本記事は、YouTube動画『日本株は10月に底入れか?FRB・日銀利上げとNVIDIA決算、AI相場の今後を徹底解説』の内容を基に構成しています。
日本株はこのまま調整が続くのか、それとも再び上昇局面へ向かうのでしょうか。
今回の動画では、日本株の底入れ時期を考えるうえで重要となる米国の金融政策、日銀の利上げと量的引き締め、NVIDIAの決算、AIデータセンター投資の先行きなどが幅広く取り上げられています。
特に注目されているのが、「10月初旬から10月末にかけて日本株が底入れする可能性」です。
一方で、FRBによる利上げや日銀の金融引き締め、AI関連投資の減速、クレジット市場の悪化などが重なれば、底入れが年末までずれ込むシナリオも否定できません。
ここでは動画の内容をできるだけ詳しく整理しながら、これから日本株を見るうえで重要になるポイントを初心者にも分かりやすく解説します。
日本株は長期では強気、短期では調整局面との見方
動画の大きな前提となっているのは、「長期的な日本株への強気姿勢は変わらないものの、短期的にはまだ不安定な相場が続く可能性がある」という見方です。
これまで日本株の底入れ候補として、
- 8月SQ前後
- 10月初旬
- 年末
という3つのタイミングが想定されていました。
実際、8月SQの週には相場が調整しましたが、本格的な底入れとはならなかったとの見方が示されています。
そのため次の有力な候補として浮上しているのが10月です。
動画では、うまくいけば10月に底を付け、そこから株価がしっかり上昇していく可能性があるとしています。
さらに最近の状況を踏まえると、「年末まで底入れしない」という最悪シナリオの確率は以前より低下してきた可能性もあると分析されています。
FRBは9月に利上げするのか
相場を不安定にしている最大の材料の1つが、米国の金融政策です。
ジャクソンホール会議後、米国では利上げへの警戒感が強まり、米2年債利回りも急上昇しました。
市場が再びFRBの利上げを織り込み始めたためです。
しかし動画では、米国経済の実態を見る限り、「そもそも利上げする必要があるのか」という疑問が示されています。
雇用にはすでに減速の兆候
まず注目されているのが雇用です。
ADP雇用報告などを見ると、直近の米国雇用は明らかに勢いが弱くなっているとされています。
公式の雇用統計についても前回の内容が弱く、修正後の数字を見ても低い水準にあることから、今後発表される雇用統計もそれほど強い内容にはならない可能性が指摘されました。
通常であれば、雇用が減速している局面で中央銀行が追加利上げを行う必要性は低くなります。
米国の個人消費も強くない
さらに消費についても勢いが鈍っています。
動画では小売売上高や既存店売上などを例に挙げ、米国の消費が利上げを必要とするほど過熱している状況ではないと説明しています。
つまり、
「景気が強すぎるから利上げする」
という一般的な構図にはなっていないということです。
インフレ指標ではPCEがポイントに
それでもFRBが警戒する理由の1つがインフレです。
特にFRBが重視するPCEデフレーターでは、医療費などの影響が比較的大きく出ます。
PCEでは個人が直接支払った医療費だけでなく、保険会社や企業などが負担する部分も計算に含まれます。
そのため医療費が上昇すると、インフレ率が高めに出やすい面があります。
一方、CPIについては住宅価格などから今後落ち着いてくる可能性も指摘されています。
ガソリン価格が多少上昇したとしても、中古車価格などが下落していれば一部を相殺できます。
こうした状況から、経済の実態だけを考えれば「9月に利上げしなければならない状況には見えない」というのが動画で示された見方です。
FRBのタカ派姿勢は「口先介入」の可能性も
もう1つ興味深いのが、FRBの強気な姿勢そのものが政策手段になっている可能性です。
動画では、FRB議長のタカ派的な発言について、「実際に利上げするというより、市場を牽制するためのポーズではないか」という見方も紹介されています。
中央銀行が実際に利上げをしなくても、
「必要なら利上げする」
という強い姿勢を見せれば、市場参加者が金融引き締めを意識します。
結果として、金融市場に一定の引き締め効果を与えることができます。
実際の政策金利を動かさず、発言だけで市場を動かせれば、中央銀行にとって非常に効率的な政策となります。
動画では特に、米国の長期金利上昇を抑えるためにこうした姿勢が利用されている可能性が指摘されています。
ただし、実際に利上げする可能性が完全に否定されているわけではありません。
もし利上げするとしても、連続的な利上げサイクルに入るのではなく、「1回限りの威嚇射撃」のような利上げになる可能性があるとの見方も示されました。
米長期金利は今後低下する可能性
株式市場にとって重要なのは政策金利だけではありません。
企業の資金調達や住宅ローン、株式のバリュエーションに大きな影響を与える長期金利も重要です。
動画では、9月以降、米国の長期金利が低下する可能性があるとしています。
その理由の1つとして挙げられているのが、米財務省による長期債への対応です。
短期債を発行しながら長期債を買うような「ツイストオペレーション」に近い政策が行われれば、市場全体の資金量を大きく増やさなくても長期金利を押し下げる効果が期待できます。
過去には2011年にFRBがツイストオペレーションを実施し、その後に長期金利が低下しました。
動画では、こうした政策によって長期金利が下がれば、米国住宅市場にもプラスになる可能性があるとしています。
米住宅市場の回復で日本企業にも恩恵か
米国では高金利の影響によって、若い世代を中心に住宅を購入しにくい状況が続いています。
その対策として動画で取り上げられたのが、超長期の住宅ローンです。
住宅ローン期間を長くすれば、毎月の返済額を抑えることができます。
過去に長期住宅ローンが拡充された局面では、住宅価格が上昇した例も紹介されています。
長期金利の低下と住宅ローン支援が同時に進めば、米国住宅市場が再び活性化する可能性があります。
そして、ここで注目されるのが日本の住宅関連企業です。
日本の大手住宅メーカーは米国の住宅会社を積極的に買収しており、米国住宅市場で大きな存在感を持つ企業もあります。
そのため米国住宅市場が回復すれば、日本の「米国住宅関連銘柄」が恩恵を受ける可能性があります。
日本株の底入れは10月が有力と考える理由
では、なぜ10月が日本株の底入れ時期として注目されているのでしょうか。
1つは米国株の季節性です。
過去の大統領サイクルを見ると、中間選挙の年は9月から10月にかけて株価が調整しやすい傾向があります。
特に夏休みが終わり、レイバーデーを過ぎてファンドマネージャーが市場に戻ってくると、10月末に向けて税務上の損出し売りが行われることがあります。
米国の投資信託では、利益と損失を調整するため、含み損を抱えている銘柄が売却されやすくなります。
今年のように株価が大きく上昇した後に下落している銘柄が多い場合、利益確定と損出しが重なり、9月から10月の株価を押し下げる可能性があります。
逆に考えれば、その売りが一巡する10月は底値を形成しやすい時期でもあります。
「ハロウィン効果」も10月底入れを示唆
株式市場には「ハロウィン効果」と呼ばれる有名なアノマリーがあります。
一般的には10月末頃に株を買い、翌年春まで保有する戦略が比較的良いパフォーマンスになりやすいという経験則です。
動画でも、10月末から半年程度株を保有する戦略は過去のデータで効果が高かったと説明されています。
さらに日本では、10月末頃から上場企業の中間決算発表が本格化します。
第1四半期の段階ですでに好業績だった企業については、中間決算で上方修正が増える可能性があります。
企業業績の強さが再確認されれば、それが日本株の底離れにつながるというシナリオです。
そのためインデックスを長期保有する投資家にとっては、9月から10月の調整局面を「仕込み時」と捉える考え方も紹介されています。
日銀の利上げとQTが日本株のリスクに
日本株については米国だけでなく、日銀の金融政策にも注意が必要です。
動画では、日銀による利上げだけでなく「QT(量的引き締め)」が重要だと指摘されています。
量的引き締めとは、中央銀行が保有資産を減らし、市場に供給していた資金を回収していく政策です。
日銀のバランスシートが縮小すれば、市場から資金が吸収され、長期金利が上昇しやすくなります。
問題は、その影響がすでに企業活動に表れ始めている可能性があることです。
金利上昇で設備投資が減少
動画では、日本の実質長期金利が上昇する一方、企業の設備投資計画が低下している点が紹介されています。
企業が設備投資を行う場合、多くのケースで資金調達が必要になります。
金利が高くなれば当然、投資のハードルも上がります。
設備投資は企業の将来成長につながるだけでなく、日本経済全体の成長や日経平均にも深く関係します。
そのため日銀が利上げとQTを同時に進め、長期金利がさらに上昇した場合、企業活動や株価への重しになる可能性があります。
さらに金利上昇が続けば、財務体質の弱い企業の倒産が増える可能性もあります。
上場企業は金利上昇に耐えられるとの見方も
ただし、ここでは異なる見方も紹介されています。
倒産が増えている企業と、日本を代表する上場企業を同じように考える必要はないという意見です。
長期間の低金利環境で生き残ってきた収益力の低い企業が金利上昇によって淘汰される一方、大企業には豊富な現金を持つ会社が少なくありません。
日本の上場企業は「キャッシュリッチ」であり、現在程度の金利上昇であれば十分耐えられる可能性があります。
むしろ世界的に資金調達コストが高まるなか、すでに多額の現金を持つ日本企業が「安全な資金の置き場所」として評価される可能性もあるとしています。
NVIDIA決算は好調でも注意点が残る
ここから動画ではAI相場について詳しく分析しています。
市場の注目を集めたNVIDIAの決算は、市場予想を上回る内容でした。
NVIDIAの場合、現在は需要不足よりも「どれだけ製品を作れるか」の方が重要な状況です。
作れば売れる状態が続いているためです。
そこで重要になる指標が粗利益率です。
NVIDIAは新しいGPUを投入するタイミングで、製造コストなどの影響から一時的に粗利益率が低下する傾向があります。
今回も次世代製品「Rubin」の投入を前に、年末まで粗利益率が低下するというガイダンスが示されたと説明されています。
その背景には、高価なメモリーを多く搭載することで製造原価が上昇する事情があります。
会社側は、粗利益率の低下について「製造できている証拠」という趣旨の説明をしたとされています。
NVIDIAの「70%増収」をどう見るか
一方で注目を集めたのが、翌年の増収率に関する見通しです。
動画では約70%という高い増収率が示されたと説明されています。
数字だけを見ると非常に大きな成長です。
しかし現在の増収率が約100%に近いのであれば、70%という数字は「成長率が低下していく」ことも意味します。
さらに新製品の単価が高くなるのであれば、売上高が増えても販売数量そのものはそれほど増えない可能性があります。
ここがAI相場を見るうえで非常に重要なポイントです。
NVIDIAの売上成長率が鈍化すれば、AIデータセンター全体の設備投資も一時的に減速する可能性があります。
AI半導体の切り替えで日本企業にも一時的な谷
新しい半導体への切り替え時には、顧客が旧製品の購入を控える「買い控え」が発生する場合があります。
動画では、三重県などの電子部品・デバイス関連生産が一時的に3〜4割程度落ち込んだ例が紹介されています。
新世代製品Rubinの登場を待って、既存製品への投資が一時停止している可能性が考えられます。
一方、汎用メモリーの価格も高いため、メーカーがAI向け以外のメモリー生産に切り替えることで、生産の谷を埋める可能性もあります。
つまりAI関連企業の業績には一時的な落ち込みがあったとしても、「深く長い谷」にはならない可能性があるという見方です。
その確認材料として、10月末頃に発表される企業決算が重要になります。
AI相場では電源・空調・光電融合関連に注目
AI半導体そのものの動向が不透明な局面でも、比較的分かりやすい投資テーマがあります。
それがデータセンターのインフラです。
新しいGPUの投入時期が多少遅れたとしても、AI需要が拡大するのであればデータセンターそのものは必要になります。
データセンターには大量の電力が必要です。
さらに電源設備、送配電設備、冷却設備なども必要になります。
動画ではこうした観点から、電源やグリッド関連の企業に注目しています。
また次世代AIインフラでは、従来の電気信号だけでなく光信号を活用する「光電融合」関連技術も重要になる可能性があります。
AI処理量が増え続ければ、データ転送速度や消費電力を改善する技術への需要も拡大するためです。
AIエージェントやAIベンチャーにも恩恵
次世代GPUの性能向上は、半導体メーカーだけでなくAIを利用する企業にも恩恵をもたらします。
動画ではRubinについて、価格そのものは高くても処理性能が大幅に向上するため、同じ仕事を処理する場合の実質的なコストは低下する可能性があると説明されています。
高性能GPUが普及すると、データセンターの利用料金も低下しやすくなります。
そうなれば、
AIエージェント、AIロボティクス、AIベンチャーなど、大量のコンピューティング能力を必要とする企業にとって追い風です。
これまでAI相場はNVIDIAなど半導体企業が中心でしたが、今後は「AIを作る企業」から「AIを利用して事業を展開する企業」へ物色が広がる可能性があります。
Apple新製品とiPhone関連株にも注目
動画ではAI以外のテクノロジー関連テーマとしてAppleも取り上げられています。
9月のAppleイベントでは新型iPhoneが発表される可能性があり、折りたたみ型など新しい仕様への期待が紹介されています。
仮に画面面積が大きくなれば、ディスプレイ関連部材、フィルム、接着材料、バッテリーなどの使用量が増える可能性があります。
一方で、普及価格帯のモデルが従来通り発売されない場合、iPhone全体の販売数量が伸び悩む可能性もあります。
そのためAppleイベントの内容を確認したうえで、部品メーカーへの影響を考える必要があるとしています。
10月に底入れしなければ年末まで調整する可能性
10月底入れが基本シナリオとされていますが、それが外れる可能性もあります。
チェックポイントになるのが米国のクレジット市場です。
AI関連投資が減速し、ハイパースケーラーの収益成長率が低下すると、企業の信用リスクへの警戒が強まる可能性があります。
クレジットスプレッドが拡大する、つまり企業の信用リスクが高まる状況になれば、株式市場にも悪影響が及びます。
特に年末は資金需給が悪化しやすいため、クレジット市場の悪化が続いた場合、日本株の底入れが年末までずれ込む可能性があります。
したがって株式市場を見る際には、日経平均やTOPIXだけでなく、米国のクレジット市場も確認することが重要です。
不透明な相場では海運株も注目テーマ
最後に動画で紹介されているのが海運セクターです。
世界的な海運大手の株価が上昇していますが、その理由について動画では、中東情勢やスエズ運河だけでは説明できないとしています。
実際、上海から欧州向けのコンテナ運賃は下落する一方、上海からニューヨーク方面の運賃が上昇していると指摘されています。
ここで注目されているのがパナマ運河です。
パナマ運河では船を通航させるため大量の淡水が必要です。
水不足が発生すると通航できる船舶数が制限されるため、輸送能力が低下し、運賃が上昇しやすくなります。
動画では気象現象によってパナマ運河周辺の水不足が強まる可能性を指摘し、秋から冬にかけて運河の混雑が続けば、海運株に追い風になる可能性があるとしています。
AIや金融政策のように予測が難しいテーマに比べ、天候と運河の通航量という比較的分かりやすい材料で分析できる点もポイントです。
まとめ|10月底入れが基本シナリオだが金利とAI投資を確認
今回の動画では、長期的な日本株への強気姿勢を維持しつつ、短期的には9月から10月にかけて不安定な相場が続く可能性が示されました。
基本シナリオとして注目されているのは、10月初旬から10月末にかけての底入れです。
米国では季節的な株安要因や投資信託の損出し売りがあり、日本では日銀の利上げやQTへの警戒があります。そのため、10月までは上値の重い展開になる可能性があります。
しかし、その後は日本企業の中間決算で好業績や上方修正が確認されれば、株価が再び上昇局面へ入る可能性があります。
一方で最大のリスクは、FRBの金融政策、日銀の追加引き締め、米長期金利、そしてAIデータセンター投資の減速です。
特にNVIDIAの次世代GPUへの切り替えがデータセンター投資を一時的に止めるのか、それとも新たな成長につながるのかは、日本の半導体・電子部品企業にも大きな影響を与えます。
投資テーマとしては、AI半導体そのものだけでなく、データセンター向けの電源・空調・グリッド、光電融合、AIエージェント、AIベンチャーなどへの広がりも注目されます。
さらに米国住宅市場の回復を見据えた住宅関連株や、パナマ運河の通航制限を材料とした海運株など、AIとは異なるテーマにも投資機会が生まれる可能性があります。
現在の相場は、単純に「株高が続く」「暴落する」と決めつけられる状況ではありません。
10月底入れを基本シナリオとしながら、米国の長期金利、クレジット市場、日銀の金融政策、NVIDIAを中心としたAI投資の動向を確認していくことが、今後の日本株を考えるうえで重要になりそうです。


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