本記事は、YouTube動画『米国株と日本株どっちが儲かるのか』の内容を基に構成しています。
導入
米国株が再び強さを取り戻す一方で、日本株も大きく上昇し、日経平均株価が過去最高値を更新するなど、日本市場への注目が高まっています。
これまで多くの個人投資家にとって、長期投資の中心は米国株でした。特にS&P500やNASDAQ、オールカントリー型の投資信託は、新NISAの開始以降も人気を集めています。
しかし、ここ最近の日本株の上昇を見ると、「これからは日本株の方が良いのではないか」「米国株と日本株のどちらに投資すべきなのか」と悩む人も増えているのではないでしょうか。
動画では、米国株と日本株のどちらが儲かるのかという問いに対して、単純に一方を選ぶのではなく、それぞれの特徴を理解したうえで分散することが重要だと説明されています。
結論から言えば、短中期では日本株に妙味があり、長期では米国株の成長力が依然として魅力的です。そのため、どちらか一方だけを持つのではなく、「日本株で守り、米国株で攻める」という考え方が現実的な投資戦略になります。
米国株と日本株を比較する意味
これまで日本株は、海外投資家から見ると「景気敏感株」のような扱いを受けてきました。
つまり、世界景気が良い時には買われるものの、世界的にリスクが高まると真っ先に売られやすい市場だったということです。長期で腰を据えて保有する対象というよりも、景気循環に合わせて短期的に売買される市場という印象が強かったわけです。
一方、米国株は長期成長の中心として見られてきました。Apple、Microsoft、NVIDIAなどの巨大ハイテク企業が世界経済をけん引し、AI、クラウド、半導体といった成長テーマが株価上昇の原動力になってきました。
しかし、最近は日本株の見方も変わりつつあります。日経平均株価が大きく上昇し、海外投資家からも日本企業の改革や株主還元が評価されるようになってきたためです。
2024年末以降は日本株のパフォーマンスが目立つ
動画では、2024年末を100とした場合のS&P500と日経平均株価の比較が紹介されています。
途中までは米国株と日本株は似たような動きをしていましたが、その後、日経平均株価の方が明らかに強いパフォーマンスを見せるようになりました。
特に、トランプショックのような急落局面では米国株も日本株も大きく下がりましたが、その後の戻りでは日本株の上昇が目立ったとされています。
このような動きを見ると、これまで米国株中心だった投資家でも「日本株をもっと持った方が良いのではないか」と考えるのは自然です。
ただし、ここで重要なのは、直近のパフォーマンスだけで判断しないことです。米国株と日本株は、そもそも上昇の理由やリスクの性質が異なります。
米国株の特徴は圧倒的な成長力
米国株の最大の強みは、世界の成長エンジンであることです。
特にAI、クラウド、半導体、ソフトウェア、プラットフォーム企業など、世界中の資金が集まりやすい分野で米国企業は圧倒的な存在感を持っています。
NVIDIAやMicrosoftのような企業は、AIインフラの中心に位置しています。生成AIの普及によって、データセンター、半導体、クラウドサービスへの投資が拡大し、それが米国ハイテク企業の収益成長につながっています。
動画でも、米国株は依然として高収益・高成長の市場であり、世界経済の成長を取りに行くなら米国株は外せないと説明されています。
米国株の強み
米国株の強みは、何よりもイノベーション力です。
Apple、Microsoft、NVIDIA、Amazon、Alphabet、Metaなど、世界中の生活やビジネスを変える企業が米国には集中しています。
新しい技術やサービスが生まれ、それが世界規模で広がることで、企業利益も拡大しやすくなります。長期的に見れば、この構造は米国株の大きな魅力です。
米国株の弱点
一方で、米国株には弱点もあります。
最大の弱点は、バリュエーションが高いことです。つまり、企業の利益に対して株価がすでに高く評価されている銘柄が多いということです。
期待が高い分、決算が少し悪かったり、金利が上昇したり、世界情勢が不安定になったりすると、株価が大きく下がりやすくなります。
動画でも、ハイテク株は急落局面で最も売られやすい一方で、戻る時も最も強く戻ると説明されています。これは魅力でもあり、リスクでもあります。
日本株の特徴は割安修正と株主還元
日本株の大きな変化は、長く続いたデフレとゼロ金利の時代が終わりつつあることです。
かつて日本は「失われた30年」と呼ばれる長い停滞期を経験しました。1990年代以降、日本株に投資してもなかなか報われない時代が続き、「日本株は上がらない」という印象を持つ投資家も多かったのです。
しかし、現在は状況が変わりつつあります。物価が上がり、賃金も上昇し、金利のある世界へと移行し始めています。
さらに、企業統治改革も日本株を押し上げる大きな要因になっています。
PBR1倍割れ改革と株主還元が日本株を変えた
日本株が注目される理由の1つが、PBR1倍割れ企業への改革圧力です。
PBRとは株価純資産倍率のことで、簡単に言えば、会社の純資産に対して株価がどれくらい評価されているかを示す指標です。
PBRが1倍を下回るということは、市場から「この会社は持っている資産を十分に活用できていない」と見られている状態です。
日本企業には長年、PBR1倍割れの企業が多く存在していました。しかし、東京証券取引所が企業に資本効率の改善を求めるようになり、自社株買い、増配、事業改革などに取り組む企業が増えてきました。
これにより、海外投資家からも「日本企業が変わり始めた」と見られるようになり、日本株への資金流入が強まったと考えられます。
日本株の強みと弱点
日本株の強みは、割安感と株主還元の改善です。
米国株に比べると、まだ評価が低い企業も多く、改革が進めば株価の見直し余地があります。また、配当や自社株買いを増やす企業が増えれば、投資家にとっての魅力も高まります。
一方で、日本株には弱点もあります。
まず、日本は人口減少が進んでおり、内需の成長力には限界があります。また、エネルギーや資源の多くを輸入に頼っているため、原油価格の上昇や円安は企業や家計にとって負担になります。
さらに、日本株は輸出企業の影響が大きいため、円高になると企業業績に悪影響が出やすいというリスクもあります。
米国株と日本株の本質的な違い
米国株と日本株の違いを一言で表すなら、米国株は「構造成長」、日本株は「割安修正と景気循環」です。
米国株は、AI、クラウド、半導体、テクノロジーといった長期的な成長テーマに強みがあります。世界中の資金が集まり、企業利益が拡大し続ける期待があります。
一方、日本株は、インフレ、円安、企業改革、株主還元、割安修正といったテーマが中心です。成長力そのものでは米国株に劣る面がありますが、これまで低く評価されていた分、見直しが進めば大きなリターンを狙える可能性があります。
今後のシナリオ別に考える投資戦略
動画では、今後の市場環境によって有利な投資先が変わると説明されています。
たとえば、米国の金利が下がると考えるなら、米国株に追い風です。金利が下がればグロース株の評価が高まりやすく、AI関連やハイテク株が再び買われやすくなります。
一方で、インフレが続くと考えるなら、日本株や資源株、バリュー株に注目する余地があります。
また、スタグフレーションのように、景気が弱いのに物価が高い状態になる場合は、米国株よりも日本株やエネルギー関連株の方が相対的に有利になる可能性があります。
ただし、世界景気そのものが大きく減速する場合は、米国株も日本株も厳しくなります。米国ではグロース株が売られ、日本では輸出企業の業績が悪化しやすくなるためです。
どちらか一方ではなく分散が基本
動画の結論は明確です。
米国株だけ、日本株だけという一択は危険です。
なぜなら、どちらが今後より儲かるかは誰にも分からないからです。短期的には日本株が強いかもしれませんが、長期的には米国株の成長力が勝る可能性もあります。
そのため、基本は分散です。
たとえば、成長重視なら米国株7割、日本株3割。インフレや日本株の見直しを重視するなら米国株4割、日本株6割。迷う場合は米国株5割、日本株5割から始めるという考え方もあります。
重要なのは、自分が何を重視するかです。
長期成長を取りたいのか、割安修正を狙いたいのか、インフレに備えたいのか、円安・円高リスクをどう考えるのかによって、適切な配分は変わります。
セクターで見る米国株と日本株の使い分け
米国株で持つなら、中心はやはりテック、AI、クラウド、半導体関連です。
NVIDIAやMicrosoftのようなAIの中核企業は、長期成長を取りに行くうえで重要な候補になります。高値で買うのではなく、市場全体が下がったタイミングで押し目を狙う考え方が紹介されています。
一方、日本株で注目されるのは、商社、エネルギー、金融、高配当株です。
三菱商事、伊藤忠商事、三井物産、住友商事、丸紅などの商社株は、資源、インフレ、配当というテーマを幅広くカバーできます。ウォーレン・バフェット氏が日本の商社株に投資したことも、日本株への注目を高めるきっかけになりました。
エネルギーではINPEXのような原油価格に連動しやすい銘柄、金融では三菱UFJフィナンシャル・グループや三井住友フィナンシャルグループなどが、金利上昇メリットを受けやすい銘柄として挙げられます。
為替の影響にも注意が必要
日本の投資家にとって、為替は非常に重要です。
円安ドル高の場合、日本株の輸出企業には追い風になりやすく、米国株投資でも円ベースの評価額が増えやすくなります。
一方で、急激な円高になると、日本株の輸出企業には逆風となり、米国株を持っている日本人投資家にとっても為替差損が出やすくなります。
つまり、日本人投資家にとって最も注意すべきなのは、急激な円高です。
米国株も日本株も、それぞれ為替の影響を受けます。そのため、株価だけでなく為替の方向性も見ながら、ポートフォリオを考える必要があります。
オルカンだけでは国別配分を調整しにくい
動画では、オールカントリー型投資信託についても触れられています。
オルカンは便利な商品ですが、国別の配分を自分で調整できないという弱点があります。
実際、オルカンの中身は米国株の比率が大きく、日本株を厚めに持ちたいと思っても、自分で比率を変えることはできません。
そのため、本格的に運用を考えるなら、米国株、日本株、欧州株、新興国株などを別々の投資信託やETFで持ち、自分で比率を調整できる形にした方が良いという考え方が紹介されています。
これは初心者には少し難しく感じるかもしれませんが、投資の知識を身につけるうえでは重要な考え方です。
初心者は日経平均やTOPIX連動型から始めてもよい
日本株に投資したことがない人は、いきなり個別株を選ぶ必要はありません。
まずは日経平均連動型やTOPIX連動型の投資信託を少額で買ってみるだけでも、日本株の値動きや特徴を体感できます。
日本株がどのような時に上がり、どのような時に下がるのか。円安や金利、企業決算、海外投資家の動きがどう影響するのか。実際に保有してみることで、ニュースの見え方も変わってきます。
まとめ
今回の動画では、米国株と日本株のどちらが儲かるのかというテーマについて解説されました。
結論として、どちらが必ず勝つとは言えません。
米国株はAI、クラウド、ハイテクを中心とした長期成長が魅力です。一方で、日本株は割安修正、株主還元、インフレ対応、企業改革という新しい評価材料があります。
短中期では日本株が有利に見える場面があり、長期では米国株の成長力が引き続き強いと考えられます。
そのため、投資戦略としては、米国株で成長を取りに行き、日本株で分散と割安修正を狙う形が現実的です。
どちらか一方だけを持つのではなく、米国株と日本株を組み合わせ、定期的にリバランスを行うことが重要です。
まさに、「日本株で守り、米国株で攻める」という考え方が、これからの個人投資家にとって有効な選択肢になると言えるでしょう。


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