今回は、投資系YouTuber・なすび氏の最新動画「【第99回質問への回答】下落相場でも資産が減りにくい投資」について、詳しく解説します。
本動画では、視聴者から寄せられた5つの質問に対して、なすび氏が自身の投資経験をもとに回答しています。特に、下落相場での資産防衛戦略や資産の取り崩し方など、長期投資家にとって重要なテーマが含まれているため、初心者にも分かりやすく解説していきます。

1. 高配当株を中心に構成するポートフォリオは守りに強い?
質問
「株式70%・債券30%のポートフォリオよりも、高配当株を80%・債券を20%にしたほうがリスク分散として優れているのでは?」
回答
なすび氏は「高配当株中心でも問題ない」と回答。
実際に、以下の3つのポートフォリオで直近10年間のパフォーマンスを比較しました。
- S&P500(70%)+ TLT(30%)
- VYM(高配当ETF 80%)+ TLT(20%)
- SCHD(高配当ETF 80%)+ TLT(20%)
この比較の結果、高配当株を中心としたポートフォリオのほうが最大ドローダウンが小さく、下落相場に対して強いことが確認されました。
特に、
- 2億円の資産で-22.9%の下落 → 約4,418万円の損失
- 2億円の資産で-6.62%の下落 → 約1,324万円の損失
と、資産の減少幅に大きな違いが出ます。これにより、精神的にも安定した運用が可能になります。
また、高配当株は株価が低迷していても配当金が得られるため、「使って良し・再投資して良し」の魅力があると解説しました。
2. 70代の親に新NISAを勧めるのは適切?
質問
「70代の親に新NISAをやらせようと思うが、全世界株50%・金25%・AGG(債券ETF)25%のポートフォリオは適切か?」
回答
なすび氏は、「そもそも親が投資を理解し、本人の意思でやりたいと思っているのか?」と慎重な姿勢を示しました。
- 投資は基本的に15~30年の長期運用が前提
- 70代からの投資では、10年以内に元本割れする可能性もある
- 運悪く損失が出た場合、親子関係に悪影響を及ぼすリスクもある
また、提案されたポートフォリオについては、
- 「円高リスクへの対応が不十分」
- 「金を現金か国債に変更し、4資産均等型に近づけるべき」
とアドバイス。これにより、
- 株高時 → 株と債券の利子で資産増加
- 円安時 → 外貨建て資産で資産増加
- 株安時 → 債券と現金で資産防衛
- 円高時 → 現金や国債で資産保全
といった形でバランスの取れた運用が可能になると説明しました。
3. 資産を取り崩すことへの心理的負担とは?
質問
「死に向かって資産を減らしていくことをどう感じるか?」
回答
なすび氏は、「資産の取り崩しは、資産形成よりも心理的に難しい」と指摘しました。
- 資産形成期は目標が明確(1,000万円→3,000万円→5,000万円→1億円)
- 取り崩し期は、資産が減る不安と戦う必要がある
「せっかく1億円あったのに、5000万円に減ってしまった」と感じるのは、人間の心理として当然です。
そこで、「資産を減らす」のではなく、
- 取り崩し額を毎年増やしていく(例:1年目400万円 → 2年目412万円 → 3年目424万円)
- 「年収がアップしている」と感じる工夫をする
といった考え方を提案しました。
4. 債券 vs. 現金保有のリターン比較
質問
「金融危機時に債券は上昇するが、アメリカの利下げで円高になるため、円評価額ではリターンにならない。それなら現金保有の方が良いのでは?」
回答
なすび氏は、
- 短期的にはその通りだが、長期的には債券のほうが有利
- 債券は「価格+利子収入」で成り立つため、時間とともに収益が増える
- 2003年のドル円105円 → 現在150円 → 長期的には円評価額も増加
と説明。結論として、
- 現金保有はインフレリスクがあるため、長期では債券が上位互換になる
と述べました。
5. チャート vs. 経済指標、どちらを信じるべき?
質問
「チャートと経済指標が相反する動きをした場合、どちらを重視すべき?」
回答
「チャートの動きが最も正しい」と明言。
- チャートは市場参加者の思惑を反映した結果
- 経済指標が良くても、市場が織り込み済みなら逆の動きになることも多い
例として、
- 12月の米雇用統計が予想を大きく上回ったのに、ドル円は上昇せず158円でレンジ相場
- その後、売りサインとなり大きく下落
「経済指標よりも、チャートが示す市場のリアクションを重視すべき」と解説しました。
まとめ
本動画では、
- 高配当株の強み
- 70代の親に投資を勧める際の注意点
- 資産取り崩しの心理的負担と対策
- 債券 vs. 現金のリターン比較
- チャート vs. 経済指標の判断基準
など、幅広い投資に関する疑問に答えています。特に、「長期投資家がどのように資産を守り、増やしていくか?」について多くの示唆を得られる内容となっています。

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