本記事は、YouTube動画『年代別1億円の影響と達成後のお金の使い方』の内容を基に構成しています。
「資産1億円」。
資産形成を続けている人にとって、1つの大きな目標として意識されやすい金額です。1億円あれば仕事を辞められるのではないか、老後のお金について悩まなくてもよくなるのではないか、あるいは裕福な暮らしを送れるのではないかと考える人も多いでしょう。
しかし、実際のところ資産1億円が持つ意味は、30代で達成するのか、60代で達成するのかによって大きく変わります。
さらに重要なのは、「いくら貯めるか」だけではありません。
資産形成に成功した後、そのお金をどのように使い、どのように守り、人生の豊かさにつなげていくのかまで考える必要があります。
動画では、資産1億円の定義から、1億円までの投資シミュレーション、30代・40代と50代・60代で異なる運用戦略、そして資産形成後に幸福度を高めるお金の使い方まで詳しく解説されています。
資産1億円は「富裕層」にあたる
まず確認しておきたいのが、一般的に資産1億円を持っている人がどのように位置づけられているのかという点です。
動画では、野村総合研究所が公表している富裕層の分類が紹介されています。
この分類では、純金融資産保有額が1億円以上5億円未満の世帯が「富裕層」とされています。
純金融資産とは、預貯金や株式、債券、投資信託、生命保険、個人年金保険などの金融資産から、住宅ローンなどの負債を差し引いた金額です。
一方で、不動産などは基本的にこの金融資産の中には含まれません。
そのため動画では、個人的な考え方として、保有するすべての資産からすべての負債を差し引いた「純資産」で考えた方が、その人の本当の資産状況を把握しやすいのではないかとも指摘しています。
資産1億円以上の世帯は約3%
動画内で紹介されている数字によると、富裕層は全世帯の約2.7%、さらに5億円以上を保有する超富裕層は約0.2%です。
つまり、資産1億円以上という括りで考えると、おおむね3%程度になります。
イメージとしては、学校のクラスに1人程度いるかどうかという水準です。
近年は株価上昇や円安、インフレなどによって資産1億円に到達する人が増えているとはいえ、日本全体で見れば依然として少数派であることが分かります。
1億円を年5%で運用すると年間500万円
資産1億円が大きな意味を持つ理由の1つが、「運用から生まれる利益」です。
仮に1億円を年利5%で運用できた場合、単純計算では年間500万円の利益になります。
動画では、日本人の平均年収が約478万円であることと比較し、「1億円を運用することは、平均的な労働者をもう1人持っているようなもの」と表現しています。
もちろん毎年確実に5%の利益が出るわけではありません。
しかし、1億円という元本が持つ資産形成上の力を理解するには分かりやすい例です。
年間500万円の利益に約20%の税金がかかると仮定すると、手取りは年間約400万円です。
月額に直せば約33万円となります。
住宅費や家族構成によって必要な生活費は変わりますが、月33万円程度の資金が運用収益から得られるのであれば、生活に対する安心感はかなり大きくなるでしょう。
1億円を作るには毎月いくら投資すればいいのか
では、一般的な会社員が資産1億円を作ろうとした場合、どの程度の積み立てが必要なのでしょうか。
動画では、ビジネスで大成功して一気に資産を築くケースではなく、インデックス投資を利用して長期間積み立てるケースを想定しています。
想定利回りを年5%とすると、1億円を作るために必要な毎月の積立額は次のようになります。
- 10年間:約64万7,000円
- 20年間:約24万6,000円
- 30年間:約12万2,000円
- 40年間:約6万7,000円
30年間であれば、月12万円前後の積み立てで1億円を目指せる計算になります。
一方、20年間で達成しようとすると毎月約24万6,000円が必要になります。
さらに15年間程度まで期間を短くすると、毎月40万円近い投資が必要となります。
つまり、1億円を目指す場合、「時間を味方につける」という考え方が非常に重要になるのです。
1億円あっても派手な贅沢生活ができるわけではない
ここで動画では、少し厳しい現実も紹介されています。
それは、「1億円があれば何でもできる」というわけではないという点です。
例えば60歳で1億円を保有しており、そこから毎月30万円ずつ生活費として取り崩すケースを考えます。
運用利回り5%を維持できれば、計算上は120歳になっても資産が枯渇しません。
一方、より安全な運用に切り替えて年2.5%程度になれば、資産がなくなる時期は106歳前後になります。
まったく運用せずに毎月30万円を取り崩した場合は、87歳台で資産がなくなる計算です。
この結果を見ると、1億円があれば比較的ゆとりある老後を送れる可能性は高いと言えます。
しかし、高級マンションに住み、高級車を何台も所有し、ブランド品を大量に購入するといった生活を一生続けられる金額ではありません。
一般的な生活より少し余裕があり、その生活を長期間続けられる安心感を得られる金額と考えた方が現実的です。
1億円ではなく5000万円を目標にする考え方
動画で特に興味深いのが、「必ずしも1億円を目指さなくてもいい」という考え方です。
例えば資産5000万円を目標とした場合、年利5%の想定では必要な積立額が大きく下がります。
- 10年間:約32万3,000円
- 20年間:約12万3,000円
- 30年間:約6万1,000円
月12万円程度を投資できる人であれば、1億円を30年間かけて目指す代わりに、約20年間で5000万円を作るという選択肢もあります。
そして60歳から5000万円を毎月20万円ずつ取り崩すケースでは、年利5%で運用できれば120歳になっても資産は枯渇しない計算になります。
年2.5%で運用した場合でも89歳前後、まったく運用しない場合でも80歳前後まで持つ計算です。
年金収入も加わることを考えれば、5000万円でも十分な老後資産になる人は少なくありません。
「老後の1億円」と「今使えるお金」のバランスを考える
ここで重要になるのが、人生全体でのお金の使い方です。
1億円を目指して今の生活を極端に犠牲にすることが、本当に豊かな人生につながるのでしょうか。
例えば毎月10万円を投資している人が、ある程度資産を築いた段階で積立額を2万円に減らし、残り8万円を旅行や食事、家族へのプレゼントなどに使うという考え方もあります。
これは、投資元本が大きくなるほど複利の影響が強くなり、追加投資の重要性が相対的に小さくなるためです。
動画の試算では、追加投資をせず年5%で運用した場合、1000万円を5000万円に増やすには約33年かかります。
しかし5000万円を1億円に増やす場合は、約14年3カ月まで期間が短くなります。
同じように、1000万円を3000万円に増やすには約22年7カ月かかる一方、3000万円を5000万円に増やすには約10年6カ月です。
資産額が増えるにつれて複利効果が強くなるため、一定額まで到達した後は「ひたすら入金する」というフェーズから、「資産そのものに働いてもらう」というフェーズへ移行する考え方も出てきます。
30代・40代で1億円を達成した場合
30代や40代で資産1億円を達成した場合、まだ長い運用期間が残されています。
そのため、一般論としてはある程度リスクを取りながら資産を増やしていく選択肢があります。
しかし、動画では「いくらまで増やしたいのか」という目標を明確にすることが重要だと説明しています。
1億円で十分だと考える人もいれば、3億円、5億円、10億円を目標とする人もいます。
どれが正解というわけではありません。
重要なのは、自分が人生で何を実現したいのかを考え、そこから必要な資産額を逆算することです。
「人生の究極の目標」から資産運用を考える
動画では、スイスのプライベートバンクが顧客に対して「あなたの人生の究極の目標は何ですか」と尋ねるという話が紹介されています。
これは「ゴールベースアプローチ」と呼ばれる考え方につながります。
単に「1億円欲しい」と考えるのではなく、
「どんな家に住みたいのか」
「どのような働き方をしたいのか」
「家族にどのような教育環境を用意したいのか」
「どの程度旅行や趣味を楽しみたいのか」
といった人生の目的を先に考えます。
そのうえで必要な資産額や運用方針を決めるのです。
5億円あればどの程度のキャッシュフローになるのか
動画では、より大きな資産を保有した場合の例として5億円も紹介されています。
5億円を運用した場合、
年利3%なら税引き後で年間約1200万円、
年利5%なら税引き後で年間約2000万円、
年利8%なら税引き後で年間約3200万円
という計算になります。
月額では、それぞれ約100万円、約167万円、約267万円です。
もちろん利回りが高くなるほど一般的にリスクも大きくなるため、この数字だけを見て投資判断をすることはできません。
それでも、元本が大きくなるほど運用によって生まれるキャッシュフローも桁違いに大きくなることが分かります。
資産額だけを追い続ける危険性
30代や40代で1億円を達成すると、さらに2億円、3億円と資産を増やしたくなる可能性があります。
資産形成を熱心に続けてきた人ほど、
「このお金を使わずに投資した方が将来もっと増える」
と考えやすくなります。
その結果、資産は増え続けているにもかかわらず、お金を使うことに罪悪感を持ち、人生の楽しさが増えていかないという状態になりかねません。
資産形成の目的は、証券口座の数字を増やすこと自体ではありません。
最終的には、お金を使って自分や家族の人生を豊かにすることです。
そのため、貯蓄と投資、そして消費のバランスを考える必要があります。
30代・40代で3億円以上持っている人の運用は2つに分かれる
動画では、30代・40代で3億円や5億円といったまとまった資産を持つ人の運用方針は、大きく2つに分かれると説明しています。
1つは、すでに築いた資産を比較的安全に運用し、「人生のセーフティネット」にする考え方です。
例えば3億円を年5%で運用すれば、年間1500万円程度の運用益が期待できる計算になります。
税引き後では約1200万円です。
この資産から生まれる収入で家族の最低限の生活を確保し、仕事や事業では再び積極的な挑戦をするという方法です。
もう1つは、「今後も自分で稼げる」という自信を背景に、3億円そのものを株式などのリスク資産で積極的に運用する方法です。
仮に一時的に損失が出ても、事業や労働収入でリカバリーできると考えるわけです。
どちらが正しいというものではなく、自分の収入、事業、家族構成、リスク許容度、人生の目標によって判断することになります。
50代・60代では「増やす」よりリスク管理が重要になる
50代、60代になってから資産1億円を保有している場合は、30代・40代とは考え方が変わってきます。
一般的には運用できる期間が短くなるため、資産を増やすことだけではなく、「大きく減らさないこと」が重要になります。
具体的には、最悪の状況が起こったとしても生活を維持できるかどうかを確認する必要があります。
住宅ローンを支払えるか。
会社経営者であれば運転資金は確保できているか。
不動産投資をしている場合は借入金の返済に問題はないか。
子どもの教育費を用意できるか。
現在の生活水準を維持できるか。
こうした点を確認します。
また、資産額が大きくても不動産など流動性の低い資産ばかりでは、急に現金が必要になったときに困る可能性があります。
最大ドローダウンを考えることが重要
投資におけるリスクを考えるうえで重要なのが「最大ドローダウン」です。
最大ドローダウンとは、一定期間における資産価格の最高値から最安値までの下落率を指します。
動画では、リーマンショック前後における株式市場の大幅下落が紹介されています。
日本人が米国株へ投資していたケースでは、株価下落に円高の影響も加わり、資産価値が70%近く下落する可能性もあったと説明されています。
100万円が30万円程度になるイメージです。
さらに、世界株式でもリーマンショック前後には非常に大きな下落が起きています。
大切なのは、「株式は長期的に上がる」という事実だけを見るのではなく、その途中では非常に大きな下落が起こる可能性があることです。
株価の10%程度の下落は珍しくない
動画では、S&P500の歴史的な値動きについても触れられています。
1950年以降のデータでは、
年間約3.4回は5%程度の下落、
年間約1.1回は10%以上の下落、
年間約0.5回は15%以上の下落
が発生していると紹介されています。
さらに数年に1度は20~30%程度の下落が発生し、より大きな暴落も長期的には起こります。
つまり、株価が下がること自体は異常ではありません。
長期投資を続けるのであれば、「暴落は起こるもの」という前提で資産配分を考える必要があります。
1億円の50%下落は精神的にも大きい
資産が大きくなるほど、同じ下落率でも金額のインパクトは大きくなります。
例えば500万円が50%下落した場合、損失額は250万円です。
これでも大きな損失ですが、働いて再び貯蓄することで取り戻せる可能性があります。
一方、1億円が50%下落すれば5000万円を失います。
一般的な会社員が労働収入だけで5000万円を再び作るのは簡単ではありません。
さらに50%下落した資産が元の価格へ戻るためには、そこから100%上昇する必要があります。
特に50代・60代で資産を取り崩す時期に入っている場合、「15年間持ち続ければ回復する」という考えだけでは対応できないケースがあります。
そのため、年齢が上がるほどリスクコントロールの重要性が高くなるのです。
お金があっても「使える時間」は無限ではない
資産形成を考えるうえで見落とされやすいのが、平均寿命と健康寿命の違いです。
口座に1億円あったとしても、健康上の理由で旅行へ行けなくなったり、食事を楽しめなくなったりすれば、お金を使って得られる経験は限られてしまいます。
動画では、人生の終盤で後悔しやすいこととして、
働きすぎなければよかった、
家族ともっと旅行しておけばよかった、
友人との交流を大切にすればよかった、
お金を惜しまず思い出を作ればよかった
といった内容が紹介されています。
もちろん、若いときにお金を使いすぎて老後資金が不足することも避けなければなりません。
しかし反対に、お金を貯めることだけに人生を使い、本当にやりたかったことをすべて先送りすることにもリスクがあります。
人生の最後に重要になるのは銀行口座の残高だけではなく、大切な人との思い出や、自分が納得できる人生を送れたかどうかです。
資産形成後におすすめされる10のお金の使い方
動画後半では、資産5000万円や1億円など、自分が目標としていた資産を作った後に「何へお金を使えばいいのか」というテーマについて10項目が紹介されています。
1.健康への投資
最初に挙げられているのが健康です。
どれだけ資産を築いても、健康を失えばそのお金を十分に活用できません。
若いうちは睡眠不足や食生活の乱れを軽視しがちですが、資産形成後は健康を人生全体のパフォーマンスを左右する重要な投資対象として考えることができます。
例えば、
良質な食材を使った食事、
定期的な運動やパーソナルトレーニング、
歯科の定期メンテナンス、
人間ドックや健康診断
などです。
健康寿命を1年でも長く延ばすことができれば、その分だけ旅行や趣味、家族との時間を楽しめる期間も長くなります。
2.時間の節約と利便性
資産形成後は「何でも自分でやって節約する」という発想から、「お金を使って時間を買う」という発想へ変えることもできます。
ロボット掃除機、食洗機、ドラム式洗濯乾燥機などの時短家電を導入したり、家事代行やタクシーなどを利用したりする方法です。
これらのサービスの価値は、単純に作業時間を短縮することだけではありません。
「掃除しなければならない」
「移動経路を調べなければならない」
といった日常の小さなストレスや判断回数を減らすことにもつながります。
そこで生まれた時間や精神的な余裕を、家族、趣味、読書、休息などに使えば、生活の質を高められます。
3.経験や思い出作り
旅行などの体験に使ったお金は、物を購入する場合とは違った価値を持ちます。
物は購入した瞬間が満足度のピークになることがありますが、旅行や経験は、その後も思い出として残ります。
特に年齢とともに体力は低下します。
だからこそ、健康で自由に動ける時期に新しい景色を見たり、家族と旅行したりすることには大きな意味があります。
人生の最後に残るものは、高価な物だけではありません。
「誰と、どこへ行き、何を経験したか」という記憶も人生の重要な資産になります。
4.書籍・学び・知識への投資
動画では、自己投資の中でも特に書籍への投資が高く評価されています。
1冊2000円程度の本でも、その著者が10年、20年かけて経験した成功や失敗を数時間で学べる場合があります。
投資、税金、不動産、ビジネスなどでは、知識不足によって数十万円、数百万円単位の損失につながることもあります。
反対に、事前に正しい知識を持っていれば、大きな失敗を回避できる可能性があります。
また、本や学習環境は本人だけでなく家族にも影響します。
家庭の中に本を読む習慣があれば、子どもにも良い影響を与える可能性があります。
そして学びの最大の価値は、単にお金を増やすことではありません。
知らなかった世界を知り、自分の人生に新しい選択肢を増やすことです。
5.家族や大切な人への還元・親孝行
自分1人のために贅沢を続けても、人は次第にその生活に慣れてしまいます。
一方、誰かを喜ばせるために使ったお金は、別の種類の幸福感につながります。
親が元気なうちに旅行へ連れていく。
美味しい食事をごちそうする。
生活を便利にする家電をプレゼントする。
子どもに質の高い教育や海外旅行などの経験を与える。
こうした支出は、単なる消費ではなく、家族の記憶として長期間残る可能性があります。
苦労して築いた資産を自分だけで抱えるのではなく、大切な人を幸せにするために使うという考え方です。
6.生活の質や住居環境の改善
人生の中で自宅にいる時間は非常に長いため、住環境を改善することも有効なお金の使い方です。
広さ、日当たり、静かさ、生活動線など、自分や家族が毎日快適に過ごせる環境を作ります。
見栄のためだけに高級な物を購入するのとは異なり、毎日利用する環境を改善する支出は、日々の幸福度に直接影響します。
特に睡眠環境は重要です。
人は人生の約3分の1を睡眠に使います。
自分に合ったマットレスや枕、静かな寝室などにお金を使い、睡眠の質を高めることができれば、日中の集中力や判断力、メンタルにも良い影響を与える可能性があります。
7.豊かな食事や外食体験
食事も幸福感を高めやすい支出の1つです。
ここでいう豊かな食事とは、単純に高級店へ行くことではありません。
本当に美味しいと思える料理を、大切な人と心地よい空間で楽しむことです。
家族やパートナー、気心の知れた友人とテーブルを囲み、食事をしながら会話をする時間には、単に空腹を満たす以上の価値があります。
高価であることよりも、「誰と」「どのような時間を過ごすか」を重視する考え方です。
8.自由な時間と選択肢を確保する
資産形成の大きなメリットの1つが、「やりたくないことを断れる自由」です。
お金に余裕があれば、理不尽な人間関係や強いストレスを伴う仕事から距離を置きやすくなります。
例えば職場の近くへ引っ越して通勤時間を短縮することもできます。
休日の混雑を避けて平日に旅行することもできます。
フルタイム勤務から時短勤務へ変更したり、サイドFIREのような働き方へ移行したりすることも可能になります。
資産形成の本当の価値は、「贅沢品を買えること」よりも、自分の時間の使い方を自分で決められることにあるのかもしれません。
9.趣味や自己実現
資産形成を終えた後に起こりやすい問題として、「時間はあるのに夢中になれるものがない」という状態があります。
仕事だけを人生の中心にしていると、仕事から離れたときに孤独感や虚無感を感じることがあります。
そのため、資産形成と並行して、自分が心から楽しめる趣味を見つけておくことも重要です。
楽器、アート、写真、スポーツ、創作活動、新しい事業への挑戦など、損得とは関係なく「好きだからやる」と思えることに時間とお金を使います。
こうした活動を通じて新しい仲間と出会い、家庭でも職場でもない「第3の居場所」を作ることもできます。
10.社会への還元と次世代への承継
最後に紹介されているのが、自分の資産を社会や次世代へ循環させる考え方です。
自分のためだけにお金を使っていると、いずれ満足感には限界が訪れる可能性があります。
一方で、これまで支えてくれた人への恩返し、地域社会への貢献、寄付、子どもや孫への教育支援などにお金を使うことで、異なる種類の幸福感を得られる可能性があります。
例えば、子どもや孫の教育費を支援したり、海外経験や新しい挑戦の機会を与えたりする方法があります。
自分が築いた資産によって誰かの人生に新しい選択肢が生まれることは、お金の非常に大きな価値の1つと言えるでしょう。
資産形成のゴールは「口座残高を最大化すること」ではない
資産形成では「いくら貯めるか」という数字が注目されがちです。
1000万円を達成したら3000万円。
3000万円を達成したら5000万円。
5000万円を達成したら1億円。
1億円を達成したら2億円、3億円。
このように目標は際限なく上がっていきます。
しかし、本来お金は人生を良くするための手段です。
資産形成だけに集中し続け、人生の最後に巨大な資産を残したとしても、そのために旅行や家族との時間、健康、趣味などをすべて犠牲にしていたのであれば、それが本当に理想的な人生だったのかは考える必要があります。
だからこそ、「いくらあれば十分なのか」を自分なりに決めることが重要になります。
まとめ
資産1億円は、日本では依然として大きな資産です。
年5%で運用できれば年間500万円程度の利益になる計算であり、生活に大きな安心感をもたらす可能性があります。
一方で、1億円を持っているからといって、一生無制限に贅沢できるわけではありません。
また、30代・40代で1億円を持つのか、50代・60代で持つのかによっても運用方針は変わります。
若いうちは長い運用期間を生かしてリスク資産を持ち続ける選択肢がありますが、資産を取り崩す年代になれば、大きな暴落から資産を守ることも重要になります。
そして最も重要なのは、資産形成そのものを人生の目的にしないことです。
5000万円や1億円など、自分が目標としていた資産を作れたのであれば、健康、時間、経験、学び、家族、住環境、食事、自由、趣味、社会への還元などへお金を使うことも考える必要があります。
お金は貯め込むだけでは価値を十分に発揮しません。
自分や大切な人の人生を豊かにし、自由な時間や選択肢を増やすために使って初めて、その資産が持つ力を実感できるのではないでしょうか。
「1億円を作ること」を最終ゴールにするのではなく、「その1億円でどのような人生を送りたいのか」。
そこまで考えて資産形成を進めることが、本当の意味での経済的自由につながっていきます。


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