本記事は、YouTube動画『下落した高配当株はお宝化するのか?3つの条件で見る注目4銘柄』の内容を基に構成しています。
導入
株式投資では、株価が大きく下がった銘柄を見ると、多くの人が「まだ下がるのではないか」「何か悪い材料があるのではないか」と不安になります。
一方で、下落した銘柄の中には、業績や財務の中身が大きく崩れていないにもかかわらず、市場全体の雰囲気や一時的な悪材料によって売られすぎているものもあります。こうした銘柄は、条件がそろえば再評価される可能性があります。
動画では、下落した高配当株の中から、今後反発が期待される可能性のある銘柄を見極めるための3つの条件が紹介されています。その条件とは、自己資本比率が高いこと、直近で一定以上下落していること、そして配当利回りが高い水準まで上がっていることです。
なぜ下落した高配当株に注目するのか
株価が下がると、同じ配当金を出している会社でも配当利回りは上昇します。たとえば、年間配当が50円の銘柄が株価1,250円なら利回りは4%ですが、株価が1,000円まで下がれば利回りは5%になります。
このように、株価下落によって利回りが高まると、配当を重視する投資家の目に留まりやすくなります。特に利回り4%台後半から5%台に近づくと、インカムゲインを狙う投資家にとって魅力が増し、買い需要が入りやすくなる場合があります。
ただし、単に株価が下がって利回りが高くなっただけでは危険です。業績が悪化している会社や、将来的に減配の可能性が高い会社の場合、高配当は一時的な見せかけにすぎないこともあります。
動画で紹介された3つの条件
動画では、下落した高配当株を見る際に、次の3つの条件が重要だと説明されています。
まず1つ目は、自己資本比率が60%以上あることです。自己資本比率とは、会社の総資産のうち、返済不要の自己資本がどれくらいあるかを示す指標です。簡単に言えば、会社の財務体力を見る数字です。
2つ目は、直近1年で18%以上下落していることです。株価が大きく下がっている銘柄は一見危険に見えますが、財務や業績が崩れていない場合は、売られすぎからの反発候補になることがあります。
3つ目は、配当利回りが4.5%以上に近づいている、または高い水準にあることです。利回りが高まることで、配当狙いの投資家から注目されやすくなり、株価の下支え要因になる可能性があります。
赤月本社:証券株に見えて不動産色も強い再評価候補
最初に紹介されたのは、赤月本社です。
赤月本社は証券事業を持つ会社ですが、動画では不動産事業が利益のドライバーになっている点が強調されています。中古マンション販売や高齢者向け施設など、インフレ局面で評価されやすい事業を持っていることが特徴です。
株価は685円、PERは6.1倍、PBRは1.06倍、配当利回りは4.38%と紹介されています。PERは利益に対して株価が何倍まで買われているかを示す指標で、PBRは会社の純資産に対して株価が何倍かを示す指標です。どちらも低いほど割安と見られやすくなります。
業績面では、2025年3月期の売上が564.83億円、営業利益が37.25億円、経常利益が38.89億円、最終利益が26.31億円とされています。さらに2026年3月期予想では、売上660億円、営業利益57億円、経常利益56億円、最終利益34億円、EPS112.3円とされています。
営業利益が37.25億円から57億円に伸びる見通しであるため、業績面では力強さがあります。株価が調整している一方で利益予想が伸びているため、下落と業績成長のギャップが注目点になります。
ただし、小型株であるため流動性が低く、売買したいタイミングで思うように取引できない可能性があります。また、不動産事業は仕入れ環境や案件数によって利益がぶれやすい点にも注意が必要です。
愛三工業:地味だが割安感のある自動車部品株
次に紹介されたのは、愛三工業です。
愛三工業はトヨタ系の自動車部品メーカーで、燃焼系や吸排気系などエンジン周辺部品に強みを持つ会社です。EVシフトの流れがあるため、エンジン関連部品メーカーには将来不安がつきまといますが、動画では現在の業績や株価水準を見ると割安感があると説明されています。
株価は1,925円、PERは8.8倍、PBRは0.79倍、配当利回りは4.00%、時価総額は1,221億円とされています。PBRが1倍を下回っているため、純資産に対して株価が低く評価されている状態です。
2025年3月期の実績は、売上3,372.59億円、営業利益183.38億円、経常利益192.92億円、最終利益132.34億円、EPS211.9円です。2026年3月期予想では、売上3,200億円、営業利益185億円、経常利益190億円、最終利益125億円、EPS219.2円とされています。
売上はやや減少する見通しですが、営業利益はほぼ維持される予想です。これは、売上減少がそのまま利益悪化に直結していないことを示しています。コスト管理ができている会社であれば、売上が多少減っても利益水準を保つことができます。
一方で、トヨタへの依存度が高いこと、中国や韓国向けの販売動向、EVシフトによる長期的な不透明感はリスクです。長期投資では慎重な見極めが必要ですが、短中期的には割安高配当株として注目される可能性があります。
わらべや日洋:悪材料で売られたディフェンシブ株
3つ目に紹介されたのは、わらべや日洋です。
わらべや日洋は、セブン-イレブン向けの弁当、おにぎり、調理済み食品などを手がける中食関連企業です。コンビニ弁当やおにぎりは日常生活に密着した需要があり、一般的には安定したディフェンシブ株と見られやすい分野です。
しかし、動画では米国に建設中の新工場の稼働時期が未定に変更されたことが嫌気され、株価が大きく下落したと説明されています。海外展開への期待が株価に織り込まれていたため、その見通しが不透明になったことで市場の信頼が揺らいだという構図です。
株価は2,857円、PERは10.3倍、PBRは0.83倍、配当利回りは4.20%、時価総額は504億円とされています。2月高値の3,820円から大きく下げており、悪材料を織り込んだ後の水準として見る必要があります。
2026年2月期の実績は、売上2,338億円、営業利益74億円、経常利益74億円、最終利益53億円、EPS307円、配当120円です。2027年2月期予想では、売上2,410億円、営業利益77億円、経常利益76.5億円、EPS277円、配当120円維持とされています。
売上と営業利益は伸びる見通しですが、最終利益は減少する予想です。ただし、動画では事業そのものが壊れているというより、一時的な費用や海外工場の遅れによる不透明感が大きいと整理されています。
注意点は、セブン-イレブンへの依存度が高いこと、工場の稼働遅延、食材費・物流費・人件費の上昇です。安定業種に見えても、特定取引先への依存や海外投資の遅れが株価に大きく影響する点は押さえておく必要があります。
岡三証券グループ:高利回りだが業績変動に注意
最後に紹介されたのは、岡三証券グループです。
岡三証券グループは、対面証券を中心に展開する証券会社です。店舗や営業基盤を持つ伝統的な証券会社ですが、投資対象として見る場合は相場環境の影響を強く受ける点に注意が必要です。
株価は903円、PBRは0.82倍、配当利回りは5.54%、時価総額は208億円とされています。利回りだけを見ると非常に魅力的ですが、動画では「数字だけで飛びつくのは危険」と説明されています。
2025年3月期の実績は、売上819.36億円、営業利益128.38億円、経常利益155.77億円、最終利益116.52億円、EPS57.6円、配当30円です。一方で、2026年3月期については主要な業績予想がまだ明確に開示されていない一方、配当50円という表示が出ていると紹介されています。
証券会社の業績は、株式市場の環境に大きく左右されます。相場が良ければ手数料収入や運用関連収益が伸びやすい一方、市場が低迷すると利益が大きくぶれる可能性があります。
そのため、岡三証券グループは「高配当だから安心」という銘柄ではなく、相場回復局面でのリバウンドを狙う上級者向けの性格が強い銘柄といえます。配当の安定性を最優先する人には向きにくい一方、景気循環や相場環境を見ながら逆張りできる人にとっては検討対象になる可能性があります。
追加解説:下落した株を見るときに重要な考え方
下落した株を見るときに最も大切なのは、「なぜ下がったのか」を分解することです。
株価が下がる理由は、大きく分けると3つあります。市場全体がリスクオフになって売られた場合、特定の悪材料を織り込んで売られた場合、そして事業そのものが悪化して売られた場合です。
この中で最も危険なのは、事業そのものが悪化しているケースです。売上や利益が継続的に落ち込み、配当を維持する余力がなくなっている場合、いくら利回りが高く見えても減配リスクがあります。
一方、市場全体の雰囲気で売られた場合や、一時的な悪材料で過度に売られた場合は、業績や財務が崩れていなければ反発の余地が残ります。
高配当株投資では、利回りだけを見るのではなく、配当の原資となる利益が維持されているか、自己資本比率が十分か、PBRやPERに割安感があるか、次の決算で業績と配当方針がどう変化するかを確認することが重要です。
まとめ
今回の動画では、下落した高配当株の中から、赤月本社、愛三工業、わらべや日洋、岡三証券グループの4銘柄が紹介されました。
赤月本社は、証券株に見えながら不動産事業の利益成長が注目される銘柄です。愛三工業は、EVシフトへの不安がありながらも、PBR0.79倍という割安感と利益水準の底堅さが特徴です。わらべや日洋は、米国新工場の遅れで売られたものの、国内中食需要の安定性があります。岡三証券グループは、利回り5%台の魅力がある一方で、相場環境に業績が左右されやすい点に注意が必要です。
下落した株は、すべて危険というわけではありません。しかし、高配当だから安全というわけでもありません。
大切なのは、株価が下がった理由を見極めることです。市場全体の売りなのか、一時的な悪材料なのか、それとも事業そのものの悪化なのか。この違いを理解できるかどうかで、同じ下落株でも見え方は大きく変わります。
今後は、次の決算で配当が維持されるか、減配リスクがないか、PBR1倍割れの銘柄に対して自社株買いや増配などの株主還元策が出るかを確認することが重要です。
高配当株投資では、表面的な利回りに飛びつくのではなく、業績、財務、配当方針、下落理由をセットで見ることが欠かせません。下落した銘柄の中に次のチャンスが眠っている可能性はありますが、それを見つけるためには、数字と背景を冷静に読み解く視点が必要です。


コメント