為替は何で動く?実質金利差・金融政策・貿易収支からドル円の長期サイクルまで徹底解説

本記事は、YouTube動画『グローバルマクロで見る為替の見方と投資戦略』の内容を基に構成しています。

※提供された文字起こしには正式な動画タイトルの記載がないため、内容をもとに仮タイトルを付けています。

FXでドル円やユーロドルを取引していると、「なぜ今、円安なのか」「なぜ金利差が縮まっているのに為替が思った方向へ動かないのか」と疑問に感じることがあります。

為替市場が難しい理由は、株式市場以上に参加者の種類が多く、金利や中央銀行の金融政策、貿易、国際的な資金移動、地政学、インフレなど、非常に多くの要因が同時に影響するためです。場合によっては政府や中央銀行が為替介入という形で直接市場に参加することもあります。

動画では、こうした複雑な為替市場を「グローバルマクロ」という大きな視点から分析する方法が紹介されています。

さらに、現在のドル高・円安が理論値から大きく離れている可能性や、ドルの長期サイクルが転換した場合には今後10年規模でドル安が進み、ゴールド価格にも大きな影響を与える可能性があるという興味深い見方も示されています。

目次

為替市場はなぜ予想するのが難しいのか

株式市場では、企業業績や金利、景気などが重要な材料になります。

一方、為替市場の場合、それに加えて各国の金融政策、貿易、国際資本移動、インフレ、政治、地政学などを考えなければなりません。

また、為替市場には個人投資家や金融機関だけでなく、輸出入企業、機関投資家、政府、中央銀行など、さまざまな参加者が存在します。

そのため、動画では為替について「分析が最も難しい市場の1つ」という考え方が示されています。

FXを取引していなくても、為替は株式、債券、コモディティ、ゴールドなど多くの資産価格に影響します。そのため、投資家にとって為替の基本的な仕組みを理解しておくことには大きな意味があります。

為替を考える基本は「実質金利差」

為替を説明する代表的な考え方の1つが、2国間の実質金利差です。

一般的に資金は、金利の低い通貨から金利の高い通貨へ移動しやすい性質があります。

ただし、ここで重要なのは単純な政策金利や国債利回りではなく、インフレを考慮した実質金利です。

実質金利とは何か

実質金利は、基本的に次のように考えます。

実質金利 = 名目金利 − 期待インフレ率

例えば、金利が5%あったとしてもインフレ率が4%なら、実質的な金利は約1%となります。

ただし、期待インフレ率を正確に把握することは簡単ではありません。

そこで動画では、簡便的な方法として10年国債利回りからCPIなどのインフレ率を差し引き、実質金利の目安として利用する方法が紹介されています。

ドル円なら日米の実質金利差を見る

ドル円を見る場合、米国と日本の実質金利を比較します。

米国の実質金利が日本より高ければ、相対的にドルが買われ、円が売られやすくなります。

逆に日米の実質金利差が縮小すれば、ドル高・円安の圧力が弱まり、円高方向へ動きやすくなると考えられます。

重要なのは、金利差の絶対的な大きさだけではありません。

「金利差が拡大しているのか、それとも縮小しているのか」という方向性を見ることも重要です。

ユーロドルであれば米国とユーロ圏、ポンドドルであれば米国と英国の金利環境を比較するという考え方になります。

中央銀行の金融政策が為替を動かす

実質金利と並んで重要なのが、各国中央銀行の金融政策です。

中央銀行の姿勢は大きく「タカ派」と「ハト派」に分けられます。

タカ派とは、インフレ抑制を重視して利上げや金融引き締めを行いやすい姿勢です。一方、ハト派とは、景気を重視して利下げや金融緩和を行いやすい姿勢を指します。

例えば米国ではFRB、ユーロ圏ではECB、日本では日本銀行、英国ではBOE、オーストラリアではRBAの政策が重要になります。

市場は実際に利上げや利下げが行われてから動くとは限りません。

FOMCやECB理事会、日銀金融政策決定会合などの声明文や中央銀行総裁の発言から、将来の政策変更を予測して先回りすることがあります。

そのため、現在の政策金利を見るだけではなく、「今後どう変化する可能性があるのか」を考える必要があります。

貿易収支と経常収支も通貨の方向を左右する

金融政策とは別に、実際のお金の流れである「フロー」も為替を動かします。

その代表例が貿易収支や経常収支です。

輸出が輸入より多ければ貿易黒字、輸入が輸出より多ければ貿易赤字となります。

輸出企業は海外で得た外貨を自国通貨へ交換するため、一般的には輸出が多い国ほど自国通貨への買い需要が発生しやすくなります。

一方、輸入が多ければ、自国通貨を売って外貨を購入する必要があります。

日本には構造的な「円売り」が存在する

動画で特に注目されているのが、日本経済における円売り構造です。

代表的なのが、エネルギー輸入とデジタル分野の赤字です。

日本が海外から原油や天然ガスを輸入する場合、多くの場合ドルで決済します。

つまり、日本企業は円を売ってドルを買い、そのドルで資源を購入します。

同様に、海外企業のデジタルサービスなどへ日本から支払いが行われれば、海外への資金流出につながります。

こうした取引が積み重なることで、日常的に「円売り・ドル買い」のフローが発生します。

動画では、この構造的な円売りが存在するため、政府や日本銀行が為替介入を行ったとしても、簡単には円高へ転換しにくい可能性が指摘されています。

購買力平価から見ると円はかなり割安なのか

為替の長期的な価値を考える方法として、購買力平価があります。

購買力平価とは、「同じ商品であれば世界のどこでも本来は同程度の価値になるはず」という考え方をもとに、通貨の適正価値を考える理論です。

インフレ率が高い国では通貨の購買力が低下するため、長期的には通貨価値も下がりやすいと考えられます。

短期的には金利差などによって購買力平価から大きく乖離することがあります。

しかし、長期的には極端な乖離が修正される「平均回帰」が起こる可能性があります。

動画では、購買力平価を使った分析によってはドル円の水準が80円や100円程度になるケースもあり、現在の円はかなり割安になっているとの見方が紹介されています。

身近な例として知られているのが「ビッグマック指数」です。

同じような商品であるビッグマックの価格を各国で比較することで、通貨の割高・割安を考える指標です。

もちろん購買力平価だけで短期的な為替を予測することはできませんが、長期的な通貨価値を考える1つの材料になります。

地政学リスクと「リスクオン・リスクオフ」

為替市場では地政学リスクも重要です。

戦争や金融危機などによって世界的な不確実性が高まると、投資家はリスク資産を売り、安全性が高いと考える資産へ資金を移します。

これが「リスクオフ」です。

動画では、世界が大きなショックを受けた場合、現在でもまずドルへ資金を移す動きが強いと説明されています。

以前は円も安全資産として買われやすい通貨として知られていました。

日本は海外に多くの資産を保有していることなどから、リスクオフ時には円買いが起きるケースがありました。

ただし近年は、以前ほど「リスクオフ=円高」という関係が明確ではなくなっているとの見方が示されています。

ドル円を見るなら日米の長期金利に注目

ここから動画では、主要通貨ごとの特徴が解説されています。

まずドル円です。

ドル円については、比較的日米金利差との関係が強い通貨ペアとされています。

特に注目すべきなのが米国10年国債利回りと日本の長期金利です。

米国金利が上昇し、日本の金利が低いままであればドル高・円安になりやすくなります。

逆に日本の金利が上昇したり、米国の金利が低下したりすれば、金利差が縮小するため円高材料になります。

一方で、円安が極端に進めば日本政府や日本銀行による為替介入への警戒も高まります。

そのため、単純に金利差だけを見てドル円を取引するのではなく、政策当局の動きにも注意する必要があります。

ユーロドルは世界のドル相場を見る重要通貨

ユーロドルは世界でも非常に取引量の多い通貨ペアです。

動画では、為替市場を見るうえで特に重要な通貨ペアとして紹介されています。

ユーロドルは、一度大きなトレンドが発生すると継続しやすいという特徴があるとされています。

重要なのはFRBとECBの金融政策の差です。

さらに、欧州のインフレ、エネルギー問題、ウクライナ情勢などもユーロへ大きな影響を与えます。

欧州はエネルギー供給を巡る地政学的な影響を受けやすいため、ロシアやウクライナを巡る状況が悪化すれば、ユーロ売りにつながる場合があります。

ポンドはBOEの政策と英国政治に注目

英国ポンドを見る場合には、BOEとFRBの金融政策の違いが重要になります。

BOEは歴史的にインフレに対して比較的厳しい政策を取る傾向があると動画では説明されています。

かつて英国は世界の金融の中心であり、ポンドも非常に強い通貨として認識されていました。

しかし、現在はその位置付けも変化しています。

さらに英国では政治情勢もポンドへ影響します。

政治的な不安定さが増せば、海外投資家から見て英国資産へ投資しにくくなり、ポンドの売り材料になる可能性があります。

豪ドルは「資源価格」と「中国経済」が重要

オーストラリアドルは、ドルやユーロとは少し性格の違う通貨です。

豪ドルは「コモディティ通貨」「資源国通貨」と呼ばれます。

オーストラリアは鉄鉱石、石炭、天然ガスなどの資源輸出が多いため、資源価格が上昇すると豪ドルも買われやすくなる傾向があります。

さらに非常に重要なのが中国経済です。

オーストラリアは中国との経済的な結び付きが強いため、中国景気、不動産市場、インフラ投資などの変化が豪ドルにも影響します。

また、オーストラリア準備銀行の金融政策も重要です。

インフレが強まれば利上げ、景気や物価が弱くなれば利下げという政策変更が豪ドル相場を動かす可能性があります。

ドル指数を見ると「ドルそのものの強さ」が分かる

為替市場を分析するときに役立つ指標がドル指数です。

ドル指数とは、ユーロ、円、ポンドなど複数の主要通貨に対するドルの強さを指数化したものです。

ドル円だけを見ていると、日本特有の事情によって動いているのか、世界的にドルが買われているのか判断しにくいことがあります。

そこでドル指数を見ることで、「世界全体でドルが強いのか弱いのか」を確認できます。

例えばドル円が上昇していてもドル指数が上がっていなければ、ドル全面高というよりも円固有の弱さが原因になっている可能性があります。

グローバルマクロの視点では、個別通貨ペアだけではなくドル指数も同時に確認することが重要になります。

新興国通貨の高金利には大きなリスクがある

南アフリカランド、トルコリラ、メキシコペソ、ブラジルレアルなどの新興国通貨は、先進国通貨より高い金利が設定されていることがあります。

日本の投資家にとっては、低金利の円を売って高金利通貨を買い、スワップポイントを受け取る投資が魅力的に見えることがあります。

しかし、高金利には理由があります。

政治的不安定、インフレ、財政問題、経常赤字などがあるため、投資家へ高い金利を提供しなければ資金を集めにくい国もあります。

動画ではトルコリラを例として、高いスワップポイントを目的に投資した結果、通貨そのものの大幅下落によって大きな損失が発生する可能性が指摘されています。

新興国通貨では米国金利も重要

新興国通貨を見るときには、その国だけを分析すればいいわけではありません。

特に重要なのが米国金利です。

米国金利が上昇すると、安全性が比較的高い米国資産でも高い利回りが得られるようになります。

すると、投資家があえてリスクの高い新興国へ投資する必要性が低下し、新興国から米国へ資金が流れる可能性があります。

その結果、新興国通貨が売られやすくなります。

さらに外貨建て債務を抱えている国の場合、ドル高によって返済負担が増えるため、経済に悪影響を与える可能性もあります。

経常収支、外貨準備、インフレ、実質金利、中央銀行の独立性なども重要なチェックポイントです。

為替は理論通りに動かないことがある

ここまで説明すると、「実質金利差を見れば為替を予測できるのではないか」と考えたくなります。

しかし、動画で強調されているのが「為替は理論通りには動かない」という点です。

これこそがFXの難しさでもあります。

例えば日米の実質金利差とドル円を比較すると、現在のドル円は理論的な水準から大きく円安方向へ乖離しているという分析が紹介されています。

動画では、金利差から計算した理論値が100円程度であるのに対し、実際には160円近辺まで円安が進んでおり、かなり大きな乖離が存在するとの見方が示されています。

しかし、「理論値が100円ならドルを売って円を買えばよい」と単純に判断することもできません。

割高な状態が長期間続くこともあるからです。

つまり理論値は方向性を考える材料にはなりますが、売買タイミングを直接決めるものではありません。

ユーロドルは比較的理論値に近い

興味深いことに、動画ではユーロドルについては比較的理論的な水準に沿って動いていると説明されています。

その理由について明確な答えは示されていませんが、世界中で非常に多くの市場参加者が取引しているため、実質的な価値が価格に反映されやすい可能性があるとの見方が紹介されています。

一方、ポンドと円についてはドルに対してかなり割安になっているとされます。

動画では、ポンドについて理論的には1ポンド=1.6ドル程度でもおかしくない一方、実際は1.35ドル程度で推移しているという比較が紹介されています。

豪ドルについては、ドルに対して若干割安程度との見方です。

この分析から、ドルに対して特に割安なのは円とポンドであり、長期的には大きな修正が起きてもおかしくないという考え方が示されています。

ドルには長期的なサイクルがある?

動画後半では、為替の「サイクル」という非常に興味深い考え方が紹介されています。

ドル指数を長期間分析すると、一定期間ドル高とドル安が交互に発生しているように見えるというものです。

動画では、おおむね7年程度のサイクルを基本としつつ、過去にはドル高が14年ほど継続した時期もあったと説明されています。

もし2022年付近がドル高サイクルのピークだったとすれば、7年後の2029年頃がドル安の底になる可能性があります。

さらに14年間のドル安サイクルになるなら、2036年頃までドルが下落する可能性もあるという長期シナリオが提示されています。

もちろん、これは確定的な予測ではありません。

あくまで過去のサイクルから考えられるシナリオの1つです。

ドル円にも3年・5年単位のサイクルが見られる

ドル円についても動画では独自のサイクル分析が紹介されています。

過去には、おおむね3年間上昇した後、5年間下落するといった動きが見られたとされています。

今回のドル高・円安局面については、従来より上昇期間が長期化している点が注目されています。

仮に従来の約2倍の期間上昇したのであれば、その後の下落期間も長くなる可能性があるという考え方です。

その場合、2026年を起点として2036年頃までドル安方向の大きなサイクルが続く可能性も考えられるとされています。

今後10年間ドル安ならゴールドに追い風か

この長期サイクルの話が重要なのは、FXだけの問題ではないからです。

動画冒頭でも、「ここから10年間、ドル円やドル指数でドルが主要通貨に対して下落する期間に入るなら、ゴールドが上昇する可能性がある」というシナリオが示されています。

ゴールドはドル建てで取引されるため、一般的にはドル安がゴールド価格にとって追い風になりやすい側面があります。

つまり為替を見ることで、FXだけではなくゴールドやコモディティ、株式などの投資判断にもつなげることができます。

動画では、相場を短期的に当てるというより、「大きなサイクルを把握することで複数の資産の方向性を考える」というグローバルマクロ的な視点が重視されています。

実践的なドル円戦略は「介入リスク」を意識する

動画では、現在の相場環境を前提とした具体的な考え方にも触れています。

ドル円については、単純な逆張りではなく、為替介入のリスクを考えながら大きく引きつけて売買する考え方が紹介されています。

現時点ではドルが上がりやすい環境が残っている一方、どこかで急激な円高へ転換する可能性もあります。

そのため、小さな値動きを狙いながら大きなトレンド転換が発生するのを待つという考え方です。

さらに日本銀行が利上げを進めれば、日米金利差が縮小するため円高圧力が強まる可能性があります。

ドル円を見るうえでは、米国の金融政策だけではなく、日本銀行が今後どの程度金利を引き上げるのかも非常に重要になります。

ユーロドルはドルのトレンド転換後に注目

ユーロドルについては、ユーロそのものだけを見るよりも、ドル全体の方向を見ることが重要だとされています。

ドル買いの資金フローが続いている間は、ユーロが大きく上昇するのは難しい可能性があります。

しかし、世界的なドル買いがドル売りへ転換した場合、主要通貨のなかでもユーロドルは上昇トレンドが発生しやすい可能性があります。

その場合、トレンドフォローでユーロ買いを狙うという考え方が紹介されています。

ポンドでは英国CPIとBOEを確認する

ポンドについて重要なのは英国のインフレ率とBOEの金融政策です。

英国の消費者物価が高止まりすればBOEは金融引き締めを続ける可能性があります。

一方、インフレが低下すれば利下げへ方向転換する可能性があります。

ポンドを取引する場合には、CPIとBOEの政策金利、会合内容などを確認しながらトレンドに沿って取引する方法が紹介されています。

ユーロポンドも注目すべき通貨ペア

動画では、ドルを介さないクロス通貨として「ユーロポンド」も紹介されています。

ユーロドルとポンドドルを別々に見るだけではなく、ユーロとポンドを直接比較することで、どちらの欧州通貨が強いのかを確認できます。

動画出演者によれば、ユーロポンドはボラティリティが極端に高くない一方、トレンドが発生すると一方向へ大きく進むことがあり、FX取引では注目する価値のある通貨ペアとされています。

金利差によってはスワップポイントも得られるため、トレンドと金利差を組み合わせて考えることもできます。

豪ドルはリスクオン局面で注目

豪ドルを見る場合には、世界景気、中国経済、コモディティ価格を総合的に確認します。

コモディティ価格には需給だけでなくドル相場も影響します。

一般的にドル安になるとドル建てコモディティの価格が上昇しやすくなるため、資源国通貨である豪ドルにもプラス材料となる可能性があります。

また、世界的に投資家がリスクを取りやすくなる「リスクオン」の局面では、景気敏感通貨や資源国通貨が買われやすくなる場合があります。

そのため豪ドルでは、RBAだけでなく世界景気、中国、資源価格、ドル指数など幅広い市場を見る必要があります。

為替分析では「1つの理由」に決めつけないことが重要

為替を分析するときに注意したいのは、「今の円安は金利差が原因だ」「ドル高はFRBが原因だ」と1つの材料だけで説明しようとしないことです。

為替は複数の材料が同時に影響して動きます。

金利差が円高を示していても、貿易フローが強い円売りを生み出していれば円安が続くことがあります。

購買力平価では円が割安でも、その状態が何年も続く可能性があります。

地政学リスクが高まれば、突然ドルへ大量の資金が流れることもあります。

これこそが為替分析の難しいところです。

FXではファンダメンタルズとテクニカルを組み合わせる

動画の最後では、為替市場について「理論通りに動かないことが多い」という点が改めて強調されています。

真面目にファンダメンタルズを勉強しているほど、「理論では円高になるはずなのに、なぜ円安になるのか」と混乱することがあります。

しかし、それが為替市場でもあります。

そのため実際にFXを取引する場合には、マクロ分析だけで売買を決めるのではなく、チャートを使ったテクニカル分析も組み合わせることが重要だとされています。

ファンダメンタルズで大きな方向性を考え、テクニカルで実際のエントリーや決済のタイミングを判断するという使い分けが現実的でしょう。

為替を見ることで株・金利・ゴールドまで理解しやすくなる

グローバルマクロ投資では、株だけ、為替だけ、ゴールドだけを見るのではなく、市場同士のつながりを理解することが重要です。

例えば、

米国金利上昇
→ ドル高
→ 新興国通貨安
→ コモディティへの影響

という資金の流れが発生することがあります。

反対に、

米国金利低下
→ ドル安
→ ゴールドやコモディティ上昇
→ 資源国通貨上昇

という流れになる可能性もあります。

もちろん毎回この通りになるわけではありません。

重要なのは、為替市場を他の市場から独立したものとして見るのではなく、金利、株式、債券、コモディティなどと関連付けて考えることです。

動画でも、為替を理解することでFXを取引しない投資家でも、金利やコモディティ、ゴールドなどの将来を考える材料が増えると説明されています。

まとめ

為替市場は、実質金利差だけで説明できるほど単純な市場ではありません。

基本となるのは2国間の実質金利差ですが、それに中央銀行の金融政策、貿易収支、経常収支、インフレ、購買力平価、地政学リスク、国際的な資金フローなどが複雑に絡み合っています。

ドル円なら日米金利差、ユーロドルならFRBとECB、ポンドならBOEと英国インフレ、豪ドルなら資源価格と中国経済というように、通貨ごとに見るべきポイントも異なります。

さらに新興国通貨では、高金利だけに注目するのではなく、米国金利、経常収支、外貨準備、インフレ、政治情勢、中央銀行の独立性などまで確認する必要があります。

そして動画で特に興味深いのが、現在の円やポンドが理論的な価値から大きく割安になっている可能性と、ドルの長期サイクルです。

仮にドル高がピークアウトし、今後10年規模のドル安局面へ入るのであれば、ドル円だけではなくゴールドやコモディティを含めた世界の資産価格にも大きな変化が起きる可能性があります。

ただし、為替は理論通りに動くとは限りません。

だからこそ、「この指標なら必ず上がる」と決めつけるのではなく、複数の材料から大きな方向性を考えながら、実際の売買ではテクニカル分析も組み合わせることが重要です。

為替を学ぶ目的は、必ずしもFXで利益を上げることだけではありません。

為替を見ることで世界の資金がどこからどこへ移動しているのかが分かり、株式、債券、ゴールド、コモディティなど、さまざまな投資判断につながります。

グローバルマクロの視点を身につけるうえで、為替は避けて通れない重要な市場と言えるでしょう。

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