【異変】止まらない米国株安!2025年の株式市場で何が起きている?

2025年の年初から3月にかけて、米国株が下落する一方で、欧州株が上昇するという珍しい展開が見られています。特に、S&P500指数の下落や、テスラ、NVIDIAといった主要ハイテク銘柄の急落が市場全体に不安をもたらしています。

本記事では、この市場の異変について詳しく解説し、その要因と今後の展望について考察していきます。


目次

2025年の米国株の動向

米国の代表的な株価指数であるS&P500は年初から約5%の下落、ピーク時の6,144ポイントから約9%の下落となっています。

特にハイテク株が多いNASDAQ指数の下落幅はさらに大きく、年初来で約8%、ピーク時から約12%の下落を記録しています。

日経平均も米国市場の影響を受け、年初から約6%下落しており、米国市場と連動した形で日本株も軟調な推移を見せています。


2025年の欧州株の動向

一方で、ヨーロッパの株式市場は好調です。

EU全体の株価を示すストックス欧州600指数は年初来で約6%上昇、ドイツのDAX指数は約13%、フランスのCAC40は約8%、イギリスのFTSE100も約3%上昇しています。

近年の株式市場は「米国一強」の傾向が強く、米国市場の動向が世界全体の市場に影響を与える傾向にありました。しかし、2025年に入ってからはこの傾向が崩れつつあります。


米国株安の主な要因

① ディープシークショック

2025年1月、中国のAI開発企業「ディープシーク」が最新の生成AIモデルを発表しました。

このモデルは、GoogleやMicrosoftが開発している最先端のAIと同等の性能を持ちながら、低コストかつ短期間で開発されたとされており、AI業界に大きな衝撃を与えました。

これまで、AIの性能向上には最先端の半導体が不可欠とされてきました。そのため、NVIDIAをはじめとする半導体関連企業は莫大な投資を行い、市場全体の成長をけん引してきました。しかし、「高価な最先端半導体がなくても十分なAIモデルが開発できるのではないか?」という観測が市場に広がり、半導体関連銘柄が急落しました。

特に、NVIDIAは年初来で17%の下落、ピーク時からは20%以上の下落を記録しています。高決算を発表しても株価は上がらず、むしろ下落するという現象が起きています。

このディープシークショックは、単にAI関連企業に留まらず、テクノロジーセクター全体に影響を与え、市場の不安要因となっています。

② トランプ政権の政策

2024年の大統領選挙で再選を果たしたトランプ大統領は、2025年1月20日に再び就任しました。

当初は、規制緩和や減税などの政策が市場から好意的に受け止められ、「トランプ・トレード」として株式市場への資金流入が続きました。

しかし、実際に政策が実行されると、過激な関税政策が市場の不安を高めています。具体的には、中国だけでなくカナダ、メキシコ、EU、インドなどとの貿易摩擦が激化し、世界経済に悪影響を及ぼす可能性が高まっています。

また、トランプ政権は「政府のスリム化」を掲げ、大規模な公務員削減や省庁改革を進めていますが、この影響で雇用の不安定化や政府関連事業の停滞が懸念され、市場に不透明感を与えています。


日本市場の動向

日本株も米国株の影響を強く受け、特に半導体関連銘柄が下落しています。東京エレクトロンやソフトバンクなどの主要企業が大きく値を下げ、日経平均全体を押し下げています。

さらに、トランプ政権の自動車関税の引き上げにより、日本の自動車メーカーが打撃を受ける可能性が指摘されています。トヨタやホンダ、日産などの北米市場依存度が高いため、関税の影響を受けやすく、市場の懸念材料となっています。

また、円高による企業収益の圧縮も日本株の下落要因となっています。


欧州株が好調な理由

① 米国からの資金流入

米国市場の不透明感から、投資家の資金が欧州市場に流入している可能性があります。特に、フランスやドイツの市場が堅調であり、欧州への分散投資の動きが加速していると考えられます。

② 欧州の防衛予算の増加

トランプ政権の「アメリカ第一主義」により、北大西洋条約機構(NATO)などの同盟国に対する安全保障の関与が縮小される可能性が高まっています。

これを受けて、欧州諸国は防衛力強化のための軍事予算を増加させており、これが軍需産業を中心に株価上昇をもたらしています。

欧州全体で約125兆円規模の軍事支出が予定されており、これが欧州経済全体を支える要因の一つとなっています。


今後の見通し

アメリカ市場の国際的な優位性がすぐに崩れるとは考えにくいものの、短期的には調整が続く可能性があります。特に、トランプ大統領が景気後退の可能性について問われた際に、問題視していない姿勢を示したことが市場の不安を煽っています。

このような状況では、米国株への一極集中を避け、分散投資の重要性が高まっています。投資家は、地域や業種をバランスよく分散させる戦略を取ることが重要です。

2025年の市場は、大きな転換点を迎えている可能性があり、慎重な投資判断が求められる局面となっています。

著:社會部部長
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