本記事は、YouTube動画『【絶対見ろ】任天堂30%急騰なのに「信用買い525万株激減」の真相と今後』の内容を基に構成しています。
任天堂の株価は、7月24日の6969円から8月28日の8993円まで約29%上昇し、9月1日の終値では9103円まで上昇しました。
通常、株価が短期間で大きく上昇すると、その値動きを見た個人投資家の信用買いが増えるケースも少なくありません。しかし今回の任天堂では、株価が約30%上昇する一方で、信用買い残が1306万株から781万株へと約525万株、率にして約40%も減少しています。
さらに信用売り残は65万株から107万株程度へ増加し、信用倍率は20.04倍から7.31倍まで改善しました。
動画では、この「株価が上昇しているにもかかわらず信用買いが減っている」という現象を、今回の任天堂株を見るうえで非常に重要なポイントとして解説しています。
ただし、信用需給が改善したからといって、任天堂株が今後も無条件で上昇すると判断するのは危険です。
今後は、Nintendo Switch 2の販売、ソフト販売の伸び、利益率、会社予想を上回る利益成長など、業績面が9000円台の株価を支えられるかが重要になります。
任天堂株は約1か月で約29%上昇
任天堂株は7月24日時点で6969円でした。
その後、8月28日には8993円まで上昇し、約1か月で約29%上昇しています。
さらに9月1日の終値では9103円となりました。
短期間で見ると非常に強い値動きです。
しかし今回注目すべきなのは、単純な株価上昇率ではありません。
株価が上昇する一方で、信用買い残が大幅に減少している点です。
7月24日時点では、信用買い残が1306万6700株、信用売り残が65万2000株、信用倍率は20.04倍でした。
これが8月28日には、信用買い残781万2600株、信用売り残106万9100株となり、信用倍率は7.31倍まで低下しています。
信用買い残は約525万4100株減少しました。
率にすると約40%の減少です。
一方、信用売り残は約42万株増え、約64%増加しました。
つまり任天堂株では、株価が約30%上昇しているにもかかわらず、信用買いポジションは大幅に整理されていることになります。
株価上昇中に信用買いが減ることが重要
株価が短期間で上昇すると、上昇に乗ろうとする個人投資家の信用買いが増えることがあります。
ところが今回は逆です。
株価上昇の途中で信用買い残が大きく減少しています。
これは需給面では重要な変化です。
信用買い残が多い銘柄では、株価がある程度上昇すると、含み損を抱えていた投資家や利益が出た投資家から売りが出やすくなります。
そのため信用買い残が多い状態は、将来的な戻り売り圧力につながる可能性があります。
逆に信用買い残が減れば、その将来の売り圧力が小さくなる可能性があります。
さらに重要なのは、信用買いを返済する場合、一般的には売り注文が出ます。
つまり信用買い残が減少する過程そのものは、本来であれば株価に対して下押し要因になりやすいのです。
それにもかかわらず任天堂株は上昇しました。
これは、信用買いの返済売りや新たな信用売りを吸収するだけの別の買い需要が存在していた可能性を示しています。
動画では、現物投資家や機関投資家などを含む別の需要が株価を支えた可能性があると分析しています。
少なくとも今回の上昇を「個人投資家の信用買いが膨らんだから株価が上がった」と説明するのは難しい状況です。
信用買い残は金額ベースでも減少
信用買い残を株数だけでなく、単純な金額ベースで考えると、今回の需給改善がさらに分かりやすくなります。
7月24日の信用買い残は1306万株程度でした。
これを当日の終値6969円で単純計算すると、およそ911億円です。
一方、8月28日は株価が8993円まで上昇しましたが、信用買い残は781万株程度まで減少しています。
単純計算した評価額は約703億円です。
つまり株価が約29%上昇したにもかかわらず、信用買い残の金額規模は約23%縮小したことになります。
もちろん、これは週末時点の信用残高と終値を単純に掛け合わせた計算です。
実際に投資家がどの価格で買ったのか、どの程度利益や損失が出ているのかを示しているわけではありません。
それでも、信用取引を使ったポジションの重さが金額ベースでも減っている方向性は確認できます。
信用整理の半分以上は決算前に起きていた
今回の信用需給の変化を時系列で見ると、さらに興味深いことが分かります。
7月24日時点の信用買い残は1306万6700株でした。
8月28日には781万2600株まで減少しています。
この約525万株の減少のうち、最も大きな変化が起きたのは7月24日から7月31日の1週間です。
この1週間だけで信用買い残は約301万株減少しました。
5週間で減少した約525万株のうち、約57%がこの1週間に集中しています。
ここで重要なのが、任天堂の第1四半期決算発表が8月6日だった点です。
つまり信用買い整理の半分以上は、決算が発表される前にすでに起きていました。
そのため今回の信用買い残減少は、「好決算を見た信用投資家が利益確定したから減った」というだけでは説明できません。
7月31日の株価は7679円となり、この日は約6%下落しました。
この価格調整の過程で信用買いが一気に整理された可能性があります。
決算後に株価が上昇しても信用買いは増えなかった
さらに重要なのが、その後の動きです。
8月6日に決算が発表され、その後株価は上昇しました。
8月7日の終値は8043円、8月14日は8900円です。
しかし株価が上昇している間も、信用買い残は再び増加しませんでした。
信用買い残は978万株程度から866万株程度へ、むしろ減少しています。
8月14日は1日で約7%上昇し、出来高も約1862万株まで膨らみました。
つまり出来高が少ない状態で価格だけが跳ねたのではありません。
今回の信用需給改善には、大きく分けて2つの段階があったと考えられます。
第1段階は、7月末の株価調整によって信用買いが大きく整理された局面です。
第2段階は、決算後に株価が上昇したにもかかわらず、信用買い残が再び積み上がらなかった局面です。
これによって、単なる投げ売り後の一時的な信用整理ではなく、「株価が上がっているのに信用買い残が減る」という需給構造が形成されました。
信用売り残64%増は踏み上げ相場を意味するのか
信用買い残が大きく減少する一方、信用売り残は増えています。
信用売り残は65万2000株から106万9100株まで増加しました。
増加率は約64%です。
数字だけを見ると、「空売りが大量に積み上がっているため、今後買い戻しによる踏み上げが起こるのではないか」と考えたくなります。
しかし動画では、ここには注意が必要だと指摘しています。
信用売り残は約107万株です。
9月1日の出来高は約700万株、8月28日の出来高は約1245万株でした。
信用売り残約107万株は、9月1日の出来高の約15%、8月28日の出来高と比較すると1割弱です。
そのため信用売りの買い戻しが株価上昇を加速させる「補助燃料」になる可能性はありますが、それだけで何日も株価を押し上げ続けるほど巨大な規模とは言いにくい状況です。
信用倍率7.31倍でも買い長であることに変わりはない
信用倍率は20.04倍から7.31倍まで大幅に改善しました。
ただし7.31倍ということは、信用買い残が信用売り残の7倍以上残っているという意味です。
そのため、完全な売り長銘柄になったわけではありません。
極端な踏み上げ相場が確定した状況でもありません。
動画では、信用売り残の増加が今後プラスに働くためには、いくつか条件があるとしています。
まず、9月1日の高値9180円を明確に上回ることです。
株価がさらに上昇すれば、信用売りを行っている投資家の含み損が拡大し、買い戻しが発生しやすくなります。
次に、信用売り残が100万株前後を維持しながら、信用買い残がさらに減少することです。
さらに、出来高を伴った株価上昇が続く必要があります。
反対に、株価が上昇しないまま信用売り残だけが減れば、買い戻し余地が先に失われます。
また、信用買い残が900万株を超えて再び増加するようであれば、現在の信用需給改善が逆回転する可能性があります。
9103円まで戻しても年初来高値までは距離がある
動画では、株価の現在位置についても分析しています。
任天堂株は安値から9月1日の9103円まで大きく反発しました。
安値から見ると、約39%の反発になります。
金額では約2559円の上昇です。
約39%戻したと聞くと、かなり上昇したように感じます。
しかし年初来高値は1万890円です。
9103円は年初来高値からまだ約16%低い水準にあります。
つまり安値からは大きく戻したものの、年初からの下落分をすべて取り戻したわけではありません。
決算後は出来高を伴って株価が上昇
今回の反発の質を見るうえでは、出来高も重要です。
決算前日の8月5日の終値は7428円でした。
8月6日の決算発表日には7641円となり、翌8月7日は8043円まで上昇しています。
8月7日の出来高は約2115万株でした。
さらに8月14日には8900円まで約7%上昇し、出来高は約1862万株となりました。
つまり決算材料に対して、市場参加者が実際に大きな売買を行いながら株価が上昇しています。
その間にも信用買い残は増加せず、むしろ減少しました。
これは今回の上昇を考えるうえで重要なポイントです。
9180円突破が短期的な重要ポイント
9月1日の高値は9180円でした。
動画では、この9180円を短期的な重要ラインとして挙げています。
出来高と信用需給改善を伴いながら9180円を明確に上回れば、次に意識される水準として1万円、その先に年初来高値1万890円があります。
一方で株価が8600円前後まで下落し、同時に信用買い残が再び積み上がるようであれば、今回の上昇の質が悪化している可能性を考える必要があります。
ここから先は、単なる安値からの自律反発だけでは説明しにくくなります。
9000円台を維持するためには、業績面での裏付けが必要になります。
売上減少でも営業利益が約151%増えた理由
ここから動画では任天堂の業績を詳しく分析しています。
第1四半期の売上高は5178億円で、前年同期比では約10%減少しました。
一方、営業利益は1425億円となり、前年同期比で約151%増加しています。
売上が減少しているのに営業利益が2.5倍以上になるため、一見すると非常に不思議な決算です。
この背景には、売上構成の変化があります。
ハード販売減少をソフト販売が補う構造
Nintendo Switch 2のハード販売は382万台で、前年同期比では約34%減少しました。
前年同期は発売直後だったため、比較対象が非常に高かったことも影響しています。
一方、Switch 2向けソフトは946万本で約9%増加しました。
従来のNintendo Switch向けソフトも3381万本となり、約39%増加しています。
つまりハード販売台数が減る一方、利益率の高いソフト販売が伸びました。
ゲーム専用機ビジネスの売上高に占めるハード比率は、前年同期の78.8%から55.3%まで低下しています。
さらにファーストパーティーソフト比率は64.8%から82.6%まで上昇しました。
その結果、粗利益率は32.3%から54.3%まで大きく上昇しています。
売上高だけを見ると減収ですが、中身を見ると利益率の高い事業へ売上構成が変化しています。
これが営業利益急増の大きな理由です。
IP関連収入や映像収入も利益を支える
IP関連収入は348億円となり、約107%増加しました。
映像関連収入なども利益を支えています。
つまり任天堂の収益構造は、単純にゲーム機本体を販売して利益を出す形だけではありません。
ハード中心から、ソフト、IP、映像など利益率の高い分野が成長することで、同じ売上高でも生み出せる利益が大きくなっていると考えられます。
約3億ドルの関税還付が利益を押し上げた
ただし、営業利益1425億円をそのまま任天堂の基礎的な利益成長と考えるのも注意が必要です。
第1四半期には、米国で過去に支払った関税の還付として約3億ドルが計上されました。
動画では、第1四半期のドル円レートを159円台として単純換算すると、約3億ドルは約480億円規模になると試算しています。
営業利益1425億円から約480億円を機械的に差し引くと、約950億円になります。
前年同期の営業利益は569億円でした。
つまり関税還付を単純に除いたとしても、営業利益は前年同期比で約66%増加する計算です。
この点は重要です。
営業利益約151%増のすべてが本業の成長によるものではありません。
しかし、「利益増加は関税還付だけで作られたもので、実質的には弱い」と判断するのも極端だということです。
為替効果を除いても利益成長は残る
さらに会社資料では、為替変動によって営業利益が約22億円押し上げられたとされています。
動画では、関税還付約480億円と為替影響約22億円を営業利益1425億円から機械的に差し引いています。
その場合でも営業利益は約925億円程度になります。
前年同期の569億円を上回るため、特殊要因を除いて考えても基礎的な利益改善は残ることになります。
ただし、これは任天堂が正式に開示している「調整後営業利益」ではありません。
あくまで利益の質を見るための参考計算として考える必要があります。
研究開発費は削減されていない
利益成長の質を見るうえでは、費用の内容も重要です。
粗利益は2813億円となり、約52%増加しました。
一方、販売費及び一般管理費は1388億円で約8%増加しています。
研究開発費は491億円となり、約26%増えました。
広告宣伝費は286億円で約23%減少しています。
つまり研究開発費を大幅に削減して、短期的に利益を作ったわけではありません。
むしろ将来のゲームタイトルやサービスへの研究開発投資は増加しています。
これは任天堂の基礎的な利益成長を見るうえで重要なポイントです。
円安は任天堂にとって単純な追い風ではない
円安によって売上高は約390億円、営業利益は約22億円押し上げられたとされています。
会社の今期為替前提は1ドル150円ですが、第1四半期平均は159円台でした。
会社想定よりも円安が続けば、海外売上の円換算額などにはプラスとなる可能性があります。
ただし任天堂は海外から部品を調達するため、円安は部品コストを上昇させる要因にもなります。
そのため「円安だから任天堂には必ずプラス」と単純に考えるのは危険です。
通期営業利益予想3700億円は据え置き
任天堂は通期営業利益予想を3700億円に据え置いています。
第1四半期の営業利益1425億円をそのまま見ると、進捗率は約39%です。
しかし関税還付などの特殊要因を考慮すると、実質的な進捗率の見え方は変わります。
そのため「第1四半期だけで39%進んでいるから、上方修正は確実」と判断するのも早計です。
一方、「会社が通期予想を据え置いたから弱気だ」と判断するのも単純すぎます。
この評価の難しさが、9000円台で任天堂株に対する見方が分かれている理由の1つです。
Nintendo Switch 2は9000円台の株価を支えられるか
今後の任天堂株を考えるうえで中心になるのがNintendo Switch 2です。
会社の今期Switch 2ハード販売計画は1650万台です。
第1四半期の販売台数は382万台で、進捗率は約23%です。
単純に4分の1には届きません。
ただし年末商戦を含まない第1四半期として考えれば、極端に弱い数字とは言い切れません。
一方で今期は、部品価格や関税などが利益率を圧迫する可能性があります。
会社はメモリーなど部品価格上昇と関税の影響によって、売上原価に約1000億円規模の負担を見込んでいます。
それでも営業利益3700億円予想を維持しています。
ハード台数だけでなくソフト販売と利益率が重要
今後見るべきポイントは、Switch 2のハード販売台数だけではありません。
ハード販売台数が多少減少しても、1台当たりの利益率やソフト販売が増えれば、業績への悪影響を抑えられます。
反対に、ハード販売とソフト販売の両方が弱くなれば、部品コストや関税負担を吸収する力が落ちます。
動画では、今後の任天堂は「ハード台数が落ちたから弱い」とも、「営業利益が151%増えたから無条件に強い」とも言えないと指摘しています。
重要なのは、ハード数量の変化をソフト構成、価格、IP事業などがどこまで補えるかです。
9103円の株価は高いのか
9月1日の株価9103円に対して、会社予想EPSを基準にした予想PERは約33.9倍とされています。
これだけを見ると、安値から約39%戻した後の株価として、割安とは言いにくい水準です。
しかし市場予想を見ると違った評価になります。
会社の今期純利益予想は3100億円です。
これに対し、市場予想の集計では約4380億円まで利益予想が引き上げられていると動画では紹介されています。
会社予想EPSが268.9円なのに対し、市場予想EPSは約368円です。
9103円を市場予想EPSで割ると、PERは約25倍になります。
つまり同じ9103円でも、会社予想を基準にすれば約34倍、市場予想を基準にすれば約25倍となります。
現在の株価は上方修正をある程度期待している
この差は非常に重要です。
現在の任天堂株は、会社が発表している通期予想をそのまま織り込んでいる価格ではなく、ある程度の業績上振れを期待している可能性があります。
市場の純利益予想も、決算前の約3960億円から約4380億円へ約11%引き上げられたとされています。
株価上昇と同時に市場の利益予想も上昇したことになります。
これは今回の株価上昇が信用需給改善だけではなく、ファンダメンタルズの再評価も伴っている可能性を示しています。
一方で、次の決算で市場が期待する上振れを確認できなければ、今度は高くなった期待値そのものが株価の逆風になる可能性があります。
次の決算では「前年比」より市場期待との比較が重要
今後の決算で重要なのは、営業利益が前年同期比で何%増えたかだけではありません。
市場がすでに期待している利益水準に対して、Switch 2の販売、ソフト販売、利益率が追いついているかどうかです。
好決算だったとしても、会社が通期予想を上方修正しなければ、市場が失望する可能性があります。
反対に、会社予想が慎重すぎたことが確認されれば、PER33.9倍という現在の株価評価の見え方も変わります。
次回の信用残で見るべき3つの条件
動画では、今後の株価を判断するために次回の信用残が非常に重要だとしています。
第1の条件は、信用買い残が781万2600株からさらに減少するかどうかです。
株価が9000円台を維持しながら信用買い残が750万株前後、あるいはそれ以下まで減少すれば、「株価上昇中に信用買いが整理される」という現在の好ましい需給構造が続いていると考えられます。
第2の条件は、信用買い残が900万株を超えて再び増加しないかです。
今回の上昇の最大の特徴は、「株価が上昇しているのに信用買い残が減っていること」でした。
もし株価が少し上昇しただけで信用買い残が900万株台まで戻れば、この強みが失われます。
第3の条件は信用売り残です。
106万9100株程度の信用売り残を大きく減らさず、100万株前後を維持したまま株価が9180円を突破すれば、売り方の買い戻しが株価上昇を補強する可能性があります。
反対に、信用売り残だけが急減し、株価が上昇しなければ、踏み上げ余地が先に消化された可能性があります。
強気・中立・弱気の3つのシナリオ
動画では今後の任天堂株について、3つのシナリオを示しています。
強いシナリオは、信用買い残がさらに減少し、信用売り残が100万株前後を維持した状態で、株価が9180円を出来高を伴って突破する展開です。
この場合、次の目標として1万円、その先に年初来高値1万890円が意識されやすくなります。
中立シナリオは、8600円から9180円程度の範囲でもみ合いながら、信用買い残が750万株から850万株程度で安定する展開です。
弱いシナリオは、株価が8600円前後を下回り、信用買い残が900万株台まで再び増加し、同時に信用売り残が減っていく展開です。
この場合、今回の需給改善がピークアウトした可能性を考える必要があります。
任天堂株を見るときは株価と信用倍率だけでは不十分
今回の任天堂株を見るうえで最も重要なのは、1つの数字だけで判断しないことです。
信用倍率7.31倍だけを見れば、大幅な改善に見えます。
しかし信用買い残そのものは依然として信用売り残の7倍以上あります。
一方、営業利益151%増だけを見れば非常に強い決算に見えますが、関税還付や為替効果などの特殊要因も含まれています。
逆に特殊要因だけに注目して、「利益成長は実質的に存在しない」と判断するのも適切ではありません。
信用需給、利益の質、Switch 2の販売、ソフト販売、市場の利益予想などを組み合わせて見る必要があります。
まとめ
任天堂株は7月24日の6969円から8月28日の8993円まで約29%上昇し、9月1日には9103円まで上昇しました。
今回の最大の特徴は、この株価上昇中に信用買い残が約525万株、率にして約40%も減少した点です。
通常の上昇相場で見られやすい「株価上昇を見た信用買いの増加」とは逆の動きが起きています。
さらに信用買い整理の半分以上は決算発表前から始まっており、決算後の上昇局面でも信用買い残が再び増えませんでした。
この点から見ると、信用需給はかなり改善したと評価できます。
ただし、信用倍率7.31倍でも依然として買い長です。
信用売り残約107万株も、株価上昇を補助する可能性はあるものの、踏み上げだけで株価を上昇させ続けるほど大きな規模とは言い切れません。
業績面では、第1四半期の営業利益が約151%増加しましたが、約3億ドル規模の関税還付や為替効果が含まれています。
一方で、それらの特殊要因を除いて考えても、ソフト販売比率の上昇やIP関連収入の増加などによる利益改善は残っていると考えられます。
今後のポイントは、改善した信用需給をNintendo Switch 2の販売やソフト販売、利益率の上昇が支えられるかどうかです。
特に注目したいのは、信用買い残が781万株程度からさらに減少するか、株価が9180円を出来高を伴って突破できるか、そして今後の業績発表で会社予想3700億円を上回る利益成長を確認できるかという3点です。
今回の任天堂株では、「信用の重さが減るスピード」と「市場の業績期待が高まるスピード」が同時に進んでいます。
信用需給と業績の両方が今後も同じ方向を向くことが確認できれば、今回の反発に対する市場の信頼度はさらに高まる可能性があります。
一方、信用買い残が再び増加し、期待された利益成長が確認できなければ、9000円台まで上昇した株価に対して調整圧力が強まる可能性もあります。
そのため、任天堂株を判断する際は「約39%戻したから上がりすぎ」「信用倍率が7.31倍まで改善したから安全」と単純化せず、信用残、出来高、株価、Switch 2の販売、ソフト販売、利益率、会社予想の修正を総合的に確認していくことが重要です。


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