や鉄鋼需要、中国の鉄鋼輸出などの影響を大きく受けます。

動画では、世界的な鉄鋼需要の弱さや、中国からの安価な鋼材輸出によって鉄鋼価格が下落したことなどが株価下落の背景として挙げられています。

企業単独の努力ではコントロールしにくい要因です。

配当80円は魅力だが「配当の質」に注意

JFEは1株80円を下限とする配当方針が下値の支えになる可能性があると説明されています。

株価が下落するほど配当利回りは上昇するため、ある水準から配当目的の買いが入りやすくなるからです。

ただし、ここには重要な注意点があります。

JFEの配当は業績連動色が強く、過去には100円から80円へ減配した経緯があると動画では指摘しています。

つまり、大東建託のように継続的に増配している企業と、JFEのように業績によって配当額が変わりやすい企業を、単純に「利回り4~5%の高配当株」として同列に考えるべきではありません。

同じ5%の配当利回りでも、その中身はまったく違います。

高配当株は「利回り」だけを見てはいけない

今回の動画で繰り返し強調されているのが、配当利回りだけで銘柄を判断してはいけないという点です。

例えば配当利回り5%の企業が2社あったとしても、

毎年利益が増え、6年連続で増配している企業と、

景気によって利益が大きく変わり、減配することもある企業では、

同じ5%でもリスクは大きく異なります。

配当を見る場合には、利回りだけでなく、

  • 配当性向
  • 過去の増配・減配履歴
  • 業績の安定性
  • 財務状況
  • 将来の利益見通し

などを見る必要があります。

特に、株価が急落したため結果的に配当利回りが高くなっている銘柄には注意が必要です。

業績悪化によって将来減配されるのであれば、現在表示されている高い配当利回りは維持できません。

4銘柄に共通する「会社が壊れたわけではない」という視点

今回取り上げられた4銘柄には、動画によれば共通点があります。

それは、

「企業そのものが致命的に悪化して売られたわけではなく、外部要因によって株価が下落した」

という点です。

ブリヂストンであれば米国市場や原材料。

シグマクシスであれば案件の一時的な減少など。

大東建託であれば金利上昇や建設コスト。

JFEであれば世界の鉄鋼需要や中国の安価な鋼材輸出です。

もちろん外部要因であっても、長期化すれば企業業績に深刻な影響を及ぼします。

したがって、「外部要因だから問題ない」と考えるのも危険です。

重要なのは、

会社そのものの競争力が崩れたのか。

一時的な環境悪化なのか。

その環境が改善した場合、利益が戻る可能性があるのか。

という点を分解して考えることです。

「暴落したら買う」ではなく「暴落時に何が売られなかったかを見る」

今回の動画から学べる重要な考え方の1つが、暴落時の見方です。

相場が大きく下落すると、多くの投資家は「何を買えばいいのか」を考えます。

しかし、別の見方もできます。

「これだけ相場全体が売られているのに、何が売られていないのか」

を見るのです。

市場全体が急落する日は、投資家のリスク回避姿勢が強まり、幅広い銘柄が売られます。

そのような環境でも下値を更新しなかった銘柄には、何らかの買い需要が存在している可能性があります。

さらに業績が悪化しておらず、割安感や配当という支えがあるなら、相場の資金循環によって見直される可能性もあります。

AI・半導体から別の業種へ資金が移る可能性

動画では、これまでAIや半導体関連株に集中していた資金が、今後ほかの業種へ移る可能性にも注目しています。

相場では同じテーマだけが永遠に上昇するわけではありません。

あるテーマが大きく買われて割高になると、投資家は次の割安なテーマを探し始めます。

そこで、それまで注目されていなかった高配当株、割安株、景気敏感株などに資金が移動することがあります。

これが循環物色です。

もちろん、AI・半導体関連株から必ず今回紹介された4銘柄へ資金が流れるという保証はありません。

しかし、大きな相場変動の際には、値下がりした銘柄だけを見るのではなく、「資金がどこへ移っているのか」という視点を持つことで相場全体を理解しやすくなります。

まとめ

今回の動画では、日経平均が大きく下落した局面の裏側で、ブリヂストン、シグマクシス・ホールディングス、大東建託、JFEホールディングスという4銘柄に下げ止まりや反発の兆候が見られたとして紹介しています。

4社の特徴はそれぞれ異なります。

ブリヂストンは、業績改善と増配を伴いながら、暴落局面でも下値を切り下げなかった大型株です。

シグマクシス・ホールディングスは、第1四半期が減収減益となる一方、財務基盤が厚く、高い配当利回りを背景に下げ止まりを探る段階にあります。

大東建託は、過去最高益と6期連続増配を続けながら、金利上昇などの外部要因で売られた銘柄です。

JFEホールディングスは、PBR0.45倍という割安水準と業績のV字回復が特徴ですが、景気敏感株であり、配当も業績に左右されやすいというリスクがあります。

そして4社を見るうえで最も重要なのは、「株価が下がったから買う」という考え方ではありません。

なぜ下がったのか。

企業そのものが悪くなったのか。

売りは一巡しているのか。

安値は切り上がっているのか。

出来高を伴った買いが入っているのか。

配当は本当に維持できるのか。

こうした要素を1つずつ確認することが重要です。

暴落は単なる恐怖のイベントではありません。

相場全体が大きく動くからこそ、それまで見えなかった銘柄の強さや弱さがはっきりすることがあります。

「暴落した銘柄を探す」のではなく、「暴落しても崩れなかった銘柄を探す」。

この視点が、今回の動画で紹介された「下げ止まり銘柄」と「循環物色」を理解するうえで重要なポイントといえるでしょう。

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