日本株が歴史的急落、キオクシアはストップ安に|半導体・銀行株が全面安となった背景と今後の注目点

本記事は、YouTube動画『日本株大暴落でキオクシアS安!銀行地獄絵図も』の内容を基に構成しています。

日本株市場が大きく揺れています。7月17日の日経平均株価は一時4,000円を超える下落となり、半導体関連株を中心に幅広い銘柄が売られました。終値では前日比2,694円安まで下げ幅を縮小したものの、投資家にとって非常に厳しい1日だったことに変わりはありません。

なかでも強烈な値動きを見せたのが、メモリー半導体大手のキオクシアホールディングスです。前日に約15%下落した後、この日も約16%安となり、最終的にはストップ安まで売り込まれました。

さらに、下落は半導体関連株だけにとどまりませんでした。これまで日本株市場をけん引してきたメガバンクや地方銀行も軒並み下落し、「銀行株全滅」ともいえる展開になっています。

今回の急落は一時的な利益確定なのか、それとも半導体株を中心とする上昇相場の転換点なのでしょうか。本記事では動画の内容に沿って、キオクシアのストップ安、半導体関連株の全面安、銀行株の急落、今後の投資で注意したいポイントを詳しく解説します。

目次

日経平均株価が一時4,000円を超える歴史的下落

7月17日の東京株式市場では、日経平均株価が一時4,000円を超える下落となりました。終値では前日比2,694円安となり、取引時間中の安値からは一定程度戻したものの、歴史的に見ても極めて大きな下げ幅です。

今回の下落を主導したのは、半導体関連株でした。

前日の米国市場では、半導体関連銘柄で構成されるSOX指数が4%を超えて下落しました。米国半導体株の下落を受け、日本市場でもAIや半導体に関連する主要銘柄が一斉に売られる展開となったのです。

近年の日本株市場では、生成AIの普及やデータセンター投資の拡大を背景に、半導体関連株へ多くの資金が流れ込んでいました。そのため、半導体株の影響力は以前よりも大きくなっています。

半導体関連株の株価が上昇しているときには、日経平均株価を大きく押し上げます。しかし、ひとたび売りが集中すると、今度は指数全体を強く押し下げる要因になります。

今回の急落は、日経平均株価が一部の値がさ半導体株の動きに左右されやすくなっていることを、改めて示したといえるでしょう。

好決算でも売られたTSMCが半導体株下落の引き金に

動画では、今回の半導体株下落の背景として、世界最大の半導体受託製造会社であるTSMCの決算が取り上げられています。

TSMCが発表した4月から6月期の決算は、業績そのものだけを見れば必ずしも悪い内容ではありませんでした。しかし、市場では今後の成長見通しに対する不透明感が意識され、株価が売られる展開になったと説明されています。

株式市場では、良い決算を発表すれば必ず株価が上昇するわけではありません。

株価は過去の実績だけではなく、将来に対する期待を織り込んで動きます。特に半導体株のように事前の期待が非常に高い銘柄では、好決算であっても市場予想を上回る驚きがなければ、材料出尽くしとして売られることがあります。

また、株価が高い水準まで上昇していた場合、「良い決算を確認したところで利益を確定したい」と考える投資家も増えます。その結果、業績が良好でも株価が下落するという、一見すると理解しにくい現象が起こります。

今回もTSMCの決算をきっかけに、AI・半導体関連株への期待が行き過ぎていたのではないかという警戒感が広がり、日本の半導体関連株へ売りが波及した可能性があります。

キオクシアが2日連続で急落しストップ安

今回、特に大きな注目を集めたのがキオクシアホールディングスです。

キオクシアは前営業日に約15%下落していました。その翌日となる7月17日にも売りが止まらず、前日比1万円安、約16%の下落となり、ストップ安まで売り込まれました。

わずか2日間で株価が大幅に下落したため、前日の急落を「底値に近い」と判断して買った投資家も、大きな含み損を抱える結果になりました。

急落した銘柄を安値で買い、短期的な反発を狙う投資手法は「逆張り」や「押し目買い」と呼ばれます。しかし、下落の途中で買ってしまうと、その後も株価が下がり続ける可能性があります。

これが、いわゆる「落ちてくるナイフをつかむ」と表現される状況です。

株価が15%下落したからといって、翌日に下げ止まる保証はありません。今回のキオクシアの値動きは、急落局面で安易に底値を判断することの難しさを示しています。

高値から半値以下となったキオクシア

動画によると、キオクシアの株価は以前に11万円を超える水準まで上昇していました。しかし、その後は急速に下落し、現在は高値の半値以下にまで落ち込んでいます。

株価が短期間で2倍になる可能性がある一方、半分になる可能性もあるのが株式投資です。特に半導体株は業績の変動が大きく、市場の期待によって株価が上下しやすい傾向があります。

半導体は長期的な成長産業と考えられています。生成AI、スマートフォン、自動車、データセンター、産業機器など、幅広い分野で需要が拡大しているためです。

一方、半導体業界には「シリコンサイクル」と呼ばれる景気循環があります。

需要が強い時期には各社が生産能力を増強しますが、供給量が需要を上回ると製品価格が下落し、業績が急速に悪化します。その後、在庫調整が進めば再び需要が回復するという循環を繰り返してきました。

キオクシアが主力とするNAND型フラッシュメモリーも、市況の影響を受けやすい製品です。そのため、将来的な成長期待が大きい一方、短期的な価格変動も激しくなりやすい点には注意が必要です。

信用取引では追証が発生する可能性も

動画では、キオクシアを信用取引で保有していた投資家にとって、非常に厳しい状況になっている可能性も指摘されています。

信用取引とは、証券会社から資金や株式を借りて行う取引です。自己資金以上の金額を運用できるため、株価が予想どおりに動けば利益を大きくできます。

しかし、予想と反対方向へ動いた場合には、損失も拡大します。

保有株の評価額が急激に下がり、証券会社が定める委託保証金率を下回ると、追加の保証金を差し入れる「追証」が発生する場合があります。

投資家が追証を解消するには、追加資金を入金するか、保有している株式を売却しなければなりません。そのため、相場が大きく下落すると、損失を抱えた投資家による換金売りが増えます。

この換金売りが新たな下落を生み、さらに別の投資家が売却を迫られるという連鎖が起こることがあります。いわゆる「売りが売りを呼ぶ」状態です。

今回、半導体株だけでなく銀行株など幅広い銘柄が売られた背景には、半導体株の損失を補うための換金売りがあった可能性も考えられます。

自分の投資方針から外れた銘柄を買うリスク

動画の発信者は、キオクシアを8万8,000円前後で購入し、大きな含み損を抱えていることを明かしています。

普段はバリュー株や株主優待株を中心に投資しており、連続増配銘柄や累進配当銘柄など、長期的にインカムゲインを積み上げられる企業を重視しているとのことです。

それにもかかわらず、値動きの大きいキオクシアを購入したことについて、自身の投資方針から外れた取引だったと振り返っています。

これは個人投資家にとって重要な教訓です。

成長株やテーマ株への投資が悪いわけではありません。しかし、安定配当を重視している投資家が、短期的な値上がり期待だけで値動きの激しい銘柄を購入すると、想定以上の下落に耐えられなくなる可能性があります。

購入前には、少なくとも次の点を確認しておく必要があります。

  • なぜこの銘柄を買うのか
  • どの程度の下落まで許容できるのか
  • 業績と株価のどちらを基準に保有を続けるのか
  • ポートフォリオ全体の何%まで投資するのか
  • 想定が外れた場合にどの時点で売却するのか

あらかじめ投資目的を明確にしておけば、株価が急落したときにも感情的な判断を減らしやすくなります。

半導体関連株が軒並み大幅安

今回の急落は、キオクシアだけの問題ではありません。動画では、複数の半導体関連株が大きく値下がりしたことが紹介されています。

SUMCOもストップ安水準まで下落

半導体用シリコンウエハーを手がけるSUMCOも、約15%の大幅下落となり、ストップ安をつけました。

株価は高値圏の6,000円前後から4,000円を割り込む水準まで下落していると説明されています。キオクシアほどではないものの、短期間で大きく値を崩しており、厳しい展開です。

動画ではPBRが約2.4倍と紹介され、半導体関連企業として極端に割高とはいえない可能性がある一方、下落が急であるため慎重な判断が必要だとしています。

PBRは「株価純資産倍率」と呼ばれ、株価が1株当たり純資産の何倍まで買われているかを示す指標です。ただし、PBRが低下したという理由だけで株価の底値を判断することはできません。

業績悪化が予想される場面では、利益や純資産の見通しそのものが変化するためです。

信越化学工業も約10%下落

半導体シリコンウエハーで世界的な競争力を持つ信越化学工業も、約10%下落したと紹介されています。

動画内の株価ベースでは、高値圏の2万7,000円前後から1万5,000円前後まで下落しており、高値から大幅に値を下げています。

信越化学工業は半導体材料だけでなく、塩化ビニル樹脂やシリコーンなど幅広い事業を展開する企業です。そのため純粋な半導体専業企業ではありませんが、半導体市場への警戒感が強まる場面では売られやすくなります。

レーザーテックは約10%安

半導体マスク欠陥検査装置で高い競争力を持つレーザーテックも、約10%下落しました。

株価は高値圏の5万9,000円前後から4万円前後まで下落し、高値の約3分の2の水準になったとされています。

レーザーテックは成長期待が高い一方、株価指標も高くなりやすく、市場心理による影響を受けやすい銘柄です。期待が強い局面では急上昇しますが、成長見通しにわずかな不安が生じただけでも、株価が大きく調整する場合があります。

ディスコも8%を超える下落

半導体製造工程で使用する切断・研削装置を手がけるディスコも、約8.2%下落しました。

動画では、高値圏の9万2,000円前後から6万5,000円前後まで下落しており、こちらも高値の約3分の2の水準になったと説明されています。

ディスコは高い利益率と競争力を持つ企業ですが、優良企業であることと、いつ買っても株価が上昇することは同じではありません。株価が将来の成長を先に織り込んでいる場合、業績が伸びていても評価倍率の低下によって株価が下がることがあります。

アドバンテストと東京エレクトロンも下落

半導体試験装置大手のアドバンテストも、高値圏の3万5,000円前後から2万7,000円前後まで下落したと紹介されています。

AI向け半導体需要の拡大によって強く買われてきた代表的な銘柄ですが、それだけに利益確定売りも出やすい状況です。

半導体製造装置大手の東京エレクトロンも、高値圏の8万円前後から6万5,000円前後まで下落しています。

こうした銘柄は日本を代表する半導体関連企業ですが、業績の良し悪しだけでなく、米国の半導体株、設備投資計画、輸出規制、為替、AI投資の持続性など、複数の要因によって株価が動きます。

電子部品株にも下落が波及

半導体株への売りは、周辺の電子部品関連銘柄にも広がりました。

太陽誘電は高値から半値以下に

電子部品大手の太陽誘電は、1日で約11.9%下落しました。

動画では、高値圏の2万4,000円前後から1万1,000円前後まで下落しており、高値の半値以下になったと説明されています。

太陽誘電は積層セラミックコンデンサーなどを手がける企業です。電子機器や自動車など幅広い分野の需要に影響されるため、半導体やハイテク市場への懸念が強まると、関連銘柄として売られる場合があります。

村田製作所も約9%下落

村田製作所も約9%下落しました。

動画によると、高値圏の1万3,000円前後から7,600円前後まで株価を下げています。短期間で急速に下落しているため、投資家の不安も強まっています。

村田製作所はスマートフォンや自動車向けの電子部品で世界的な競争力を持っています。ただし、スマートフォン需要や世界景気、為替、顧客企業の在庫調整などの影響を受けます。

優良企業であっても、外部環境が悪化すれば株価は大きく下落する可能性がある点に注意が必要です。

ソフトバンクグループも約9%安

AI・半導体投資との関連が深いソフトバンクグループも、約9%下落しました。

動画では、高値圏の9,000円前後から5,400円前後まで下げ、半値に近づく大幅な調整になっていると説明されています。

ソフトバンクグループの企業価値は、保有する投資先の評価額に大きく左右されます。特にAIや半導体関連企業への期待が後退する場面では、保有資産価値の低下を警戒した売りが出やすくなります。

現在の株価は押し目なのか

半導体関連株が大きく下落したことで、「今が買い場ではないか」と考える投資家もいるでしょう。

今回の下落が一時的な調整にすぎず、半導体株が再び過去の高値を目指すのであれば、現在の株価は魅力的な押し目になる可能性があります。

しかし、下落が始まったばかりであれば、ここからさらに株価が下がることも考えられます。

動画では、半導体株への投資を検討する場合でも、資金のすべてを一度に投入するのではなく、少額で購入することが提案されています。ポートフォリオの一部にとどめ、「投資を楽しむ」程度の金額で参加するという考え方です。

このような局面では、時間を分けて購入する分散投資も有効です。

例えば、投資予定額を3回から5回に分けておけば、最初の購入後にさらに下落した場合でも、より低い価格で追加購入できます。反対に、株価がすぐに反発した場合でも、少なくとも一部は保有できています。

底値を正確に当てることは極めて困難です。したがって、購入価格だけでなく、投資する時期も分散することがリスク管理につながります。

米国企業の決算が次の相場を左右する

動画では、翌週以降に予定されている米国企業などの決算発表が、半導体株の方向性を左右する可能性があると指摘されています。

注目企業として挙げられているのは、Alphabet、Intel、SKハイニックスなどです。

Alphabetの決算では、生成AI関連投資やデータセンター向け設備投資の動向が注目されます。AIサービスの拡大に伴って設備投資が継続されれば、半導体関連企業にとって追い風となる可能性があります。

一方、AI投資の収益化が遅れている、あるいは設備投資の伸びが鈍化していると判断されれば、半導体株への警戒感がさらに強まるかもしれません。

IntelやSKハイニックスの決算も、半導体市場の需要や在庫、製品価格の動向を確認するうえで重要です。

決算発表の前後では株価が大きく動くことがあります。好決算なら急反発する可能性がある一方、予想を下回れば一段安になることもあります。

そのため、決算発表をまたいで保有するかどうかは、投資家にとって非常に難しい判断になります。

短期的な値動きを狙う場合には決算発表が大きなリスクになりますが、長期投資であれば、一時的な価格変動よりも企業の競争力や利益成長が維持されているかを確認することが重要です。

夏枯れ相場にも注意が必要

動画では、今後「夏枯れ相場」になる可能性にも触れています。

夏枯れ相場とは、夏休みの時期に市場参加者が減少し、株式市場の売買が低調になる状態です。日本ではお盆休み、海外ではバカンスシーズンが重なるため、7月後半から8月にかけて取引量が減ることがあります。

売買が減少すると株価が動かなくなる場合もありますが、少ない注文でも価格が大きく動きやすくなる場合があります。

特に現在のように投資家心理が不安定な局面では、買い手が少ないなかで売り注文が増え、下落が加速する可能性があります。

反対に、悪材料が一巡すれば売り手も減り、急反発することも考えられます。夏枯れ相場では方向感が乏しくなるだけでなく、突発的な値動きにも注意が必要です。

半導体株だけでなく銀行株も全面安

この日の大きな特徴は、半導体株だけでなく銀行株も急落したことです。

動画の発信者は銀行株を主力として保有しており、1日で資産が大きく減少したと述べています。最近の相場では銀行株が好調だったため、それまで増えていた含み益の一部が、今回の下落によって失われました。

銀行株は金利上昇による利ざや改善への期待や、株主還元の強化などを背景に買われてきました。しかし、株価が短期間で上昇していたため、相場全体が崩れた場面で利益確定売りの対象になった可能性があります。

みずほフィナンシャルグループが約6%下落

動画発信者の主力銘柄であるみずほフィナンシャルグループは、約6.04%下落し、株価は約500円値下がりしました。

大型銀行株が1日で6%前後下落するのは大きな動きです。これまで銀行株を多く保有していた投資家ほど、資産全体への影響も大きくなります。

ただし、動画では直近の銀行株が上昇しすぎていたことから、今回は過熱感を解消するリバランスの側面もあるのではないかと分析しています。

投資家が半導体株の損失を補うため、含み益のある銀行株を売却した可能性もあります。相場全体が急落したときには、業績の悪い銘柄だけでなく、利益が出ている銘柄も換金の対象になりやすいためです。

三菱UFJと三井住友FGも大幅安

三菱UFJフィナンシャル・グループも約4.3%下落しました。

三菱UFJは時価総額でトヨタ自動車と上位を争うほどの大型株です。そのため、三菱UFJの下落はTOPIXなどの株価指数にも影響を与えます。

三井住友フィナンシャルグループも約4.4%下落しました。動画内では、7,000円前後だった株価が6,700円前後まで下がったと説明されています。

もっとも、現在の株価ですぐに割安と判断できるかについては慎重な見方も示されています。今後さらに下落して配当利回りが3%前後まで上昇すれば、購入を検討できる水準になる可能性があるとの考えです。

高配当株は株価が下落すると、1株当たり配当金が変わらない限り配当利回りが上昇します。ただし、業績悪化によって減配されれば、想定していた利回りを得られない可能性があります。

配当利回りだけでなく、利益の安定性、自己資本、配当性向、過去の減配実績なども確認する必要があります。

地方銀行も軒並み下落

銀行株への売りは、メガバンクだけではありませんでした。

動画では、株価下落率ランキングに多くの地方銀行が並んでいたことが紹介されています。

北洋銀行は約8.7%下落し、そのほかにも百五銀行、北國フィナンシャルホールディングス、山梨中央銀行、佐賀銀行、京葉銀行などが大きく売られました。

さらに、山形銀行、栃木銀行、大分銀行、富山第一銀行など、全国の地方銀行にも下落が広がっています。

一部の地方銀行では、株価下落によって配当利回りが3%を超える水準になり、インカム投資の観点から魅力が高まっている銘柄もあるとされています。

ただし、地方銀行にはそれぞれ異なる経営課題があります。

人口減少や地方経済の縮小、貸出先の減少、他行との競争、保有債券の評価損など、確認すべきポイントは少なくありません。単に配当利回りが高くなったという理由だけでなく、地域の経済基盤や財務内容まで確認することが重要です。

銀行株急落の明確な原因は見つからず

動画では、この日に銀行株が大きく下落した理由について、明確なニュースは確認できなかったと説明されています。

半導体株の場合は米国SOX指数の下落やTSMCの決算など、分かりやすい材料がありました。一方、銀行株については、業績見通しを大きく変えるような個別材料が見当たらなかったということです。

そのため、銀行株の下落は複数の要因が重なった可能性があります。

まず考えられるのは、直近の上昇に対する利益確定売りです。銀行株は金利上昇への期待などから買われていたため、相場全体が不安定になった場面で利益を確保する動きが広がったとみられます。

次に、半導体株などで損失が発生した投資家による換金売りです。投資家は損失を補填するため、利益が出ている銀行株を売ることがあります。

また、機関投資家がポートフォリオ全体のリスクを落とすため、保有比率の高い大型株を売却した可能性もあります。

個別の悪材料がない状態で大幅に下落した場合、短期的には買い場になることもあります。しかし、市場全体の資金が流出している局面では、割安感だけで買ってもさらに下がる可能性があります。

下落時こそポートフォリオの分散が重要

今回の相場では、半導体株と銀行株が同時に下落しました。両方の業種を多く保有していた投資家は、資産全体が大きく減少した可能性があります。

複数の銘柄を保有していても、同じ業種や同じテーマに偏っていれば、十分な分散にはなりません。

例えば、キオクシア、レーザーテック、ディスコ、アドバンテストを保有していた場合、銘柄数は4銘柄ですが、いずれも半導体関連です。半導体セクター全体が売られれば、4銘柄が同時に下落する可能性があります。

分散投資では、銘柄数だけでなく業種や収益構造の違いを見ることが大切です。

今回のような下落相場でも、通信関連株は比較的強い動きを見せました。景気敏感株だけでなく、通信、食品、医薬品、電力・ガスなど、収益が比較的安定した業種を組み合わせることで、ポートフォリオ全体の変動を抑えやすくなります。

株主優待を新設した銘柄にも注目

動画の後半では、相場全体が下落するなかで発信者が注目した個別銘柄も紹介されています。

最初に取り上げられたのは、前日に特別株主優待と通常優待の新設を発表した銘柄です。

動画によると、300株を保有することで8月に1万円分の記念優待を受け取れ、翌年3月以降も一定の条件を満たすことで1万円相当のQUOカードがもらえる内容とされています。

高配当に加えて株主優待も受け取れるため、総合利回りの観点では興味深い銘柄です。一方、優待を受けるには300株が必要であり、必要な投資金額も大きくなります。

株主優待の新設は短期的な株価上昇材料になることがありますが、優待の継続が保証されているわけではありません。企業の負担が大きくなれば、将来的に内容が変更されたり廃止されたりする可能性もあります。

優待だけではなく、本業の収益力や財務状態、配当方針を確認する必要があります。

オリエンタルランドの株価は回復傾向

オリエンタルランドも、動画内で注目銘柄として紹介されています。

株価は一時大きく下落していましたが、最近は徐々に値を戻していると説明されています。ただし、直近では2,100円前後まで下落した時期もあり、何らかの悪材料をきっかけに再び大きく値を下げる可能性もあります。

オリエンタルランドを巡っては、東京ディズニーリゾートの入園料金引き上げも話題になっています。

動画では、入園料金が約1万2,400円となり、約1,500円の値上げになったと紹介されています。価格変動制が採用されているため、実際の料金は入園日によって異なりますが、家族連れにとって負担が大きくなっていることは確かです。

「夢の国」と値上げの難しい関係

動画では、東京ディズニーランドが「夢の国」であるからこそ、料金の値上げに反発を感じる人が多いのではないかという意見が語られています。

以前のディズニーランドでは、所得の違いにかかわらず、基本的に同じ列へ並び、順番を待つという公平性がありました。しかし現在は、有料の優先案内サービスが導入され、追加料金を支払えば待ち時間を短縮できる仕組みがあります。

こうした制度について、資金力による体験の差が広がり、かつてのディズニーランドの理念とは異なるのではないかという見方もあります。

入園料についても、以前は5,000円前後だった時代がありました。現在の1万円を超える料金では、子どもの多い家庭が気軽に訪れることは難しくなります。

一方、オリエンタルランドも従業員を雇用し、施設を維持し、新しいアトラクションに投資しなければなりません。人件費や建設費、エネルギー価格などが上昇するインフレ環境では、料金の引き上げが避けられない面もあります。

利用者にとっての公平性と、企業が事業を継続するための収益性をどのように両立するかが、今後の重要な課題です。

サンリオも株価を回復

サンリオについても、一時は株価が大きく下落していたものの、最近は回復していると紹介されています。

サンリオはハローキティをはじめとする人気キャラクターを保有し、国内外でライセンス事業を展開しています。テーマパーク運営だけに依存せず、キャラクター商品の販売や企業とのコラボレーションなど、複数の収益源を持っていることが特徴です。

キャラクタービジネスは流行の影響を受ける一方、世界的なブランド力を確立できれば、高い利益率を維持できる可能性があります。

下落相場で通信株が底堅い理由

日経平均株価が大幅に下落するなか、通信関連株は比較的強い動きを見せました。

動画ではKDDIが年初来高値を更新し、NTTも最近はしっかりした値動きになっていると紹介されています。

通信事業は、景気が悪化しても需要が急減しにくいと考えられています。スマートフォンやインターネットは生活に欠かせないインフラであり、消費者が利用を完全にやめる可能性が低いためです。

このように景気変動の影響を受けにくい銘柄は「ディフェンシブ銘柄」と呼ばれます。

相場が好調なときには、半導体株などの成長株に比べて株価の上昇が限定的になることがあります。しかし、市場全体が不安定になると、安定した収益や配当を求める資金が流入しやすくなります。

今回の相場は、成長株とディフェンシブ株を組み合わせる重要性を示す事例といえるでしょう。

株価が半値になっても耐えられる投資額を考える

動画で繰り返し強調されているのは、値動きの大きい銘柄へ投資する場合は「ほどほど」にする必要があるという点です。

半導体株は、成長期待によって短期間で2倍になる可能性があります。しかし、今回のキオクシアや太陽誘電のように、高値から半値以下になることもあります。

投資前には、保有株が半値になった場合にどの程度の損失になるかを計算しておくべきです。

例えば100万円を投資して株価が半分になれば、評価額は50万円となり、50万円の含み損が発生します。一方、投資額を20万円に抑えていれば、同じ50%の下落でも損失は10万円です。

銘柄の将来性だけでなく、最悪の値動きが起きた場合に生活や精神状態へどの程度影響するかを考えることが、長く投資を続けるうえで重要です。

急落後に確認したい3つのポイント

今回のような急落が起きた後は、慌てて売買するのではなく、状況を整理する必要があります。

企業の成長シナリオが崩れたのか

まず確認したいのは、株価が下がっただけなのか、企業の成長シナリオそのものが崩れたのかという点です。

市場全体の下落に巻き込まれただけで、企業の業績や競争力に変化がなければ、長期投資家にとっては買い場になる可能性があります。

一方、需要の減少や競争力の低下によって将来利益が減るのであれば、株価が下がったからといって割安とは限りません。

株価に過大な期待が織り込まれていなかったか

次に確認すべきなのは、下落前の株価が将来の成長を過度に織り込んでいなかったかという点です。

優良企業であっても、株価が高すぎれば投資収益は悪化します。企業の質と株価の割安さは、分けて考える必要があります。

保有比率が大きくなりすぎていないか

最後に、特定の銘柄や業種へ資金が偏っていないか確認します。

株価上昇によって半導体株の評価額が増え、意図せずポートフォリオ内の比率が高くなっていた可能性もあります。急落時の損失が想定以上に大きかった場合、保有比率を見直す必要があります。

まとめ

7月17日の日本株市場では、日経平均株価が一時4,000円を超えて下落し、終値でも前日比2,694円安となりました。前日の米国SOX指数の急落やTSMCの先行きへの警戒感を背景に、半導体関連株が下落を主導しました。

なかでもキオクシアは、前日の約15%安に続いて約16%下落し、ストップ安となりました。高値からは半値以下となっており、急落後の安易な押し目買いが大きな損失につながる危険性を示しています。

SUMCO、信越化学工業、レーザーテック、ディスコ、アドバンテスト、東京エレクトロンなども大幅に下落しました。さらに太陽誘電、村田製作所、ソフトバンクグループなど、半導体周辺やAI関連の銘柄にも売りが波及しています。

加えて、みずほフィナンシャルグループ、三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井住友フィナンシャルグループをはじめ、地方銀行も軒並み下落しました。銀行株については明確な個別材料が確認できず、直近の上昇に対する利益確定や、他銘柄の損失を補うための換金売りが影響した可能性があります。

一方、KDDIやNTTなどの通信株は比較的底堅く、下落相場におけるディフェンシブ銘柄の役割が改めて意識されました。

半導体株が再び高値を目指すのであれば、現在の株価は押し目になる可能性があります。しかし、下落相場が終わったと断定することはできません。今後はAlphabet、Intel、SKハイニックスなどの決算や、夏枯れ相場による売買減少にも注意が必要です。

急落した銘柄を購入する場合は、一度に資金を投入せず、購入時期と投資額を分散することが大切です。特に値動きの大きい半導体株については、ポートフォリオの一部にとどめ、株価が半値になっても耐えられる範囲で投資する必要があります。

株価が大きく動くと、恐怖や欲が投資判断を左右しやすくなります。しかし、こうした局面こそ、自分の投資目的、保有比率、許容できる損失を冷静に見直すことが重要です。

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