米国株は第4四半期に上昇できるか?9月相場・金利・インフレ・原油から今後を分析

本記事は、YouTube動画『米国株の9月振り返りと第4四半期の見通し』の内容を基に構成しています。

9月の米国株市場は、テクノロジー株、とりわけ半導体関連が比較的強かった一方、それ以外の多くのセクターは伸び悩む展開となりました。

一方で、年初来で見るとNASDAQ100を中心に株式市場は依然として高いパフォーマンスを維持しています。

ここから重要になるのが、10月から始まる第4四半期です。

動画では、過去のシーズナリティ、企業業績、金利、インフレ、原油価格など複数の材料を確認しながら、今後の米国株市場について解説しています。

目次

9月の米国株はテクノロジー株が相場を支えた

9月の市場を振り返ると、動画では「テクノロジー株だけが比較的良かった」と整理しています。

主要指数では、NASDAQ100やS&P500グロースなどがプラスとなった一方、それ以外の指数についてはマイナスが目立ったとされています。

セクター別に見ても同様で、通信サービスは0.01%の上昇にとどまり、実質的にはほぼ横ばいでした。

その中で特に目立ったのが半導体です。

動画によると、半導体関連は9月に約11%上昇しており、相場全体が重い中でも強さを見せました。

半導体については今後も企業決算が続くため、単純に株価だけを見るのではなく、製品価格や販売数量が維持されているかが重要だと解説されています。

半導体メーカーの売上増加には販売数量だけでなく単価上昇も寄与しているため、半導体価格が下落すると売上や利益にも影響する可能性があります。

逆に、需要が維持され、製品価格も高止まりするのであれば、売上と利益の拡大が続き、株価上昇を支えるシナリオも考えられるということです。

NVIDIAの自社株買いとPERにも注目

動画では、NVIDIAについても取り上げています。

NVIDIAは大規模な自社株買い枠を設定しており、その規模はAppleを上回る水準だと紹介されています。

自社株買いには株主還元という側面がありますが、企業自身が自社株を割安だと考えている可能性もあります。

動画では、NVIDIAの1年先の予想PERについて16.5倍程度になるとの数字も紹介されています。

以前は30倍程度だったPERが20倍台となり、将来利益を基準にするとさらに低下する可能性があるという見方です。

ただし、PERが低下しているからといって必ずしも割安とは限りません。

成長期待の低下によってPERが下がるケースもあるため、「PERが低い=必ず買い」と単純に判断することはできません。

動画でも、この数字を割安と見るのか、成長期待低下と見るのかによって評価は変わるとしています。

日本株も年初来では強い動き

国別の株式市場を見ると、日本株についても比較的しっかりした動きが続いていると動画では評価しています。

日経平均が1日で1000円、2000円下落すると大きく報道されることがありますが、そうした下落を挟みながらも市場全体としては底堅さが見られるという見方です。

9月末には配当権利落ちの影響もあります。

動画では、日経平均に対する配当落ちの影響として300~350円程度という数字を紹介しています。

そうした要因を考慮しても、日本株には一定の強さがあるとしています。

年初来で比較すると、NASDAQ100と日本株はいずれも高いパフォーマンスとなっており、動画では米国株だけでなく日本株も投資対象として考える余地があるとしています。

年初来ではNASDAQ100が約20%上昇

年初来の数字を見ると、NASDAQ100は約20%のプラスとなっていると紹介されています。

動画で示された長期平均の上昇率は約6.7%であり、それと比べても高い上昇率です。

現在の米国株市場では、大型テクノロジー企業の影響力が非常に大きくなっています。

そのため、第4四半期に株式市場全体がさらに上昇する場合でも、テクノロジー株が主導する可能性があるという見方が示されています。

特に動画で注目しているのが半導体です。

今回の上昇相場を支えてきた中心の1つであるため、半導体株の上昇が継続するのか、それとも失速するのかが市場全体を判断する重要な材料になるとしています。

ゴールドとシルバーは下落後の動きに注目

株式以外では、ゴールドとシルバーについても取り上げられています。

動画では、直近でゴールドやシルバーが大きく下落したものの、長期的なトレンドライン付近で下落が止まっていると解説しています。

ゴールドについては一時4100ドル台を割り込みそうな水準まで下落したものの、その後下げ止まる動きが見られたとしています。

今後4200ドル、4300ドルと回復するのであれば、「大きく下には行かない」と考える投資家が増え、新たな買いが入る可能性があるという見方です。

ただし、これは動画内で示された相場観であり、将来の価格上昇を保証するものではありません。

長期債は金利上昇の影響を受けて下落

一方、債券については厳しい状況が紹介されています。

特に20年以上の長期国債を集めた債券商品などは、金利上昇の影響によって価格が大きく下落しています。

債券価格と金利には基本的に逆方向の関係があります。

市場金利が上昇すると、すでに発行されている低金利の債券の魅力が低下するため、価格が下落しやすくなります。

そのため「債券だから安全」と単純に考えることはできません。

特に残存期間の長い債券は金利変動の影響を受けやすいため、金利上昇局面では価格変動が大きくなる場合があります。

VIXは15前後で方向感に乏しい状態

市場の不安心理を示す指標として知られるVIXについては、15前後で推移していると説明されています。

15を下回ると再び上昇する一方、大きく上昇するわけでもなく、方向感に乏しい状態です。

S&P500についても最高値を明確に更新することができず、やや停滞感が見られるとしています。

そのため、市場が次に動くきっかけとして重要になるのが企業決算です。

特に第3四半期決算で企業業績の強さが確認されれば、様子見していた投資家が再び株式市場に戻ってくる可能性があります。

世界的にインフレ率が3%前後まで上昇

今後の株式市場を考えるうえで、最も重要な材料の1つが金利です。

そして金利政策を左右するのがインフレ率です。

動画で紹介された数字では、米国のインフレ率が3.4%、英国が3.1%、ユーロ圏が3.2%となっており、主要国で3%を超える状況になっています。

日本については1.9%という数字が紹介されています。

ただし動画では、政府の補助金などによって統計上のインフレ率が抑えられている可能性もあり、実際に生活している人が感じる物価上昇とは差があるのではないかと指摘しています。

中央銀行はこうした統計データを基に金融政策を決定するため、インフレ率が高止まりすれば、簡単には金利を引き下げにくくなります。

世界の国債利回りは約4%へ

動画では、世界の国債利回りをまとめた指標が約4%まで上昇しているとも紹介しています。

これはリーマン・ショック直前に近い水準だとしています。

金利上昇が株式市場にとって重要なのは、投資家に「株を買うのか、債券を買うのか」という選択肢が生まれるからです。

例えば、米国10年国債で5%程度の利回りを得られるのであれば、リスクを取って株式を保有する必要があるのかという議論が出てきます。

株式益回りと債券利回りの差が縮小

株式の割安・割高を考える方法の1つとして「益回り」があります。

益回りは簡単にいえば、

1 ÷ PER

で計算できます。

例えばPERが20倍なら、益回りは5%です。

動画ではS&P500のPERが19倍台であることから、株式益回りも5%前後となり、米国債の利回りとの差がかなり小さくなっていると説明しています。

株式には価格変動リスクがあります。

それにもかかわらず、安全資産とされる国債と株式の期待利回りの差が小さくなれば、機関投資家などが債券を選ぶ可能性も高まります。

その結果、金利上昇は株価の上値を抑える要因になりやすいということです。

米国金利と原油価格の相関が高まっている

さらに動画では、米国10年国債利回りと原油価格の関係についても取り上げています。

過去35年間で見ても、現在は原油価格と米国10年国債利回りの相関が非常に高くなっていると説明されています。

つまり、

原油価格が上昇する
↓
インフレ懸念が強まる
↓
金利が上昇する

という関係が強く出ているということです。

景気拡大によって金利が上昇しているのであれば企業業績の改善を伴う可能性があります。

しかし、原油高によるインフレによって金利が上昇しているのであれば、企業や家計のコスト負担も増加します。

動画では、現在の金利上昇について後者の影響を警戒する必要があるとしています。

S&P500のPERは過去10年平均付近

ファンダメンタルズ面では、S&P500のPERが19倍台前半で、過去10年間の平均とおおむね同じ水準だと紹介されています。

つまり、極端に割高というわけではない一方、歴史的に見て非常に割安な水準でもないという位置付けです。

一方で、企業利益については今後も増加する予想が出ています。

動画では、ボトムアップ方式で企業の利益予想を積み上げた場合、EPSの伸びに対して現在の株価がやや低い位置にあるという分析を紹介しています。

さらに、企業利益予想から計算したS&P500の将来水準として9275ポイントという数字も取り上げています。

現在水準からは約20%高い水準になるという計算です。

ただし、この数字は企業利益が予想通り推移することを前提にした試算です。

金融危機などの突発的なイベントが起これば、企業利益の予想そのものが変化します。

したがって「S&P500が必ず9275ポイントになる」という意味ではなく、現在の企業利益予想を前提とした場合の1つのシナリオとして見る必要があります。

第4四半期は歴史的に株価が上昇しやすい

動画では、第4四半期のシーズナリティについても紹介しています。

過去13年間のデータを見ると、第4四半期に株価が下落したのは2018年だけだったとしています。

2018年は10月から株価が下落し、12月24日に大きく下げる、いわゆる「クリスマスショック」が発生しました。

そのため動画では、10月、とりわけ前半の値動きが重要になるとしています。

10月前半を大きく崩れずに通過できれば、その後の第4四半期に向けて株高シナリオを考えやすくなるという見方です。

もちろん、過去のシーズナリティが将来もそのまま繰り返されるとは限りません。

あくまで過去の傾向として参考にする必要があります。

中間選挙年では選挙後に上昇する傾向も

動画では米国の中間選挙年における株価推移についても紹介しています。

過去の平均的な動きを見ると、中間選挙の前後では株価が上下しやすいものの、その後は上昇する傾向が見られるとしています。

そのため、動画では10月を「11月以降を考えるための期間」と位置付けています。

10月に株価が下落した場合でも、その下落が一時的な調整なのか、それとも相場環境そのものが変化しているのかを見極めることが重要になります。

原油価格は下落しても需給問題は残る

最後に取り上げられているのが原油です。

原油価格は直近で下落していますが、動画では世界の原油需給が大きく改善したとは考えていません。

特に注目されているのが、サウジアラビアから紅海側へ原油を輸送する東西パイプラインです。

動画によると、パイプラインへの攻撃などによって一時的に輸送量が減少していましたが、その後輸送が再開し、西側からの原油輸出量が回復してきています。

これによって供給不足への懸念がやや後退し、原油価格の下落につながっているという見方です。

ただし、動画で紹介された原油輸出量は1日あたり約1250万バレルで、以前の約2000万バレルと比較すると依然として低い水準です。

そのため、供給不足が完全に解消されたわけではありません。

米国の石油在庫にも注意が必要

米国も各国への原油や石油製品の輸出を増やし、世界的な供給不足を補おうとしていると説明されています。

しかし、海外への供給を増やせば、その分だけ米国内の石油在庫が減少する可能性があります。

つまり、供給不足の場所が変わっているだけで、世界全体として需給が十分に緩んでいるとは限らないということです。

そのため動画では、原油価格が多少下落したからといって、このまま継続的に大幅下落すると考えるのは慎重であるべきだとの見方を示しています。

まとめ

9月の米国株市場は、テクノロジー株、とりわけ半導体株が相場を支える一方、それ以外のセクターは伸び悩む展開となりました。

年初来ではNASDAQ100や日本株などが高いパフォーマンスを維持していますが、今後の相場を考えるうえでは企業業績だけでなく、金利、インフレ、原油価格を同時に見る必要があります。

特に重要なのが金利です。

国債利回りが5%前後まで上昇すると、株式益回りとの差が縮まり、投資家にとって債券の魅力が高まります。そのため、企業業績が堅調でも金利上昇が株価の上値を抑える可能性があります。

一方、企業利益の予想を見る限りでは、現在の株価に対してさらなる上昇余地があるという分析も紹介されています。

さらに、過去の第4四半期や中間選挙年のシーズナリティを見ると、11月以降に株価が強くなる傾向も示されています。

ただし、2018年のように10月から大きな調整が始まったケースもあります。

その意味で、今後の焦点はまず10月前半の株価動向です。

テクノロジー・半導体企業の決算、インフレ率、米国金利、原油価格といった材料を確認しながら、第4四半期の相場環境が本当に改善していくのかを見極めていく必要がありそうです。

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