本記事は、YouTube動画『S&P500「稲妻が輝く瞬間」とは?モデルナ株急騰・毎月30万円投資への考え方を解説』の内容を基に構成しています。
株式投資では、同じ銘柄や指数に同じ期間投資していても、投資する時期によって最終的な資産額が大きく変わることがあります。
今回の動画では、長期投資でよく語られる「稲妻が輝く瞬間」とは何なのかを、S&P500の実績を使って解説しています。
さらに、株価が1日で177%上昇したモデルナの事例から医療関連株の可能性とリスクを整理し、「毎月30万円も投資できない」という人が資産形成の情報をどのように受け止めればよいのかについても詳しく説明しています。
長期投資を続ける意味や、将来の資産形成を考えるうえで重要なポイントを見ていきます。
株式投資における「稲妻が輝く瞬間」とは
動画の最初のテーマは、株式投資における「稲妻が輝く瞬間」です。
きっかけとなったのは、2026年4月に米国とイランが一時的に停戦し、その後に株価が大きく上昇した局面について、「あれは稲妻が輝いた瞬間に入るのでしょうか」という視聴者からの質問でした。
「稲妻が輝く瞬間」という考え方は、長期投資において非常に重要です。
動画では、チャールズ・エリス氏の著書『敗者のゲーム』で紹介されている考え方に触れています。
株式市場の長期的なリターンは、長い投資期間の中に均等に存在しているわけではありません。実際には、ごく短期間に発生する大幅な上昇局面が、長期的なリターンの大きな部分を生み出すことがあります。
問題は、その大幅上昇がいつ起こるのかを事前に正確に予測することが非常に難しいことです。
そのため、「上がりそうな時だけ市場に参加する」のではなく、市場に長く居続けることが重要になるという考え方です。
「何%上昇したら稲妻」という明確な定義はない
動画では、「1日で何%上昇すれば稲妻が輝いたことになるのか」という明確な基準はないと説明しています。
例えば、2026年4月8日にはS&P500が1日で約2.5%上昇したと動画では紹介されています。
このような大幅上昇は「稲妻が輝いた瞬間」と呼んでもよいでしょう。
ただし、1日だけを切り取って考えると、本質を見失う可能性があります。
それ以前に株価が大きく下落していた場合、安値で購入した人から見れば大幅上昇でも、さらに高い水準から保有していた人にとっては、まだ含み損が残っている可能性があるからです。
そのため動画では、「今日は稲妻が輝いた」「今日は輝かなかった」というように1日単位で判断するよりも、1年から数年という長い期間で考えた方がよいとしています。
S&P500は投資する3年間によって結果が大きく変わる
「稲妻が輝く瞬間」を理解するため、動画ではS&P500の異なる3年間を比較しています。
2023年から2025年までのS&P500のドルベースの年間リターンは、動画によると約24%、23%、16%でした。
3年連続で2桁の上昇となった非常に好調な期間です。
2023年1月に100万円を投資していた場合、2025年12月末には約178万円、つまり約1.78倍になったと説明されています。
一方、2014年、2015年、2016年のリターンは、それぞれ約11%、マイナス0.7%、9%です。
この3年間に100万円を投資していた場合、資産は約121万円になります。
つまり、同じS&P500に同じ100万円を同じ3年間投資していても、投資した時期が違うだけで約57万円もの差が生まれることになります。
5000万円なら約2858万円もの差になる
投資額が大きくなれば、当然ながら金額ベースの差もさらに大きくなります。
動画では5000万円を投資したケースも紹介しています。
2023年から2025年までの好調な3年間では、5000万円が約8914万円になる一方、2014年から2016年までの3年間では約6056万円です。
その差は約2858万円となります。
同じS&P500、同じ5000万円、同じ3年間という条件でも、「どの3年間に投資していたのか」によって3000万円近い差が生じるわけです。
さらに動画では、ここまでの数字はドルベースであり、円換算すると円安の影響によって差がさらに拡大すると説明しています。
2023年から2025年の期間では、5000万円が約1億600万円になった一方、2014年から2016年では約6722万円だったとしています。
こうした大きなリターンを生み出す好調な期間を、動画では広い意味で「稲妻が輝く期間」と捉えています。
稲妻がいつ輝くのかは誰にも分からない
ここで最も重要なのが、好調な時期がいつ訪れるのかを事前に正確に予測することはできないという点です。
例えば5000万円を投資した後、景気悪化や株価下落によって評価額が4000万円まで減ってしまうこともあります。
1000万円もの含み損が発生すれば、不安になり、株式を売却したくなる人も少なくありません。
しかし、その後に強い上昇相場が訪れる可能性があります。
動画では、4000万円まで減った資産でも、その後に非常に好調な3年間が訪れれば、8000万円程度まで増える可能性があるというイメージを紹介しています。
もちろん、実際の相場が必ずそのように動くという意味ではありません。
重要なのは、大きく上昇する期間がいつ来るのか分からないため、その期間を逃さないためには市場に居続ける必要がある、という考え方です。
株価が下落している時には長期投資を続けることが精神的に難しくなります。しかし、大幅上昇局面を逃してしまえば、その後の長期リターンに大きな影響が出る可能性があります。
これが長期投資が重視される大きな理由の1つです。
モデルナ株が1日で177%急騰した理由
続いて動画では、医薬品大手モデルナの株価急騰について取り上げています。
モデルナと聞くと、新型コロナウイルスワクチンを思い浮かべる人が多いでしょう。
しかし今回注目されたのは、ワクチンではなく、がん治療に関連する新薬です。
動画では、モデルナ株が1日で約177%上昇したと紹介されています。
100万円分の株式を保有していたと仮定すれば、単純計算では約277万円になるほどの上昇率です。
株価急騰の背景には、新薬の臨床試験に関する成果がありました。
モデルナが開発するメラノーマ治療とは
今回取り上げられたのは、「メラノーマ」と呼ばれる皮膚がんの治療です。
メラノーマでは、手術によってがんを取り除いた後でも、目に見えないがん細胞が体内に残り、再発や転移につながる可能性があります。
そこで重要になるのが、手術後の治療です。
動画では、従来の治療薬「キイトルーダ」と、モデルナが開発する治療法を組み合わせることで、メラノーマの再発や転移を抑える効果が期待されていると説明しています。
免疫にがん細胞を認識させる仕組み
動画では、この治療の考え方を初心者にも分かりやすい形で説明しています。
がん細胞は、人体の免疫機能から攻撃されないような仕組みを持つことがあります。
従来薬のキイトルーダは、いわば免疫にかかっている「ブレーキ」を解除し、免疫ががん細胞を攻撃しやすい状態にする役割を果たします。
しかし、免疫が活動できるようになっても、すべてのがん細胞を正確に認識できるとは限りません。
そこでモデルナが開発する治療法を組み合わせることによって、免疫ががん細胞をより正確に認識し、攻撃できるようにすることを目指しています。
この組み合わせによって再発や転移のリスクをさらに低下させられる可能性が示されたことが、市場で高く評価され、株価の急騰につながったと動画では解説しています。
医療株は今後も成長が期待できるのか
動画では、モデルナだけではなく医療業界全体にも注目しています。
現在の株式市場では、AIや半導体関連企業が世界経済をけん引しているとして注目を集めています。
しかし成長産業はAIだけではありません。
医療分野でも、
- 肥満症治療薬
- 手術支援ロボット
- 遺伝子治療
など、新しい市場が次々と生まれています。
動画では、ジョンソン・エンド・ジョンソン、イーライリリー、インテュイティブ・サージカルなども例として挙げられています。
高齢化や医療技術の進歩などを背景に、医療関連市場は今後も成長が期待される分野の1つと考えられます。
医療関連の個別株投資は難易度が高い
一方で、動画では医療関連株への投資について重要な注意点も指摘しています。
医療業界そのものには成長余地があるとしても、「どの会社の株価が上昇するのか」を見極めることは簡単ではありません。
モデルナのように、臨床試験の好結果によって株価が1日で大幅上昇する企業がある一方、逆のケースもあります。
期待されていた薬の臨床試験が失敗すれば、株価が短期間で大幅下落する可能性もあります。
特にバイオ・医薬品企業では、特定の新薬の成功や失敗が企業価値に大きく影響するケースがあります。
つまり、医療業界全体の成長性を予測することと、個別企業の株価を予測することは別問題です。
S&P500を通じて医療株に投資する方法もある
「医療業界が成長するなら、医療関連のテーマ型ファンドを買えばよいのではないか」と考える人もいるでしょう。
もちろん、そのような投資方法も選択肢の1つです。
ただし動画では、S&P500の中にもイーライリリーや医療関連企業がすでに組み入れられており、医療関連企業がおよそ10%程度含まれていると説明しています。
そのため、医療関連のニュースを見てすぐにテーマ型ファンドへ飛びつく必要があるとは限りません。
まずは医療業界がどのような産業なのか、どのような企業が存在し、何が成長要因になっているのかを調べるところから始めてもよいでしょう。
「毎月30万円投資なんて無理」という意見をどう考えるか
動画の最後の大きなテーマは、資産形成に対する考え方です。
以前の動画では、「毎月30万円を5年間投資し、新NISAの1800万円の非課税投資枠を埋め、その後もS&P500で長期運用した場合、過去の実績では20年から25年程度で資産1億円規模に成長したケースがある」という内容が紹介されていました。
これに対して、
「毎月30万円も投資できるわけがない」
「30万円投資できる人だけを対象にした話なのではないか」
といったコメントが寄せられたといいます。
動画で強調しているのは、「30万円を必ず投資しなければならない」という話ではありません。
大切なのは、自分にその条件が当てはまらなかった時に、情報そのものを捨ててしまうのではなく、「自分の場合ならどう応用できるか」と考えることです。
「できない」で終わらず自分に置き換えて考える
現時点で毎月30万円を投資できない人は当然います。
収入や家族構成、住宅費、教育費など、それぞれ状況が異なるからです。
そのうえで動画では、「30万円は無理」で思考を止めるのではなく、自分にできる方法を考えることが重要だとしています。
例えば、長年積み立てている保険を見直す方法も考えられます。
数年後に受け取る予定の退職金の一部を資産運用に回すという考え方もあるでしょう。
住宅ローンの繰り上げ返済用として準備している資金について、返済と投資のどちらが自分に適しているのかを比較するという発想もあります。
もちろん、これらの方法がすべての人に適しているわけではありません。
特に生活防衛資金や近い将来使う予定のお金まで投資に回すことは、慎重に考える必要があります。
重要なのは、「30万円できるか、できないか」という2択にするのではなく、「自分はいくらなら無理なく投資できるのか」を考えることです。
毎月10万円でも考え方は同じ
動画では毎月30万円だけでなく、毎月10万円の場合についても触れています。
仮に毎月30万円を投資したケースで将来的に1億円規模になったとしても、毎月10万円なら投資額は3分の1です。
動画では単純化したイメージとして、同じ条件なら3000万円程度の資産形成につながる可能性があると説明しています。
重要なのは「1億円でなければ意味がない」と考えないことです。
3000万円でも、老後資金や生活の選択肢を増やす資産としては非常に大きな金額です。
毎月30万円が無理なら10万円、10万円が難しければ5万円、さらに難しければ自分が継続可能な金額から始めればよいわけです。
資産形成では、他人の投資額をそのまま再現することよりも、自分の収入や生活に合わせて継続できる仕組みを作ることの方が重要です。
情報を「自分には関係ない」で終わらせない
動画で最後に強調されているのは、投資手法よりも「考え方」の重要性です。
何か新しい情報を得た時、
「自分にはできない」
「自分には当てはまらない」
「ここが間違っているから全部信用できない」
と考えて終わってしまえば、その情報から得られるものは少なくなります。
一方で、
「自分の場合なら何ができるだろう」
「どの部分なら真似できるだろう」
「今の状況を良くするために何を取り入れられるだろう」
と考えれば、同じ情報でも活用できる可能性が広がります。
これは資産形成だけの話ではなく、仕事や勉強などさまざまな場面に当てはまる考え方です。
世の中には投資手法や資産形成のノウハウが数多く存在します。
しかし、どれほど優れた方法を知っていても、自分の状況に落とし込んで行動しなければ結果にはつながりません。
長期投資で重要なのは「市場に居続けること」
今回の動画で紹介された3つのテーマは、一見すると別々の内容に見えます。
しかし共通しているのは、短期的な出来事だけで判断せず、長い視点で考えることの重要性です。
S&P500では、大きなリターンが生まれる時期を事前に正確に当てることは困難です。そのため、長期的に市場に居続けるという考え方が重要になります。
モデルナのような医療関連株では、新薬開発の成功によって短期間で株価が急騰することがありますが、反対に臨床試験の失敗などによって急落するリスクもあります。
そして資産形成では、「毎月30万円投資できる人」と自分を比較するのではなく、自分の収入や生活環境の中でいくらなら継続できるのかを考えることが大切です。
まとめ
今回の動画では、長期投資における「稲妻が輝く瞬間」、モデルナ株の急騰と医療業界の可能性、そして資産形成に必要な考え方について解説されました。
長期的な株式市場のリターンは、すべての期間に均等に発生するわけではありません。特定の好調な期間に大きな上昇が集中することがあり、それがいつ訪れるのかを事前に知ることは困難です。
だからこそ、短期的な下落だけを見て市場から離れるのではなく、自分のリスク許容度に合わせながら長期的に投資を続けることが重要になります。
また、モデルナの株価が1日で177%上昇した事例は、医療関連企業が持つ大きな成長可能性を示す一方、臨床試験の結果次第で株価が大幅に変動するという個別株投資の難しさも示しています。
資産形成についても、「毎月30万円投資できないから自分には関係ない」と考える必要はありません。
大切なのは、自分なら毎月いくら投資できるのか、自分の生活の中でどの部分を応用できるのかを考えることです。
投資では、完璧なタイミングを当てることよりも、自分に合った方法で長期間継続することが、結果として大きな資産形成につながる重要なポイントだといえるでしょう。


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