本記事は、YouTube動画『【キオクシアHDの現在地】最高値から半値へ/今後のキオクシアHDはどうなる!?/信用買い残金額の上位は?/KOSPIから日本を見返すと?【市場で話題の旬ネタ│松井証券】』の内容を基に構成しています。
キオクシアホールディングスの株価が、わずか1カ月足らずで最高値から半値以下まで急落しました。
キオクシアHDは、データ保存に使われるNAND型フラッシュメモリーを手がける半導体企業です。AI関連需要やメモリー市況の改善期待を背景に株価は急上昇しましたが、その後は流れが一変しました。
今回の下落で重要なのは、業績見通しだけではありません。信用取引を利用した買いが大量に積み上がり、株価が下がっても新たな押し目買いが入ったことで、需給面に大きな重荷が残っている点です。
動画では、韓国のKOSPIで起きたレバレッジ取引の拡大と急激な巻き戻しを確認しながら、日本市場、特にキオクシアHDの現在地を分析しています。
キオクシアHDが最高値から半値まで急落
キオクシアHDの株価は、6月22日に11万2700円の高値をつけました。
しかし、その後は急速に下落し、7月20日には5万1370円まで値下がりしました。1カ月もたたないうちに、株価が最高値の半分以下まで下落したことになります。
時価総額では、約33兆円が1銘柄から失われた計算になると動画では説明されています。それだけ多くの投資家が、大きな含み損や損失を抱えた可能性があります。
このような急落は、小型株や投機性の強い銘柄では起こることがあります。しかし、キオクシアHDのように時価総額が大きく、市場全体への影響力もある銘柄で短期間に発生したことは、非常に異例です。
株価急騰の背景にあったFOMOとモメンタム投資
キオクシアHDの株価が大きく上昇していた時期には、上昇中の銘柄に乗ろうとするモメンタム投資が活発になっていました。
モメンタム投資とは、値上がりしている銘柄は今後も上昇しやすく、値下がりしている銘柄はさらに下落しやすいという傾向を利用する投資手法です。
株価上昇が続くと、投資家の間には「自分だけが利益を得る機会に乗り遅れるのではないか」という心理も生まれます。これはFOMOと呼ばれ、「取り残されることへの恐怖」を意味する言葉です。
周囲の投資家が短期間で大きな利益を得ているように見えると、冷静な企業分析よりも、値動きそのものを理由に株を買いやすくなります。
さらに、短期間で大きな利益を得ようとして信用取引を使えば、自己資金を超える金額の株式を購入できます。
上昇局面では、レバレッジによって利益が拡大します。しかし、相場が反転した場合には損失も拡大し、追加証拠金や強制的なロスカットが発生しやすくなります。
韓国KOSPIで起きたレバレッジ相場の巻き戻し
動画では、キオクシアHDの需給を考える前提として、韓国のKOSPIで起きた急激な相場変動を取り上げています。
韓国市場では、サムスン電子やSKハイニックスなど、半導体関連銘柄の影響力が非常に大きくなっています。
KOSPIには800社以上が組み入れられていますが、動画によると、サムスン電子とSKハイニックスの2銘柄だけで指数に占める比率が50%を超える場面がありました。
そのため、両社の株価が上昇すればKOSPI全体が押し上げられ、反対に下落すれば指数全体が強く押し下げられます。
韓国市場では、KOSPIの値動きに対して3倍程度の値動きを目指すレバレッジ型ETFや、サムスン電子、SKハイニックスなどの個別株に連動するレバレッジ商品も利用されていました。
相場が上昇している間は、こうした商品に資金が流入し、さらに株価を押し上げます。しかし、下落へ転じると資金流出もレバレッジを伴って進むため、下落速度が一気に加速します。
本来100の資金で動くところに、レバレッジをかけて300の資金が投入されていれば、資金が引き揚げられる際にも大きな売りが発生します。上昇によってポジションがさらに膨らんでいた場合、売却規模は一段と大きくなります。
KOSPIの下落が日本株や米国株にも影響
KOSPIの急変は、韓国市場だけの問題ではなくなっています。
動画では、東京市場の投資家がドル円相場よりもKOSPIの値動きを注視する場面が増えたと説明されています。
通常、日本株では円安が進めば輸出企業の業績改善期待が高まり、株価の支援材料になることがあります。しかし、半導体株が世界的に同時下落する局面では、円安が進んでも日本株が反応しないことがあります。
背景には、KOSPIが下がれば日経平均先物を売るといったアルゴリズム取引の存在も考えられます。
韓国の半導体株が下がると、日本の半導体関連株にも売りが波及し、さらに米国のNASDAQ市場まで影響を受けることがあります。
半導体産業は、韓国、日本、台湾、米国などの企業がグローバルな供給網で結びついています。そのため、1つの国で始まったポジション調整が、短時間で世界中の株式市場へ広がりやすくなっています。
韓国ではレバレッジETFの規制を強化
韓国当局は、レバレッジ型商品を通じた投機的な取引の拡大を受け、規制強化に動きました。
動画によると、サムスン電子やSKハイニックスなどの個別株に連動するレバレッジETFを取引するために必要な最低預託金が、従来の約110万円から約330万円へ引き上げられる方針が示されました。
必要資金を増やすことで、資金の少ない若年層や個人投資家が簡単にレバレッジ取引へ参加することを抑える狙いがあります。
さらに、現金を口座へ入れておくことを求める仕組みや、個別株に連動する新たなレバレッジETFの上場を当面認めないルールも示されました。
当初は8月5日からの実施が予定されていたものの、7月31日へ前倒しするとの報道が7月24日に出たことで、KOSPIはさらに大きく下落しました。
この反応からも、韓国株の値動きが企業業績だけでなく、レバレッジ取引に伴う資金の出入りによって大きく左右されていたことが分かります。
サーキットブレーカーの頻発が示す異常事態
韓国市場では、急激な下落を一時的に止めるサーキットブレーカーが頻繁に発動しました。
サーキットブレーカーとは、株価や株価指数が短時間で一定以上下落した場合に、取引を一時停止する制度です。市場参加者に冷静になる時間を与え、パニック的な売買を抑える役割があります。
動画では、指数が8%以上下落した状態が1分間続くと、約20分間取引を停止する仕組みが紹介されています。
この発動条件を満たした回数が、今年だけで8回に達したとされています。特に6月に3回、7月に3回発生しており、1~2週間に1回程度の感覚で急落が起きていたことになります。
国を代表する株価指数でこれほど大きな変動が繰り返されるのは、通常の業績変化だけでは説明しにくい現象です。
レバレッジ取引によって資金流入が膨らみ、その巻き戻しによって下落が増幅された可能性を示しています。
日本でも信用取引が利用しやすくなった
韓国で起きた問題は、日本市場と無関係ではありません。
日本では以前、信用取引口座を開設するために、証券会社の担当者や支店長による確認が必要なケースがありました。株式投資の経験や保有資産などを確認され、一定の審査を通過しなければ信用取引を始められなかったのです。
現在はネット証券の普及により、信用取引口座を比較的簡単に開設できます。スマートフォンから注文できるため、以前よりも手軽にレバレッジをかけた取引へ参加できるようになりました。
取引しやすくなったこと自体は、投資家にとって利便性の向上です。
しかし、株価上昇中には信用取引による資金が急速に流入し、相場が反転した後には損失や強制決済が一気に膨らむという副作用もあります。
信用評価損益率が1カ月で急激に悪化
日本市場の需給状況を確認する指標の1つに、信用評価損益率があります。
信用評価損益率とは、信用取引で株を買っている投資家が、平均してどの程度の含み益または含み損を抱えているかを示す指標です。
信用取引で利益が出たポジションは早めに決済されやすい一方、含み損を抱えたポジションは決済されずに残りやすい傾向があります。
そのため、信用評価損益率は通常、マイナスになります。
ところが動画によると、6月19日時点の信用買い方の評価損益率はプラス1.5%まで上昇しました。塩漬け状態のポジションを含めても、市場全体で含み益になったことを意味します。
信用評価損益率がプラスになったのは、2013年のアベノミクス相場以来、およそ13年ぶりの珍しい出来事でした。
多くの投資家が利益を得ていたことで、市場には「さらにリスクを取っても大丈夫だ」という楽観的な空気が広がったと考えられます。
しかし、その約1カ月後となる7月17日時点では、信用評価損益率がマイナス10.8%まで急落しました。
13年ぶりのプラス圏から、年内で最も悪い水準まで一気に転落したことになります。
信用評価損益率悪化の中心にキオクシアHD
信用評価損益率が急激に悪化した最大の要因として、動画ではキオクシアHDが挙げられています。
7月17日時点で信用買い残金額が大きかった銘柄を見ると、キオクシアHDが首位となっていました。
そのほかにも、ソフトバンクグループ、東京エレクトロン、フジクラ、JX金属などが上位に入っていました。
これらの銘柄は同じ週に大幅下落しており、東京エレクトロンやJX金属は10%を超える下落となりました。
その中でもキオクシアHDの週間下落率は約32%に達し、信用買いをしていた投資家の含み損が急拡大しました。
信用買い残金額が大きい銘柄ほど、市場全体の信用評価損益率に与える影響も大きくなります。キオクシアHDの急落によって、多数の投資家が同時に含み損を抱え、日本市場全体の信用評価損益率を押し下げたと考えられます。
業績が強い銘柄ほど株価が下がりにくいとは限らない
キオクシアHDは、半導体メモリー市況の回復やAI需要を背景に、業績への期待が強い銘柄と見られていました。
しかし、業績が強いと評価されている企業であっても、株価が下がりにくいとは限りません。
市場参加者の期待がすでに株価へ大きく織り込まれていれば、好業績を発表しても新たな買い材料にならないことがあります。
また、信用買いが大量に積み上がっている場合、株価が下落するとロスカットや戻り売りが発生します。企業業績とは別の理由で、株価が下押しされるのです。
今回のキオクシアHDは、業績期待が高かったからこそ、多くの投資家が株価上昇を前提に信用買いを行いました。そのポジションが逆回転したことで、週間約32%という急落につながった可能性があります。
急落後も信用買い残が増加
通常、株価が急落すれば、信用取引をしていた投資家のロスカットが増え、信用買い残は減少すると考えられます。
しかし、キオクシアHDでは、急落した週にも信用買い残が増加しました。
15%を超える下落やストップ安が発生したため、多くの損切りが出たと考えられます。それでも信用買い残が増えたということは、売却した投資家よりも、下落を押し目と判断して新たに買った投資家の方が多かったことを示します。
ソフトバンクグループや東京エレクトロンでも信用買い残が増え、日経平均の2倍程度の値動きを目指すレバレッジ型ETFでは、1週間に約450億円の信用買い残が増加したとされています。
日経平均が7万円台から6万5000円を下回る水準まで下落すれば、割安になったと判断して買いたくなる投資家が増えます。
しかし、レバレッジ型ETFは日経平均の値動きをそのまま追う商品ではありません。指数がさらに下落すれば、損失もおおむね2倍の速度で拡大します。
韓国の3倍型商品だけを危険視するのではなく、日本でも2倍型の商品や信用取引を通じて、同じようなリスクが積み上がっている点には注意が必要です。
大株主の売却も需給の重荷に
キオクシアHDでは、株価下落の過程で大株主による売却も行われました。
動画では、大株主だったベインキャピタルが6月後半までに保有株をすべて売却し、東芝も6月中旬から7月中旬にかけて一部の株式を売却したと説明されています。
大株主の株式売却では、まとまった株数を通常の市場取引で一度に売却するのではなく、証券会社を通じて別の投資家へ引き渡す方法が取られることがあります。
買い手は、市場価格より数%程度安い価格で株式を引き取ります。その後、引き取った投資家が市場内で株を売却する場合、継続的な売り圧力になります。
ベインキャピタルの株式を引き取った価格は、6万6000円台が多かったと動画では説明されています。
東芝の保有株も、市場外取引を通じて別の投資家へ移った後、市場で売却される可能性があります。
こうした売り圧力が残る一方、個人投資家は「業績が強い」「PERが低い」「需給要因で下がっているだけ」と考え、逆張りの買いを入れました。
この売り手と買い手の構造が、キオクシアHDの複雑な需給環境を作っています。
「高値覚え」が押し目買いを誘った
キオクシアHDで信用買いが増え続けた背景には、「高値覚え」と呼ばれる投資家心理があります。
高値覚えとは、過去に見た高い価格が基準となり、現在の価格が実際以上に安く感じられる状態です。
例えば、キオクシアHDが初めて7万円に到達した時には、「すでに高すぎて買えない」と感じた投資家も多かったと考えられます。
しかし、その後に株価が8万円、9万円、10万円、11万円と上昇すると、7万円まで下落した時に「安くなった」と感じます。
企業価値や将来利益を基準に割安かどうかを判断するのではなく、直前の高値と比べて安く見えてしまうのです。
11万2700円を見た後では、7万円や6万円でも大幅に割安になったように感じます。その結果、急落の途中でも押し目買いが入り続け、信用買い残が増加しました。
信用倍率は36.8倍まで上昇
キオクシアHDの需給の悪化は、信用倍率にも表れています。
信用倍率とは、信用買い残を信用売り残で割った数値です。信用倍率が高いほど、空売りよりも信用買いのポジションが多いことを示します。
キオクシアHDの信用倍率は、7月第3週に36.8倍まで上昇しました。
これは、信用売り残に対して信用買い残が約36.8倍ある状態です。
一方、4月第2週に株価が初めて3万円へ到達した頃の信用倍率は1.9倍でした。株価が上昇していたにもかかわらず、信用買いと信用売りの偏りは現在ほど大きくありませんでした。
3万円の時点では信用倍率が1.9倍だったのに対し、5万~6万円台へ下落した現在は36倍を超えています。
単純に株価だけを見ると、最高値から大きく下落しているため割安に見えるかもしれません。しかし、すでに大量の投資家が買いポジションを持ち、株価の回復を待っているという点で、以前の5万~6万円台とは状況が大きく異なります。
信用買い残が多いと上値が重くなる理由
信用買いをしている投資家の多くは、長期間の保有ではなく、短期的なリバウンドを狙っています。
信用取引には金利などのコストがかかるほか、制度信用取引には原則として返済期限があります。そのため、長期間持ち続けることは現物取引より難しくなります。
7万円、8万円、9万円付近で信用買いした投資家は、株価が自分の買値付近まで戻れば売却しようと考えやすくなります。
例えば、7万円で買って5万円まで下落した投資家にとって、株価が7万円まで戻ることは、利益を得る機会というより、損失を出さずに撤退する機会になります。
その結果、株価が少し戻るたびに売り注文が出やすくなります。
信用買い残が大量に積み上がっている銘柄では、リバウンド局面でも戻り売りが次々と出るため、上値が重くなりやすいのです。
価格帯別出来高から見える「売りたい投資家」の多さ
動画では、6月22日の最高値から7月23日までの価格帯別出来高も確認しています。
価格帯別出来高とは、どの価格帯でどの程度の売買が成立したのかを示すデータです。
キオクシアHDでは、6万円台から9万円台にかけて多くの出来高が積み上がっていました。つまり、この価格帯で株を購入した投資家が多数存在するということです。
一方、7月24日時点の株価は5万6000円前後で、6万円を下回っていました。
このため、6万円台、7万円台、8万円台、9万円台で購入した投資家の多くが含み損を抱えていることになります。
11万円前後で取引された期間は短いため、その価格帯で保有している投資家の数は相対的に少ないと考えられます。
問題は、6万~9万円という株価が戻る可能性のある範囲に、大量の出来高が存在していることです。
株価が上昇すると、それぞれの価格帯で「買値まで戻ったので売りたい」という注文が出やすくなります。これがキオクシアHDの上値を抑える需給上の壁になります。
以前の6万円と現在の6万円は状況が違う
株価だけを比較すると、現在の6万円前後は過去に上昇途中で通過した6万円前後と同じです。
しかし、需給環境はまったく異なります。
以前の6万円台では、これから株を買いたい投資家が多く、まだ大量の信用買い残も積み上がっていませんでした。
現在の6万円前後では、すでに多数の投資家が高い価格で株を保有しています。新たに買いたい投資家よりも、株価が戻れば売りたい投資家の方が増えている可能性があります。
したがって、「以前も6万円から上昇したのだから、今回も同じように上がる」と単純に考えることはできません。
同じ株価でも、その価格へ上昇してきたのか、最高値から下落してきたのかによって、投資家の保有状況や心理は大きく変わります。
需給を見る際には、株価の水準だけでなく、どの価格帯で誰が買い、現在どの程度の含み損を抱えているのかを考える必要があります。
キオクシアHDの株価上昇に必要なもの
キオクシアHDの上値には、6万~9万円台で買った投資家の戻り売りが控えています。
この売り圧力を乗り越えるには、通常の好材料では足りない可能性があります。
動画では、7月31日に予定されている決算発表が重要なイベントとして挙げられています。
例えば、第2四半期の業績予想が市場予想を大きく上回る、メモリー市況の先行きについて非常に強い見通しが示されるなど、投資家の想定を超えるサプライズがあれば、株価が一気に上昇する可能性があります。
強い買い材料によって出来高を伴う上昇が起これば、価格帯別出来高に表れている戻り売りを吸収できるかもしれません。
一方で、決算内容が市場予想の範囲内にとどまれば、株価は現在の需給環境に再び左右されることになります。
業績が悪くなくても、信用買い残や戻り売りが重荷となり、株価が上昇しにくい展開も考えられます。
動画では、近いうちに実施される可能性がある株式分割も材料として言及されています。
株式分割によって1株当たりの価格が下がれば、少ない資金で購入しやすくなります。ただし、企業価値そのものが増えるわけではありません。
株式分割だけで、積み上がった信用買い残や戻り売りを完全に解消できるかどうかは慎重に見る必要があります。
キオクシアHDの値動きは日本株全体にも影響する
キオクシアHDは、個別銘柄としてだけでなく、日本市場全体にも影響を与える存在になっています。
信用買い残金額が大きく、多数の個人投資家が取引しているため、株価がさらに下落すれば、ほかの保有株を売却して損失を補う動きが出る可能性があります。
信用取引では、保有株の評価額が下がることで委託保証金率が低下し、追加証拠金が必要になることがあります。
追加資金を用意できなければ、キオクシアHDだけでなく、別の銘柄を売却して資金を確保しなければなりません。
このように、1つの大型銘柄の急落が、別の銘柄の売りへ波及することがあります。
キオクシアHDを保有していない投資家にとっても、その株価や信用需給、決算内容を無視できない状況になっています。
まとめ
キオクシアHDの株価は、6月22日の11万2700円から、7月20日には5万1370円まで急落しました。わずか1カ月足らずで最高値の半分以下になり、時価総額では約33兆円が失われたとされています。
急落の背景には、単純な業績悪化だけでなく、信用取引やレバレッジを利用した買いの積み上がりがあります。
株価が上昇している間は、FOMOやモメンタム投資によって新たな資金が入り、上昇が加速しました。しかし、相場が反転すると、レバレッジを伴ったポジションの解消が下落を増幅しました。
さらに、急落後も押し目買いが続いたため、信用買い残は減るどころか増加しています。信用倍率は36.8倍まで上昇し、6万~9万円台には大量の出来高が積み上がっています。
この価格帯には、株価が戻れば売却したいと考える投資家が多数存在すると考えられます。そのため、現在の5万~6万円台は、以前に同じ価格を通過した時とは需給環境がまったく異なります。
今後の焦点は、決算や業績見通しが、積み上がった戻り売りを吸収できるほど強い材料になるかどうかです。
キオクシアHDを見る際には、メモリー市況や企業業績だけでなく、信用買い残、信用倍率、価格帯別出来高、大株主の売却といった需給面も合わせて確認する必要があります。
株価が最高値から半値になったという理由だけで割安と判断するのではなく、すでにどれほど多くの投資家が株を保有し、どの価格で売却を待っているのかまで考えることが重要です。


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