南鳥島レアアースで注目される日本株3銘柄とは?国策9000億円と「脱中国」で動く関連企業を解説

本記事は、YouTube動画『南鳥島レアアース開発と注目の関連株3銘柄を解説』の内容を基に構成しています。

日本の最東端に位置する南鳥島周辺の海底に、世界的にも注目される大量のレアアース資源が眠っているとして、資源開発への期待が高まっています。

動画では、南鳥島沖の海底に存在するレアアース泥について、日本が本格的な開発に動き始めていることを紹介しています。重要なのは、単に「日本でレアアースが見つかった」という話ではありません。

レアアースはEV、半導体、モーター、風力発電、ロボット、防衛装備など幅広い先端産業に欠かせない素材です。一方、日本はその調達を中国に大きく依存しており、経済安全保障上の重要課題となっています。

そこで注目されているのが、南鳥島の資源開発と、その周辺で発生する設備投資です。

動画では、レアアースそのものを採掘する企業だけを見るのではなく、「政府の予算が最終的にどの企業の売上になるのか」という視点から、信越化学工業、三井金属、双日の3社を取り上げています。

目次

南鳥島沖に眠る大量のレアアース

動画の冒頭では、南鳥島沖の海底に、世界で長期間利用できるほど膨大なレアアース資源が存在すると紹介されています。

特に大きなポイントとなっているのが、海底約6000mという深海からレアアースを含む泥を引き上げる取り組みです。

これまで海底資源については、「資源が存在することは分かっていても、実際に採掘できるのか」という問題がありました。

海底6000mという環境では、水圧も非常に高く、大量の泥を安定的に引き上げるためには高度な海洋技術が必要です。

しかし動画では、すでに実際の泥を引き上げる段階まで計画が進んでいることを強調しています。

つまり、単なる資源調査の段階から、実用化に向けた技術検証の段階へ移りつつあるという見方です。

なぜ日本政府はレアアース開発を急いでいるのか

政府がレアアース開発を重視する最大の理由は、中国への依存です。

動画では、日本が使用するレアアースの約6割を中国に依存していると説明しています。

レアアースは一見すると一般消費者にはなじみの薄い素材ですが、現代の製造業を支える重要資源です。

たとえば、

  • EVのモーター
  • スマートフォン
  • 半導体関連製品
  • 風力発電設備
  • ヒューマノイドロボット
  • 防衛装備

などに使用されています。

なかでも重要なのが、レアアースを利用して作る高性能磁石です。

電動化が進む自動車やロボットでは、高性能なモーターが必要になります。そのモーター性能を左右する重要部品の1つがレアアース磁石です。

つまり、レアアースの供給が止まれば、自動車や電子機器など日本の主要産業にも影響が及ぶ可能性があります。

そのため、レアアースの問題は単なる資源価格の問題ではなく、「経済安全保障」の問題として扱われています。

レアアースは実はそれほど「レア」ではない

ここで初心者が知っておきたいのが、「レアアースとは何なのか」という点です。

レアアースは1種類の金属を指す言葉ではありません。

全部で17種類の元素をまとめた呼び方です。

名前に「レア」と付いているため、地球上にほとんど存在しない資源という印象を受けますが、動画では必ずしもそうではないと説明しています。

問題は「存在量」よりも「加工の難しさ」です。

地下や海底から掘り出しただけでは、すぐに産業で使用できるわけではありません。

採掘した原料から目的の元素を取り出し、高純度の材料へ加工する必要があります。

大きく分ければ、

採掘 → 分離 → 精製 → 金属・磁石などへの加工

という工程が必要になります。

特に難しいのが分離・精製です。

動画ではこれを、「カレーに混ざった17種類のスパイスを1粒ずつ分けるようなもの」と例えています。

レアアース同士は性質が似ているため、それぞれを高純度で分離するには高度な技術や大規模な設備が必要です。

中国がレアアース市場で強い本当の理由

中国の強みも、単純に鉱山を大量に持っていることだけではありません。

動画で特に重視されているのが、「分離・精製能力」です。

採掘自体は世界各地で行える可能性がありますが、その後の分離・精製工程について、中国が非常に大きな割合を握っています。

動画では世界の8~9割程度を中国が担っていると説明しています。

背景には環境問題があります。

レアアースの分離・精製では環境負荷の高い工程も発生するため、先進国の多くが長年この分野への投資を縮小してきました。

その間に中国が生産能力や技術、サプライチェーンを構築したことで、現在の圧倒的な立場につながったという構図です。

この結果、世界各国がレアアースを必要としていても、実際に使える材料へ加工する工程では中国を経由せざるを得ないケースが生まれています。

中国の輸出規制が日本にとって大きなリスクになる

問題は、中国がレアアースや関連素材の輸出を規制した場合です。

動画では、中国が輸出許可制度などを通じて供給を管理できる状態になっていると説明しています。

もしレアアース磁石などの供給が大幅に減れば、自動車やモーター、電子機器など幅広い産業に影響します。

日本としては、「必要な素材を購入できるかどうかが海外の政策次第」という状態を放置することはできません。

このため、日本国内での資源開発と、中国を経由しないサプライチェーンの構築が重要になっています。

南鳥島のレアアース開発が注目される最大の理由もここにあります。

政府はレアアースを含む海洋資源開発へ巨額投資

動画では、政府が2040年度までの海洋開発に巨額の資金を投入し、そのうちレアアースなどの資源開発に約9000億円を充てる方針が紹介されています。

ただし、ここで注意したいのは、レアアースの商業生産がすぐに始まるわけではないことです。

本格的な商業化は2028年度以降が1つの目安として語られています。

「それなら株式市場が動くのも2028年以降ではないか」と考える人もいるでしょう。

しかし、動画ではそこがテーマ株を見るうえで重要なポイントだとしています。

株価は、実際に商業生産が始まってから動くとは限りません。

実証実験、設備発注、工場建設、研究開発拠点の新設、政府の追加支援など、将来の収益につながるニュースが発表されるたびに、市場が先回りして期待を織り込む可能性があります。

国策テーマでは「カレンダー」が重要になる

動画では、レアアース関連株を見る場合、決算書だけでなく今後のイベントを把握することが重要だとしています。

たとえば、

政府の追加支援策、南鳥島での実証実験、船舶や設備の発注、企業の設備投資、精製施設の建設、中国の輸出政策などです。

こうしたイベントが発表されるたびに、「実用化が一歩近づいた」と市場が判断する可能性があります。

動画ではアメリカのMPマテリアルズを例として紹介しています。

米国では、レアアースの国内供給網を構築するため、政府が企業を直接支援する動きが進んでいます。

動画によると、米国防総省はMPマテリアルズへ4億ドルを出資し、株式の15%を取得したほか、長期的な磁石の購入契約なども結んでいます。

さらにAppleとの供給契約もあり、実際の量産が本格化する前から株価が大きく上昇したと説明しています。

つまりレアアースのような国策テーマでは、「現在どれだけ利益を出しているか」だけでなく、「政府や企業がどこまで具体的に動き始めているか」が重要になります。

レアアース関連株を見るときは「採掘会社」だけでは不十分

動画で繰り返し強調されているのが、このポイントです。

レアアースが注目されると、多くの投資家は「どの会社が掘るのか」を考えます。

しかし、南鳥島の場合、採掘そのものは国家プロジェクトとして進められる側面が強いため、民間企業への利益を考えるなら、その周辺を見る必要があります。

たとえば、海底から泥を引き上げる船舶、泥を処理する設備、脱水設備、精製設備、磁石製造設備、物流などです。

数千億円規模の国家予算が動けば、こうした設備やサービスを提供する企業の受注につながる可能性があります。

動画では、「政府の予算が最終的にどの会社の財布に入るのか」という考え方をテーマ株を見る際の重要な視点として紹介しています。

そこで候補として登場するのが、信越化学工業、三井金属、双日の3社です。

注目株1:信越化学工業はレアアース磁石の重要企業

最初に紹介されているのが、信越化学工業です。

証券コードは4063です。

信越化学工業といえば、世界有数のシリコンウエハーメーカーとして知られています。

シリコンウエハーとは、半導体を製造する際の土台となる薄い円盤状の材料です。

スマートフォン、パソコン、AIサーバー、自動車などで使用される半導体の生産に欠かせません。

動画では、2026年3月期の売上高を約2兆5739億円、営業利益を約6352億円と紹介しています。

さらに直近の第1四半期も、売上高が前年同期比5.4%増とされており、巨大企業でありながら成長を続けている点が評価されています。

信越化学が18年ぶりに新工場へ動く意味

動画が注目しているのは、信越化学工業がレアアース磁石関連で約18年ぶりとなる新工場の建設に動いている点です。

動画では福井県での工場建設として紹介されています。

信越化学工業は大型設備投資に慎重な企業として知られており、その企業が新工場建設へ動いたこと自体を、レアアース磁石需要への強いシグナルと捉えています。

EVやロボットなどが普及すれば、高性能磁石の需要は拡大する可能性があります。

さらに、中国への依存度を下げる必要があることから、日本国内での磁石生産能力そのものが重要になります。

半導体で培った高純度・量産技術も強み

信越化学工業がレアアース磁石を手掛けるうえでは、半導体材料で培ってきた技術も強みになると動画では説明しています。

半導体材料では、不純物を極限まで減らし、同じ品質の商品を大量かつ安定的に生産する必要があります。

レアアース材料についても、高純度化や品質管理、量産技術は重要です。

さらに自動車や電機メーカーとの既存の取引関係を持っていることも、新規参入企業にはない強みとされています。

レアアースだけで株価が何倍にもなる企業ではない

一方、注意点もあります。

信越化学工業は売上高2兆円を超える巨大企業です。

そのため、現時点でレアアース関連事業が会社全体の利益に与える影響は限定的です。

レアアース市場が成長したからといって、それだけで信越化学工業の利益が何倍にもなるわけではありません。

動画でも、「レアアーステーマだけで株価が何倍にもなるタイプではない」と注意を促しています。

むしろ重要なのは、信越化学工業の新工場建設によって、その工場に設備や材料を納入する企業へ新たな需要が生まれることです。

今後、どの企業が装置や材料の受注を獲得するのかも注目ポイントになります。

信越化学工業の財務面

動画ではPERを約21倍、予想配当利回りを約1.9%、自己資本比率を78.7%と紹介しています。

特に自己資本比率が約8割という財務基盤の強さが特徴です。

株価については動画収録時点で6000円前後の値動きが意識されており、動画では急いで飛びつくより、株価の方向性を確認しながら押し目を待つ考え方が示されています。

つまり、信越化学工業はレアアースだけを材料とした短期テーマ株というより、「日本の磁石供給網を支える大型優良企業」として見る位置づけです。

注目株2:三井金属は「分離・精製」で南鳥島に関わる

2社目は三井金属です。

証券コードは5706です。

三井金属の大きな特徴は、100年以上にわたって金属の精錬技術を培ってきたことです。

鉱石には目的となる金属以外にもさまざまな物質が混ざっています。

そこから目的の金属だけを取り出し、高純度に仕上げるのが精錬です。

これはまさに、南鳥島のレアアース泥を実際に利用可能な金属へ変えるために必要となる技術です。

現在の収益源はAI・電子材料

三井金属という社名から鉱山や精錬だけの会社を想像する人もいるかもしれません。

しかし動画では、現在の重要な収益源として、スマートフォンやAIデータセンターなどで使用される電子材料を挙げています。

動画によると、2026年3月期の売上高は7585億円、営業利益は1309億円で過去最高となっています。

さらに直近の第1四半期では、売上高が前年同期比19.3%増、営業利益が84.1%増となったと紹介しています。

つまり、レアアースが将来のテーマである一方、本業そのものも好調という点が特徴です。

約100億円の研究開発拠点を計画

動画では、三井金属が2026年に約100億円を投じる新素材の研究開発拠点を発表したと紹介しています。

その研究対象には、南鳥島沖のレアアース泥から金属を精製する技術も視野に入っているとしています。

南鳥島から泥を引き上げることができたとしても、その泥をそのまま自動車メーカーなどへ販売できるわけではありません。

泥の中から必要なレアアースを分離し、産業で使用できる品質にまで精製する工程が必要です。

ここで三井金属が培ってきた100年以上の精錬技術が生きる可能性があります。

動画では、採掘そのもの以上に、こうした分離・精製設備や技術へ民間企業の収益機会が生まれる点を重視しています。

三井金属にとってレアアースは「未来への仕込み」

ただし、現時点でレアアースが三井金属の主力事業になっているわけではありません。

動画でも、レアアースは「あくまで未来への仕込み」と整理されています。

実用化が本格化するまでには時間が必要で、すぐに巨額の利益を生むとは限りません。

その一方、政府の実証事業や研究開発が進むたびに、将来の事業化期待が高まる可能性があります。

その意味で、短期というより中長期で国策テーマを追う際の候補とされています。

ROE24.55%という高い資本効率

動画では三井金属のROEが24.55%と紹介されています。

ROEは、株主から預かった自己資本を使って、企業がどれだけ効率的に利益を生み出しているかを見る指標です。

動画では市場平均を8%前後としており、それと比較して非常に高い資本効率だと評価しています。

配当についても、前期245円から今期予想280円へ増配する見通しが紹介されています。

一方、会社側の通期営業利益予想については減益見通しとなっているため、今後の業績が会社計画を上回るかがポイントです。

動画では、第1四半期が好調であることから、計画を上回れば上方修正が株価材料になる可能性も指摘しています。

注目株3:双日は中国を通らないレアアース調達ルートを握る

3社目は双日です。

証券コードは2768です。

信越化学工業が「磁石」、三井金属が「精錬」だとすれば、双日の役割は「調達と物流」です。

双日は自動車、資源、エネルギー、化学品、食料など幅広い事業を世界各地で手掛ける総合商社です。

レアアースに関して特に注目されているのが、オーストラリアのレアアース大手ライナスとの関係です。

ライナスとの連携で中国を通らない供給網を構築

ライナスは中国以外の有力レアアース企業として知られています。

動画では、ライナスがマレーシアに精製拠点を持つことに注目しています。

これは非常に重要な意味を持ちます。

通常、中国が世界のレアアース分離・精製工程で圧倒的なシェアを握っているため、鉱石を中国以外で採掘しても、その後の加工で中国を通るケースがあります。

しかし、オーストラリアで原料を確保し、マレーシアで加工できれば、中国を経由しないサプライチェーンを構築できます。

双日は商社として、長期契約、物流、貿易金融、政治リスク管理などを組み合わせ、日本への安定供給を支えることができます。

中国依存から脱却したい日本にとって、こうしたルートの価値は今後さらに高まる可能性があります。

双日は「爆発力」よりインフラとしての価値

ただし双日も巨大な総合商社です。

レアアースは多くの事業の中の1分野にすぎません。

そのため、レアアース価格が上昇しただけで会社全体の利益が何倍にもなる構造ではありません。

動画でも、レアアースを理由に株価が100倍になるような企業ではないとしています。

一方、中国以外からレアアースを日本へ運ぶ供給網の一部を担う企業として考えれば、長期的なインフラ価値があります。

テーマ株としての爆発力よりも、安定した事業基盤の上に国策テーマが加わる企業として評価する考え方です。

好調な業績と増配もポイント

動画では、2026年3月期の売上高を約2兆円規模、税引前利益を1000億円規模として紹介しています。

さらに直近の第1四半期では売上高が前年同期比39.3%増、利益面でも大幅な増益となったとしています。

配当についても、

2023年度130円 → 135円 → 150円 → 165円 → 予想180円

と増配傾向が紹介されています。

動画収録時の株価5589円を基準とすると、予想配当利回りは約3.22%です。

今回紹介された3社の中では、配当利回りが最も高いとされています。

一方、自己資本比率は29.9%と、信越化学工業などに比べると低い点が注意材料です。

商社は事業投資や資金調達を積極的に行うため、製造業と単純比較はできませんが、財務面のリスクとして把握しておく必要があります。

3社は「磁石・精錬・物流」で役割が異なる

ここまで紹介した3社は、いずれもレアアース関連株として紹介されていますが、役割は大きく異なります。

信越化学工業は、高性能なレアアース磁石を生産する「材料・磁石」の企業です。

三井金属は、海底から引き上げたレアアース泥から必要な金属を取り出す「分離・精錬」の企業です。

双日は、中国以外からレアアースを調達して日本へ届ける「調達・物流」の企業です。

つまり、

資源 → 分離・精製 → 材料・磁石 → 日本企業への供給

というサプライチェーンの異なる場所に、それぞれの企業が位置しています。

この点が動画で紹介された3社を見るうえで重要です。

実は関連企業の「さらに裏側」に投資機会がある可能性

動画では、もう1つ興味深い投資視点を提示しています。

それは、今回紹介された3社そのものだけでなく、「3社から仕事を受注する企業」を見るという方法です。

たとえば信越化学工業が新工場を建設すれば、工場設備、製造装置、特殊材料、建設工事などへの発注が発生します。

三井金属が研究開発・精製設備を拡大すれば、同じように装置メーカーなどへ資金が流れます。

双日が新しいレアアース供給網を拡大する場合にも、物流設備や加工設備などの需要が生まれる可能性があります。

国策テーマで株式市場が盛り上がったとき、最も有名な企業だけが最大の恩恵を受けるとは限りません。

ゴールドラッシュで金を掘った人だけでなく、つるはしやスコップを販売した企業が利益を上げたという有名な例と似ています。

レアアースでも、採掘会社だけでなく、その周辺設備を供給する企業を追うことが重要になります。

レアアース関連株を追うなら「ニュースの予定表」を作る

このテーマについて、動画が最も重視している投資方法の1つが「カレンダーを持つ」という考え方です。

レアアースの商業生産が始まってから企業を探すのでは遅い可能性があります。

市場は将来を先に織り込むためです。

今後チェックしたいのは、中国の輸出規制、南鳥島での実証実験、政府予算、研究拠点の完成、工場建設、設備発注、企業間契約などです。

たとえば「新工場を建設する」というニュースが出れば、次は「どの会社が設備を納入するのか」という視点につながります。

さらに「実証実験に成功」というニュースが出れば、次に量産設備の需要が発生する可能性があります。

このように、ニュースを単発で見るのではなく、

実証 → 設備投資 → 発注 → 量産 → 売上拡大

という流れで追うことが、国策テーマを見る際には重要になります。

レアアース国産化には当然リスクもある

ここまで見ると、南鳥島のレアアース開発には大きな可能性があるように見えます。

しかし動画でも、計画が必ず成功するわけではないと注意しています。

最大のリスクは、深海資源開発の難しさです。

水深6000mから資源を大量かつ継続的に引き上げ、さらに採算の取れるコストで精製しなければ商業化はできません。

「技術的に可能」と「ビジネスとして利益が出る」は別の問題です。

さらに政府の支援策や投資計画についても、将来的に内容が変更される可能性があります。

中国側の輸出政策が変化すれば、レアアース価格や関連企業への期待も変化するでしょう。

また、今回紹介された3社はいずれもレアアース専業企業ではありません。

信越化学工業は半導体材料や化学品、三井金属は電子材料、双日は幅広い商社事業を持っています。

したがって株価は、レアアースだけではなく、世界景気、為替、半導体市場、商品市況、各社の本業の業績など多くの要因によって動きます。

「国策だから必ず株価が上がる」という考え方は避ける必要があります。

南鳥島レアアースは日本の経済安全保障を変える可能性

南鳥島のレアアースが本格的に利用できるようになれば、日本にとって大きな意味を持ちます。

日本は長年、エネルギーや鉱物資源の多くを海外に依存してきました。

その日本が、自国の排他的経済水域で重要鉱物を確保できる可能性が出てきたからです。

しかもレアアースは、EVやAI、ロボット、防衛、再生可能エネルギーなど、今後成長が期待される分野と密接に関係しています。

単純な鉱山開発というより、日本の製造業全体のサプライチェーンを安定させるためのプロジェクトとして見る必要があります。

中国依存を完全になくすことは簡単ではありません。

しかし南鳥島の開発、中国以外からの輸入、国内での精製・磁石製造を組み合わせることができれば、日本のレアアース調達リスクを大幅に低減できる可能性があります。

まとめ

南鳥島沖のレアアース開発は、単なる「海底から珍しい鉱物を掘る」という話ではありません。

背景にあるのは、日本の製造業に不可欠な重要資源を中国に大きく依存しているという経済安全保障上の問題です。

動画で紹介された3社は、それぞれ異なる場所からこの問題に関わっています。

信越化学工業はレアアース磁石を中心とする「材料・製造」、三井金属はレアアース泥を利用可能な金属へ変える「分離・精錬」、双日は中国以外から日本へ資源を届ける「調達・物流」という役割です。

さらに今後は、これらの企業に製造装置や設備を納入する周辺企業にも資金が流れる可能性があります。

重要なのは、「レアアース関連」という名前だけで銘柄を選ぶことではありません。

政府の予算がどこへ向かい、その資金が最終的にどの企業の受注や売上につながるのかを見ることです。

南鳥島の資源開発はまだ実用化に向けた途中段階であり、技術面や採算面など不確定要素も少なくありません。

一方、海底からの資源回収、研究開発拠点、新工場、中国以外からの調達網など、具体的な動きが始まっている点は注目されます。

今後は南鳥島での実証実験、政府の支援策、中国の輸出政策、各社の設備投資や受注発表などを継続的に確認することが重要です。

レアアースは「掘って終わり」のテーマではありません。

採掘、分離・精製、磁石製造、物流までを含めた巨大なサプライチェーンの再構築です。

その意味で南鳥島のレアアース開発は、日本の資源政策と製造業の未来を左右する長期テーマの1つとして、今後も注目されることになりそうです。

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